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第三十三話「マグマ星人の復讐」


ウルトラマンゼロの使い魔
第三十三話「マグマ星人の復讐」
サーベル暴君マグマ星人
銀河星人ミステラー星人(悪)
緑色宇宙人テロリスト星人 登場



『現れやがったなぁ、ウルトラマンゼロぉッ!』
 才人から変身したゼロに、巨大化したマグマ星人は大きく歯ぎしりをして、憎々しげな
視線を浴びせた。
『何度も何度も俺様たちの侵略を邪魔しやがって! 今日という今日は勘弁ならんッ! 
バラバラに切り裂いて地獄に送ってやるッ!』
 マグマ星人の恫喝に、ゼロは下唇をぬぐいながら返した。
『勘弁ならねぇってのは、こっちの台詞だぜ! テメェら全員、ハルケギニアから叩き出してやる!』
『抜かせッ! この間の復讐だ! 今からぶっ殺してやらぁッ!』
 マグマ星人がサーベルを振り上げたのを合図とするかのように、侵略者三人が一斉にゼロへ
飛び掛かっていく。
「ギョロロロロロ! ガアオオオオオオ!」
『ふんッ!』
 ミステラー星人が腕を広げて飛び掛かってくるのを、ゼロが横拳を入れて押し返した。
それから素早くゼロスラッガーを両手に取り、マグマ星人のサーベルとテロリスト星人の
剣を受け止める。
「シャッ!」
『ぬおッ!?』
 右手でサーベルを弾き、のけ反らせたマグマ星人に一発キックを入れて蹴飛ばした。同様に
テロリストソードも弾いたが、テロリスト星人はのけ反らず、右手のスラッガーの水平切りも
上半身を引いてかわす。
 テロリスト星人が剣を引き戻して、ゼロへ斬りかかっていく。それに対してゼロもスラッガーを
振るい、相手の斬撃を弾き返した。そのままソードとスラッガーが繰り返しぶつかり合い、激しく
火花を散らす。
『ちッ……やるじゃねぇか。剣の腕だけは認めてやるぜ』
 テロリスト星人は、マグマ星人と異なり、剣の腕前は一流で鍛え抜かれたゼロと張り合うほどであった。
さすがは、ガス田を守りながらであったので全力が出せない状態だったとはいえ、ウルトラマンタロウを
ギリギリまで追い詰めたことのある星人だ。
『食らえぃッ!』
「ギョロロロロロ!」
 しかし敵はテロリスト星人だけではないのだ。剣戟を行っていて手が離せないゼロに、
マグマ星人のサーベルビームとミステラー星人の突き出た口吻から発射されるロケット弾が
襲い掛かる。
『あッ! ぐぅッ!』
 ビームとロケット弾をまともに食らい、悶絶するゼロ。しかし隙を見せようものならテロリスト星人が
ここぞとばかりに剣を差し向けるので、そちらを回避ないしは防御する暇はない。ゼロは三人の宇宙人の
攻撃に晒され、早くもピンチになる。

「あぁッ! ウルトラマンゼロが危ないです!」
 王宮の廊下からは、春奈とシエスタが窓からゼロの苦戦を見ていた。シエスタは一旦春奈から
離れると、メイド服の袖をまくって、ジャンボットのブレスレットを露出した。
「ジャンボットさん、ゼロを助けてあげて下さい!」
『了解した! すぐに向かう!』
 シエスタの要請に、ジャンボットはすぐに応じた。

 ハルケギニアの衛星軌道上に待機していたジャンバードは、直ちにトリスタニアに向けて
一直線に急降下していく。
『ジャンファイト!』
 降下の途中でジャンボットに変形し、地上に迫ると、ゼロへと剣を振りかざしているテロリスト星人を
睨みつける。
