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ゼロの使い魔―銀眼の戦士― 2

夜になりルイズの部屋に戻ったのだが、どうも2~3点相違点があったので改めて問いただす事にした。
「…あの二つの月は何だ?」
「何って…月は二つあるものよ?」
クレアと火を囲んでテレサについて話した夜を思い出すが、月というものは一つだ。間違いない。
「どうも、相違点があるな…そもそも、エルフというのは何だ?」
「あんたの居たとこじゃ『クレイモア』って呼ばれてるんだっけ?先住魔法を行使する種族よ」
「…私は魔法など使えんぞ」
エルフなのに魔法が使えないんだー、そう、それって私と同じ『ゼロ』って事ねーーー……
……
…………
「ここ、この馬鹿ぁーーーー!」
「五月蝿いぞ、静かにしろ」
「魔法が使えないエルフなんて平民と同じじゃない…!こんなのを使い魔にするなんてぇ~~…」
契約の時の喜びはどこにやら、思いっきり凹んでいる。
ぶっちゃけ、エルフなぞより数倍厄介な連中なのだが、魔法が使えない=平民というのが常識のこの世界では、その反応は当然と言えた。

(まぁ一般人からすれば妖力解放も一種の魔法のようなものか)
上位Noの戦士でも抜き身すら見えない高速剣、クレアを追っていた奇妙な太刀筋の剣を使う女のようにアレも一般人から見れば、魔法みたいなものだろう。
もっとも、今の腕では高速剣は使いたくても使えないのだが。

「そもそも、私が居た場所では魔法などというものは存在しないのだが…どうも、お前達と我々の間で認識に違いがあるようだな」
「失敗ばかりで…サモン・サーヴァントで…やっと成功したと思ったのに…」
聞いてない、そりゃあもう、イレーネの話なぞ全く聞いていない。

(どうも、思っていたより事は厄介なようだな)
妖魔が居ない事やそれに変わるオーク鬼のような化物が居るという事は大陸が違うという事で納得できないこともないが
月が二つあるなどという事は、それだけではありえない事だ。
「で、私は何をすればいいんだ?」
「うう…一つは、使い魔は主人の目となり、耳となる能力を与えられるんだけど…無理みたいね。わたし何も見えないもん」
「『無理みたい』という事は他の者は見えるという事か。まぁ私の視界に映ったものを他人に見られるというのは、あまりいい気はしないがな」
「二つは、使い魔は主人の望むものを見つけてくるのよ。秘薬とか。」
「モノによるが、この辺りの地理を知らんから無理だな」
二つ目も早々に否定されさらに凹んだルイズが搾り出すかのように三つ目を言う。
「これが一番大事なんだけど…使い魔ってのは主人を守る存在なわけで、使い魔の能力で主人を守るのが一番の役目なんだけど…」
ちらちらとルイズの視線が左腕に注がれている。
それを見て、まぁ無理も無いとは思う。
右腕もどれだけ使えるか試さない事にはどうしようもないが、限界近くまで妖力解放してせいぜい元の1/10以下の高速剣だろうと予測を付けている。
ここでは、魔法という物が幅を利かせているらしく、一割程度の妖力解放でどれだけやれるか、まだ分からない事が多すぎるのだ。
最初に契約されそうになった時の反応を見る限り、一割でもこちらの動きについてこれなかったようだが、所詮人間の学生だ。
ドラゴンやその他の化物にどれだけ通用するか分かったものではない。
「並の人間なら、遅れは取らんと思うがな」
「いくら速く動けるたって、メイジに対抗できなきゃ意味無いのよ…」
「メイジというのは何だ?」
「ホッント何も知らないのね…系統魔法が使える者達の事で、ここの学生は全員貴族の子弟よ」
飛んでたのはそういう事かと納得しかけたが、一つ疑問が浮かんだ。
「お前は、飛んでなかったがメイジじゃないのか?」
痛い。そりゃあもう痛いところを突いた。
だが、構わず第二撃が加えられる。高速剣の異名は伊達じゃあない!
「全員と言っていたからには、お前も貴族の子弟なんだろ?」
ルイズが固まっていたが、時間が経つにつれブルブルと震え始めた。
「ままま、魔法も使えない使い魔が、ごご、ご主人様をお前呼ばわりするんじゃないのーー!あんた、しばらくご飯抜きよ!」
もちろん原因は、『お前』呼ばわりされた事ではない。
常人なら死活問題だが、そんな事はクレイモアにとっては一週間近く飲まず食わずでも問題無いが、やはり急にキレた事は気になった。
「なにか要らん事でも言ったか?…お前だけ魔法とやらが使えな「さてと!しゃべったら、眠くなっちゃったわ!」」
イレーネの言葉を思いっきりルイズが遮る。それはもう、焦った様子で。
墓穴を掘るとは、まさにこの事だろう。
その様子を見て、ルイズは魔法が使えないのだろうと確信した。
「まぁ、気にするな。我々の中にも『色つき』という不完全な…」
そこまで言ってボフっと何かが投げられてきた。
一般的に言う下着というやつだ。
「こ、これ、明日になったら、洗濯に出しとくのよ!ホントなら、あんたにさせようと思ってたんだけど、その腕じゃ無理そうだし!」
まだ、何か焦っているが、イレーネからすれば、洗濯は腕一本でも十分にできる範囲だ。
戦士時代は黒服が着替えを持ってきていたが、隠遁してからは一人で暮らしていたのである。
半分妖魔とは言え、半分人間だ。
食事は性質上いいとして、やはり掃除、洗濯はそれなりに自分でしなくてはならない。
クレアと再び出会った頃には、下手な主婦などより、その方面のスキルは磨かれていたりする。
まぁ、その場はルイズの温情だろうと判断して何も言わなかったのだが、魔法云々に関してはあまり言わないようにした。


