あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

侍の使い魔-4

トリステイン魔法学院の食堂は、学院の一番高い、真ん中の本塔にある。
 食堂には生徒、先生問わず学院のメイジ達が集まっており、百人は優に座れるであろう、
 テーブルが三つ並んでいる。
 内装は豪華絢爛であり、テーブルにはロウソクや花が飾られている。
 だが銀時は特に興味はなさそうだ。
「メイジはほぼ全員が貴族だから。だからトリステイン魔法学院では貴族たるべき教育を存分に受けるのよ。
 だから食堂も貴族の食卓にふさわしいものでなければならないのよ」
「へ~」
 隣でルイズが得意げに何か言っているが銀時はそれを冷めた目で見ている。
「わかった、ホントならあんたみたいな平民『アルヴィーズの食堂』には一生入れないのよ。感謝してよね」
「ああ、わかった。庶民の血税がこんなところに消えているのが良くわかった」
 銀時は鼻をほじりながら皮肉をかました。
「ぐっ!ちょっとあんた鼻なんかほじらないでよ、恥ずかしいわね、ホントに下品なんだから」
「うるせえな、お前は俺の母ちゃんですか」
 ―とにかくこいつに自分が使い魔って事を自覚させてやるんだから。
 ルイズはこの生意気でとらえどころの無い使い魔に質素で貧しい食事を床で食べさせることによって
 自分がいかに上の立場にいて、銀時がいかに下の立場か自覚させようとしていた。
「いいから、椅子引いてちょうだい、気がきかない使い魔ね」
「へいへい」
 そう言って銀時は椅子を引く。
「あんたのはそれだから」
 ルイズは床にある皿を指差した。
「なあ、ルイズ」
「何よ」
 ―文句言ってきたらひどいんだから。
「これってどういう差恥プレイ?」
 銀時の言葉に回りはざわつく。
「聞いたかよ、差恥プレイだって」
「使い魔相手に・・」
「さすが(?)ゼロのルイズだな」
「不潔・・」
 周りから聞こえてくる声にルイズは耳まで真っ赤になる。
「ん、どうした、ゆでたこみたいになってぞ」
 ワナワナ震えるルイズに銀時は話しかける。
「で・・」
「で?」
「出てけー!!!」
 銀時は食堂から追い出され結局廊下で食べることになった。

「なあ、さっき悪かったから機嫌直してくんない」
「うるさい、話しかけないで、全く信じられない」
 食事の時間が終わった後、教室に向うルイズと銀時。
 ルイズはまだ怒っている。
 教室に入るとすでに来ていた生徒達はルイズと銀時に注目する。
 そしてなにやらコソコソ何か言っていたり、クスクス笑っている者もいる。
 周りには銀時以外の使い魔がいたが銀時は特に気にしなかった。
 とりあえずルイズの隣の空いてる席に座る。
 ルイズがこちらを睨んだが話すのも嫌なのか何も言わなかった。
「・・・・・成功ですわね。このシュヴルーズ、こうやって春の新学期に、
 様々な使い魔たちを見るのがとても楽しみなのですよ」
 授業が始まり、中年の女性の魔法使いが講義を始めた。
 ルイズは気まずそうにうつむく。
「おやおや、変わった使い魔を召喚したものですね。ミス・ヴェリエール」
 シュヴルーズが銀時を見てとぼけた声でいうと、教室に笑い声がおきる。
「ゼロのルイズ!召喚できないからってその辺に歩いていた平民連れてくるなよ」
「違うわよ、きちんと召喚したもの!こいつが来ちゃっただけよ」
「嘘つくな、『サモン・サーヴァント』ができなかっただけだろう」
 その言い争いを見て銀時は思った。
 ―おいおい、こいつら小学生か?
 良い争いの内容は小学校低学年のやるものとなんら変わらんかった。
 これならいつも神楽と遊んでいるガキどものほうが大人だ。
 第一ルイスがムキになって言い返すからますますエスカレートする
 女教師のとりなしでどうにか場が納まり、授業が再開された。
 ―そういやあ、授業なんて松陽先生の寺小屋以来だな。
 授業を聞きながら、ぼんやりとそんなことを思う。
 なにやら四大系統やら『火』『水』『土』『風』という単語が飛び交うが
 魔法に興味が無く、勉強が嫌いな銀時にとって退屈そのものでしかない。
「ふわぁぁぁ」
 眠くなり銀時は大きなあくびをした。

