6スレ目 私メリーさん。あの日一緒に見た夕焼けが一番好きです。


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118 :efficus ◆3dGTQi3jXk :2007/06/20(水) 21:48:13.95 (p)ID:/iIPo7Fs0(12)
危なかった、本当に…。
シャツの背中が汗で濡れていた。
とりあえず電気を点ける。
被害は特にない。カーテンが片方なくなった事と
大切な本が燃えたぐらいだ。
まさかこれに命を救われるとは夢にも思わなかった。
僕は感慨深く本を撫でる。
貼り紙でなんらかのアクションがあればいいとは思っていた。
だがこれはさすがに予想外。
床に座り深呼吸を繰り返すと段々と落ち着いてきた。
そうだ、警察に連絡を。と思い携帯に手を伸ばしたが
思いとどまる。
警察になんて言う。
家に僕を殺しに来た覆面野郎が入ってきたので
引き出しから炎を出して撃退しましたか?。
覆面野郎より、なぜ引き出しから炎が出るか突っ込まれそうだ。

124 :efficus ◆3dGTQi3jXk :2007/06/20(水) 21:57:51.07 (p)ID:/iIPo7Fs0(12)
この2日を通して感じた事がある。
貼り紙を交番の前の掲示板にも貼った。
その際、数々の貼り紙があったが
ひき逃げ事故の貼り紙は僕のだけだった。
それに、貼り紙を貼っても警察からなんの注意もない。
警察は使い物にならない。
警察に連絡しても、僕が動きづらくなるだけだ。
そして、一番気にかかるのは
あいつがなぜ僕の住所を知っていて。
なぜ親が留守の時に来たのかだ。
一番考えたくなかった事が脳裏をよぎる。
犯人は僕の身近な人間。

136 :efficus ◆3dGTQi3jXk :2007/06/20(水) 22:05:34.57 (p)ID:/iIPo7Fs0(12)
それしか考えられないだろう。
情報を整理する。
覆面にタックルした時の体付きから言って
まず男で間違いないだろう。
そして、電話番号で僕の住所がわかって
毎週木曜日は親がいない事を知っている人物。
すべてに当てはまる人間はそう多くは無い。
犯人の目星は着いた。
僕は、今日決着がつくとわかった。
夜が明けたら聞かなければならない事がある。
浩平に。

148 :efficus ◆3dGTQi3jXk :2007/06/20(水) 22:12:29.63 (p)ID:/iIPo7Fs0(12)
夜が明ける。結局一睡もできなかった。
だが毎日の日課はこなす。
洗面所へ行き疲れた顔に冷たい水をかける。
そして、朝は適当にパンを焼いて食べた。
制服に腕を通し。準備は整った。
雨は相変わらず降り続けていた。
玄関で傘を、と思ったが。
しまった。メリーさんに貸したままだ。
午後からは雨が上がると天気予報で言っていたが。
しょうがない、バスまで走ろうと玄関を開けた時。
一番会いたかった顔がそこにあった。
「おはようございます」
メリーさんが黒い大きな傘を持って立っていた。

157 :efficus ◆3dGTQi3jXk :2007/06/20(水) 22:24:53.86 (p)ID:/iIPo7Fs0(12)
「おはよう」
と、メリーさんの顔を見たら少し緊張がほぐれた。
「ごめんなさい!ずっと傘借りっぱなしで
 困ってるかと思って迎えに来ました。」
ペコペコと頭を下げるメリーさんが可愛い。
長年の夢だった朝、女の子が家に迎えに来ると言う
シチュエーションが叶い、僕は感激していた。
朝起こしてくれたら完璧だったのにと、図々しいを思う。
「どうかしましたか?」
「いや、なんでもないよ
 それじゃあバス亭まで行こうか」
僕達は歩きだした。
朝女の子に起こされる夢は叶わなかったけど
メリーさんと相合傘で登校しているだけで幸せだった。

168 :efficus ◆3dGTQi3jXk :2007/06/20(水) 22:33:59.63 (p)ID:/iIPo7Fs0(14)
メリーさんに深夜の出来事を話そうかと思ったが
おそらく心配させてしまうかもしれないし。
優しいメリーさんの事だ、自分を責め立てるだろう。
それに、なぜ引き出しから火が出るんですか?と聞かれたら
説明しづらい。
深夜の出来事は墓場まで持っていこう。
だが、これだけはどうしても言っておかなければならない。
バス亭でバスを待つ間、僕は切り出した。
「メリーさん」
はい?と、小動物のように首を傾げるメリーさん。
「たぶん…犯人わかった。」
メリーさんの顔が強張る。
「そう…ですか…」
そう言って一度うつむいたが
すぐに真っ直ぐな目で僕を見てきた。
「まだ確証はないけど、今日決着をつける」
メリーさんは力強くうなずいた。
バスが来る。中には浩平が乗っているはずだ。

