あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ内検索 / 「出来損ないの魔術師と改造人間-4」で検索した結果
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出来損ないの魔術師と改造人間
小説版仮面ライダー 誕生1971より、ハヤト召喚 出来損ないの魔術師と改造人間-1 出来損ないの魔術師と改造人間-2 出来損ないの魔術師と改造人間-3 -
リンク切れっぽいページ
... 出来損ないの魔術師と改造人間-4 マジシャン ザ ルイズ 3章 (60) ザンキゼロ 00の使い魔 ◎◎◎ ゼロのアルケミストアルケミストアルケミストアルケミストアルケミスト ゼロのアルアルアルケミスト ... -
出来損ないの魔術師と改造人間-1
トリステイン魔法学院に於いて、二年生への進級を賭けた大事な儀式である、使い魔召喚の儀。 様々な幻獣が生徒達によって呼び出される中、ルイズと言う少女の呼び出した使い魔は、他の者が呼び出したそれと、間違いなく一線を画していた。 立ったまま瞑目し、ピクリとも動かない一人の青年。それが彼女の呼び出した使い魔であった。 一緒になって現れた見たことも無い形をした、車輪の二つ付いた乗り物らしき物体には、飛蝗の様な仮面が載せられている。 「……な、何だあれ」 「平民? にしても、あれ何よ」 「ゼロのルイズは一体何を呼んだってんだ……?」 このハルケギニアに於いての貴族からすれば、どう見ても平民のナリをした男なのだが、如何せん同時に呼び出された物のおかげで、皆もどう反応していいのか分からないのだった。 当の召喚した本人であるルイズは、どうしたものかと隣... -
出来損ないの魔術師と改造人間-3
「ど、どうしてまともに走らないのよぉーーー!」 「…………あー」 ルイズがバイクの乗り方を教えて欲しいとハヤトに頼んだのは、翌朝の事だった。 正直な所、予想はしていたが、小柄なルイズでは一人でこのバイクに跨るのは難しいのだ。 どう理由を付けて断ろうかとシュミレートしていた矢先の出来事である。思わずハヤトは困り顔で唸ってしまった。 当のルイズと言えば、今までに無く目を輝かせて、両手まで合わせて頼み込んで来ていたのだ。この顔を見てしまえば無下に断るのも気が引けた。 まぁ、実際の所は電子演算機の制御によってこけぬ様にも操作できるのだが、バイクに乗るに当たって、そう甘えた考えを持たせるのも良くない。 結局の所、自分の見ている前では絶対にサイクロンには触れないこと。 それを念押ししながら、昼休みなどの空いた時間を使い、人気の少ないヴェストリの広場でのバ... -
出来損ないの魔術師と改造人間-2
ルイズの使い魔としての生活は、ハヤトにとってある種客観的な立場で芝居でも見ているかの様な感覚を抱かせる物だった。 生前、既に現実味の無い出来事を経験していた訳だが、現状はそれとはまた更に輪をかけた異質さである、別世界での出来事である。主観がどうしても一歩引いた位置にあったのだ。 そんなハヤトのこの世界での在り方は、使い魔としての体面を保ちながら、この幻想に満ちた世界を堪能しようと言う考えの上に成り立っていた。 「何かあるとすぐに散歩に誘うわね、あんた」 「色々と見ておきたいんだよ。何せ、故郷じゃ見られなかった風景なんでね」 「ふうん。あんたの故郷って、トンだド田舎だったのね」 「否定はしないさ」 事ある毎に平民を召喚したゼロのルイズ、いつまでたっても魔法が成功しないゼロのルイズなどと馬鹿にされる主人は、のらりくらりとした上、あっけらかんとした... -
テスト空間
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虚無の魔術師と黒蟻の使い魔
戦う司書シリーズからモッカニアの本を召喚 虚無の魔術師と黒蟻の使い魔-01 虚無の魔術師と黒蟻の使い魔-02 虚無の魔術師と黒蟻の使い魔-03 虚無の魔術師と黒蟻の使い魔-04 虚無の魔術師と黒蟻の使い魔-05 虚無の魔術師と黒蟻の使い魔-06 虚無の魔術師と黒蟻の使い魔-07-1/2/3 虚無の魔術師と黒蟻の使い魔-08 虚無の魔術師と黒蟻の使い魔-09-1/2 虚無の魔術師と黒蟻の使い魔-10 虚無の魔術師と黒蟻の使い魔-11-1/2 虚無の魔術師と黒蟻の使い魔-12-1/2 虚無の魔術師と黒蟻の使い魔-13 虚無の魔術師と黒蟻の使い魔-14 虚無の魔術師と黒蟻の使い魔-15 虚無の魔術師と黒蟻の使い魔-16 -
虚無の魔術師と黒蟻の使い魔-03
前ページ次ページ虚無の魔術師と黒蟻の使い魔 朝。 というにはいささか早い。まだ早朝というべき時間である。 普段は寝起きの悪いルイズが、そんな時間にすでに目を覚ましていた。 ただ、さわやかな覚醒とはいかないようである。 「……最悪」 げんなりとした顔で呟くルイズ。 背中が汗で湿っているのを感じる。腋の下にも嫌な汗をかいている。 不快だ。 こんな時間に目を覚ましてしまったのならそのまま二度寝に入るのが常だが、この状態では気持ち悪くて眠れそうにない。 いや、汗などは実際にはたいした問題ではない。 今は瞳を閉じるのが嫌なのだ。 そうしてしまうと、嫌でも先程見た、夢の中で見た光景が浮かんできてしまいそうだからだ。 ルイズは体を起こしベッドに腰掛けた状態で机に目をやる。 そこには手のひら大の板状の石、モッカニアの『本』が置いてある。 ベッドに腰掛け... -
一覧テスト01
