あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

第二十五話「トリステイン全滅!円盤は生物だった!」


ウルトラマンゼロの使い魔
第二十五話「トリステイン全滅!円盤は生物だった!」
地底エージェント ギロン人
円盤生物ノーバ 登場



 ラグドリアン湖で侵略活動を行っていたテペト星人の一団を撃退し、惚れ薬の解除薬の最後の材料である、
水の精霊の涙を手に入れた才人たちは、無事に解除薬をルイズに飲ませることが出来た。それにより、
ルイズはたちまちの内に元に戻った。その際に惚れ薬が効いている時の記憶が消えてなかったことから、
羞恥に駆られたルイズが暴走するなんてひと幕もあったが、普段通りになったルイズを見て、才人はやっぱり
元のルイズが一番だなぁと思った。
 惚れ薬騒動は、そんな風に和やかに終わりを迎えた。しかし、また新たな事件が、ルイズが
元に戻ったその日の内に発生した。
 アンリエッタ直属の女官としてのルイズの下に、とんでもない報せが届いたのだ。アンリエッタが
誘拐された、という。

「急いで! 夜が明けるまでに追いつかないと大変なことになる!」
 深夜一時を過ぎた頃、ルイズと才人は、タバサとキュルケのコンビの協力の下、シルフィードに
跨ってラ・ロシェールへ続く街道を低空飛行で駆けていた。
 凶報を受けたルイズたちは、直ちに王宮へ赴いて、ことの詳細を聞いた。夜分にどこからか
王宮に侵入した賊は、アンリエッタをかどわかして、警護を蹴散らして馬でラ・ロシェールに
向けて逃走していったという。港からアルビオンへ逃げ込むつもりだろう。アンリエッタが
アルビオンへ連れていかれたら、取り返しがつかないことになる。
 そしてもう一つ、驚くべき情報があった。アンリエッタを誘拐した犯人の顔を見た者は、
間違いなくウェールズ皇太子のものだったと証言したというのだ。ウェールズがどうして、
『レコン・キスタ』の手に落ちたアルビオンに味方するのか? だがルイズたちは別のことが
気に掛かっていた。ウェールズは、アルビオンで戦死したはず。確かにこの目で見届けた。
それなのに、今生きているはずがない。
 それが一体どういうことなのか、ルイズたちには一つ心当たりがあった。『アンドバリ』の指輪。
ラグドリアン湖で水の精霊が、クロムウェルに盗まれたと語った秘宝。それには、死者に偽りの生命を
与える力があるという。やはり、指輪はアルビオンにあるのか。そしてそれで、ウェールズの死体を
いいように操っているに違いない。
「姫さまの純情を弄ぶなんて、絶対に許せない……!」
 ルイズはアンリエッタとウェールズの関係を、自分たちの都合で利用する『レコン・キスタ』に
深い怒りを抱いていた。
 街道を走る中で一行は、自分たちより先にアンリエッタをさらったウェールズを追いかけ、
返り討ちに遭ったのであろう騎士の死体が転がっているのを発見した。シルフィードを止め、
その上から降りた。タバサは降りずに、油断なく辺りを見張っている。
「ひでえ」
 焼け焦げた死体に、手足がバラバラにもがれた死体がたくさん転がる光景に、才人は思わず目を背けた。
「誘拐犯が乗ってたと思われる馬が倒れてる。近くにいる」
 タバサが注意を促したその時、四方八方から、風の刃の攻撃が飛んできた。いち早くタバサが反応し、
頭上に空気の壁を作り上げて風を弾き飛ばした。
「また会ったな、ルイズ。そしてガンダールヴ」
 草むらから、声とともに立ち上がる影があった。その正体を、ルイズと才人は嫌というほど知っている。
「ワルド!」
 アルビオンでルイズを狙い、そしてウェールズの命を奪った張本人、ワルドだ。才人に
左腕を切り落とされたので、中身のない制服の袖がゆらゆらと揺れている。
「今日は君たちに会わせたい人がいるのだ。君らがよく知っている人物だ。ほら、そこにおられる」
 ワルドは開口早々にそんなことを言った。そして示した先には、懐かしい人影。
「ウェールズ皇太子!」
 紛れもない、ウェールズの姿だった。その顔を一瞥して、ワルドが歪んだ笑みを浮かべる。
「どうだね、クロムウェル閣下の『虚無』は。かつて貴族派の一番の敵で、私に胸を貫かれた皇太子、
いや今はただのウェールズが新たな命を授けられ、今や我らの同志だ」
 死者を利用する冷酷なワルドに、ルイズが激しい怒りのこもった視線を投げかけた。
