あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

ゼロの使い魔・ブルー編-07

晴れ渡っていた空の元で、ルー……ブルーは洗濯をしていた。
慣れない事ではあったが、まぁ、無理というわけでもなく、
それを完遂した。が、なにぶん慣れない上結構な量だったので、
時間が思いのほかかかってしまった。というか、常識外れな程かかってしまった。
もう生徒達が部屋に戻り始めている時刻である。
干したところで間に合いそうにない。

「困ったな……」

考え込む。その結果、一つのことが思い浮かぶ。
それを実行するために、彼は洗濯物を抱えてルイズの部屋に戻ることにした。
その後ろを、燃えるような赤い髪の少女がつけていった。

場面と時間を飛ばし、ルイズの部屋。
ドアがノックされる。

「ルイズ?」

ルイズはその声に反応する。
確かに彼の声であるのだが、何かが違うような気がする。
なので一応問いかけてみた。

「ブルー……よね?」
「そうだけど、入って良い?」
「良いわよ」

ルイズが許可をだすと、彼女の使い魔は洗濯物を抱えながら、器用にドアを明けた。
その洗濯物を見て、ルイズは言う。

「……なんで洗濯物持って帰ってきてるの?」
「干せる場所がなかったんだ」
「ここでだって干せないわよ」
「いや、何処でも干せるんだけど、ばれるといけないだろう?」
「……?」

怪訝な顔を解かないルイズを半ばほったらかしにするような形で、
彼は部屋の中に洗濯物を干し始める。

「ちょっと!部屋干しすると湿気とかにおいが……」

なんで貴族のルイズがそんなことを知っているかは不明だが、
まぁそれはどうでも良い。
彼はそれに答える言葉ではなく、違う言葉を発した。

「《ライトシフト》」

その瞬間、窓からの日光という光源しかなかったはずの
部屋が明るくなり、陽気に包まれる。
ルイズはそれを感じた。いや、これだけ暖かければ部屋の外の人間でも感じとれたかも知れない。

「さっさと乾かせば平気だよ。それに湿気なんか溜まらないし」

そう言うと、洗濯を干し終わった使い魔は、地面へと座り込む。
が、数瞬後、ドアを勢いよく開けて、褐色の肌の少女が入ってきた。
最初は威勢の良い表情をしていたものの、
部屋に満たされている陽気を感じ取ると、次第に表情に疑問を表す。
入ってきた少女の顔を見て、ルイズは叫ぶ。

「ちょっとキュルケ!勝手に人の部屋に入ってこないでよ!」
「別に良いじゃない。で、この部屋どうなってるの?」
「どうでも良いでしょ!」
「冗談と思っていたけど、その人……本当に魔法が使えるとか?」

その言葉に、ルイズは軽く怒りがあった表情を一変させ、
焦りが主に出ている表情になる。

「ま、まさかそんなはず無いじゃない!平民が魔法なんか使えるはずないでしょ!」
「あら、魔法が使えない貴族がいるんだから、
 魔法が使える平民がいてもおかしくないとは思わない?『ゼロ』のルイズ」

その言葉に対し、ルイズは顔をむっとさせ、叫ぶように言う。

「私は『ゼロ』じゃないわよ!ちゃんと使い魔の召喚に成功したじゃない!」
「それだけじゃない」

キュルケはその身から放っている熱気のような雰囲気と全く違う、
冷静な声色で返した。

「それにしても、最近妙に自信たっぷりだったけど、
 まさか使い魔の召喚に成功したって理由だけじゃないわよね?」


ルイズは固まった。図星である。
だが、目の前にいるのはラ・ヴァリエール家の仇敵、
ツェルプストー家のキュルケである。言い負けるわけにはいかない。
まぁ、いつもやっている言い合いの勝敗の判定は、
他のどの生徒に聞いても全戦キュルケの勝利なのだが。
ともかく、ルイズはとっさに切り返しを閃く。勿論WP消費1の便利技に非ず。