長編(五十音順:’07/09以前更新) あ行 か行 さ行 た行 な行 は行 ま行 や行 ら行 わ行 その他 あ行 作品タイトル 元ネタ 召喚されたキャラ 更新日時 ルイズと再生の魔法使い アリアンロッドリプレイ・ルージュ トラン=セプター 2009-10-11 16 56 31 (Sun) 『虚無と金剛石~ゼロとダイアモンド~』 ウィザードリィ アラビク王子 2009-10-11 17 42 40 (Sun) ハルケギニアの騎士テッカマンゼロ 宇宙の騎士テッカマンブレード ラダム樹 2009-10-15 22 07 39 (Thu) 使い魔は神様? 大神 アマテラス 2010-05-05 14 12 43 (Wed) ゼロと雪姫 オーバーマン キングゲイナー アナ・メダイユとリンク・リンス・リンナ... -
虚無の魔術師と黒蟻の使い魔-02
前ページ次ページ虚無の魔術師と黒蟻の使い魔 夜。 天には二つの月が輝いている。 ルイズは夕食を済ませると、ワインを飲みながら歓談するクラスメイトたちを尻目に、早々に部屋に戻り閉じこもってしまった。 基本的にルイズには友達が少ない。いや、いないといってしまっても差し支えない。 なので、夕食後の歓談の輪に入らないのは特に珍しいことではない。 ただ、夕食後もしばらくは席を立たず仏頂面のままワインを飲んでから部屋に戻る、というのが普段のルイズのパターンである。 話し相手がいないからといってすぐに部屋に戻ってしまうと、まるでそこから逃げてるような気がして、プライドの高いルイズには許せないのだ。 しかし、今夜は夕食を食べ終わるとそそくさと部屋に戻ってしまった。 そんな、普段とは違うルイズの行動に気づいたのは、寮で隣室であるキュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハル... -
虚無の魔術師と黒蟻の使い魔-15
前ページ次ページ虚無の魔術師と黒蟻の使い魔 「ボーっとしちまって、どうしたんだ相棒」 デルフリンガーがカチカチと音を立てながら言う。 「うん」 しかしルイズの反応は鈍い。 アンリエッタ姫の歓迎の式典が終わってから、ずっとこの調子である。 ルイズは久しぶりに見たアンリエッタともう一人のことで頭がいっぱいだった。 「まぁ、ボーっとするのは構わねえけどよお、俺の扱いがちょっとどうかと思うんだがよ……」 ルイズはボーっとしながらも、デルフをその手に持ち上下に動かしていた。 ダンベルのように。 「そういう使い方されると、おれの剣としての自尊心が……激しく傷ついちゃうんだよ……」 しかしルイズはにべもない。 「部屋の中で振り回したら危ないじゃない」 デルフの言葉を意に介さず、ダンベル運動を続け... -
長編(五十音順)-02
か行 作品タイトル 元ネタ 召喚されたキャラ 更新日時 ドラゴンナイト・ゼロ 駈斗戦士仮面ライダーズ 超変身ギャグ外伝 サバイブ龍騎 2010-02-18 13 40 53 (Thu) 日本一の使い魔 快傑ズバット 早川健 2009-10-19 20 39 26 (Mon) ゼロウォーズ カオスウォーズ 日下兵真 2009-10-19 20 57 46 (Mon) ルイズ風水回廊記 カオスシード 飛天石 2009-10-19 21 07 22 (Mon) ゼロのヒットマン 家庭教師ヒットマンREBORN! 獄寺隼人 2009-10-19 21 18 05 (Mon) 滅殺の使い魔 CAPCOM VS. SNK2 神人豪鬼(しんごうき) 2009-10-19 21 22 57 (Mon) ゼロの使い魔外伝‐災いのタバサ‐ 平成版「ガメラ」 ギャオス 2010-12-02 21 08... -
虚無の魔術師と黒蟻の使い魔-11-2
前ページ次ページ虚無の魔術師と黒蟻の使い魔 ルイズは小屋から出ると、意味はないかと思いながらもデルフリンガーを引っ掴んで小屋の外の開けた場所まで駆けていく。 そしてその目の前にそびえるゴーレムの威容に思わず思考が止まる。 あの夜。初めは遠くから見た。その後上空から見た。 そして今。その真下から見ている。 大きい。まずそんな言葉が頭をよぎり、そして次によぎるのは「勝てるのか?」という疑問。 蜘蛛の魔剣のことばかり考えていた。もしそれがシュラムッフェンなら、使われたらそれで終わりだ、と。 とんだ間抜けだ。蜘蛛の魔剣など関係なく、端から自分に勝ち目などなかった。黒蟻、爆発、肉体強化。どれ一つとして目の前のゴーレムをどうこうするような力はない。 「フレイム・ボール!」 隣に立つキュルケがゴーレムに向けて魔法を放つ。火の系統2乗分の火球がゴーレムへと向かう。 「ファイ... -
虚無の魔術師と黒蟻の使い魔-12-2
前ページ次ページ虚無の魔術師と黒蟻の使い魔 シルフィードが地上に降りる。 フーケからはおよそ70メイル離れた距離。 フーケもこちらを見てはいるが、動く様子はない。 しかし、突然ルイズたちより15メイルほど手前の木が切り刻まれる。 そこが射程ということだ。 射程を把握したフーケは、残り15メイルをどう詰めるかを考えているのだろう。 上空と違ってゴーレムを足場に一気に距離を詰めるということはできない。 ルイズたちの怪我の状態を考えれば、単純に脚はフーケのほうが上回っているのは間違いない。しかし、瞬時に詰めなければまた上空に逃げられる恐れがあるのだ。 フーケとしてはここで決着をつける必要はない。だが、それでもここで決着をつけられるならそうしたい気持ちもあるはずだ。 ルイズの持つ情報にまだ未練があるはずだから。 ここでなら、抵抗できなくした上で拷問でもして情報を搾... -
虚無の魔術師と黒蟻の使い魔-10