「ふざけないで! 何が『虚無』よ! 『アンドバリ』の指輪による、偽物の命じゃない!」
「アンド、バリ……? 何を言っているのかね、ルイズ」
 どうやら、ワルドはクロムウェルの力の正体を知らされていないようで、キョトンとしている。
「まあ、ともかく、私とウェールズはこれより、親愛なるアンリエッタ女王陛下をアルビオンへ
お連れせねばならないのだ。道を開けてはくれないかな?」
「そんなこと、する訳ないじゃない!」
 ふざけたことを抜かすクロムウェルの態度に、ルイズがますます激昂した。才人の方は、
偽りのウェールズに対してデルフリンガーを抜く。
「姫さまを返せ」
 しかし、ウェールズは微笑を崩さない。
「おかしなことを言うね。返せもなにも、彼女は彼女の意思で、ぼくにつきしたがっているのだ」
「なんだって?」
 ウェールズの後ろから、ガウン姿のアンリエッタがあらわれた。ルイズが叫ぶ。
「姫さま! こちらにいらしてくださいな! そのウェールズ皇太子は、ウェールズさまでは
ありません! クロムウェルの手によって『アンドバリ』の指輪で蘇った皇太子の亡霊です!」
 しかし、アンリエッタは足を踏み出さない。わななくように、唇を噛み締めている。
「……姫さま?」
「見てのとおりだ。ここできみたちとやりあってもいいが、ぼくたちは馬を失ってしまった。
朝までに馬を調達しなくてはいけないし、道中危険もあるだろう。魔法はなるべく温存したい。
諦めて帰ってはくれないかね?」
 ウェールズにタバサが、氷の矢で答えた。あっと言う間もなく、何本もの矢がウェールズの体を貫いた。
 しかし……、驚くべきことにウェールズは倒れない。そして、見る間に傷口はふさがっていく。
「無駄だよ。きみたちの攻撃では、ぼくを傷つけることはできない」
 その様子を見て、アンリエッタの表情が変わった。
「見たでしょう! それは王子じゃないわ! 別のなにかなのよ! 姫さま!」
 しかし、アンリエッタは信じたくない、とでもいうように首を左右に振った。それから、
苦しそうな声でルイズたちに告げた。
「お願いよ、ルイズ。杖をおさめてちょうだい。わたしたちを、行かせてちょうだい」
「姫さま? なにをおっしゃるの! それはウェールズ皇太子じゃないのですよ! 姫さまは
騙されているんだわ!」
 アンリエッタはにっこりと笑った。鬼気迫るような笑みだった。
「そんなことは知ってるわ。わたしの居室で再会したときから、そんなことは百も承知。
でも、それでもわたしはかまわない。ルイズ、あなたは人を好きになったことがないのね。
本気で好きになったら、何もかもを捨てても、ついて行きたいと思うものよ。わたしは昔、
誓ったのよルイズ。水の精霊の前で、『ウェールズさまに変わらぬ愛を誓います』と。
世のすべてに嘘をついても、自分の気持ちにだけは嘘はつけないわ。だから行かせてルイズ」
「姫さま!」
「これは命令よ。ルイズ・フランソワーズ。わたしのあなたに対する、最後の命令よ。
道をあけてちょうだい」
 アンリエッタは、女王の立場も、今までのもの何もかも捨てて、愛を選んだようだった。
その決心を前にして、ルイズはアンリエッタを止めることが出来なくなる。
 その代わりに、ウェールズとアンリエッタの前に才人が立ちふさがった。
「無粋な男だ。愛する二人の花道を阻むとは」
 うそぶくワルドを睨み返して、才人が口を開く。
「何が愛する二人だ。寝言は寝てから言え。女とまともにつきあったことのない俺にだって
このぐれえはわかる。こんなの愛でもなんでもねえ。ただの盲目だ。頭に血がのぼって
ワケがわからなくなってるだけだ」
「どきなさい。これは命令よ」
 精一杯の威厳を振り絞って、アンリエッタが叫ぶ。
「あいにく、俺はあんたの部下でもなんでもねえ。命令なんかきけねえよ。どうしても行くって
言うんなら……、俺はあんたをたたっ斬る」
 一番初めに動いたのはウェールズだった。呪文を唱えようとしたが、才人が飛びかかる。
だが水の壁が才人を吹き飛ばした。アンリエッタの魔法だ。
「ウェールズさまには、指一本たりとも触れさせないわ」
 水の壁は才人を押しつぶすかのように動く。しかし、次の瞬間アンリエッタの前の空間が爆発する。
アンリエッタが吹き飛んだ。ルイズが呪文を詠唱したのだ。
「姫さまといえども、わたしの使い魔には指一本たりとも触れさせませんわ」