187 :efficus ◆3dGTQi3jXk :2007/06/20(水) 22:46:24.89 (p)ID:/iIPo7Fs0(16)
バスの扉が開き、傘を閉じ中へ入る
そして一番後ろの席を目指す。
浩平が5人分の席を占領している後ろの席へ。
後ろからメリーさんも付いて来る。
「おはよう」
「やぁ。ん…?疲れているようだな
 顔色が悪いぞ?」
いつもの調子で浩平が言う。
「そんな事はどうだっていいんだ
 聞きたいことがある」
「俺に答えられる事ならなんでも答えよう」
そして僕は浩平の耳元で最後の鍵となる質問をした。
メリーさんが不安そうな顔でこっちを見ている。
「ふむ…確かにその通りだ」
僕は黙り込む。
浩平も察してくれたのか、いつものように話しかけては来ない。
他の席の生徒達ががやがやとうるさかったが
一番後ろの席はバス亭に着くまで終始無言だった。

202 :efficus ◆3dGTQi3jXk :2007/06/20(水) 22:57:11.01 (p)ID:/iIPo7Fs0(16)
バス亭で降り、傘をさす。
浩平に先に行くと言って僕は、僕達は。
急ぎ足で学校へと向かう。
今ならまだ間に合うはずだ。
確証は得た。
おそらく確実にあいつだろう。
メリーさんは何も言わず付いて来る。
降りしきる雨、ズボンの裾が雨で濡れたが気にしない。
そして僕は目的の人物を見つけた。
前に回り、歩みを止める。
「おはようございます」
いつもの無愛想な顔でこちらを見て、何も言わない。
言ってしまえばもう止まれない。
僕は最後の決め手となる事を言った。
「その腕、どうしたんですか―― 先生。」

252 :efficus ◆3dGTQi3jXk :2007/06/20(水) 23:16:25.02 (p)ID:/iIPo7Fs0(17)
メリーさんを跳ねて河原へと落とし、
僕までも殺そうとした犯人。
英語科教師、兼僕の担任。坂井先生。
さっき浩平に聞いたのはこうだ
「坂井先生は一ヶ月前ぐらいから
 歩いて学校に来てなかったか?」
浩平はそうだと言った。
僕は知っているSHRがいつも短いのは
僕達生徒の事などに興味なんてないから。
自分の事しか頭に無い。
それに気づいてから僕はこの先生が大嫌いになった。
坂井先生が口を開く。
「…話がある、放課後残れ。」
冷たい声でそう言った。
「こっちこそ話があります」
と、僕も負けずに冷たい声で言ってやる。
指定してきた場所はいまは使われていない
焼却炉前。勝負は放課後。
もう戻れない。

303 :efficus ◆3dGTQi3jXk :2007/06/20(水) 23:48:10.18 (p)ID:/iIPo7Fs0(20)
僕はそう言い残し、先に行く。
先生から遠ざかった所で黙っていたメリーさんが言う。
「どうしてですかっやめてください!危ないです!!」
メリーさんが怒っているのをはじめて見た。
目に涙を浮かべながら叫ぶ。
ああ、こうなるとどうすばいいか困る。
と、思いっているとメリーさんが突進してきた。
僕の胸の部分に顔をうずめ、背中の後ろを手で掴まれる。
身動きが取れない。僕はメリーさんに抱きつかれていた。
「お願いですから…危ないことは…」
僕の胸で泣いている。
僕は女の子に抱きつかれたと言うことよりも
メリーさんはどうしたら泣きやんでくれるかそればかり考えていた。
ポン、とメリーさんの頭に手を置き僕は言った。
「大丈夫、学校じゃ派手な動きはできないよ
 ただ話し合いするだけだから、危ないことはしないよ」
そのままメリーさんの頭を撫でる。
「…本当ですか?」
メリーさんが顔を上げ、上目遣いで聞いてきた。
「大丈夫」
と力強く言いうとやっとメリーさんは離してくれた。

330 :efficus ◆3dGTQi3jXk :2007/06/21(木) 00:02:10.81 ID:GCzWKDH10
学校に着き、メリーさんとはしばしの別れ。
メリーさんは花子さんに相談しに行くと言っていた。
僕は教室へ、しばらくすると浩平が入ってきた。
浩平に話そうかと思ったが、浩平にまで危険が及んだら僕のせいだ。
すべてが終わったら話そう。
そして坂井先生が入ってくる。
一度だけ目が合ったがすぐ逸らす。
そしていつもの短いSHRが終わる。
今日は英語の授業は無い。
次に顔を合わすのは放課後だ。
そして、1時間目が始まる。
今日ばかりは真面目に受けよう。