前ページ次ページ虚無の魔術師と黒蟻の使い魔 箱を開けるとそこには一匹の巨大な蜘蛛。 この箱をプレゼントだなどといって渡せば随分な嫌がらせになる。 そんな益体のないことを思いながら、フーケはその蜘蛛に手を伸ばす。 それは本物の蜘蛛ではない。蜘蛛の彫像。かなりリアルなつくりではあるが、本物と見分けがつかないと言うほどの物ではない。 だが、フーケの手がその蜘蛛に触れた瞬間、まるで本物のようにその8本の足が動き出す。 その脚がフーケの手に絡みつき捕らえる。 そしてその尻からするすると、糸を吐き出すように細身の刀身が伸びてくる。 これが蜘蛛の魔剣か。 フーケはその顔に満足げな笑みを浮かべる。 取り敢えず最悪の事態だけは回避できたようだ。 蜘蛛の魔剣に付き纏う多くの曰く。その中には、これがマジックアイテムでもなんでもないという話すらあった。 メイジの巣窟である魔法学... -
虚無の魔術師と黒蟻の使い魔-05
前ページ次ページ虚無の魔術師と黒蟻の使い魔 力が欲しい。 ルイズの16年の人生。それは自身の無力を見せ付けられながら生きる16年。 親からはじめて杖を与えられたとき、これから自分が手に入れるであろう力に胸を膨らませた。 ルイズは日夜魔法の練習に明け暮れた。貴族として生まれたからには、どんな子供も己が魔法を使う姿を夢想して育つものだ。 だがルイズの夢想は現実のものになることはなかった。 はじめは、ただ純粋に子供の夢を現実にするため練習し続けた。 両親や二人の姉の応援・叱咤・激励・指導。そのころは素直に聞くことができた。 だがある時、ルイズは使用人たちが陰で何を話しているのかを知ってしまった。 曰く、二人の姉はルイズぐらいの年頃にはコモンどころかドットのスペルも使えるようになっていた。曰く、どこぞの貴族の子供はルイズより年下だが初めての魔法に成功したら... -
虚無の魔術師と黒蟻の使い魔-04
前ページ次ページ虚無の魔術師と黒蟻の使い魔 「皆さん。春の使い魔召喚は、大成功のようですわね。 このシュヴルーズ、こうやって春の新学期に、様々な使い魔達を見るのがとても楽しみなのですよ」 使い魔召喚の儀の翌日。最初の授業の冒頭に教壇に立つ教師は、そう言った。 (あちゃー。言っちゃった) キュルケは心の中でで舌打ちした。 シュヴルーズの浅慮に対してである。 この言葉は導火線に火を点けたようなものだ。まわりまわって昨日のルイズの召喚の結果を笑いものにするような流れになるだろう。 形としてはドミノ倒しの最初の一枚目を倒したと喩えるほうが相応しいのだろうが、繋がっている先が爆弾なのだから、やはり導火線だ。 (男子生徒。あの太った……なんて名前だっけ? まぁ、あのあたりね) 「おい。ゼロのルイズ。ちゃんとあの使い魔は連れてきたのか?」 キュルケの思... -
虚無の魔術師と黒蟻の使い魔-06
前ページ次ページ虚無の魔術師と黒蟻の使い魔 魔法権利を身につける。そう決めたルイズは、夕食が終ったあとの時間を魔術審議のための時間として充てることとした。 毎晩魔術審議を欠かさず行い、そして魔法権利を行使し魔術審議の成果を確認する。 はじめ、ルイズは己が天才かもしれないと思っていた。 本来たった一回の魔術審議で魔法権利を獲得するということはまず無いことだ。故に一回で魔法権利を獲得した己を、すわ天才かと思ったのだ。 たった一回の魔術審議で一匹とはいえ蟻を生み出せるようになったルイズは、己に魔法権利を扱うための才能が多大に与えられているのだと思ったのだ。 だがそれがどうにも違うようだということが、2回目以降の魔術審議でわかった。 2度目の魔術審議。ルイズは黒蟻の魔法ではなく、他の魔法権利を獲得しようとした。次姉、カトレアを癒すための治癒の魔法を身につけようと思っ... -
虚無の魔術師と黒蟻の使い魔-09-1
前ページ次ページ虚無の魔術師と黒蟻の使い魔 トリステイン王国王都トリスタニアの路地裏にある一軒の武器屋。 薄暗い店内。その天井近くを黒い一匹の虫がふらふらと飛んでいる。 客はいない。店主一人。 店主はその虫には気づかず、それ故に気づかない。次の瞬間、その虫が忽然と消えてしまったことに。 「消えた」という言葉は比喩ではない。文字通り存在していたはずのその虫が、次の瞬間には存在していなかった。 虫が入ってきたことも、忽然と消えてしまったことも知らない店主だが、次に入ってきたものには当然のように気がついた。 見落としようもない。人間。 だが、それも先ほどの虫が忽然と消えたことには比べられないが、異常なものだった。 「これはこれは貴族様。うちはまっとうな商売をしてまさあ。お上に目を付けられるような事なんか、これっぽっちもありませんですぜ?」 それは貴族だった。 武... -
虚無の魔術師と黒蟻の使い魔-13
前ページ次ページ虚無の魔術師と黒蟻の使い魔 「目が覚めたかね。ミス・ヴァリエール」 ルイズが目を覚ますと、オールド・オスマンが居た。 なぜ自分の部屋にオスマンが居るのか、ルイズは辺りを見渡してその考えが間違いであることに気づく。 ここは自分の部屋ではない。 ルイズの寝ているベッドに並ぶように、3つのベッドが配置されている。 ルイズの隣のベッドにはキュルケ。そしてその隣のベッドにはタバサが居る。2人ともベッドに腰掛け、オスマンと話していたようだ。 室内の調度は質素のものばかり。棚の中にはルイズには得体の知れない壜が並んでいる。 そこは学院の医務室だった。 「大体の話はミス・タバサから聞かせてもらったわい。ご苦労じゃったの」 そう言うとオスマンは椅子から立ち上がる。そしてルイズに向けて深々と頭を下げた。 「済まない。生徒であるお主にとんでもない仕事を任せてしま... -
虚無の魔術師と黒蟻の使い魔-11-1
