あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

アウターゾーンZERO-03


皆さん、こんにちは。私の名前はミザリィ。アウターゾーンのストーカー(案内人)です。
今日ご紹介するのは、アウターゾーンの一つ、ハルケギニアで起きた出来事です。
公爵家の娘、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。
彼女はメイジ、いわゆる魔法使いでありながら、魔法が使えないというコンプレックスを抱いていました。
そのコンプレックス、さらには周囲の嘲笑が、彼女を歪ませていきました。
自分をバカにした周りの人間を見返すために努力をすることは、決して悪いことではありません。
しかし、強さを追い求めるあまり自分の殻に閉じこもり、ひねくれてしまった彼女が魔法の力を手に入れたところで、どうなるでしょう。
多くの人を不幸にするに違いありません。
それは、彼女の同級生たちにも言えることです。
力を持つ資格のない者が大きな力を手にしては、その力は暴力になるだけです。
それを理解している子供が、トリステイン魔法学院に何人いることでしょうか。
さて、私はハルケギニアで一仕事するとしましょう……。



これで何度目の失敗だろうか。
トリステイン魔法学院で進級試験として行われる、召喚の儀式。
生徒たちが次々と召喚を終える中、ルイズだけが何度も失敗し、爆発を起こしている。
このままでは留年は免れない。
周囲から罵声を浴びせられ、だんだんと焦ってくる。
「五つの力を司るペンタゴン……我の運命に従いし、使い魔を召喚せよ!」
切羽詰まったように詠唱し、杖を力の限り振ると……再び爆発が起こった。
またか、と周囲がはやしたてようとしたその時、あっと誰もが息をのんだ。
煙の中に人影がある。
煙が徐々に薄くなり、召喚したものが見えてきた。
姿を現したのは……平民とも、貴族とも見分けがつかぬ、大人の女であった。
ウェーブのかかった長い髪。男を簡単に悩殺できるほどの妖艶かつ豊満なスタイル。
つり目も、美人というにふさわしい顔を引き立てている。
「な、なんだありゃ……すごい美人だぜ……」
「貴族か? 平民か?」
「貴族だろ? あんなすごいスタイルしてる平民なんていないよ」
生徒たちはざわめく。
「う……く、悔しいけど負けたわ!」
キュルケは本心で負けを認めた。それほどのスタイルだった。
「ど……どなた……ですか?」
ルイズは、失礼のないように聞いた。もしも貴族だったら大変だ。
[私? 私の名前はミザリィ。私を呼んだのはあなた? お嬢ちゃん]
お嬢ちゃんという言葉にカチンときたが、ぐっとこらえた。
「う……あ……そ、そうです。あなたはどこの貴族でしょうか?」
[貴族? 何それ?]
この女……ミザリィは貴族ではないらしい。それが、イコール平民ということにはならないのだが、ルイズはそこまで考えが回らなかった。
「へ、平民だったの? あんたみたいなのがね」
[いきなり呼びつけておいて、あんたみたいなのとは失礼ね。それに、貴族とか平民とか、何を言ってるの? 昔のヨーロッパじゃあるまいし]
ミザリィの声のトーンが少し下がる。背筋に薄ら寒いものを、ルイズは感じた。
「……な、なんなのよあんた! 平民のくせに、貴族に……」
[逆らう気? って言うわけ? そうだと言ったらどうするの? 死刑だとでも?]
「そ、そうよ! 最悪はそうなるわね。私の家がどんなものか、あんたは知らないでしょうけど、平民なんかどうにでもできるのよ、貴族は!」
[面白いわね。できるものならやってみなさいよ、お嬢ちゃん]
ミザリィの挑発に、ルイズは冷静さを失った。
「な、な……見てなさいよ! あんたなんか、いずれ首をはねられるか、首を絞められるかよ! 私の命令一つで。その時には、お嬢ちゃんなんて言ってられないわよ」
[私の首をはねられるの? いいわよ。そっちがその気なら、私もただじゃおかないわよ]
「ま、待って下さい。私が代わりに説明します」
ただならぬ雰囲気を察した、教師のコルベールが割って入る。
「ここはハルケギニアのトリステインという国の、トリステイン魔法学院です。あなたは春の使い魔召喚の儀式で、使い魔として呼び出されたのです。彼女、ミス・ヴァリエールによって……」
コルベールは早口で、事情を説明する。
[フーン、私がこのお嬢ちゃんの使い魔ってわけね]
ミザリィはうなずいている。
「そうです。ですから、彼女と契約をして下さい。……そういうことで、いいね? ミス・ヴァリエール」
「は、はい……」
この女の正体は良くわからないが、背に腹は代えられない。
もう何度も召喚に失敗している。その末にやっと成功したのだ。やり直しはきかない。
使い魔なら、もう悪魔でもなんでもいい。
「と、とにかく私と契約しなさい! あんたは使い魔なんだから」
[嫌よ]
ミザリィは、切り捨てるように言った。
「私に逆らう気!?」
[当たり前でしょ。貴族だかなんだか知らないけど、あんたみたいな性悪のクソガキの使い魔になんかならないわ]
「何ですって!?」
ルイズは杖を向けるが、ミザリィは怯まない。
[あら、魔法を使うの? やってみなさいよ]