「了解、ボス」
テレサがオルセから指令を受けていた時、こう返していたなと思いつつ返事をすると毛布が一枚投げられてきた。
「ベッドは一つしか無いから寝る場所は床ね」
別段異存は無い。というか戦士にとっての寝床というのは大体床がメインだ。
ベッドで寝るにしても簡素なものだったし、貴族が使うようなベッドは逆に気持ち悪い。
欲を言えば大剣が欲しいとこだったが、腕を無くしたままの逃走劇途中だったため、さすがに持ってきていない。
壁に背を預けると、ルイズが指を弾きランプの灯りが消えた。
便利なものだな。と思いつつ目を閉じ静かに眠りに入った。

朝になり目覚めてすぐ妖力を探るが、思わず苦笑した。
昨日、この地に妖魔は居らず組織の力は及んで無いと思ったばかりだというのに、妖力を探った自分に。
「さすがに、朝日は一つだけか…」
近いうち、この学院の最高責任者に接触しなければならないが、それにはルイズの手を借りねばならない。
したがって、当面は従順にしておく事にした。
何の事は無い。組織に比べれば赤子のようなものだ。
(それにだ…どうも私を恐れている者達は私をエルフと呼んでいたな)
『クレイモア』と『エルフ』何か類似点があるのかと思ったが、そこら辺の情報は皆無なため判断のしようがない。
(それなら、それで最大限に利用させてもらおう)
恐れられているという事は、無用なトラブルを回避できるという事だ。
こういった意味合いでは、クレイモアと一般人の間で揉め事が少なかったと言う経験がある。
まぁ、例外もあるが。