「ち、違うわよ!そ、そう!今この部屋にかかってる魔法も私がやったのよ!」

ルイズはその返しを自分で上手いと思ったらしく、
腰に手を当てて、胸を張る。それでも”それ”は全く目立たないが、
彼女の名誉のために特定するのは避けることとしよう。
キュルケは、それに対して、短い要求を告げた。

「じゃあやって見せて?」
「え?」
「出来るんでしょ?魔法」

キュルケはルイズが固まったのを眺めていた。
「あー」とか「うぅ」とかのうめき声を上げていたが、
そのうち今までのむっとした表情に戻る。

「じ、じゃあ見せてあげようじゃない」

そう言って杖を構えたところに、今までずっと黙っていた使い魔が口を挟む。

「ルイズ、バレバレだけど……」
「う、うるさいわね!使い魔は黙ってなさいよ!」

その声を無視して、彼はキュルケに言った。

「えーと、キュルケ……って言ったかな。
 もう解ってると思うけど」
「……まさか、本当に魔法が使えるの?」
「君たちが使ってる魔法とは違うみたいだけど」
「へぇ、そうなの」
「なに親しげに話してるのよ~!?」

いつの間にか蚊帳の外に置かれたルイズが喚くが、
二人は意にも介さず、会話を続けた。


「それにしても、ブルー……だっけ?」
「そうだね」
「最初は冷たい人かと思ったけど、そうでもないみたいね!
 ルイズの使い魔なんかやめて私の所に来ない?」
「キュルケ!ブルーは私の使い魔よ!?手出ししないで!」
「あら、決めるのは彼よ?」

キュルケは微笑みを浮かべた。
そのまま、外に出る。
ドアを閉じる前に、最後に言った。

「じゃあねブルー!あなたならいつ来ても構わないわよ!」

そして、ドアが閉じられる。
暖かい部屋で、顔を赤くしたままのルイズと、
飄々とした態度の彼は、静かなままだった。
が、ルイズが少々震えた声で、呟く。

「ブルー」
「なに?」
「ご飯抜きね」
「何で?」
「キュルケなんかと話してるんじゃないのっ!」
「……理不尽だなぁ」

だが、繰り返し言うが、この世界の貴族は
基本的に理不尽がデフォルトである。

「そう言えば、あなたって術だけじゃなくて剣も使えたのね?」

ふと思いついた疑問を、ルイズは自らの使い魔に投げかけた。
その言葉のボールを、彼は彼女が予想もしない方法でキャッチする。

「剣なんて握ったこともないけど」
「使いこなしてたじゃない」
「《光の剣》自体使うの初めてだったんだ」
「……使ったこともない魔法を使ったの?」
「いや、知り合いの人が使うのを見ていたから効果は知ってた」
「……それにしたって、危ないじゃない」

そんなこんなで、この一日は過ぎた。


その次の日。
虚無の曜日であるので、朝食の後、
ルイズと彼女の使い魔は部屋に戻ってきていた。
特にすることも無いのでのんびりしていると、彼女の使い魔が突然言い出す。

「ルイズ」
「何?」
「武器屋は近くにあるのかな?」

ルイズは問われ、思い出そうとしたが、
その前に疑問が生まれたので、まずそれを問うことにした

「知ってどうするのよ」
「剣を買いたいんだけど」
「どうして?」
「さっき、厨房に行ってきたんだけどね」

と、軽く言う自らの使い魔に、
ルイズは疑いのまなざしを向ける。

「……どうして厨房に行ったの?」

その言葉に一瞬固まりはしたものの、
それでも俊敏に切り返した。

「…顔を見せに行ったんだ。その時聞いたんだけど、
 どうも僕は剣士で通ってるみたいだ。剣を持ってないと不自然だろう?」
「……術で作り出せばいいじゃない」
「無尽蔵に作り出せる訳じゃないんだ」

