飛行型のラダム獣に乗ったまま、テッカマンダガーは次々とラダム獣をけしかけてくる。
「たあっ!」
テックランサーで目の前のラダムを横に、続いて刃を振り上げ、縦に切り裂く。
後ろからも来た。ランサーを文字通り槍投げのように投擲し、二体のラダム獣を串刺しにする。ランサーはすぐさまワイヤーで回収、次に備える。
しかし、ラダム獣はまだまだ空中を飛び回っていた。このままではきりがない。
私はテックランサーを収納し、空中に浮遊した。
「クラッシュイントルード!」
肩をはじめとする装甲がコンパクトに折りたたまれる。私の身体はエネルギーフィールドに包まれ、超高速でラダム獣の群れに突撃した。
「たあっ!」
テックランサーで目の前のラダムを横に、続いて刃を振り上げ、縦に切り裂く。
後ろからも来た。ランサーを文字通り槍投げのように投擲し、二体のラダム獣を串刺しにする。ランサーはすぐさまワイヤーで回収、次に備える。
しかし、ラダム獣はまだまだ空中を飛び回っていた。このままではきりがない。
私はテックランサーを収納し、空中に浮遊した。
「クラッシュイントルード!」
肩をはじめとする装甲がコンパクトに折りたたまれる。私の身体はエネルギーフィールドに包まれ、超高速でラダム獣の群れに突撃した。
クラッシュイントルードの突撃が、次々とラダム獣を打ち落としていく。
あらかた撃墜した後、ギーシュの乗るラダム獣をも貫いた。
「やるね、ゼロ。だけど!」
ギーシュ、テッカマンダガーはバラの花を振った。バラの花が一枚宙を舞い、青銅の女戦士を形成する。
これはギーシュが以前から得意としていた魔法だ。青銅のゴーレム、ワルキューレ。
テックシステムの影響も出ているのか、その姿も以前のものとは若干異なり、テッカマンに酷似した姿となっている。
その上、飛行までしていた。
「そんな!?」
テッカマンになっても魔法が使えるなんて知らなかった。当たり前だ。私は魔法なんて何一つ使えないのだから。
テッカマンダガーは続いて六体のワルキューレを召喚、七体全てを私に突撃させてきた。
私はテックランサーを振り回すが、二、三体のワルキューレを切り裂くのが限界だった。
残り全てのワルキューレは仲間がやられるのにも構わず突進、腕に、足に絡みつく。
魔法で造られたものとはいえ、青銅のゴーレム。それに何体も取り付かれ、私は全く身動きが取れなくなってしまった。
急加速で振り払おうにも、背中の噴射口まで塞がれた。ワルキューレの見事な連携は、私の自由を完全に奪っていたのだ。
ワルキューレ軍団を振り払おうともがく私を見て取ったダガーは不敵に笑った。
バラの花を手に持ち、胸を反らして絶叫する。
「ボルテッカァー!」
テッカマン最大の一撃、ボルテッカだ。体内に蓄積された反物質粒子・フェルミオンを加速して放出するそれは、
直撃すればテッカマンをも消滅させるほどの破壊力を持つ必殺の一撃。まさに、切り札だ。
それが、私に迫り来る。ワルキューレもろとも、確実に葬り去るつもりなのだ。
私は何とか肩の装甲を展開させた。装甲の内側には複数のレンズ状の物体が埋め込まれている。
「ボルテッカァァァッ!」
レンズ状の物体が輝き、ボルテッカを放つ。その反動で、ワルキューレは全て振りほどかれた。
フェルミオンとフェルミオン、二つの加速された粒子がぶつかりあって、大爆発を起こす。
「うわあぁぁーっ!」
爆発の衝撃でダガーは空中に吹き飛ばされるのが見えた。
ボルテッカが遅れたおかげでより爆発の近かった私は、さらに激しい爆発に見舞われた。
「きゃああぁぁぁっ!」
すさまじい爆風に巻き込まれた私は、抗うこともできずに地面に墜落した。
あらかた撃墜した後、ギーシュの乗るラダム獣をも貫いた。