「ヘックシ!」
「風邪か?ヘレン」
「冗談じゃねー…誰かが噂でもしてるんだろ」

ベッドの上のルイズを見るが、あどけない寝顔を晒しグースカ寝ている。
「寝顔は、あの時のクレアと大して変わらんものだな」
改めて言うが、年齢は、ちびクレア<<ルイズである。聞いたら絶対怒る。
「ルイズ、朝だ」
「うぅ~~~ん…」
起きないので思いっきり毛布を剥ぐ。
放っておいてもよかったが、起こさないままにして、責任問われるというのも御免だ。
「ふにゃ…!なに?なにごと!」
「朝だ」
単調に返すが、瞬間ルイズの顔が一気に青ざめる。
「えええええ、エルフーーーーー!?なんでわたしの部屋にエルフがぁーーー!?」
そう言えば、ノエルも寝起きが弱かったなと思いつつ目を覚まさせる。
「イレーネだ。顔でも洗え」
「…ああ…そうだった…わたしが召喚したのよね…」
朝一番から一気に、心臓が最大稼動し覚醒したルイズだが、思い出したかのように命じた。
「ふ、服と下着」
「下着の場所はどこだ?」
「クローゼットの一番下」
さすがに、片腕では着替えさせる事もできないので自分で着替えたのだが、当の本人は釈然としていない。
「なんで使い魔が居るのに自分で着替えなくちゃいけないのよ…」
もちろん、イレーネには聞こえない程度の呟きだ。
そうこうしていると、扉が開き部屋に誰かが入ってきた。
「なな、何勝手に人の部屋に入ってきてるのよ。キュルケ!」
相手を睨みつつ、心底嫌そうな声で言葉を放つ。
「朝一番に『エルフ』って叫びがしたから見に来てあげたんじゃないの、ルイズ」
「そ、そうよ!私の使い魔はエルフなんだから!!」
当然違うし、魔法なども使えないのだが、意地もありルイズもエルフで通す事にしたようだ。
キュルケと呼ばれた女がイレーネをまじまじと見るが、ちょっと恐れを含んだ口調で言った。
「ほんとにエルフね…凄いじゃない」
どの辺りでエルフと見なしているのかと問いただそうと思ったが止めた。イレーネ自身、エルフと思われていた方が動きやすいのだ。
「あなたも使い魔を召喚したんじゃなかった?」
「ええ、そうよ。いらっしゃい。フレイムー」
後ろから、真っ赤な巨大なトカゲが現れ熱気が辺りを包むが、それを見たイレーネが思わず妖力解放しかけたのは内緒だ。
(下位Noの覚醒者がこんな形をしていたな…)
イレーネの価値観では一般的な動物以外の形をしている生物=覚醒者なのだから、まぁ当然なのだが、やはりここは元居た場所とは何かが決定的に違うらしい。

「それってサラマンダー?」
「そうよ、ここまで鮮やかで大きい尻尾は、絶対に火竜山脈のサラマンダーね。好事家に見せたら値段なんかつけられないぐらいのブランドものね」
「これは…こいつ自身が熱を出しているのか」
「『火』属性の微熱のキュルケぴったりでしょ?ささやかに燃える情熱は微熱。それで男の子はイチコロなのよ。あなたと違ってね。」
キュルケが得意げに胸を張るとルイズも負けじと張り返すが、その差は歴然。
あまり例えにしたくないが、妖力解放したテレサと自分ぐらいの差がある。
それだけ、妖力解放した時のテレサの妖力が化物じみていたという事だが。

「あなた…お名前は?」
「イレーネだ」
改めてキュルケがイレーネを見つめる。
身長180サント前後。銀色の綺麗な長髪。髪の色と同じ銀色の目。マントから覗く生の脚の付け根。ルイズとは違い出るとこ出ている胸。
自分とはタイプ的に違うが…こう一言で言えば…
「…ライバルになるかもしれないわね」
「なにか言ったか?」
「いえ、何も。じゃあ、お先に失礼」

赤い特徴的な髪をかきあげ、キュルケとフレイムがルイズの部屋から出るが、ルイズは拳を握り締め喚いていた。
「くやしー!なによ!ちょっと胸が大きいからってーーー!!」
「個人差だ。気にする事もあるまい」
当のルイズは、ジト目でイレーネを、特に胸の辺りを凝視している。
「あんたはいいわよそりゃあ!」
「お前はまだ成長してないだけだろう。これかというところだな」
ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール、現在16歳。この年齢から成長するかと言われれば微妙なところである。
もっとも、その見た目故、イレーネは13歳ぐらいに思っているのだが。

ともかく、プンスカ怒りながらのルイズを先頭に『ルイズの』朝食を摂りに食堂へ向かう事になった。

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