そこまで聞いてルイズはようやく納得したらしい。
が、入れ代わるように一つの疑問が浮かぶ。

「……虚無の曜日だから街まで連れて行ってあげても良いけど、お金あるの?」
「あ」

根本的な事にそこで初めて気がついたらしい。
少々遠慮しながらも、彼はルイズに聞いた。

「ルイズ……」
「……剣ぐらい買ってあげるわよ。
 使い魔の世話をするのも貴族の務めよ」

じゃあ飯抜くなよ。


その青い髪のょぅ……少女は、自分の部屋で本を読んでいた。
彼女にとって、虚無の曜日は悪いものではない。
いや、休みという以上、
一部の勉強馬鹿以外の大抵の生徒にとっても好まれるものだろうが、
それには特にと言った理由が伴うことはない。
彼女が虚無の曜日を好む理由は、
自らの部屋で落ち着いて読書をしていられるから、という理由があった。
部屋の隅で彼女が先日召喚した使い魔がごろごろしているが、
気にするほど騒がしいことではない。

が、突如その平穏は、ドアのノックと言うには荒々しい音によって打ち破られる。
だが、彼女はその騒音を取り敢えず無視した。
しかし、暫くたっても音が収まる気配はない。それどころか、だんだんと強くなってきている。
それでも、彼女は立ち上がろうとはしなかった。代わりに傍らに置いておいた大きな杖を振る。
そうすると、ドアからの騒がしい音はぴたりと止んだ。『サイレント』と言う、風の魔法である。
それを確認し、彼女は読書へと戻ろうとすると、
ドアが開かれる。彼女は入ってきた人物を知っていたが、それでも本から目を離さない。
入ってきた人物は、キュルケであった。
彼女は何かを騒ぐが、『サイレント』により、その声が青い髪の少女に届くことはない。
次に彼女は本を奪った。それにより青い髪の少女の視線はキュルケに向いたが、
だが何も言わず無表情に、本当にただ視線を向けている、と言うだけであった。
短くはない無い時間が経つ。少女が再び杖を振ると、キュルケが騒ぎ出す。

「タバサ!支度をして!今すぐ出かけるわよ!」

タバサと呼ばれた少女はその言葉に対して、短く、抑揚のない声で告げた。

「虚無の曜日」

そう言うと、キュルケの手にある本を取り戻そうと手を伸ばす。
が、キュルケはそれをタバサの届かない高さまで持ち上げる。

「わかってる!あなたにとって虚無の曜日は読書をする貴重な時間だって!
 でも、教室でも何処でも本読んでない!?まぁそれは良いの、恋よ!恋!」

それに対しタバサが返答をすることはなかった。

「……解ったわよ!あのね、あたし恋した「いつも」そう言わないで聞いてってば!
 で、その人が今さっき、ルイズとどっかに出かけたのよ!
 だから私は二人の後を追って、何処に行くか突き止めて、あわよくば横からかっさらうのよ!」

ルイズとは違う方向性だが、キュルケもなかなかに滅茶苦茶なことを言う。

「二人は馬に乗って出かけたから、あなたの使い魔じゃないと追いつけないのよ!」


その言葉に対し、タバサは初めて疑問という表情を見せる。
彼女の使い魔は部屋の隅でごろごろしている犬っぽいものである。
一応タバサは図書館で調べたのだが、結局解らなかったのである。
ともかく、犬っぽいものでどうやって追いつけと言うのだろうか。

「ほら!あなた竜召喚してたでしょう!?あの格好いい竜!」

それでタバサは思い出したのか、使い魔に伝える。
その使い魔は、それに答え、窓から飛び出した。

「……って、ちょっと、え!何してるの!?」
「変身」
「……はぁ?」

次に、タバサが先ほど使い魔がしたように、窓から躍り出るように飛び降りる。
キュルケは怪訝な顔をしながらも、タバサに続いて飛び降りた。
そして、白い竜にそのまま飛び乗った。


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