 ルイズが言葉を返した。その爆発を合図とするように、タバサとキュルケ、そしてワルドも動き出す。
「やはりこうなるか。仕方あるまい。今度こそ排除させてもらおう、ルイズ!」
 ワルドが杖を掲げると、辺りの暗がりから複数のワルドが飛び込んできた。風の偏在だ。
既に用意していたようだ。
「ルイズとガンダールヴのお相手はウェールズと女王陛下がなさるようだ。ならばそこの二人は、
私と踊ってもらおう」
「いくら色男でも、性格の悪い奴は願い下げよ!」
 ワルドと分身たちにタバサとキュルケが立ち向かう。二人の連携は、相手が片腕という不利もあるが、
ワルドにも通用して分身と互角に渡り合う。
 ウェールズとアンリエッタと戦うルイズと才人は、まずルイズが爆発でアンリエッタの水の壁を破り、
才人がウェールズに剣を振るった。しかし、いくら斬っても既に死んでいるウェールズには全く効かない。
傷はたちまちふさがり、才人は風で吹き飛ばされる。
「くそッ。相手がゾンビじゃ、剣じゃ勝ち目ないぜ。何とか倒す方法ないのか……」
 ルイズの下へ戻った才人が悩む。ゾンビに有効な手段といえば、炎で燃やすことくらいしか
思い浮かばないが、唯一それが出来るキュルケはワルドに足止めされている。ルイズと才人では、
勝ち目が見えない。
 そのときデルフリンガーが、とぼけた声をあげた。
「あー、思い出した。あいつ、随分懐かしい魔法で動いてやがんなあ……」
「はい?」
「水の精霊を見たとき、こうなんか背中のあたりがむずむずしたが……、いや相棒、忘れっぽくてごめん。
でも安心しな。俺が思い出した」
「なにをだよ!」
「あいつと俺は、根っこは同じ魔法で動いてんのさ。とにかく四大系統とは根本から違う、
『先住』の魔法さ。ブリミルもあれにゃあ苦労したもんだ」
「なによ! 伝説の剣! 言いたいことがあるんならさっさと言いなさいよ! 役立たずね!」
 ルイズが責めると、デルフリンガーはそっくりそのまま返す。
「役立たずはお前さんだ。せっかくの『虚無』の担い手なのに、見てりゃあバカの一つ覚えみてえに
『エクスプロージョン』。確かにそいつは強力だが、精神力を激しく消耗する。今のお前さんじゃ、
この前みてえにでっかいのは撃てねえよ。今のまんまじゃ花火と変わんね」
「じゃあどーすんのよ!」
「祈祷書のページをめくりな。ブリミルはいやはや、たいしたやつだぜ。きちんと対策は
練ってるはずさ」
 ルイズは言われた通りにページをめくったが、エクスプロージョンの次は相変わらず真っ白である。
「もっとめくりな。必要があれば読める」
 ルイズは文字が書かれたページを見つけた。
「……ディスペル・マジック?」
「そいつだ。『解除』さ。さっきお前さんが飲んだ薬と、理屈はいっしょだ」
 早速ルイズは詠唱を始めるが、この魔法もやはり呪文が長い。その上、相手は痺れを切らしたか、
大技を繰り出してきた。
 水の巨大竜巻が発生する。『水』と『水』と『水』、『風』と『風』と『風』。水と風の六乗。
王家のみ許された、掟破りのヘクサゴン・スペル。津波のような竜巻が、こちらに迫る。
「やっべえなあ。やっぱり向こうが先みてえだなあ」
 デルフリンガーが呟く。
「どうしよう」
「どうしようもこうしようもねえだろが。あの竜巻を止めるのがお前さんの仕事だよ。ガンダールヴ」
「俺かぁ」
 ぼやきながらも、才人に恐怖はなかった。ルイズの詠唱を耳にしていると、どこからか
勇気がみなぎってくる。
「不思議だな。あんなにでっかい竜巻だってのに、ちっとも怖くねえ」
「そりゃそうさ。勘違いすんなよ。ガンダールヴの仕事は、敵をやっつけることじゃねえ。
『呪文詠唱中の主人を守る』。それだけだ」
「簡単でいいな」
「主人の詠唱を聞いて勇気がみなぎるのは、赤んぼの笑い声を聞いて母親が顔をほころばすのと
理屈はいっしょさ。そういう風にできてんのさ」
 ウェールズとアンリエッタの呪文が完成し、いよいよ竜巻が飛んできた。すさまじい暴風と怒濤。
たとえ要塞でも簡単に崩してしまうことだろう。
「楽勝だ! 俺は虚無の使い魔だぜ!」
 だが才人は一気に飛び込んだ。デルフリンガーで竜巻を受け止める。
 魔法を吸収するデルフリンガーとはいえ、この規模の攻撃は一気に吸い切れないらしい。
水流が激しく体をなぶり、才人を蹂躙する。
 だが耐えている内に、ルイズの呪文が完成した。竜巻の魔力がデルフリンガーに吸い取られ、