前ページ次ページ虚無の魔術師と黒蟻の使い魔 「あそこに見えるのがフーケが入って行ったという小屋です」 ロングビルが指差す先には、一軒の粗末な小屋が建っている。 小屋も建っているし、あたりの木は疎らで、ここが人の手の入った森なのだとわかる。 だからこそ目撃者もいたのだろう。 ロングビルの後ろには、キュルケ、タバサ、そしてデルフリンガーを背負ったルイズと続いている。 結局ルイズはあれから今まで押し黙ったままだった。 いろいろと考えなければならないことがあった。 本当に蜘蛛の魔剣はシュラムッフェンなのか。シュラムッフェンだとしたら何故オスマンは使い方が解らないのか。肝心のフーケは使えるのか。 蜘蛛の魔剣の特徴は、明らかにそれがシュラムッフェンだと物語っている。 ならば、もしフーケがそれを持って現れた場合どうするのか。逃げるしか出来ない。先程はそう言ったが、逃げるこ... -
虚無の魔術師と黒蟻の使い魔-16
前ページ虚無の魔術師と黒蟻の使い魔 ルイズは膝を抱えて泣いていた。 ヴァリエール家の庭にある池に小船を浮かべ、その上で。 どうにも陰気な雰囲気の漂うこの場所に好んで近づくものは少なく、それ故、専らルイズが一人で泣くための場所となっていた。 今回はどうして泣いているんだろう? そう考えてルイズは気づいた。これは夢だ。 膝を抱えて泣いているルイズ。ルイズはそれを俯瞰して見ていた。 これが夢でないというのなら、膝を抱えて泣いているように見えるルイズは実は既に死んでいて、肉体を抜け出し魂となって己を見ているのかもしれない。 (案外、そうかもしれない) ルイズは思った。 俯瞰してみるこの感じ。空気に溶けているかのようなこの感覚。 これは『本』を読む感覚に似ている。 自分の『本』があるというのなら、自分はもう死んでいるのだろう。しかしその『本』を読む自分は誰なのか。... -
虚無の魔術師と黒蟻の使い魔-08
前ページ次ページ虚無の魔術師と黒蟻の使い魔 「うーん……」 ルイズは一人唸っていた。 自室のベッドに腰掛け、あごに手を当て考え込んだかと思うと、頭を抱えて俯いたりと落ち着きのない姿を見せている。 ふと、窓を見ると空が赤いことに気づく。 いつの間にか日が暮れていた。……そんな風に思えればどれだけ嬉しいだろうか。 ルイズの心中は、しつこくも地平線の上で粘り続ける夕日に対する憎々しげな気持ちで一杯だ。太陽など早く沈んでしまえばいいのに。 太陽が沈めば夜が来る。待ちわびていた夜が来る。 夜が来れば……。 夜が来れば? 夜が来たところで何も変わりはしないじゃないか。 夜が来たところで…… 「することがない……」 ルイズは暇を持て余していた。 ギーシュとの決闘の後、ルイズとギーシュには学院から処罰が下されることとなった。 謹慎5日間。 今日はその初日で... -
虚無の魔術師と黒蟻の使い魔-09-2
前ページ次ページ虚無の魔術師と黒蟻の使い魔 「ぶっちゃけて言うとよ、お前さんのそれ、水の魔法だなんて嘘だろ」 夜。 学院の中庭にデルフリンガーを携えたルイズがいた。 「いや、別にな。これを見てそう思ったわけじゃないぞ。最初っからな、お前さんに最初に握られたときから解ってたことだぜ」 ルイズの周りにはいくつかのクレーターが出来ている。系統魔法のトレーニングをした結果だ。 今にして思えば、水の魔法だなんて嘘はルイズが系統魔法を使えないということを知らない武器屋の店主相手だからこそ通じる嘘だった。 ただデルフリンガーの言を信じば、始めから系統魔法ではないことは気づいていたということだ。とりあえずこの剣を回収しておいたのは正解だった。 「で? 系統魔法じゃなければ何だって言うの?」 ルイズはデルフリンガーに聞く。この剣はどこまで知っているのか。 「うーん。系統魔法じ... -
虚無の魔術師と黒蟻の使い魔-07-2
前ページ次ページ虚無の魔術師と黒蟻の使い魔 「諸君。決闘だ!」 ギーシュが高らかに宣言する。 周りの野次馬たちから喚声が上がる。 ギーシュは野次馬の喚声に応え手を振る。 ギーシュはここに至り多少の冷静さを取り戻し、そして開き直った。決闘であれば問題ない、と。 決闘自体は問題だ。本来禁止されている。おそらくこの騒ぎが終われば、学院から幾日かの謹慎なり、何か処罰が言い渡されるだろう。 だがそれはルイズにも言えることだ。 決闘であれば、決闘をした両者が悪い。 もしルイズを香水のビンを拾ったことで責めていたなら、明らかにギーシュ一人に非がある。 だからと言ってルイズにメイドを連れて行かせたら、ふられた上にルイズにやり込められるという恥の上塗り。 それに比べれば決闘という形で両者が処罰を受ける痛み分けの形は随分ましだ。 そして、決闘の中身でルイズに二度と生意気な口... -
虚無の魔術師と黒蟻の使い魔-01
前ページ次ページ虚無の魔術師と黒蟻の使い魔 「ミスタ・コルベール! 召喚のやり直しをさせてください!」 「駄目です。ミス・ヴァリエール。使い魔召喚の儀式は神聖なものです。それがどんな『もの』であろうと、呼び出してしまった以上は契約しなくてはなりません」 春の使い魔召喚の儀式。 ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン。ド・ラ・ヴァリエールは自身の召喚の結果を不服として、担当教諭のコルベールにやり直しを要求するが、コルベールはというと「伝統・神聖」の一点張りで取り付く島もない。 必死に食い下がるルイズとそれを諭すコルベールのやり取りに、呼び出したばかりの使い魔に夢中だったほかの生徒たちもにわかに注目しだした。 ルイズとコルベールを囲むように人だかりができ始めていた。 「なぁ、マリコルヌ。何の騒ぎだい? またゼロのルイズが何かやらかしたのか?」 ルイズたちを囲む輪の... -