「くっ……」
魔法を詠唱しようとして、やめた。
この女を攻撃できる魔法を、自分は使えない。使えるとしたら、魔法の失敗による爆発だけだ。
そんなものがこの女に効くとは思えない。
[どうしたの? 早くしなさいよ。……!!]
その時、ミザリィの服が刃物で切り裂かれるように破れた。
さすがのミザリィも、不意打ちは避け切れなかった。
[……]
血は出ていない。服が破れただけだ。
「手加減はした……」
少し離れた所に立っていたタバサが、杖をミザリィに向けながらつぶやく。
タバサがエア・カッターを放ったのだ。
「ど、どう? これが、メイジの力、魔法の力よ! 思い知った?」
ルイズが、自分がやったことのように得意気に言い放つ。
[……こうやって、逆らう平民を力で抑え込む、これが貴族のやり方なのね。卑劣なものだわ]
「! そ、それは……」
痛い所を突かれ、ルイズは怯んだ。
[今私の服を破いたのは、そこのあなたね。おいたがすぎるわね。ちょっとお仕置きしてあげるわ]
ミザリィの目が光った。
「……!? な、何!?」
タバサの周りに、人型をした半透明のものが現れた。それは次々と増えていく。
「……!?」
[それは、あなたが今まで戦って殺してきた人たち、そしてその家族の亡霊よ]
「う……うわあああああああーっ!!」
タバサが鋭い悲鳴を上げた。
……殺さないでくれ……殺さないでくれ……
……父ちゃんを返せ……父ちゃんを返せ……
亡霊たちのうめく声が、タバサを責め立てる。
「ゆ、許して……許して……」
何十という亡霊に囲まれ、タバサは無様に腰を抜かした。
……殺さないで……殺さないで……
……兄貴を返せ……返せ……
「ご、ごめんなさい! ごめんなさい! ごめんなさいごめんなさいごめんなさあああああい!!」
誰よりも優等生のはずが、何もできずただ泣き叫ぶタバサに、皆が呆然としている。
[もういいわね。二度とあんなことしちゃだめよ。わかったわね?]
タバサはうずくまったまま、泣き続けている。
「返事は?」
「……は、はい……」
タバサが涙声で答えると、亡霊は消えた。
[さて次はお嬢ちゃん、あなたの番よ]
「な、何をする気!?」
[こうする気よ]
ミザリィの目が再び光った。
周囲に生臭いにおいがたちこめる。
「な、何!?」
気がつくと、ルイズの一番苦手なもの、カエルが群れをなしてルイズを取り囲んでいた。
ゲコゲコと、不気味な鳴き声が幾重にも重なって響く。
「ぎゃ、ぎゃああああ!!」
何匹ものカエルが飛び跳ねて、ルイズに迫る。
[フフフ……さっきの威勢はどうしたのかしら]
ミザリィは笑みを浮かべる。周りの生徒は誰も助けようとしない。いや、できないのだ。
この女は恐ろしい。まず勝てない。そう本能が告げている。
「カエルは……カエルは嫌ーっ!!」
ルイズは逃げ出そうとするが、カエルの大群がルイズに襲いかかった。
全身に取り付かれて、ルイズは尻餅をつく。
「い、嫌……やめて……」
顔面に大きいカエルが張り付く。
次の瞬間、ルイズの股間から生温かい液体が流れた。
恐怖のあまり失禁したのだ。
[あらあら、おもらしなんかしちゃって……無様ねえ]
ミザリィに嘲笑され、ルイズはさめざめと泣く。
いつの間にかカエルの大群は消えていた。
「う……う……くくく……もう、あんたなんか……殺してやる!! 爆発で吹っ飛ばしてや……」
「や、やめるんだ! ミス・ヴァリエール!! 使い魔を殺したら退学だぞ!!」
「うるさい!! こんな大恥かいて、もう何もかもおしまいよ!! もう何もかもどうでもいい!!」
コルベールが止めるのも聞かず、恥辱に涙を流しながら、杖を構えて呪文の詠唱をしようとした時だった。
「う……ぎゃあああ!!」
何十、何百のカエルが全身にビッシリとついている。
「嫌、嫌ーっ!!」
杖を落とした瞬間、カエルは煙のように消えた。
「……き、消えた!? どうなってるの!?」
[簡単なことよ。これからは魔法を使おうとすると、必ずカエルが現れるわ。条件反射でそうなるように、私が『条件付け』しといたから]
「な、何ですって!?」
[他の子たちにも同じように『条件付け』しておいたわ。魔法を使ってごらんなさい、一番苦手なものが現れるから]
生徒たちはどよめく。
[それじゃ、私はもう帰るわね]
ミザリィは召喚された場所に立つと、振り返って不気味な笑みを浮かべた。
[あなたたちが魔法を使えなくなったことを知ったら、平民の人たちはどうするかしら? どんな仕返しをされるか楽しみね。ねえ、お嬢ちゃん、それに坊やたち……じゃあね]
そう言い捨てた次の瞬間、ミザリィの姿は消えていた。
「あ……」
ルイズも、タバサも、そしてコルベールも、誰もが思考を停止したまま呆然と立ち尽くしていた。



その後、生徒たちがどうなったかは皆さんの想像にお任せするとしましょう。
今まで好き勝手に生きてきた貴族の子供たちにとって、これからの制約に満ちた人生は辛いものになることでしょう。
しかし悪い子にはお仕置きが必要。子供たちがあのまま大人になっていたら、多くの平民を不幸にしていたに違いないからです。


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