『ジャンナックル!』
『!?』
 テロリストソードが振り下ろされるのを制して、ロケットパンチで横から殴り飛ばした。
テロリスト星人はトリスタニアの、怪獣に破壊されてからまだ手つかずになっている無人の
区域の上に倒れ込む。
『ゼロ、あの星人は私が引き受けた! 残る二人は頼む!』
『助かるぜ、ジャンボット!』
 左腕を戻したジャンボットはゼロにひと声掛けてから、すぐに起き上がったテロリスト星人へと
駆けていく。
『ジャンブレード!』
 右腕からジャンブレードを出すと、テロリストソードとの切り結びを始めた。
「シェアッ!」
 ジャンボットに助けられたゼロは、構えを取り直してミステラー星人とマグマ星人のタッグと
対峙した。
『ウルトラマンゼロめ、我がミステラー星の誇る兵器、MTファイヤーを受けてみろ!』
 叫んだミステラー星人の口から、またロケット弾が連射された。だがゼロはふた振りの
スラッガーで、相手の弾を全て切り落とした。
『やめろ! そんな腕で俺を狙っても無駄だぜ!』
 ロケット弾を凌いだゼロはスラッガーを投擲する。ふた振りの宇宙ブーメランはそれぞれ
マグマ星人とミステラー星人へ、宙を切って飛んでいく。
『うがぁぁッ!!』
「ガアオオオオオオ!」
 一方はマグマ星人の顔面に命中して大きく吹っ飛ばし、もう一方はミステラー星人の口吻を
切り落とした。MTファイヤーの発射口を失ったミステラー星人は口のあった箇所に手を当てて狼狽する。
『ミステラー星人! もうこんな戦いはよせ! 俺は知ってるぜ。宇宙一の戦争好きと呼ばれる
お前の種族にも、平和を愛する心があることをな!』
 ゼロはウルトラ兄弟の四男、ウルトラマンジャックから、地球にひっそりと暮らすミステラー星人の
亡命者の話を聞いたことがあった。その個体は、かつてミステラー星で最も射撃の腕が立つ戦闘部隊の
エースであったが、30年以上も続くアテリア星との戦争に心身ともに疲れ果て、地球に亡命した。そして
地球と地球人を愛し、争いを捨てて平和に生きることを選んだのだ。
『お前も、不毛な戦いはやめて、平和に生きる道を選んだらどうだ!』
 とゼロは勧告したが、ミステラー星人はそれを一笑に付す。
『馬鹿なことを言うな! 俺は誇り高きミステラー星の戦士! そんな戦争に怖気づいた
腰抜けと同じ、無様な生き様など真っ平だ!』
 更にはゼロに向かって言い放つ。
『俺はこの星の征服の暁には、人間どもを捕獲し、宇宙戦士としてミステラー星に送るのだ! 
そして、泥沼の消耗戦に入ったアテリア星との戦争の駒になってもらう!』
『何! またアテリア星との戦争を始めたのか! 分からず屋め!』
 説得に応じないミステラー星人に、ゼロが拳法の構えを取り直す。
『そんなことは許さねぇ! テメェらの自分勝手な野望は、全部打ち砕いてやるぜ!』
 一見すると、まだ余力を残すゼロに対して、一番の武器を失ったミステラー星人が圧倒的不利に
見えるが、ミステラー星人は隠し玉を残していた。
『果たして出来るかな!? ウルトラマンゼロ、見ろ! 宇宙戦士の、攻撃を!』
 ミステラー星人が空の彼方を見上げて叫ぶと、王宮の方角から、竜騎士の一団が戦場へと飛んでくる。
トリステインの魔法衛士隊だ。
 だが、竜騎士たちは見るからに様子がおかしかった。騎士も飛竜も身体に霜が降りていて、
青い顔をしている。そしてゼロに纏わりつくと、彼に魔法で攻撃し始めた!