虚無の魔術師と黒蟻の使い魔-14
前ページ次ページ虚無の魔術師と黒蟻の使い魔 「え? あの? すいません。何て言いました?」 そんなことを言う目の前の女性に、理不尽な怒りがこみ上げてくる。 しかし、その怒りがどれだけ理不尽なものか十分に理解している故、彼はその怒りを己の心のうちに留めておく。 結局、彼も現実を受け入れるのことが出来ていないのだ。何にでもいいから強い感情をぶつけて、現実から目を背けていたいのだ。 だが、それはしない。 彼は声と感情を押し殺して言う。 「もう一度言う……マチルダが死んだ」 彼は『土くれ』のフーケの協力者だった。 盗賊稼業に手を貸していたわけではない。フーケがその仕事で稼いだ金を預かり、それを食料品や生活雑貨に変えてアルビオンのウエストウッド村に届けていた。 そこにはフーケの妹分とも言うべき存在がいて、その妹分と、彼女が面倒を見ている孤児たちを養うため。 目の前に... -
虚無の魔術師と黒蟻の使い魔-07-1
前ページ次ページ虚無の魔術師と黒蟻の使い魔 ぴしゃり。乾いた音が響き渡る。 そのあとに続くのは喧しい金切り声。さらにそのあとを狼狽した男の声が続く。 「喧しいわね」 キュルケは不機嫌そうにそれらの音のするほうに目を向ける。 そこには目に涙を浮かべながら走り去るモンモランシー、それを呆然と見送るギーシュがいた。 「痴話喧嘩」 タバサが短く言い放つ。 「全くくだらないわねぇ」 やれやれといった調子でギーシュに向けた視線をタバサのほうに向けるキュルケ。 喧しいとは思ったが、モンモランシーが走り去ったのなら痴話喧嘩は終了だろう。これ以上騒がしくなることはない。 そう思ったキュルケだったが、その考えはすぐに覆される。 「君のせいで2人のレディーの名誉に傷がついた! どうしてくれるんだ!」 それはギーシュの怒鳴り声だった。 何事かと振り返ると、そこには土下座せん... -
虚無の魔術師と黒蟻の使い魔-07-3
前ページ次ページ虚無の魔術師と黒蟻の使い魔 ギーシュは背中に地面を感じていた。 つまり自分は倒れているのか? 必死に状況を把握しようと頭を巡らす。 脚が痛い。痒い。熱い。それは突如現れた巨大な蟻にやられたもの。 胸が痛い。それは? それはルイズとぶつかったことによる痛みだろうか。 腹が重い。どういうことだ? 何かが乗っている。腹だけじゃない。腕も何かに押さえつけられている。どういうことだ? ぽたり。 何か液体が己の顔に落ちてきた。 ギーシュは目を開く。 そこには涙を流すルイズがいた。 ギーシュが感じた重みはルイズだった。腹の上に馬乗りに乗っかっている。そしてギーシュの両の腕を脛で押さえている。 そして涙を流している。 「な、」 「あふふはは」 なぜ泣いている? この状況でそれを聞くのはひどく間抜けなようにも思えたが、ギーシュの頭に真っ先に浮かんだ疑問... -
虚無の魔術師と黒蟻の使い魔-12-1
前ページ次ページ虚無の魔術師と黒蟻の使い魔 「え!? ミス・ロングビル……何を言って……」 ルイズは目の前で展開されていく事態を理解できないでいた。 ミス・ロングビルがフーケだというのなら、今この状況は、これまで散々想定していた最悪の事態。フーケがシュラムッフェンを持って現れるという、そのものではないか。 なぜフーケがシュラムッフェンを持っている? それは私が手渡したからだ。しかもその後、ご大層に使い方の説明までして。 この事態が最悪なら、私は最低だ。 「このっ!」 キュルケは杖をフーケに向ける。 しかし、杖がフーケのほうへと向いたときには、フーケはその手に持ったシュラムッフェンを軽く一振りしていた。 キュルケたち3人の後ろでばさばさと木の倒れる音がする。 「あらぁ。ちゃんとお話聞いてなかったのかしらぁ。振った瞬間斬れるって忘れちゃったぁ? 覚えてるなら質問... -
ルイズの魔龍伝-01
前ページ次ページルイズの魔龍伝 1.ゼロに喚ばれし「ゼロ」 少女は夢を見ていた 今まで見たことの無い夢 稲光が走る雷雲の中、巨大な黒い龍が飛んでゆく そして、その龍の背に乗っている少女 「(私は…どこへ行くのだろう)」 少女の想いを乗せて、黒い龍は雷雲の中を飛んで行った…… “彼”は目の前の状況を理解しようとしても到底出来るものではなかった。 「(人間…の少女?何だ?周りの奴も似たような格好…制服…?学校か何か?)」 旅の途中、目の前に突如現われた鏡のような物体。 異様な雰囲気に敵の罠かと思い剣をとっさに抜き斬りかかったら、 突如光が視界を覆い尽くし気づくとこの風景である。 抜けるような青空、そよぐ平原、後ろにそびえる大きく荘厳な建造物。 そして目の前にいるブラウスでスカート姿、マントに小さな杖を持った桃... -
ゼロの氷竜-05
前ページ次ページゼロの氷竜 ゼロの氷竜 五話 太陽が、地平線と別れを告げていた。 涼やかだった空気も、いつの間にか暖かさを身にまとっている。 小鳥のさえずり、小さくも力強いその羽音。 水をくみ上げているのであろう、井戸の滑車の音。 使用人同士の挨拶の声。 窓の外で繰り広げられるその全てを、ブラムドの耳はとらえていた。 また、窓の外の小さな喧騒とは裏腹に、寮の内側ではまだ何の音も聞こえてこない。 ……起こすにはまだ早かろう。 そう考えたブラムドは何とはなしにルイズの顔を見つめ、そのままそっと目を閉じた。 昨日から今朝にかけ、いくつか魔法を使ったものの、体内のマナは十分な力を保っている。 ふと、ブラムドは違和感に気付く。 マナの消耗が少なすぎる。 フォーセリア世界では万物の根源とされるマナ。 地水火風の精霊を操る精霊使いの初歩は、精霊の存在を知覚... -