「ちょっと、みっともないわね、やめなさいよ」
 あくびをした銀時をルイズは注意する。
「ミス・ヴェリエール」
「は、はい!」
「授業中の私語は禁止ですよ」
「すいません・・・」
「おしゃべりする暇があったら何かやってもらいましょう、ここにある石ころを
 何か望む金属に変えてごらんなさい」
「え?わたし?」
 ルイズは困ったようにもじもじする。
 周りの生徒は急にざわつき始めた。
「やめといたほうが良いと思いますけど・・・」
「どうしてですか」
「危険です」
 キュルケはきっぱりといった。
 しかしその言葉にルイズは逆に意地になった。
「やります」
「ルイズ、やめて」
 他の生徒達も何だか怯えているようである。
 銀時は何故周りがおびえ始めたのか分からない。
 一体これから何が起こるというのだ。

 ルイズが教壇に立ち呪文を唱える。
 その間に生徒達は机の下に避難し始めた。
 ルイズの呪文名を唱え終わると爆発が起こった。
「いいぃぃ!!」
 爆発に巻き込まれた銀時はコントみたいなアフロになっていた。
「ちょっと失敗したみたい」
「ちょっとじゃないだろう!ゼロのルイズ」
「いつだって成功の確率、ほとんどゼロじゃないかよ」
 この時銀時はルイズが何故ゼロと呼ばれるか理解した。


その頃ミスタ・コルベールは図書館であることを調べていた。
 ミス・ヴェリエールの使い魔の青年に刻まれたルーンがどうしても気になり
 書物を読み漁っている。
「これは・・」
 ある書物に目を通すとコルベールの顔色が変わった。
 彼はそのまま本を抱えたまま図書館から出ていった。

 本塔の最上階にある学院長室で学院長オールド・オスマンは秘書のミス・ロングビルに
 セクハラをかましたおかげで折檻を受けていた。
「オールド・オスマン」
 突然入ってきたのは先ほどのコルベールである。
 いつの間にか2人とも何事も無いように振舞っているのはさすがだ。
「たた、大変です」
「大変なことなどあるものか、すべては小事だ」
「これを見てください」
 コルベールはオスマンに『始祖ブリミルの使い魔たち』と書かれた
 書物を先に見せる。
 次にコルベールの描いた銀時の手に現われたルーンのスケッチを見せた。
 それを見たオスマンの眼光は鋭くなり、秘書のロングビルに席をはずすように言った。
「詳しく説明するんじゃあ、ミスタ・コルベール」