『うおッ!? こいつは……!』
 ゼロはすぐに、魔法衛士隊の身に起こっていることを見破った。
『ミステラー星人め……既にこの人たちを捕らえて、操ってるのか!』
 かつて地球に、先述の平和的なミステラー星人の他にもう一人侵入した者がいた。その者は
亡命したミステラー星人の所属していた戦闘部隊の隊長で、長期に亘る戦争で消耗し切った戦力を
補うために、地球を守っていたジャックと防衛隊MATの隊員を宇宙戦士として拉致、利用しようと
画策していた。そのミステラー星人は生物を氷漬けにして操作するという不可思議な術を使っていた。
今回も同じ手段で、騎士たちをいいように操っているのだろう。
『くッ……!』
 ゼロは、正気を失ってミステラー星人の言いなりになっている竜騎士たちに手を出すことが出来ない。
魔法攻撃を前に、身を固めて防ぐことしか出来ないでいると、そんなゼロをミステラー星人とマグマ星人が嘲る。
『フハハハハハ! 無様な姿だな、ウルトラマンゼロ! 反撃して身を守ればいいだろうに、
所詮それが、偽善者の貴様の限界なのだ!』
『ハァーッハッハァッ! こいつはいいぜ! 守るべき対象に追い詰められるなんて、皮肉なもんだなぁ!』
『ぐぅッ……!』
 圧倒的優位に立ったのをいいことに、好き勝手にのたまう星人たちに歯ぎしりするゼロだが、
騎士たちが邪魔で攻撃することは出来ない。そうしている間に、カラータイマーが鳴り出す。
『フハハハハ、いっそのこと、もっと苦しむがいい! 見ろぉッ!』
 ミステラー星人は、ゼロに攻撃を加えようとせず、代わりに近くの建物を踏み潰し、蹴り飛ばして
破壊し始めた。マグマ星人もサーベルを振るい、次々と切断していく。
「きゃああああああッ!」
「うわああああああああ!」
 二人の破壊行為で、街からは避難する人々の悲鳴が大きくなる。
『なッ、やめろ! そいつらは関係ねぇだろうがッ!』
 狼狽したゼロが叫ぶが、ミステラー星人は冷笑を浴びせた。
『無関係ではない。貴様が守ろうとする者は、全て我々の敵だ! この哀れな人間どもを
苦しめるのは、貴様自身なのだよ、ウルトラマンゼロ!』
『外道どもが……!』
 卑劣な手段を平気な顔で取る星人たちに、ゼロは一層怒りを深めた。

『ふッ! はぁッ!』
『ぬぐぅ……!』
 ジャンボットとテロリスト星人は、剣と剣の斬り合いを続けていたが、だんだんとテロリスト星人が
追い詰められていった。生身のテロリスト星人に対し、ジャンボットはロボットなので疲労を知らない。
それ以上に、正義に燃えるジャンボットの気迫は、所詮浅い欲で動くだけのテロリスト星人のそれを
大きく上回っているのだ。テロリスト星人はジャンボットに押され、剣の切れが鈍っていた。
『降参しろ! 侵略を諦め、大人しくこの星から退散するのなら、命までは取らない!』
 優勢のジャンボットはジャンブレードの切っ先を突きつけ、降服を勧告した。それにたじろぐ
テロリスト星人だが、諦めた訳ではなかった。
『ぐぬぬ……こうなれば、こうだぁッ!』
 テロリスト星人は急に、テロファイヤーを横に向ける。その銃口の先にはトリスタニアの街並みと、
逃げ遅れている人たち。
『何!? まさかッ!』
 一気に焦ったジャンボットはテロリスト星人の左側に回り込む。そして、テロファイヤーの
砲火から人々の盾になった。
『ぐおおおぉぉぉぉッ!』
 炸裂弾の雨を浴びては、鋼鉄のボディのジャンボットとはいえただでは済まなかった。
激しくうめくと、テロリスト星人は一瞬で勢いをぶり返して更に弾丸を浴びせる。
『ふははは! 形勢逆転だぁッ! 食らえぇ!』
『ぐぅぅぅ……!』
 背後に大勢の人がいるので、ジャンボットは逃げることが出来ない。苦しまぎれに、テロリスト星人を
罵倒する。
『狼藉者め……! 市民を巻き添えにしようなど、貴様には戦士の誇りがないのか……!』
 その言葉を、テロリスト星人は鼻で笑った。
『誇りに何の価値があるものか! 戦いは勝った方の勝ちなんだよ! それが全てだッ!』
