あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

『使い魔な電王 異世界で俺、誕生!』 第二話

真実を話しても信じてもらえないことは、結構つらい。

「それ、本当?」
「嘘は苦手なんだけどね…」

まぁ、どこぞの青いのの大の得意とするところであるが、良太郎はことさら嘘が苦手であった。


  『使い魔な電王 異世界で俺、誕生!』

 第二話

良太郎が目覚めたのは既に日が暮れ、夜も更けたころだった。
ルイズの拳があたるという事故(故意ではないのだから事故だ)が原因ではあるが、ここまで長く意識がなかった理由には
イマジンを倒した帰りにデンライナーに乗っていた事から考えれば、疲れも相当あっただろう。

目覚めた良太郎がまずしたことは部屋を見渡すことだった。
自分以外誰もいなかったが、誰かに運ばれたのなら勝手に部屋から出るのはまずいだろうと思い、ふと窓の外を見る。
すると、そこには月が二つ浮かんでいたのであった。

「ええぇぇぇーーーーーーーーーー!?」
「うるさいわね、何を騒いでるのよ」
呼びかけに気づいて叫ぶのをやめ、振り返ってみればあの桃色の髪の少女、ルイズが部屋に入ってきていた。
「どういう事? 何で月が二つあるの? それとここ、どこ?」
「?月が二つあるのは当たり前じゃない、おかしな事言う平民ね。あと、ここは私の部屋」
月が二つあるのが当たり前…
どういうことだろうか? いくらデンライナーで時を移動したって地球上なら月は一つしかないはずだ。
「それよりもあんた、ここまで運んでくるの大変だったんだからね? 明日からきっちり働いて返してもらうんだから」
ルイズはそういって椅子に座る。
「さて、その前に聞きたいことが出来たわ。あんたどこから来たのよ?」
良太郎は、もう気絶する前に答えたような気がするんだけど、と思いながらも口を開いた。
「僕は──────」


そして話は冒頭へと戻るわけである。
「信じられないわ、月が一つで魔法使いが居ない世界なんて」
「信じられないのも無理はないよ、僕だって月が二つあるのを見なきゃ、ここが地球じゃないなんて信じられなかっただろうし…」
万事この調子である。
ルイズの質問に良太郎は大真面目に答えているのだが信じてはくれない。
人間、聴いた話だけでは自分の常識をひっくり返したりはしないものだ。
(それにしても…)
おかしい。気絶してから大分たつというのにモモタロス達と繋がらないのである。
(遠くに来過ぎたのかな?)
もしかしたら時間になってデンライナーに乗ろうとしても出来ないかもしれない。
つまりは
(もしかしたら僕、帰れないかも…。ごめん、姉さん…)
良太郎は絶望的な状況に自分が居ることを認識し始めた。
「帰りたい…」
「無理よ、あんたは私の使い魔として契約しちゃったんだから、別の世界とやらから来たとしてももう動かせないわ」
「そういうことじゃないんだけど…」
デンライナーさえ来れる場所ならば自宅と行き来できるだろう。
その契約とやらがあっても家には、姉の元へは戻れるのだ。
「私だってあんたみたいな平民より幻獣の方がよかったわよ」
「じゃあ、君の魔法で僕を元の場所に戻すことは出来ないの? その後、僕の代わりを探すとか…」
「それも出来ないわ、使い魔を送り返す呪文なんて聞いたことないもの」

ルイズはがっくりと肩を落とす己が使い魔を見て
(なんでこんな頼りなさそうな平民を召喚してしまったのか)
という思い以上に(流石に気の毒かも)と思い始めていた。
こちらの質問には、内容はともかく真面目に答えていたようであるし、その身にまとう絶望の気配があまりに濃いためであった。
「ねぇ、本当に別の世界から来たの?」
「うん…」
「じゃあ何か証拠を見せてみなさいよ」
「証拠…、あ、じゃあ…」
と良太郎はズボンのポケットに手を伸ばし、携帯電話を取り出す。
「これじゃ証拠にならないかな?」
そう言って携帯電話を開く。
「綺麗…、なにこれ?」
「携帯電話だよ、遠くの人と話すことが出来るんだ」
「なんの系統の魔法で動いてるの?」
「魔法じゃなくて科学の力で動いてる。僕の世界には魔法使いは居ないから…」
確かにそんなことを言っていた。
それにこんなマジックアイテムなど聞いたこともない。
だがそれでも、
「これだけじゃ信じられないわよ」
「君って、結構頑固なんだね…」
言って良太郎はズボンのポケットに携帯をしまう。
どうやら諦めたようだ。