とある魔術の使い魔と主-53
前ページ次ページとある魔術の使い魔と主 「こっちの魔術はちょっとスタイルが違うんだにゃー」 基本、必要最低限しか摂取しなくても大丈夫な土御門は、村長のご好意によって頂いた夕食を割と早く食べ終えた。 一方のインデックスは、未だにガツガツと手と口の動きが絶えない。 土御門がインデックスのためにと残した分もたいらげ、まだまだお腹いっぱいには程遠いご様子。既におかわりモード突入だ。 あの小柄な少女のどこにそんな腹があるのだろうと、村長が驚きを隠せていない。 このままでは村長の好感度が下がってしまうと危惧した土御門は、彼女の食事に対する勢いを止めようとインデックスに話しかけた。 この世界の魔術――もとい魔法を二、三回見ただけで多少理解したのはさすがと言うべきなのだろうか。たとえあのような状況でも観察を怠らないのが土御門だ。 返事をするのがめんど... -
長編(話数順)-01
長編(ページ数順01~04P) ※総ページ数をカウント(例:第○話が前後編なら2ページ分、外伝や幕間も加算) 長編(話数順05P~14P)へ 長編(話数順15P~)へ 01~04P 01~04P 作品タイトル 元ネタ 召喚されたキャラ 更新日時 ラスト・レイヴン×ゼロ ARMORED CORE LAST RAVEN ジナイーダ 2009-10-11 15 58 32 (Sun) ゼロのあやかし ~使い魔の名は愁厳~ あやかしびと 一乃谷愁厳 2009-10-11 16 45 22 (Sun) ルイズと再生の魔法使い アリアンロッドリプレイ・ルージュ トラン=セプター 2009-10-11 16 56 31 (Sun) 零の謳姫 アルトネリコ2 世界に響く少女たちの創造詩 ジャクリ 2009-10-11 17 11 51 (Sun) 『虚無と金剛石~ゼロとダイアモ... -
ゼロの超律-01
前ページ次ページゼロの超律 「出来損ない」と呼ばれることには慣れていた。 勉強はそれほど得意ではなかったし、元が孤児で字も読めなかったことを考えれば、講堂で講義を受ける自分が滑稽ですらある。 周囲の席に座る名家の子弟に比べれば、道端の塵のような自分だ。成績が底辺を這うようなものでも誰も気にしない。 さすがにそれだけでは癪なので、枯葉のような自尊心のために選択科目の剣術に精を出したが、成績の悪いおちこぼれ寸前と言う評価は変わらなかった。 子どものころ、孤児だった彼は、道端で石を拾った。きれいな石だ。 後にその石がサモナイト石と呼ばれる召還の触媒であることを学ぶのだが、その場では関係ない。 手の中で転がる石が綺麗で、何度も何度も石を転がした。 そして、光る石に少しだけ願をかけた。 それが過ち。 石から閃光がほとばしり、異界への門を開き... -
ディセプティコン・ゼロ-2
ディセプティコン・ゼロ back / next 召喚の翌日、ルイズは今までに無く爽快な気分で目覚めた。 一度伸びをして窓へと歩み寄ると外の風景を眺め、其処に巨大な鉄塊を認めるとその顔にじんわりと笑みが浮かぶ。 「・・・・・・夢じゃないんだ」 嬉しさを隠し切れない声で呟くと、堪えきれないといった様子で小躍りする。 その勢いのまま支度を済ませ部屋を出たルイズは、そこで仇敵ツェルプストーと鉢合わせする事となった。 「あら、お早うルイズ」 「・・・・・・お早う、キュルケ」 忽ち不機嫌となるルイズ。 その表情の変化を面白そうに眺め、キュルケはさも愉快そうに口を開いた。 「それにしても昨日は大変だったわねー。まさか空飛ぶ鉄の塊を召喚するなんて、前代未聞じゃない」 「ええ、そうでしょうね。で? 何の用なのキュルケ」 ... -
もう一人の『左手』-13
前ページ次ページもう一人の『左手』 「ズゥゥゥゥゥカァァァァァァ!!」 悪鬼のごとき形相で迫るカメバズーカ。 「ぐっ!?」 それを迎え撃とうとするV3の全身に走る、高圧電流のような激痛。 思わず腰が砕けそうになるが、こんな状況で、膝を屈するわけにはいかない。懸命に大地を踏みしめる。 そんな隙だらけのV3の懐に、カメバズーカは一気に飛び込み、その勢いを殺さぬままに、二本の剛腕で、V3の首根っこを、握り潰さんばかりに引っ掴む。 「ちぃっ!」 しかしV3は、カメバズーカの勢いを利用して、柔道の巴投げの形で、怪人を後方に放り投げる。 大地にのけぞって倒れたV3。その彼によって、大地に転がされたカメバズーカ。 だが、そのままむくりと身を起こすカメバズーカを、予期せぬ攻撃が襲う。――彼の足元の地面が、いきなり爆発したのだ... -
ゼロ魔術師殿の使い魔
「こ、こいつはいったいなんなんだい!?」 「とりあえず、気にしたら負けだと思うわ」 私はため息をつきながら答えた。 私の人生は、この使い魔を召喚したときから大きく歪んでしまったような気がしてならないわ。 だって、この使い魔ってばいくつもの大騒動を巻き起こしているんですもの。 『執事たるもの主のために魔術ぐらいつかえんでか』なんていう理不尽な理由で空間転移もどきして見せたし。 朝起こしてと命令したら巨大なマラカスで殴り起こそうとしたし。間一髪でよけたけど。 食事のときとかあいつの前に私らの食事より豪華な食事が並んでたりしたし。 そのことを説明させようとしたら、どこからともなく黒板と紙芝居を取り出して説明しようとしたし。説明はいいって拒否したけど、あれ、どっから出したのかしら。 授業では確かに私の失敗魔法に巻き込まれたはずなのに傷一つなかったし。... -
ゼロのミーディアム-01-17a