『下衆め……! ぐぅッ!』
 弾丸を食らい続けたジャンボットは、耐え切れなくなったか片膝を突いてうなだれた。
それでテロリスト星人は勝利を確信する。
『見捨てればいいものを、馬鹿めが! とどめは、この剣で刺してやる!』
 テロリストソードを振り上げ、動かなくなったジャンボットににじり寄る。間合いを十分に詰めると、
一段と剣を掲げて一気に振り下ろそうとする。
『今だッ!』
 その瞬間に、ジャンボットは黄色い目を強く輝かせて、電光石火の速さで起き上がった。
そしてジャンブレードを切り上げて、テロリストソードを弾き飛ばす。
 剣を失ったテロリスト星人は瞬時に狼狽した。
『な、何ぃッ!? 騙したのかッ!? 卑怯者ぉッ!』
『貴様が言うなッ!』
 ジャンボットはもうテロリスト星人を許さず、ブレードを薙ぎ払って、真っ二つに切り裂いた。
『がぁッ……! こ、このテロリスト星人が、こんな奴に敗れるとはぁ……!』
『貴様は私にだけ負けたのではない。驕り高ぶった己の心にも負けたのだ』
 ジャンボットのひと言を最後に、テロリスト星人は爆散した。

「ゼロ! ゼロのピンチだわ!」
 地上から、竜騎士たちに襲われるゼロを見上げたルイズは、杖を取り出して助けようとする。
 竜騎士たちはミステラー星人の術で操られている。だが魔法ではないので、『ディスペル』は
効かないだろう。ならば、『爆発』を使うか? 上手く行くかどうかは分からないが、『爆発』なら
騎士たちの縛めだけを消し飛ばせるかもしれない。
 と、考えるルイズだが、彼女の行動を察したゼロは、テレパシーで呼びかけた。
『ルイズ、援護はいらないぜ!』
「えッ!?」
『コスモスとダイナから授かった力は、侵略者の姑息なたくらみよりもずっと偉大なんだよ!』
 そんなことを告げたゼロは、魔法攻撃を受けながらも胸を張って立ち上がり、身体を青く輝かせる。
『ルナミラクルゼロ!』
 青く変身したゼロは、周囲を飛び回る騎士たちに、手の平から発せられる光の粒子を浴びせ始めた。
『フルムーンウェーブ!』
 フルムーンウェーブ。それは、荒ぶる魂を鎮める癒しの力を持つコスモスのルナモードの
特性を最も色濃く引き継いだ、ルナミラクルゼロの浄化光線。これを浴びた竜騎士たちは一斉に
動きを止め、凍りついた身体が解凍されていった。
「あ、あれ……? 俺たちは一体何をして……?」
「確か、目の前に奇妙な亜人が出てきて、それからどうなった?」
 同時に正気を取り戻して、頭を振った。
『な、何ぃッ!?』
『おいおいおいおい!? 解放されちまったじゃねぇかぁ!』
 一瞬で術が破られたミステラー星人と、マグマ星人が破壊活動の手を止めてうろたえた。
するとそれに目をつけた騎士たちが、状況を把握する。
「侵略者だ! 攻撃開始!」
 魔法衛士隊は直ちに星人たちの方へ飛んでいき、炎や氷の槍を振るい出した。マグマ星人も
ミステラー星人も集中攻撃を浴び、頭を抱える。
『うぎゃあッ! いてぇーッ! 何が宇宙戦士だ、この阿呆がッ!』
『き、貴様、このミステラー星の戦士を侮辱するか――はッ!?』
『戦士が聞いて呆れるぜ! 戦士だったら姑息な手を使わないで、正々堂々勝負しろってんだッ!』
 ミステラー星人が気配を感じて振り返ると、ストロングコロナに再変身していたゼロが、
その身体をむんずと掴んでいた。そして超怪力で、頭上高く投げ飛ばす。
『ウルトラハリケーンッ!』
「ギョロロロロロ! ガアオオオオオオ!」
 きりきり舞いして空高く飛んでいったミステラー星人に、ゼロが拳を振り上げてとどめの一撃を見舞う。
『ガルネイトバスター!!』
 燃え上がる光線を食らったミステラー星人は、空中で木端微塵に爆裂した。
 ミステラー星人がトリスタニアの空に散ったのと、テロリスト星人が撃破されたのはほぼ同時であった。
『うおおぉぉッ!? お、おのれぇウルトラマンゼロ! この借り、その内に必ず返してやるぞぉ! 
