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Ruina 虚無の物語-01


誰かに呼ばれた気がして、町はずれの森を歩いた。
仲間達が何事かと聞いてくるが、答えずに歩き続けた。
鬱蒼と茂り薄暗い森の中を行く。
しばらく歩いた先に、光る鏡を見つけた。

――胸騒ぎがした。
この鏡は自分を招いている……。

ゼロの使い魔×Ruina 廃都の物語
「Ruina 虚無の物語」


しばし時は遡る。

ホルムはネス公国の西の辺境にある村だ。
大河を用いた交易の中継地点となっている事だけが取り柄だった小さな村である。
一部が過去形となっている理由は、この村のすぐ近くで遺跡群が発見され、
色々とあった挙句、探索者と呼ばれる輩が集まるようになったからだ。
もっとも、怪異の原因はフィーという名の少女とその仲間たちが討ち果たしている。

ホルムの村の片隅にある庵にて薬草を調合している途中、
幼馴染である桃色の髪の少女――ネルがいきなりやってきた。
「ねえフィー、また一緒に遺跡を探検してみない?」
その言葉で、かつて自分達が解決した異変を思い出す。

自分達が見つけてしまった遺跡群を調べている間に起きた出来事。
人間では傷付ける事が出来ない化け物を、野生の獣の力を用いて撃破した事。
後にその近くで竜の子と出会い、もっと早く会っていればと後悔した事。
僧兵の放った矢により父のように慕っていた人物が死んでしまった事。
その人物が残した魔道書を継承した事。
また、遺跡の深奥にて自分の出生に関する衝撃の事実を知ってしまった事。
そして怪異の原因を撃ちとり、自分の出生にかかわる因縁に決着をつけた事。
そのような事を思い出しながら、正午に村の門の前で集合する約束をした。

そして正午、門の前には甲冑と竜を象った兜を身に着け、荷物を背負っているネルと
猫の耳のような意匠が施されたフードを被った青い髪の少女――エンダ、
黒い衣を纏い、琴を模した形状の弓を背負った長い黒髪の女性――キレハの3人がいた。
女性ばかりのパーティであるが気にしてはいない。
いざ行かんとした時、誰かの呼び声を感じたような気がし、
そして今へ至る。

「なんだこのカガミ?」
エンダが興味深そうに鏡を見つめている。
皆が警戒しつつも興味深そうにこの光る鏡を眺めている。
調査のために鏡の表面に左手を伸ばしてみると、なんと左手が吸い込まれるかのように鏡面に入り込んだ。
どうやらこの鏡は何処かへと繋がる門となっているようだ。

また、呼ばれた気がした。
確信した。この鏡は自分を招いている。

皆に遺跡を探索する代わりにこの門を潜ってみないかと提案する。
いきなりの提案に驚いていたが、かの遺跡を見つけた時と同じような感覚があった事を伝えると皆は押し黙った。
「それってもしかして…」
遺跡と何らかの関係があるのかもしれないとネルが言う。
キレハも思うところがあるのか黙ったまま頷いた。エンダはさほど興味がないようだ。
再び、この門の先へ行きたいと言うと反対者はもういないようだった。
「何があるのかな。ワクワクするね。」
「この中に飛びこめばいいんだな?」
「ああもう、どうなっても知らないから!」
皆が光る鏡の中へ身を躍らせる。