「やるね、ゼロ。だけど!」
ギーシュ、テッカマンダガーはバラの花を振った。バラの花が一枚宙を舞い、青銅の女戦士を形成する。
これはギーシュが以前から得意としていた魔法だ。青銅のゴーレム、ワルキューレ。
テックシステムの影響も出ているのか、その姿も以前のものとは若干異なり、テッカマンに酷似した姿となっている。
その上、飛行までしていた。
「そんな!?」
テッカマンになっても魔法が使えるなんて知らなかった。当たり前だ。私は魔法なんて何一つ使えないのだから。
テッカマンダガーは続いて六体のワルキューレを召喚、七体全てを私に突撃させてきた。
私はテックランサーを振り回すが、二、三体のワルキューレを切り裂くのが限界だった。
残り全てのワルキューレは仲間がやられるのにも構わず突進、腕に、足に絡みつく。
魔法で造られたものとはいえ、青銅のゴーレム。それに何体も取り付かれ、私は全く身動きが取れなくなってしまった。
急加速で振り払おうにも、背中の噴射口まで塞がれた。ワルキューレの見事な連携は、私の自由を完全に奪っていたのだ。
ワルキューレ軍団を振り払おうともがく私を見て取ったダガーは不敵に笑った。
バラの花を手に持ち、胸を反らして絶叫する。
「ボルテッカァー!」
テッカマン最大の一撃、ボルテッカだ。体内に蓄積された反物質粒子・フェルミオンを加速して放出するそれは、
直撃すればテッカマンをも消滅させるほどの破壊力を持つ必殺の一撃。まさに、切り札だ。
それが、私に迫り来る。ワルキューレもろとも、確実に葬り去るつもりなのだ。
私は何とか肩の装甲を展開させた。装甲の内側には複数のレンズ状の物体が埋め込まれている。
「ボルテッカァァァッ!」
レンズ状の物体が輝き、ボルテッカを放つ。その反動で、ワルキューレは全て振りほどかれた。
フェルミオンとフェルミオン、二つの加速された粒子がぶつかりあって、大爆発を起こす。
「うわあぁぁーっ!」
爆発の衝撃でダガーは空中に吹き飛ばされるのが見えた。
ボルテッカが遅れたおかげでより爆発の近かった私は、さらに激しい爆発に見舞われた。
「きゃああぁぁぁっ!」
すさまじい爆風に巻き込まれた私は、抗うこともできずに地面に墜落した。
謎の生物の襲撃が始まり、半年あまりがたっていた。
トリステインを中心に発生した侵略行為は、既にハルケギニア全土に及んでいる。
怪物には剣も魔法も通用せず、いたるところに怪物によるものと思われる植物が乱立した。
侵略に対して、国というものはほとんど意味を成さなかった。
特に、侵略の中心となってしまったトリステインは秩序が崩壊してしまった。
かろうじて王女とその補佐により特殊部隊が組まれるものの、怪物たちに有効な反撃は得られなかった。
トリステインを中心に発生した侵略行為は、既にハルケギニア全土に及んでいる。
怪物には剣も魔法も通用せず、いたるところに怪物によるものと思われる植物が乱立した。
侵略に対して、国というものはほとんど意味を成さなかった。
特に、侵略の中心となってしまったトリステインは秩序が崩壊してしまった。
かろうじて王女とその補佐により特殊部隊が組まれるものの、怪物たちに有効な反撃は得られなかった。
「まったく、いい眺めだね」
元魔法衛士隊隊長、現ゼロ機関のワルドはそこらじゅうに咲き誇る植物を指して呟いた。
「まるでこの世の終わりのような、美しい眺めだ」
「ワルド、少しは口を慎んだら?」
同じくゼロ機関の隊員、ミス・ロングビルはワルドの不穏当な発言をたしなめる。
「そんなことは言ってもね。あれをどうしようというのかな。それとも、今から僕たちだけ逃げ出して新しい理想郷でも探す旅にでも出るかい?」
ミス・ロングビルの表情が険しくなったのを見て、ワルドは冗談だとでも言うように手を広げた。