あいたたッ!』
 連れてきた仲間を全て失ったマグマ星人は、魔法攻撃に追い立てられながら、瞬く間に
尻尾を巻いて逃げていく。背後に跳ぶと、稲光とともに黒雲の中に紛れて姿を消した。
『ちッ。逃げ足だけは速い野郎だ』
 あまりの逃走の早さに、手出しできなかったゼロが舌打ちする。その脇に、ジャンボットが
近寄ってきた。
『ジャンボット、助かったぜ。ありがとうな!』
『私の力が必要な時は、いつでも呼んでくれ』
 短く言葉をかわしたジャンボットは空に飛び上がり、ジャンバードに変形して宇宙へと
帰っていった。
「ジュワッ!」
 それを追いかけるように、ゼロも飛び立ってトリスタニアから去っていった。

 ゼロから戻った才人は、ルイズの下へと駆け戻っていく。
「ルイズ! 無事だったか?」
「うん、わたしは何ともないけど……」
 久しぶりに才人に心配されたような気がして、やや赤くなるルイズ。しかし、すぐに辺りを
見回して顔を曇らせる。
「でも、街の被害が広がっちゃったわね……」
「そうだな……。くッ、宇宙人どもめ、やってくれるぜ……!」
 マグマ星人とミステラー星人が暴れたことで、トリスタニアの被害は拡大し、壊滅した地域が
広がってしまっていた。より痛ましくなった街の光景を目の当たりにして、才人は歯ぎしりして悔しがった。
 だがここで、ルイズが疑問を口にする。
「でもあの宇宙人たち、本当に何が目的なのかしら? 戦闘の最中にわざわざ敵から目を離してまで、
街を壊して何の利益があるの?」
「確かに……」
 マグマ星人たちはゼロへの攻撃のチャンスを捨てて、街を蹂躙した。挑発行為とも取れるが、
それよりゼロに直接ダメージを与えた方が早いだろう。ルイズと才人はマグマ星人たちが街の破壊に
こだわる理由を掴めず、首を傾げた。
 だがいくら考えても、答えは出てこない。そこで才人がため息を吐いて、ひと言提言した。
「とにかく、敵はとりあえず退けたんだし、城へ戻ってお姫さまに報告しよう」
「うん、そうね」
「どうやら無事に帰れそうだなぁ。相棒も、娘っ子も、もう一人の相棒もご苦労さん」
 二人が足を王宮へと向けると、デルフリンガーが彼らの奮闘を労った。

 王宮のアンリエッタの下へと戻ってきたルイズたちは、彼女に爆弾魔の正体がやはり侵略者で
あること、爆発の現場で交戦したことなどを報告した。
「そうでしたか。ルイズも使い魔さんも、よく戦ってくれましたね。市民に成り代わり、
お礼を言わせて下さい」
「そんな、もったいないお言葉です。結局は、ウルトラマンゼロに助けられましたし」
 感謝の気持ちを寄せるアンリエッタに、ルイズが謙遜した。才人がゼロであることは、
アンリエッタにも秘密のことだ。
「それでもです。被害を最小限に食い止められたのは、あなたたちの活躍もあってのことだと
わたくしは思っています。本当にありがとう」
「いやぁ、そんなぁ」
「こら、はしたないわよ!」
 あまり褒められるので才人が頬を緩ませると、ルイズに咎められた。
「もう日も暮れます。今宵はこの王宮に留まって、疲れをゆっくりと癒して下さい」
「ありがとうございます、お姫さま」
 アンリエッタの申し出に感謝の言葉を言う才人。それに続いて、ルイズも礼を口に出す。
「ありがとうございます、女王陛下」
「そんな、いいのですよルイズ。大切な友人までも、危険に晒そうとするような愚かなわたくしに、