「もう一つ聞きたいんだけど、いいかな?」
「なにを聞きたいのよ? ハルケギニアのことなら大方教えてあげたでしょ?」
そうである。良太郎は自分の世界のことをルイズに聞く合間合間にこの世界の事を聞いていた。
そこで聞いた話と、二つの月という現実から良太郎は、ここが地球ではないどこかであることを確信した。
そしてデンライナーが来ない以上、帰れないだろうことも。
もしかしたら救助に来てくれるかもしれないが、もし来れなかったり、
時間がかかりそうならばなおさらルイズに聞かなくてはならないことがある。
「使い魔の仕事って、具体的になにをすればいいのかな? それと働いたら食事ぐらいはさせてくれるよね?」
そう、これである。
帰るまで(帰れないかもしれないが)の間、の衣食住を何とかしなければいけない。
ならば使い魔として自分を呼び出した、つまり自分を必要として呼んだルイズをまず頼ろうと考えたのである。
「使い魔としての自覚が出てきたみたいね。」
とルイズは頷き、
「まず、使い魔には主人の目となり耳となる能力が与えられるわ」
「どういうこと?」
「使い魔が見たもの、聞いたものは主人も見たり聞いたりできるのよ」
まるでモモタロス達が自分を通して外を見ているみたいだ、と思った。
「でも、あんたじゃ無理みたいね。今も何も見えないもの」
「ごめん…」
なんだか居心地が悪くなった良太郎だった。
「それから主人の探してるものを見つけてきたりとか。例えば硫黄やコケみたいな秘薬ね」
「買ってくるんだったら出来るかもしれないけど…」
「でしょうね…」
ますます小さくなってしまう良太郎。
この調子では追い出されるんじゃなかろうかと不安に駆られる。
「それと、これが一番なんだけど、使い魔は主人を守る存在なのよ。持った能力で主人に降りかかる危険を払うことね。
でもあんたじゃ無理そうね、見るからに貧弱だもの」
ぐさっと言葉が胸に刺さる。電王として戦うようになってからは一番気にしていることだ。
トレーニングをしてかつてに比べればましになったと思っていたのだが…
「だから洗濯や掃除、その他の雑用をやってもらうことにするわ」
「それなら何とかなる。僕でもやれるよ」
掃除なら姉の店を手伝う時にいつもやっている。
両親が早くから居なかった為、洗濯を自分がやることもあった。
そういった一般的なことならば自分にでも出来るだろう。
戦うことに関しては…、電王に変身できるならよほど相手が強くなければルイズが逃げる時間くらいは稼げるだろう。
だがルイズは
(まぁ雑用ぐらいなら使用人でも出来るんだし当然よね)
と戦いに関しても「何とかなる」といった良太郎の回答とは違う受け取り方をしていた。
「それと、使い魔を養うのは当然だから安心しなさい」


「これでいいわよね? さて、遅くなっちゃったわね…」
と言うなりルイズはあくびをした。
「僕はどこで寝ればいいのかな?」
するとルイズは床を指差した。
「僕、男なんだけど…」
同室で寝ろというのか。
「男? 誰が? あんた使い魔なんだから、私はなんとも思わないわよ」
そう言ってルイズは服を脱ぎだした。
良太郎は慌てて回れ右をする。
衣擦れの音がしてくる。その音でルイズがどうやら寝巻きに着替えているようだというのがわかる。
ひどく落ち着かないまましばらく待っていると、一枚の毛布となにやら布が二枚飛んできた。
「じゃあ、それ、明日になったら洗っておいて、それと朝は私をちゃんと起こすこと」
事前に着替えていたのだから大体の想像はついていたのだが、布二枚はキャミソールとパンティであった。
良太郎は顔を真っ赤にしたが、同時に本当に男に見られてないようだ、と理解した。
向こうがそう思っているならば部屋を分け、下着は自分で洗い、良太郎に洗濯させるとしたらせいぜいベッドのシーツか、
どんなに行っても制服やそこらまでだろう。
仕事として洗濯を言い渡された時は大体そこまでを予想していたのだが、貴族というのは予想を上回る存在だったようだ。
小さいころは姉の下着を洗ったこともまぁ、あるにはあったのだが…