「ったく、何で俺がこんなことを、アフロになるのはド○フのコントだけで十分だっつーの
 あれ俺高○ブー・・」
 銀時はぶつぶつ言いながら壊れた教室の掃除をしていた。
 あの後当然のように授業は中止となり、罰としてルイズと銀時は教室の片づけを命じられた。
 万事屋の経験のおかげで銀時はなれた手つきで机や椅子を直した。
 ルイズは自分の机を拭いている。
 ふとルイズと銀時の視線が合った。
「な・・何よ・・どうせあんたも心の中じゃあ私のこと笑ってるんでしょう」
 銀時は泣きそうな声で言うルイズに銀時は言った。
「笑わねえし、笑えねえよ」
「え?・・・そんな事言って本当はどうだか・・」
 一瞬意外そうな顔をしたルイズだったがいまだ疑いの目を銀時に向ける。
「言っとくけど俺はなあ、一生懸命生きてる奴を笑うぐらい人間腐っちゃいねえんだよ」
 自分も天然パーマというコンプレックス抱えているためルイズの気持ちがなんとなく分かった。
 ただそのことをルイズが知ったら一緒にするなと確実に怒るだろう。
 今までそんなふうに言ってくれた人がいなかったルイズは戸惑い呆然とした。
 銀時の言葉が決して嘘やその場を取り繕うためにいった事ではないというのはルイズでも分かる。
 ルイズは胸から何か暖かい感情が沸き起こるのを感じていた。
「そ、そうよね、使い魔が自分の主を笑うなんてありえないし・・」
 しかしルイズはそれを素直に表現できるほど大人じゃなかった。
 まあツンデレだから仕方あるまい。
「そうだルイズ牛乳を飲め」
「は?」
 ルイズは突然の銀時の言葉に呆然とする
「カルシウムだ、カルシウムさえ取っときゃあすべてうまくいくんだよ。
 魔法だって使えるようになるしそのまな板みたいな胸も膨らむ。
 とりあえずカルシウムさえとっときゃあすべてうまく・・」
「いく分けないでしょぉぉ!!まな板みたいな胸で悪かったわね、あんた飯抜き」
 銀時はルイズを慰めたつもりだったが逆効果だった。

「くそー、腹減った」
 重労働の上に飯抜きにされた銀時はフラフラ廊下を歩いている。
 空腹もそうだが、糖分が足りてないことが一番の原因だった。
 銀時はここに来てから一切甘いものを口にしていない事に気づいた。
 飯すら碌によこさないルイズに頼んでも無駄だという事は分かっている。
 ついに銀時は廊下の壁にもたれうずくまった。
「はあ、誰か恵まれない俺に甘い物を恵んでやろうというカインドネスなマインドに
 満ちあふれた奴はいねえのか」
 廊下を歩く生徒達は銀時を珍獣を見るかのような目で遠巻きに見ているだけだった。
「ギンさん、大丈夫ですか」
 そんな銀時に声をかけたのはシエスタだった。
「ああ、銀さんもうだめだ、シエスタ、俺が死んだら墓に『坂田銀時糖分切れでここに死す』
 ってきざんどいてくれねーか、お供え物は甘い物で頼むわ」
「そんな、ギンさんしっかりしてください」
「ああもう俺千の風にとかに乗っちゃいそう、何だか眠くなってきたよ、パ○ラッシュ。
 とっつあん、真っ白だぜ、真っ白に燃え尽きた」
 瀕死の割には余裕のボケをかます銀時だった。
「ギンさん、貴族に出すデザートが少しあまっていますからそれ食べます?」
「マジでか、いいのか」
「ええ」
「あんたどこの女神ですか」
「女神ってそんな・」
 シエスタはポッと頬を染める。

 シエスタに案内され銀時は厨房でデザートの残りのケーキやフルーツを平らげた。
 ついでにまかないのシチューまでご馳走になった。
 うめえ、うめえと食べる銀時をシエスタは微笑みながら見つめる。
「あーうまかった、こんなヒューマンに満ち溢れた人がまだこの世にいるとは思わなかったぜ」
「ヒューマン?それよりご飯いただけなかったんですか」
「ああ、あのまな板女、人がせっかく慰めてやったのに・・」
「まな板って、貴族にそんなこと言ったら大変ですわ」
「別にいいだろう、事実なんだから、第一魔法が使えんのがそんなにえれーか」
「ギンさんって勇気がありますわね・・」
 シエスタは唖然とした顔で銀時を見つめている。
「そうか?それよりうまかったぜ、ありがとう」
「いえ、またいつでも食べにきてください」
「ううう、ここに来てこんなに優しくされたの初めてだ」
 銀時は感動のあまり涙ぐんだ
「義理は果たすぜ、何か手伝えることはねーか」
「ならデザートはこぶの手伝ってもらえます」
 こうして銀時はデザートを運ぶのを手伝うこととなったが
 これがこの後銀時がこの世界で初めての『喧嘩』に発展することに
 なるとはこの時誰も思わなかった。

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