前ページ次ページゼロのミーディアム 春の使い魔召喚の儀式、ゼロがジャンクを召喚ししたようです。 契約の儀式はルイズに薔薇の指輪を、水銀燈にガンダールヴのルーンをもたらしました。 ハルケギニアに召喚された水銀燈ですが、呼ばれたのは彼女一人。 アリスゲームは元の世界で行われるのであり、水銀燈はその輪を外されてしまったのです。 帰る手段は無く、nのフィールドを我が物顔で飛び回る兎の道化もお手上げのこの状況。 つまり彼女はアリスゲームに復帰するため帰還する手段を自ら探さなければなりません。 フーケを捕まえそれをオスマン氏に報告した後。 水銀燈はオスマン氏に(ルイズにも黙っていた)自分が元の世界に帰らねばならない事を伝えます。 「召喚の儀式により我々は君の生きがい(アリスゲーム)を奪ったも同然か」と言うオスマン氏の言葉を、水銀燈... -
とある魔術の使い魔と主-39a
前ページ次ページとある魔術の使い魔と主 行間II 「それで……どうする気だ?」 「どうする気とはなんだね」 土御門は、アレイスターの一言一言に苛立ちを覚えた。質問を質問で返してくる口調、よくキレないなと、自分でもかなり驚いている。 「わかってんだろ、どうやってあいつを戻す気なんだ?」 「ああ、それならば心配はいらん。こちらとあそこを繋ぐ『渦』を作った」 まるで友達が普段会話を交わすようなくらい至って平凡に、怖いぐらい平凡に。 チッ、とその魔術師が行った行為に舌打ちをする。それがどれだけ異常な行為なのかわからないのだろうか? 例えば、伊能忠敬という人物がいる。 彼は、『大日本沿海輿地全図』という名の地図を江戸時代に作った。それは表の歴史でも有名なのだが、裏の歴史でもまた有名なのだ。 なぜ彼が有名なのかとい... -
ゼロのミーディアム-00
前ページ次ページゼロのミーディアム これは「出来損ない」と呼ばれ苦悩した二人の少女の… 「ゼロ」と呼ばれた少女と「ジャンク」と呼ばれた少女の物語 サモンサーヴァント―― トリステイン学院の生徒が二年生の進級時に行われる使い魔召喚の儀式。 これにより呼び出された使い魔は召喚主たるメイジに仕える文字通り運命共同体となる。 いわば魔法使いの一生を左右する重要な儀式と言えよう。 そしてこの桃色の髪の、若干の幼さの残る小柄な少女 …ルイズもまた自らの使い魔を召喚せんと奮闘しているのだが… 「あーあ、また失敗してやんの」 「まったく!何回失敗してんのよ!」 「ゼロのルイズ!サッサと終わらせろよ!」 散々な言われようであるが仕方ない。彼女はサモン・サーヴァントの儀式に何回も失敗しているのだ 「いい加減にしろ!ゼロのルイズ... -
もう一人の『左手』-22
前ページ次ページもう一人の『左手』 雲と霧の白い闇を抜けると、一抹の光さえ差さない、真の闇がそこに待っていた。 浮遊大陸アルビオンの“真下”である。 四人の少年少女を乗せたシルフィードは、ためらうことなく、その暗黒の中に身を紛れ込ませた。 「タバサ! 待ってくれっ!! 風見さんを置いて行く気かっ!?」 才人が必死に叫んでいる。 だが、待つわけには行かない。 自分たちが大陸の下側に逃げ込んだのは、確実に目撃されているだろう。 少なくとも、先程のフネを乗艦とする竜騎士が追って来れない程度の距離を、この暗闇の中で稼がねばならない。 貴族派の空軍は、大陸の下側には入って来ないと風見は言っていたが、いくら何でも、100メイルや200メイル程度の距離なら、たちまち竜騎士に臭いを辿られ、追いつかれてしまう。少なくとも3~4リーグは距離を稼がねば、安全と... -
ルイズの魔龍伝-03
前ページ次ページルイズの魔龍伝 3.使い魔ゼロの学園生活 目を覚ましたゼロが目にしたのは朝焼けが窓に差し込んでいる見知らぬ部屋だった。 ベッドで静かに寝息を立てている少女を目にし自分の今の状況を改めて認識する。 「(そうだったな、俺はこの娘に召喚されてここへ…)」 「んにゅ…クック…ベリーパイ…おいしいわぁ…もっと持ってきなさいよ…ガンダム…」 「…全く良い気なもんだな、このお嬢様は」 それに合わせるかのように寝る前に交わした会話が蘇って来た。 “下着の洗濯”、あまり乗り気しない頼みではあったがやらなかったらそれはそれで騒がれるに違いない。 どうせ子供の着るものだし早い内に済ませて朝の鍛錬でもしようと思い立ったゼロは 剣を片手に、もう片手に下着を掴んでルイズの部屋をそっと後にした。 「…洗濯する場所なんて聞いてないぞ」 が、学園内でルイズに教えても... -
疾走する魔術師のパラベラム-00
前ページ次ページ疾走する魔術師のパラベラム プロローグ 0 Si vis amari,ama. ――愛されることを望むなら、愛せよ。 Si vis pacem parabellum. ――シィ・ウィス・パケム・パラベラム。汝、平和を望むなら戦争に備えよ。 1 トリステイン魔法学院に在籍するルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールには一つのコンプレックスがある。 そのコンプレックスは『彼女が魔法学院の中で唯一、魔法が使えない』ということ。 父はトリステイン王国でも比べる対象を探すほどの有力貴族。 母は若き頃はその卓越した魔法で勇名をはせ、伝説とまで呼ばれた優れたメイジである。 姉であるエレオノールは、アカデミーと呼ばれる研究所の一員であるエリートだ。 もう一人の姉のカトレアは、病弱... -
笑顔が好きだから-03