ともかく、洗濯は明日でいいというし、そのあたりはもう割り切って良太郎も寝ることにした。
床に寝転がり、毛布を被る。
さっきまで気絶して寝ていたはずだが眠気はすぐにやってきた。
やはり疲れが相当溜まっているようだ。
良太郎の意識はあっという間に闇の中に落ちていった。


翌朝…
目覚めた良太郎がまず最初にしたことは辺りを見回し、昨日の出来事が夢でないことを確認することだった。
そしてモモタロス達に呼びかけをし、そして返事がないことで肩を落とす。
「本当に、夢じゃないんだ…」
正直なところ夢であってほしかったが、現実というものは厳しい。

(あ、そうだ)
そう、夢でないのならばやらなくてはならないことがある。
昨夜ルイズに頼まれた洗濯とルイズ自身を起こすことだ。
(今って何時だろ)
この部屋には時計はないようであるし、そもそも何時に起こせばいいものやら。
(そうだ、携帯…)
時計がないなら携帯で見ればいい、そう思ってズボンから取り出し画面を覗き込む。
だが無常にも良太郎の携帯は午後二時をさしていた。
(時差、なのかなこの場合)
そういえばデンライナーを降りたのは日の傾いた頃であったのに、こちらに来た時は青空が広がっていたのを思い出す。
(何時かはわからないけど遅いよりは早い方がいいよね、遅れちゃ拙いだろうし)
既に遅れている可能性もないわけではないが早く起こすに越した事はないだろう。

「起きて、朝だよ」
と、まずはルイズに声をかけてみる。だが反応はない。
ならば、とゆさゆさと揺さぶってみる良太郎。すると、
「んにゅ」
謎の鳴き声を上げるルイズ。
なんだか猫っぽいなぁ等と思いながらももう少し強くゆすってみる。
「朝だよ、ルイズちゃん」
「ん…。はえ…?朝…? って誰よあんた!」
寝ぼけているらしいルイズは良太郎のことを認識できてないようだった。
「僕だよ、良太郎だよ。」
「ああ、使い魔ね…。そうだ、昨日召喚したんだっけ…」
そしてルイズは伸びを一つすると良太郎に
「服」
とだけ言った。
良太郎は椅子にかかった制服のことだろうと思いルイズに手渡す。
ルイズがいかにもだるそうに着ていたネグリジェを脱ぎだしたので昨晩のように良太郎は回れ右をした。
「下着」
「それはちょっと拙いんじゃ…」
「いいから、クローゼットの一番下よ」
まぁ男の良太郎に下着を洗わせようというのだから、このぐらいは気にも留めないだろう。
良太郎としては心底勘弁してほしい状況なのであるが。
出来るだけルイズの方を見ないように下着を渡す。
「服」
「あ、他の服だった?」
「着せて」
「ええぇっ?」
ちょっと待ってよ。服を着せる? 女の子に? 子供ならともかく…
混乱する良太郎にルイズは口を尖らせて言った。
「平民のあんたは知らないだろうけど、貴族は下僕が居るときは自分で服を着ないものなのよ」
「下僕…」
なんだろう、響きとしては使い魔より酷い気がする。
ため息を一つつき、良太郎は、なんだか色々と観念した様子でブラウスを手に取った。


なんとかルイズに服を着せ部屋を出る。
すると、他の部屋の扉が開き、炎のような赤い髪の女の子が出てきた。
色気全開、見事なプロポーションを持つ女の子だ。
ウラタロスがいれば出て来ていたかも知れない。
彼女はこちらに気づくとニヤっと笑い、声をかけてきた。
「おはよう、ルイズ」
ルイズは顔をしかめ、嫌そうに挨拶を返した。
「おはよう、キュルケ」
「あなたの使い魔って、それ?」
馬鹿にした調子でいう赤い髪の女の子───キュルケというらしい───に「それ」扱いされた良太郎は目に見えて落ち込む。
「とうとう物扱い…」
その良太郎の呟きは誰の耳にも止まることはなかった。
というかこの場にはルイズとキュルケしかいないうえ、二人は言い争っている為だ。