元魔法衛士隊隊長、現ゼロ機関のワルドはそこらじゅうに咲き誇る植物を指して呟いた。
「まるでこの世の終わりのような、美しい眺めだ」
「ワルド、少しは口を慎んだら?」
同じくゼロ機関の隊員、ミス・ロングビルはワルドの不穏当な発言をたしなめる。
「そんなことは言ってもね。あれをどうしようというのかな。それとも、今から僕たちだけ逃げ出して新しい理想郷でも探す旅にでも出るかい?」
ミス・ロングビルの表情が険しくなったのを見て、ワルドは冗談だとでも言うように手を広げた。
ゼロ機関は怪物の生態の調査などを目的として、マザリーニ枢機卿により組織された特殊部隊だ。
襲撃によってほぼ壊滅に陥ってしまった魔法衛士隊や、騎士団からの志願者によって構成されている。
この部隊が組織されるとすぐに、ワルドが志願した。ワルドはスクエアクラスのメイジで剣の腕も立つ非常に優秀な人物であったので、
すぐに隊員となれた。
ミス・ロングビルはトリステイン魔法学院からの、唯一の生還者だ。学院が襲撃されたとき、ちょうど外出する用事があって助かったらしい。
彼女は貴族ではないが、優秀な魔法使いであるのでこの部隊に召喚された。
襲撃によってほぼ壊滅に陥ってしまった魔法衛士隊や、騎士団からの志願者によって構成されている。
この部隊が組織されるとすぐに、ワルドが志願した。ワルドはスクエアクラスのメイジで剣の腕も立つ非常に優秀な人物であったので、
すぐに隊員となれた。
ミス・ロングビルはトリステイン魔法学院からの、唯一の生還者だ。学院が襲撃されたとき、ちょうど外出する用事があって助かったらしい。
彼女は貴族ではないが、優秀な魔法使いであるのでこの部隊に召喚された。
今回は、この先で怪物の大規模な空中戦が確認されたのだ。二人はその調査のため、ここまで来ている。
目立つのであまり大人数は連れて行けず、グリフォンも使えない。
不本意ながら、二人は徒歩でここまで来ていた。戦闘が目撃されたのはまだまだ先だ。
その折、空を見ていたワルドは小さな閃光に気付いた。
「ん? 何だあれは」
「別に何も見えないわよ」
光は徐々に大きくなり、ミス・ロングビルにも視認できる距離となった。
目立つのであまり大人数は連れて行けず、グリフォンも使えない。
不本意ながら、二人は徒歩でここまで来ていた。戦闘が目撃されたのはまだまだ先だ。
その折、空を見ていたワルドは小さな閃光に気付いた。
「ん? 何だあれは」
「別に何も見えないわよ」
光は徐々に大きくなり、ミス・ロングビルにも視認できる距離となった。
前方、100メイツほど先に何かが墜落、衝撃波が周囲の全てを吹き飛ばした。
二人は衝撃波が収まるのを待って、恐る恐る巨大なクレーターを覗き込む。
「くっ、何なんだ?」
「何かが落ちてきたようね」
周囲は化け物植物もろとも薙ぎ倒され、燃えているものさえある。
「何が落ちてきたかは分からないが、これでは……」
ワルドは呟くが、その言葉に反するかのように煙の向こうに何かの影が映った。
それは徐々に人の形を成す。
煙をかき分け、出てきたその人物は……
「ルイズ!?」
あまりにも意外な相手。一糸纏わぬままの彼女はこちらが誰なのかも気付かぬまま、うつぶせに倒れた。
二人は衝撃波が収まるのを待って、恐る恐る巨大なクレーターを覗き込む。
「くっ、何なんだ?」
「何かが落ちてきたようね」
周囲は化け物植物もろとも薙ぎ倒され、燃えているものさえある。
「何が落ちてきたかは分からないが、これでは……」
ワルドは呟くが、その言葉に反するかのように煙の向こうに何かの影が映った。
それは徐々に人の形を成す。
煙をかき分け、出てきたその人物は……