前ページ次ページ笑顔が好きだから 「しいねちゃん!いっけー!」 しいねちゃんの頭の上でリーヤが叫ぶ。 「うおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉーーー!」 しいねちゃんも、おなかの底から声を絞り出す。 二人の叫び声に呼応するように、しいねちゃんの操る箒はそのスピードを上げていく。 飛び始めたときは気持ちのいい風が、顔を、髪を撫でていたのに、今は、まるでスクエアクラスの風メイジが撃ち放ったエア・ハンマーの魔法に真正面から突っ込んだみたいな強烈な風が、わたしにぶつかってくる。 一瞬でも気を抜いたらわたしは箒から吹き飛ばされちゃうんだろう。このスピードで箒から落ちたら即死は間違いない。もしかしたら人間だったなんて分からないくらい滅茶苦茶に身体が壊れちゃうかもしれない。 息が苦しい。空気の密度が高すぎてまともに息が出来ない。おなかの底が凄く熱い。体... -
ゼロのアルケミスト-2
前ページ次ページゼロのアルケミスト 異世界の錬金術師クラリス・パラケルススと、トリステイン魔法学院の学院長であるオールドオスマンの戦いは熾烈を極めた。 最初は魔法体系に対する両者の違いを舌戦で、徐々にヒートアップしてきて実戦へ。 オールドオスマンがその隠された力を数十年ぶりに解放し、マッド・アルケミストの真の力を遺憾なく発揮したクラリスの人造人間の群れが暴れまわる。 結果的にトリステイン魔法学院は甚大な被害を受け、西と東に両者を置いた冷戦状態に突入した…… 「いや~クラリス殿は真にお綺麗で」 「何を仰るウサギさん~私ったら140歳なのよ?」 「なんのなんの! ワシは軽くその倍は生きておる。若いもんじゃて」 「キャ~! 若いなんて言われたら120年ぶりかしら? ありがと、オスマン♪」 ……なんてことは一切無く、酷く和やかなムードで話は... -
ゼロの機神 ギガンティック・ゼロ-03
投げ飛ばされ倒れたルイズとに集まるものと、倒れたコルベールに集まるもの。バラバラになった観衆は、二つのグループに分かれた。 キュルケとタバサは前者に入り、ルイズを抱え起こす係になっていた。 「ルイズ、ルイズ、しっかりしなさい!」 「痛たたたた…あいっつ、とんでもない馬鹿力よ。レディに手加減しないなんて最低の使い魔ね」 「…なんだ、元気じゃない。これなら助けは必要ないわね」 額に怒りマークを浮かべるルイズを放り出すと、キュルケの思考はそのルイズを叩き伏せた「頭像」に移った。コルベールが解放された今、奴の本体は頭像に戻った。 触手は出ていない。もう乗り移る気はないということだろうか。なら次の行動は?キュルケは予想する。予想する。だが、予想すればする程それは混線し、予想を困難にした。 目線を頭像にやる。それは静謐を保ったまま動かない。 (何が狙いだってのよ、あんた... -
虚無の使い魔と煉獄の虚神-1
男は死を迎えようとしていた。 剣でもって腹から背骨までを貫かれた身体。あまりにも失われ過ぎた血液。銃弾により撃ちぬかれた胸郭。 深く暗い海中へと沈みゆく身にあっては一切の救援も期待できず、呼吸すらも許されず、ただ数秒後に迫り来る完全な死を待つのみであろう。 だが、神無きゆえに奇跡も無いはずの地獄にて死を受け入れんとしていた男の身を、一つの奇跡が救った。 輝く銀の盤。丸い鏡のような平面が、海底へと沈み行く男の下に現われたのだ。 傷だらけの身体が銀盤の中へと沈み、そして消え去る。 彼を飲み込んだ銀盤もまた、一瞬の後に消えうせた。 己が身に起こった異変に気が付いたのか、ただ一瞬だけ意識をかすかに取り戻した男の視界に映りこんだものは、自分を覗き込む澄んだ湖水のような瞳のおぼろな印象。 それだけを見て、彼の意識は再び深い闇の中へと沈んでいった。 「... -
とある魔術の使い魔と主-01
前ページ次ページとある魔術の使い魔と主 「いてててて……って何処ですかここはー!?」 上条当麻は不幸だった。 とある平日の学校帰り、一人だけ小萌先生の補習を受けた結果、下校時間が遅れ、早くインデックスの夕飯を作らなければゲージ3消費の超必殺技を受けてしまうー、と思いながら駆けていたはず。 はずだった。 ヤバイヤバイ、と早足から全速力へと変わった彼の視界には、召喚の鏡など見えずに中へと華麗に突っ込んだ。 そして結果がこれである。明らかに自分が暮らしてた学園都市とは違う場所。一面に広がる草原。遠くには資料で見た中世ヨーロッパ辺りを思い出される城が建っている。 と、気付く。自分の周りに見たこともない制服を着ている人達を。 「あんた誰よ」 当麻の事を珍しい生き物だと思っているのか、ジトジトと見てくる。 その中で一番当麻に近いピンク色長髪の子が声をかけて来た。 「い... -
疾走する魔術師のパラベラム-01
前ページ次ページ疾走する魔術師のパラベラム 第一章 召喚の儀式 1 ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールの人生には、不遇がつきものだった。本人がどんなに努力しても、実力とは全く結びつかなかった。どんな勉強も、どんな訓練も報われない。そんな状況が何回も続くと、人間は努力をやめてしまうだろう。 けれどもルイズは、努力を怠らなかった。 人より多く杖を振り、人より多く本を読み、そして人より多く失敗した。 火、水、風、土。知りうる全ての呪文を唱えた。ありとあらゆる本を読み、知識を溜め込んだ。 しかし、ルイズの魔法が成功することはなかった。 初めて笑われたのはいつの事だっただろうか。 恐らく魔法学院に入学して、しばらく経った時だ。 それまでは座学で、魔法の基礎や国の成り立ちについて説明を頭にいれる。 そう、その... - @wiki全体から「出来損ないの魔術師と改造人間-4」で調べる