と、ズボンのすそが何かに引っ張られている。
(あれ?なんだろ?なんかあったかい…)
良太郎がそちらを向く。

そこに居たのは巨大なトカゲであった。

「ひゃあぁぁぁぁっ!?」
驚きのあまりなんとも情けない声を出して転ぶ良太郎。
「もしかしてあなた、この火トカゲを見るのは初めて?」
キュルケが声をかけてくる。
「な、何このトカゲ!?」
「私の使い魔よ。私が命令しなきゃ襲ったりしないから落ち着きなさいな。臆病ちゃん」
見ればキュルケのそばへとのそのそと戻っていく。
本当に襲ってきたりはしないようだ。
何とか心を落ち着かせた良太郎はとりあえず立ち上がる。
よく見ればトカゲの尻尾は炎でできており、口からは時折火が見え隠れする。
「近くにいて熱くないの?」
気になった良太郎がキュルケに問いかける。
「あたしにとっては涼しいぐらいね」
「そ、そうなんだ…」
もう一度トカゲを見てみる。
やはりここは剣と魔法のファンタジーな世界のようだ。
魔法使いが居て、良太郎の世界には居ないような奇妙な生物が居る。
ふと、リュウタロスあたりはこっちの動物でも可愛いと言ってのけるのだろうか、との思いにとらわれる。
会えないとなると、どうにも感傷的になるようだ。デンライナーの面々の顔が浮かんでは消える…

「あなた、お名前は?」
ルイズとなにやら陰険な会話をしていたキュルケが突然良太郎の方へと話を振ってくる。
「僕は、野上良太郎」
「ノガミリョウタロウ?変な名前ね」
「…まぁ、外国の人が聞いたら、変に聞こえるよね。野上が苗字で、良太郎が名前で、順番逆だろうし…」
「ふぅん…」
とキュルケは近づいてまじまじと良太郎の顔を見つめてくる。
「な、何?」
思わずたじろぐ良太郎。女性と接近する機会なら、良太郎は比較的多い方だ。
身近に姉とハナの二人が居るため、多少慣れてはいる。
慣れてはいるのだが、ウラタロスのせいで知らない女性の部屋で目覚めた時もパニックを起こしていた事がある良太郎は、
キュルケのように色気を振りまくようなタイプの女性や知らない女性と接近することが少々苦手なのだ。
「良く見ればいい男じゃない。ちょっと頼り無さそうだけど」
「ツェルプストー!人の使い魔に手を出さないでちょうだい!」
「なによー、『ゼロ』のルイズが呼び出した使い魔にしては顔の作りがいいから褒めてあげてるんじゃない」
「使い魔に発情するなんて流石は『お熱』のキュルケね、見境なしなんだから」
「『微熱』よ『微熱』。失礼しちゃうわね、見境なしだなんて」

またも言い争いを始めた二人を前に良太郎はこう思っていた。
すなわち「時間、大丈夫なのかな?」と。

しばらくしてキュルケが去るとルイズも同じ方向へと歩き出したので、良太郎は慌てて付いていく。
そして先ほどの会話で気になったことをルイズに聞いてみることにする。
「ねぇ『ゼロ』のルイズとか『微熱』のキュルケとかって何?渾名か何かなの?」
『ゼロ』というところでルイズの機嫌が傾いたような気がする。だが質問には答えてくれた。
「ま、そんなところね。二つ名って言うんだけど」
「へぇ…」
学校でお互いをあだ名で呼びあうあたりは異世界でも同じなんだなぁと感心する良太郎。
まぁ、その理解は間違ってはいたのだが…