「ルイズ!?」
あまりにも意外な相手。一糸纏わぬままの彼女はこちらが誰なのかも気付かぬまま、うつぶせに倒れた。
気を失ったままのルイズを連れて帰ったワルドは彼女を休ませ、上司であるマザリーニ枢機卿に報告をした。
「では、彼女は空から降ってきたというのかね?」
「はい、枢機卿」
「にわかには信じられない話だが……それも、彼女は君の知り合いだったね」
「ええ。彼女の父親とは昔から親しくしておりまして、彼女とも」
「それに、ミス・ヴァリエールはトリステイン魔法学院の生徒でもありますわ」
加えて、ミス・ロングビルも報告する。
「では、何が起こったのかもより詳しく聞けるということか……」
「う、うぅ……」
その時、ルイズは目を覚ました。目をこすりつつ周囲を見回すその姿は愛らしいものだったが、表情は一瞬で険しいものへと変わる。
彼女は電光石火の勢いでベッドを飛び降り、ミス・ロングビルの後ろへ回りこんで彼女の首へ腕をかけた。
「ここはどこ!?」
「ゼロ機関の医務室だ。君が森に落下したのを見つけて、ここに運び込んだんだよ」
マザリーニがすらすらと答える。こんな状況でも落ち着いた対応ができる辺り、さすがといったところか。
しかし、ルイズの警戒心は全く緩まなかった。まるで檻に閉じ込められたばかりの猛獣のように、周りの全てを威嚇している。
「ルイズ、どうしたんだね。彼女を離したまえ」
そこへ、一歩踏み出したワルドが説得するように優しげに諭した。そこで初めて、ルイズはワルドの存在に気付いたようだ。
「え!? ワルド?」
腕の力が緩む。その隙にミス・ロングビルは身体を屈めさせ、ルイズの小さな身体を跳ね上げた。その勢いで彼女の腕はほどけて、
そのまま地面に向かって落下していく。
「きゃあっ!」
「ルイズ!」
しかし、地面に叩きつけられる前にワルドがその身を割り込ませた。彼の身体が衝撃を和らげる。
「あ、ワルド……」
「無事かい? 僕の可愛いルイズ」
驚いたルイズに、ワルドは微笑む。
彼の胸の中にいる形となったルイズは顔を赤らめつつも、彼の身体から降りる。
「ミス・ロングビル。驚いたのは分かるが、もう少し手加減をしてくれないかな」
立ち上がったワルドは帽子の位置を直しながら、注文をつける。ミス・ロングビルは腕を組みながらも反論した。
「いきなり首を絞められかけた身にもなってくださいな」
「彼女はレディだよ。扱い方にももう少し気をつけて」
「私を女扱いしていないのかしら?」
「いや、そういうわけじゃないんだけどね」
「あ、あなた……もしかして!」
ワルドと親しげに話をする女性を見ていたルイズは思い出したようだ。ミス・ロングビルはルイズに微笑みかける。
「ええ、私はオールド・オスマン学院長の秘書をしておりましたロングビルですわ」
「あなた、何でここにいるのよ! ラダム!?」
それに対してルイズは敵意も剥き出しの目で、ミス・ロングビルを睨みつける。手にはクリスタルを構えていた。
「ルイズ、ラダムって言うのは何かな?」
「あの怪物どもの名前よ! 学院はあいつらに襲われたんだから、誰も生きていられるわけがない!」
「私はちょうどオールド・オスマンに用事を頼まれて外出していたのですわ。ですから、学院で何があったのかは分からないのです。
教えてもらえますか、ミス・ヴァリエール?」
「それは……」
何かを離そうと口を開いたところへいかにも慌てた様子の兵が飛び込んできた。
「何事だ。立ち入り禁止だと伝えたはずだが」
「も、申し訳ありません! しかし、怪物の集団が!」
兵の報告を聞いたルイズは彼を突き飛ばし、真っ先に飛び出した。
「待ちたまえ、ルイズ!」
それを追ってワルドも部屋を飛び出した。
「では、彼女は空から降ってきたというのかね?」