水が滝のように崩れ落ちると、ルイズの杖から眩い光が輝く。
 『ディスペル・マジック』がウェールズを包み込み、その体が地面に崩れ落ちる。アンリエッタは
駆け寄ろうとしたが、消耗しきっていた精神力のおかげで意識を失い、地面に倒れた。
 その音で、既に偏在を倒され、タバサとキュルケと単騎で戦闘を続けていたワルドが振り返る。
「失敗か。もうこの場にいる意味はないな」
 と言いながらも、タバサらが厳しく見張っているため、迂闊に動くことが出来ない。
逃げる隙を窺うために、そのままにらみ合いを続ける。
 その間に、起き上がった才人がふらふらとウェールズ、アンリエッタに近寄る。
「やった。けど……」
 一見勝利したように見えるが、まだ安心は出来なかった。『レコン・キスタ』に与している
侵略者がまだ姿を見せていない。アルビオンでは、ザラブ星人の横槍で全てが台無しになってしまった。
あれと同じようにさせてはいけない。どこから新手が出てきてもいいように、ゼロとともに
周囲を厳戒する。
 だが予想に反して、何も出てこない。それでまずはアンリエッタを確保しようとした、その時、
「ん?」
 ウェールズの襟元が、突然もぞもぞと動いたのだ。服の下に何かいる? 思わず顔を近づける才人。
『駄目だ才人ッ! 離れろぉッ!』
 咄嗟にゼロが叫んだが、遅かった。襟が下から開かれると、服の下から、赤いテルテル坊主としか
言いようのないものが飛び出した。
「えッ!?」
 面食らっている才人に、ケケケ! と歪んだ笑いを浮かべたテルテル坊主が、真っ赤なガスを吹きつけた。
「ぐああぁぁッ!?」
「サイト!?」
「あ、相棒!」
 ガスを浴びた才人は、喉を押さえてバッタリと倒れた。テルテル坊主は唖然としている
タバサとキュルケにもガスを吐きつける。
「きゃあ!? な、何よ一体……うッ!?」
 ガスを浴びた二人の首にどこから現れたか赤い鎖が巻きつき、途端に目が血走る。
「な、何だ? 何が起こって……」
 事態が呑み込めないワルドに、炎と氷の矢が降りかかった。タバサとキュルケが魔法を振るったのだ。
「ぐああああああッ!?」
「ワルド! タバサ、キュルケ、いきなり何を……!」
 容赦ない不意打ちに重傷を負ったワルドだが、それでも走ってその場から退散していった。
タバサたちはワルドがいなくなると、血走った目をルイズに向けて、飛びかかってきた。
「うあああああぁぁぁぁぁぁぁ!」
「きゃあああッ! 何するの! や、やめてぇ!」
 タバサとキュルケはルイズを羽交い絞めにして、喉を絞め出す。ワルドとの戦闘後なので
魔法は打ち止めのようだが、もし精神力が残っていたらルイズにも攻撃魔法を放ったことだろう。
今の彼女たちの目からは、正気が失われていた。
「かッ、かはッ……! た、助け……!」
 非力なルイズでは、二人の押さえ込みに抗えない。息が詰まりながら、助けを求める。
 その瞬間に、才人が猛然と走ってきて、タバサたちに素早く当て身を入れて失神させた。
「サイト! ……いえ、ゼロなの?」
「ああ……! 緊急事態なんで出てきた……」
 才人の顔を覗いたルイズが、今の意識がゼロであることを見抜いた。才人の意識が失われたので、
無理矢理交代したのだ。
 ルイズは、ふよふよと浮いてこちらを観察しているテルテル坊主を指差す。
「ゼロ、あの人形みたいなのは何なの? タバサもキュルケも、あいつの吐いたブレスを
吸っておかしくなったわ」
 ゼロはテルテル坊主の正体を知っていた。
「あの奇抜な姿。一度見たら忘れられねぇぜ……! あいつは円盤生物ノーバ! 怪獣の一種だ!」
「怪獣!? あんなに小さいのに!?」
「奴は伸縮自在なんだ!」
『フハハハハハ! その通りだ! 仕掛けた罠にまんまと嵌まったな、ウルトラマンゼロ!』
 円盤生物ノーバの後ろに、怪人が空間転移して現れた。ヤプールの刺客、ギロン人だ。
「お前はギロン人! ヤプール直属の手下か!」
『如何にも! 我が支配者の読み通り、この国の首長の大事には人間の姿でのこのことやってきたな。
そこをノーバで奇襲を掛ける。完璧に上手く行った! さすがはヤプール様の作戦よ!』
「くッ……!」
 敵の策略に引っ掛かってしまい、舌打ちして悔しがるゼロ。しかし無理からぬことだろう。
ウェールズの服の下に怪獣が仕込まれているなど、誰が予想できるのか。
『ノーバの発狂ガスをまともに食らって、パワーを相当消耗しているはずだ。円盤生物よ! 