そして朝食。
テーブルの上の豪華な食事は貴族専用なのだろうというのは、ここまでのこの世界の習慣からわかっていた。
わかってはいたが良太郎自身の食事は床で、というのは流石にどうなのだろうか。
だが文句を言っても始まらないだろうし、この世界に来てから何も食べていないのだ。
とりあえず良太郎は目の前の食事を片付けることにした。
味は悪くなかった、ということだけが救いであった。
量は少なかったが。

「はぁ…」
良太郎はこの世界に来てから幾度目かのため息をつく。
ここまで扱いが酷いと、いくら温厚でお人好しな良太郎でも埃が積もるように怒りが蓄積されてくる。
今、ルイズと良太郎は講義室に来ている。
良太郎が教室に入ったとき、元の世界ではファンタジーにしか登場しないような生き物達に驚いたが、すぐに慣れた。
キュルケのサラマンダーを見た後でもあったし、元の世界ではもっと凶悪な見た目の怪人と戦ってきたのだ。
いい加減、こういう手合いにもなれようというものである。

席に座ることを禁じられた良太郎は床に、というか階段部分に座っていた。
授業の内容は魔法に関することだったが、割と簡単な内容だったので良太郎にも容易に理解することが出来た。
それと、二つ名というものはどうやらメイジ───魔法使いには大人でもついているらしいということも。
ただ、トライアングルがどうの、というくだりが理解できなかった為、ルイズに聞いてみる。
「系統を足せる数の事よ。それでメイジのレベルが決まるの」
ルイズのいいところはこうやってわからないことを聞けばちゃんと教えてくれることだ。
この世界について右も左もわからない良太郎にとっては貴重な情報源といえる。
現状ではちゃんとした知り合いなどルイズしか居ないのだし、他の貴族は答えてくれなさそうだ。
貴族が居るということは平民も居るのだろうが、あいにく貴族の学校なのでいまだに出会っていない。
自分の扱いがひどいのはどうにも不満ではあるが、この世界の文化なんだと言い聞かせて我慢している。
「ドットなら一つ、ラインなら二つ、トライアングルなら三つ、スクウェアなら四つ。
それと、同じ系統を二つ足せてもラインになるわ。同じ系統同士でもより強力な魔法になるからよ」
「じゃあ、トライアングルってことはあの先生は上から二番目のレベルって事なんだ」
「そういうこと」
と、一通りのルイズの補足講義が終わった所で先生(シュヴルーズというらしい)からルイズへと声がかかる。
「授業中の私語は慎みなさい。ミス・ヴァリエール」
「「すいません…」」
良太郎も同時に謝る。
「おしゃべりをする暇があるのなら、あなたにやってもらいましょう」
「え? わたし、ですか?」
「そうです。ここにある石ころを、望む金属に変えてごらんなさい」
だが、どうやらルイズは困っているようだ。
(苦手な系統とかなのかな)
先ほどの話から考えれば系統の違う魔法は扱えないような話であった。
あれだけの話から真実に近い答えを導く良太郎。頭の回転は速いのである。

「先生」
そこでキュルケから困ったような声がかかる。
「なんです?」
「止めたほうがいいと思いますけど…」
「何故です?」
「危険です」
キュルケが、断言する。
(危険ってどういうことだろ?)
何故だか、猛烈に嫌な予感がする。
良太郎は考える。
『微熱』のキュルケはおそらく火の属性を扱うのだろう。『赤土』のシュヴルーズは土の属性の魔法を実演していた。
では『ゼロ』のルイズは?
そこまで考えて、良太郎は真実に手をかける。
───少々、手遅れだったのだが。

見ればルイズはいつの間にか前へと歩み出て、いざ杖を振り下ろさんとするところであった。
と、そこで良太郎はなにやら視界が広いことに気づく。
生徒達が机の下などに避難していたからである。
考えにふけっていた良太郎は避難が遅れていた。
(やっぱり!)
直後、振り下ろされた杖の先で起こった閃光と爆風によって、哀れ良太郎は吹き飛ばされる。
薄れゆく意識の中、良太郎は自分の行き着いた回答が正しいかった事を確信した。
すなわち
(足せる系統がゼロってことだったんだ)
と。

不幸に付きまとわれる男、良太郎のハルケギニアに来て二度目の気絶はまたもルイズの手によるものであった。

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