588 :efficus ◆3dGTQi3jXk :2007/06/21(木) 23:23:12.58 (p)ID:GCzWKDH10(15)
4時間目終了のチャイムが鳴る。
真面目に4時間きっちり受けたのはひさしぶりだった。
各教科の教師が口を揃えて今日は寝ないのかと
言って来たのがムッと来たが。
まぁ自業自得だろう。
僕はクッと背伸びをし
昼食のカレーパンをバックから取り出す。
そして一口、二口と味を噛み締めた。
そろそろカレーパンの買い置きが無くなりそうだ。
買いに行かなくては。
僕はパンを食べ終え、ガムを口に放り込み。
日課となった男子トイレへと向かった。

600 :efficus ◆3dGTQi3jXk :2007/06/21(木) 23:33:39.77 ID:GCzWKDH10(15)
扉を開ける。
メリーさんはいない、いるのは花子さんだけ。
いつも通りの指定席に座っていたが
めずらしく、タバコは吸っていなかった。
花子さんはやっと来たかと言わんばかりに
こちらを見ていた。
「で、どういう作戦なんだ?
 下手すりゃ死ぬぞ」
花子さんが真面目な顔で聞いてきた。
事情はあらかたメリーさんが話したのだろう。
今朝、メリーさんに言った事は嘘だ。
危ない事はしないと言ったが
まず間違いなくあいつは僕を殺しに来るだろう。
危険を冒さなければ、あいつを警察に突き出す事もできない。
虎穴になんとかだ。
僕の考えを花子さんへと伝えた。

615 :efficus ◆3dGTQi3jXk :2007/06/21(木) 23:58:31.97 ID:GCzWKDH10(15)
すべて話した後、花子さんは
ため息をつき、ポケットからタバコを取り出し
口に咥え、火をつけた。
紫煙があたりに立ち込める。
「妥当だが…失敗する確立のほうが高いぞ 
 悪いことは言わん、やめとけ」
「それでも僕はやる」
言うと思った、そっくりだ。と
花子さんはいい、再びため息をついた。
と、急にドアからメリーさんが入ってきた
「花子さん、お使い済みまし…あっどうも!」
メリーさんは僕に気づくと深々とお辞儀をする。
つられて僕もどうも、と言い頭を下げてしまった。
花子さんが、まったくお前らは。と言って
優しい目でこちらを見ていた。
掃除開始のチャイムが鳴る。
今までの感謝を込め、しっかりと掃除する事にしよう。

632 :efficus ◆3dGTQi3jXk :2007/06/22(金) 00:11:11.82 (p)ID:VuOrYTvB0(7)
ゴシゴシとデッキブラシで
床を擦り、水で流した所で
チャイムが鳴った。
5,6時間目が始まるので教室へ行かなければならない。
「花子さん、いろいろとありがとう」
今日は、素直にそういった。
「別にお前の為じゃないさ」
と、照れくさそうに言う花子さん。
「小学生に世話になるとは思わなかったけど
 本当に感謝してる。」
「死んで来い。」
冷たく言い放たれてしまった。
最後かもしれないジョークなのに、結構傷ついた。
僕が扉を開け、出て行こうとすると
おい!。と花子さんに呼び止められた。
「それじゃあな」
と、手を振っていた。
何のことかよくわからず、とっさに僕も手を振った。
じゃあ、と短く言い残して。
僕はトイレを後にした。