ウルトラマンゼロをこのままひねり潰してやれぇー!』
 ギロン人の命令により、ノーバが赤い煙を発してその中に姿を隠す。そして次の瞬間には、
煙の中から右手に鞭、左手が鎌となった巨大怪獣の姿で現れた。
「ギイイイイィィィィ!」
 ノーバは鞭を振り回して、ゼロとルイズに迫ってくる。
「ゼロ……!」
「任せとけ、ルイズ! 消耗してたって、あんな奴に負けるもんか! デュワッ!」
 ルイズを背後に回してかばうゼロは、ウルトラゼロアイを装着して本来の姿に変身し、
巨大化してノーバの前に立ちはだかった。同時に、ギロン人も巨大化してノーバの後ろに回る。
『ギロン人! 俺を罠に嵌めたからって、お前とこのヒョロヒョロしたのでこのウルトラマンゼロに
挑もうなんて、ちょっと俺を舐めてるんじゃないか!?』
 ゼロは才人の時に水の竜巻やガスを食らい、最初から消耗した状態にあった。それでも、
アンリエッタの気持ちを自分たちのいいように利用したギロン人たちへの怒りに燃えているので、
戦意と活力は溢れ返っている。今の彼なら、二対一の不利をつけられても負けはしないだろう。
 だがギロン人は、ゼロに嘲笑を浴びせる。
『フハハハハハハ! 馬鹿め! 誰がこれで全部だと言った!』
『何!』
『出てこい、ブラックエンド!』
 ギロン人の呼び声に応じるように、街道の脇の森の中から、黒と赤の二色の球体にムカデの
尻尾をくっつけたような物体が飛び出た。
「あれは……円盤!?」
 ルイズが叫ぶ。現れた物体は、宇宙人たちの乗り物、円盤によく似ているようにルイズには見えた。
 そして円盤は、一瞬の内に巨大化して、恐竜型の首に両脚、長い角を球体の胴体の前後に
六本生やした怪獣へと変化した。
「ガアアアアアアァァァァ!」
「え、円盤が怪獣に変身した!」
 驚愕するルイズ。円盤が内部から怪獣を出すところは見たことがあるが、円盤そのものが
怪獣になるとは予想外だった。
「ガアアアアアアァァァァ!」
 しかもそれだけではない。怪獣ブラックエンドが咆哮を上げると、それに呼応するように、
森の中から続々と様々な形状の小型円盤が飛び出して、その一つ一つが巨大怪獣に変身したのだ。
「ギャオオオオオオオオ!」
「ギャアアアアアアアア――――――!」
「ピギャ――――――!」
「キィ――――!」
 カブトガニ、赤いクラゲ、クモヒトデ、カエルと亀を足したような生物、前後に二つの
顔がある怪物、チョウチンアンコウ、二枚貝、ハゲタカにそれぞれ似た、計八体の怪獣が
ゼロを取り囲む。
 更に円盤がもう一体、空から飛来してきた。赤い目を持ったような黒い円盤が急降下してきて、
途中で赤い一つ目の人型の怪獣へと変形し、ゼロの正面に着地した。
『指令。ウルティメイトフォースゼロ、抹殺』
『ロベルガー……!』
 全て合わせて十一体の怪獣に包囲されるゼロ。その全てが、円盤生物だ。
『私が支配者より預かったのは、ノーバではない! 円盤生物そのものだぁッ!』
 二桁に及ぶ敵に囲まれて、動揺したように辺りを見回しているゼロに対して、ギロン人が言い放った。


新着情報

取得中です。