せめてもの償いをさせてちょうだい」
 アンリエッタは、まだルイズに危険な任務を任せていることに引け目を感じているようだった。
そのため、ルイズが反論する。
「わたしたちは、この前申し上げた通り、自分の意思で行動しています。姫さまが悪いことなど、
一つもありません」
「うん……。ありがとう、ルイズ」
 ルイズの言葉に、アンリエッタは一瞬、親しい友人としての顔を見せた。しかしすぐに、女王の顔つきに戻る。
「では、わたくしは色々と後始末をせねばなりませんので。これで失礼します」
 アンリエッタが謁見の間から退出すると、ルイズと才人も二人を待っているシエスタたちの下へと移動していった。

 王宮の客室に移ると、待っていたシエスタと春奈がすぐに席から立ち上がった。
「サイトさんッ!」
「平賀くんッ!」
「やぁ、二人とも無事だったか?」
 才人が一番に聞くと、シエスタがうなずき返した。
「はい。お城の兵士さんがちゃんと避難させてくれましたから」
「平賀くんは大丈夫だった?」
「大丈夫。あってもかすり傷くらいだから」
 春奈に才人が答えると、ルイズが春奈に声を掛ける。
「姫さまのお話、ハルナのことじゃなくてよかったわね」
「ありがとうございます、ルイズさん。お礼だけでも言わせて下さい」
 学院でも王宮でも弁護しようとしてくれたルイズに感謝の念を寄せる春奈。
「別にいいわよ、気にしてないから。これで、ハルナのことに関して魔法学院と王宮は解決した訳だけど。
でも、まだ、問題は残ってるわ」
「はぁ? まだ、何かあるのかよ?」
 唐突なルイズの言葉に、才人が怪訝な顔を作る。
「ええ、そうよ。これは極めて重大な問題よ」
「それは一体何なんですか?」
 シエスタが尋ね返すと、ルイズはキッパリと言った。
「それはお金よ。平民とはいえ、女の子が一人増えたのよ? 今の生活費だけじゃとても足りないわ」
「へぇ~。ボクとはえらい待遇の違いですねぇ、ご主人様」
 才人が嫌味を唱えたが、ルイズは何食わぬ顔。
「あら、何か思い違いをしてるようね? あなたは使い魔でしょ。そんなの、当たり前じゃないの」
「……」
 憮然とする才人だった。
「使い魔を養っていくのは飼い主の務めだから。それはいいんだけど。でも、ハルナは……」
「そうですね。早く私の問題が解決すればいいんですけど……」
「ホント、そうだよなぁ……」
 才人が心から同意したが、現実はそう行かないのだから仕方ない。春奈の生活費で困っていると、
シエスタがこんな提案をした。
「あッ、そうですよ! ハルナさん、わたしたちと一緒に魔法学院で給仕の仕事を手伝いませんか?」
「おおッ……。そうか、その手があったじゃないか!」
 妙案だと才人が賛同したが、春奈自身は逡巡する。
「う~ん。でも私、身の回りのことは、全て親に任せっきりだったから。本当に、何か出来るかどうか……」
「そんなこと、心配いりませんよ。みんな優しくて親切な方ばかりですから。一つずつ、
丁寧に教えてくれます」
 自信のなさそうな春奈を、シエスタが励ました。
「ハルナさんがもしその気になったら、いつでも声を掛けて下さいね」
「はい……。ありがとうございます」
 最後の問題もひとまずは片づいたようなので、ルイズたちはその日はもう休むことにした。


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