860 :efficus ◆3dGTQi3jXk [] :2007/06/22(金) 20:32:39.24 ID:VuOrYTvB0
メリーさんに放課後教室で落ち合おうと伝え。
残りの5,6時間目に挑む。
なんとか平常心を保てていた
午前とは違い。
放課後へと時間が向かうにつれ
緊張感が増していく。
正直な話逃げたい衝動に駆られたが
なんとかそんな気持ちに蓋をしめた。
そして、6時間目終了のチャイムがなる。
授業は終わり、放課後が始まった。
867 :efficus ◆3dGTQi3jXk [] :2007/06/22(金) 20:42:10.28 ID:VuOrYTvB0
さすがに校内に生徒が残っている内は
先生も来ないだろう。
まだ少し時間がある。
次々と教室から人が出て行く。
浩平が話しかけてきた。
「事情は知らんが
 大一番って顔だな、がんばれよ」
本当に何者なんだろうかこいつは
おう。と一言いい、浩平を見送った。
そして静まり返る教室。
いつのまにか雨は止んでいた。
873 :efficus ◆3dGTQi3jXk [] :2007/06/22(金) 20:53:19.26 ID:VuOrYTvB0
そーっと教室を覗き込む人影。
メリーさんだ。
メリーさんは誰もいない事を確かめると
教室へ入って来た。
「これから行くんですよね?」
不安げな表情でメリーさんが聞いてくる。
僕は無言でうなずいた。
「本当に危なくないんですよね?」
さらに聞いてくる。
「大丈夫、危なくないよ。でも万が一の時は
 メリーさんに手伝って欲しい事があるんだけど」
「私にできる事ならなんでもします」
と、強い眼差しで了承してくれた。
メリーさんに作戦を伝え、準備を整える。
細工は流々。
878 :efficus ◆3dGTQi3jXk [] :2007/06/22(金) 21:04:20.44 ID:VuOrYTvB0
そろそろ、校舎に残っている生徒はあらかた
外に出ただろうか。
僕とメリーさんは指定された焼却炉へと向かう。
焼却炉がある校舎裏の周りはブロック塀で囲まれており、
中へ入るには校舎からしか入れない。
以前は使っていたがようだが法の改正で
焼却炉が使用禁止になってからは
資材やゴミ置き場として使われている。
生徒が立ち入ることは学期末の大掃除くらいだ。
聞かれたくない話をするには持って来い。
僕にとっては危険で先生にとっては好都合。
そんな場所へと続く扉を僕は開けた。
886 :efficus ◆3dGTQi3jXk [] :2007/06/22(金) 21:25:22.44 ID:VuOrYTvB0
先生はまだいない。
僕はとりあえず中へ入り中を見渡す。
ゴミや机、資材などが所どころに固められている。
下に生えている雑草は雨露で濡れていて
歩くたびに靴の中が湿ってくる。
吹く風が涼しい。心を落ち着けようと
雨上がりの空を見ると赤く、毒々しい夕焼け空だった。
バタン!と扉が閉まる音が響く。
あわてて振り向くとドアの前に先生が立っていた。
しまった。
ぼうっとしていて出口を塞がれてしまった。
先生は無愛想な顔でずっとこっちを見ている。
僕も何も言わず睨み付けた。
張り詰めた空気が漂う。
先に先生の方が口を開いた。
895 :efficus ◆3dGTQi3jXk [] :2007/06/22(金) 21:39:53.00 ID:VuOrYTvB0
「ここはいい場所だな」
たしかにここはいい場所かもしれない
風は気持ちいいし、人はいなく
秘密の場所のような感じだ。
「人は来ないし、血の片付けも簡単だ
 おまけに焼却炉まである」
と、焼却炉を指差し淡々と言う。
そう意味か、どうやら本当にここで殺すらしい。
あらためてこいつの冷酷さを感じる。
先生が内ポケットに手を突っ込み、再び取り出すと
手には折りたたみナイフが握られていた。
パチンっとナイフの刃を出す。
刃が内側に湾曲していて動物の爪のような形だった。
緊張感が走る。
925 :efficus ◆3dGTQi3jXk [] :2007/06/22(金) 22:20:43.47 ID:VuOrYTvB0
「なんで…すぐ助けなかったんですか?」
僕は低い声で言う。
「あの事か。女一人の為に人生滅茶苦茶にされてたまるか。
 証拠はあらかた消し、警察の上部に高い金を渡し、
 後は外車が修理から返ってくれば俺の生活は元通りだった。
 それをお前が今更になってあの貼り紙だ」
よけいな事を。と、先生が言う。
僕は気がつくと拳を作っていた。
ぶん殴ってやりたい衝動に駆られたがこらえる。
「ところで何故おまえが俺の車を知ってるんだ」
少しづつ近づいてくる先生。
「聞いたんですよ…本人に」
なにを馬鹿な事を、と鼻で笑う先生。
「まぁなんでもいいか」
と、ゆっくりと歩いてきた先生が
突然走り出し、迫ってきた。
僕は突然のその行動に、一瞬反応が遅れてしまった。
すぐに後ろに下がったがすぐに追いつかれる。
僕の腹にナイフの刃が当たる。
そして、思いっきり横に引き裂かれた。

946 :efficus ◆3dGTQi3jXk [] :2007/06/22(金) 22:38:15.43 ID:VuOrYTvB0
ネクタイが切れ、制服がブチブチと裂ける。
だが血は吹き出ない、その変わり地面に落ちてきた物は
「教科書?」
先生が呆気にとられている。
僕は後ろへと跳ぶ。
映画で見てからずっとやってみたかった。
僕は、ここに来る前に教科書を体に巻きつけていた
精一杯の皮肉を込め、英語の教科書を。
少し厚さに欠けていたいたのか、軽く血が出ていた。
だが作戦の第一段階は成功。
ここからは正当防衛。
無抵抗の生徒を教師がナイフで傷つけたとなれば警察沙汰だろう。
どうにかして逃げれば僕の勝ち。
先生がこっちを睨みつけ、再び迫ってきた。
続けて作戦第2段階
「メリーさん!」
ツールボックス

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