夢から覚めるときに似た落下感
そして、意識が途切れた。



目が覚める。
眼前には抜けるような晴天と広がる草原が広がっており、遠くには石造りの屋敷が見える。
そして、草原には大勢の人間がいた。
よく見ると皆がマントを身につけており服装も似通っている。
年齢も幾人かの例外を除けば自分と同じ位だろう。
少年達が叫ぶ。
「おい、ゼロのルイズが人間を召喚したぞ!」
「なんで4人もいるんだよ?」
「しかもあの4人着ている物バラバラだぜ?」
「なんだよ、あのゴツい鎧は?」
そして、明らかに困惑しているらしい少年の声を無視して、
黒いマントと白いシャツを着ている桃色がかったブロンドの髪の少女が話しかけてきた。
「あんた達だれ?」
手にある小杖以外の武装は見えず特に敵意はないようだが、こちらも状況を把握していないので少女に誰何する。
すると少女は不機嫌そうに答える。
「質問に質問で返すとは無礼な平民ね。いいわ、特別に教えてあげる。
わたしはルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。
それで貴方達は何者なの?それとどこから来たの?」
その言葉に自分はネス公国のホルムの村に住むフィーという名の者であると答え、
皆と遺跡を探索しようとした所、光る鏡を見つけた事を伝えた。
その後、改めて辺りを確認するとキレハ、ネル、エンダの三人が気絶していた為、あわてて安否を確認する。
自分の態度を怒鳴るかと思ったが、どうやら彼女――ルイズは自分が口にした地名に覚えが無いらしく
「ネス公国?ホルムの村?聞いた事が無いわね、何所の田舎よ?」
と考えこんでいた。
気絶しているだけで時間がたてば目覚めそうだとわかると、彼女達の名前や身分も軽く紹介する。
するとルイズは落胆した態度を見せる。
「おい、召喚したのは平民のようだ!」
「平民にしては重武装だな、傭兵じゃないのか?」
周囲が騒がしいのを無視し、なぜ落ち込むのか理由を聞こうとした所で別の声に呼び止められる。
振り向くと、髪の薄い中年の男がいた。
「横から失礼します。私はジャン・コルベールと申します。」
自分達が武装しているせいだろう。
コルベールと名乗った男は杖を片手に持ちつつも軽く両手をあげ、敵対の意思がない事を示しながら話を続ける。
よく見ると生徒達を庇える位置に移動している他、隙のない身の運び方からもこの男の実戦経験が窺い知れる。
男の説明により、ここはトリステイン魔法学院のサモン・サーヴァントという魔法の儀式を行う広場で、自分達は儀式により召喚されてきた事。
呼ばれた者は使い魔として契約する事。
そしてこの儀式をこなさなければこの学院の生徒は進級できない事が判明した。
またホルム村やネス公国、大河アークフィアといった単語に覚えはないか質問するが、どうやら知らないようだ。
確認が終わった直後、ルイズが叫ぶ。
「ミ、ミスタ・コルベール。もう一度サモン・サーヴァントの許可を。」
「残念だがミス・ヴァリエール、呼び出した以上彼女に使い魔になってもらわなければならないんだ。」
「で、ですが」
「ミス・ヴァリエール、これは伝統なんだ。
それとミス・フィー、君達にも悪いとは思うが彼女の使い魔を勤めてくれないだろうか?
できれば彼女のような勤勉な生徒を落ち込ませたくはないんだ。」
言いながら、コルベールは頭を下げてきた。
ルイズを見る。彼女は問題こそあるが真面目な生徒なのだろう。
コルベールの態度からそう感じた為か無碍に断る気にはなれなかった。
契約に関しては、自分だけならば了承できる。
だが仲間はどうなのだろうか。勝手に決定するわけにはいかない。
よって、自分だけならば構わない事、巻き込んでしまった仲間を元の場所へ帰還させる許可がほしい事を伝えた。
「残念ですが、召還の手段は今のところ判明していません。ただ、できるだけの事はしましょう。
それと前者に関してはミス・ヴァリエールが納得したらという形になります。」
「ミスタ・コルベール、話はすみましたか?」
「あ、はい。失礼しました。彼女の同意は得られました。ただ…。」
「ただ?」
「契約するならば自分だけにしてほしいと、それと仲間が元いた場所に帰れるようにしたいと言っていました。それでもいいならば契約するとの事です。」
「全く、注文が多いわね。」
ルイズは考えこみ、そして頷いた。渋々ではあるが納得したらしい。
そして、すぐ目の前にルイズはやってきた。
「貴族たるわたしがなんでこんなことを…。」
呟きながらルイズは呪文を唱える。
「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール
五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我が使い魔となせ。」
額に杖を当てられた。
突然の出来事に戸惑っている間に、顔を近づけてくる。
唇の距離は狭まっていき

――そしてゼロになった。


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