「はい、枢機卿」
「にわかには信じられない話だが……それも、彼女は君の知り合いだったね」
「ええ。彼女の父親とは昔から親しくしておりまして、彼女とも」
「それに、ミス・ヴァリエールはトリステイン魔法学院の生徒でもありますわ」
加えて、ミス・ロングビルも報告する。
「では、何が起こったのかもより詳しく聞けるということか……」
「う、うぅ……」
その時、ルイズは目を覚ました。目をこすりつつ周囲を見回すその姿は愛らしいものだったが、表情は一瞬で険しいものへと変わる。
彼女は電光石火の勢いでベッドを飛び降り、ミス・ロングビルの後ろへ回りこんで彼女の首へ腕をかけた。
「ここはどこ!?」
「ゼロ機関の医務室だ。君が森に落下したのを見つけて、ここに運び込んだんだよ」
マザリーニがすらすらと答える。こんな状況でも落ち着いた対応ができる辺り、さすがといったところか。
しかし、ルイズの警戒心は全く緩まなかった。まるで檻に閉じ込められたばかりの猛獣のように、周りの全てを威嚇している。
「ルイズ、どうしたんだね。彼女を離したまえ」
そこへ、一歩踏み出したワルドが説得するように優しげに諭した。そこで初めて、ルイズはワルドの存在に気付いたようだ。
「え!? ワルド?」
腕の力が緩む。その隙にミス・ロングビルは身体を屈めさせ、ルイズの小さな身体を跳ね上げた。その勢いで彼女の腕はほどけて、
そのまま地面に向かって落下していく。
「きゃあっ!」
「ルイズ!」
しかし、地面に叩きつけられる前にワルドがその身を割り込ませた。彼の身体が衝撃を和らげる。
「あ、ワルド……」
「無事かい? 僕の可愛いルイズ」
驚いたルイズに、ワルドは微笑む。
彼の胸の中にいる形となったルイズは顔を赤らめつつも、彼の身体から降りる。
「ミス・ロングビル。驚いたのは分かるが、もう少し手加減をしてくれないかな」
立ち上がったワルドは帽子の位置を直しながら、注文をつける。ミス・ロングビルは腕を組みながらも反論した。
「いきなり首を絞められかけた身にもなってくださいな」
「彼女はレディだよ。扱い方にももう少し気をつけて」
「私を女扱いしていないのかしら?」
「いや、そういうわけじゃないんだけどね」
「あ、あなた……もしかして!」
ワルドと親しげに話をする女性を見ていたルイズは思い出したようだ。ミス・ロングビルはルイズに微笑みかける。
「ええ、私はオールド・オスマン学院長の秘書をしておりましたロングビルですわ」
「あなた、何でここにいるのよ! ラダム!?」
それに対してルイズは敵意も剥き出しの目で、ミス・ロングビルを睨みつける。手にはクリスタルを構えていた。
「ルイズ、ラダムって言うのは何かな?」
「あの怪物どもの名前よ! 学院はあいつらに襲われたんだから、誰も生きていられるわけがない!」
「私はちょうどオールド・オスマンに用事を頼まれて外出していたのですわ。ですから、学院で何があったのかは分からないのです。
教えてもらえますか、ミス・ヴァリエール?」
「それは……」
何かを離そうと口を開いたところへいかにも慌てた様子の兵が飛び込んできた。
「何事だ。立ち入り禁止だと伝えたはずだが」
「も、申し訳ありません! しかし、怪物の集団が!」
兵の報告を聞いたルイズは彼を突き飛ばし、真っ先に飛び出した。
「待ちたまえ、ルイズ!」
それを追ってワルドも部屋を飛び出した。
空中を多数の怪物、ルイズの言うラダムが埋め尽くしている。
部屋を出て、外にまで飛び出したルイズにやっと追いついたワルドは彼女の肩を掴んだ。
「危ないよ、ルイズ。早く戻るんだ」
しかしルイズはワルドの手を払った。そして、振り返りながら言う。
「ワルド、少し離れてて」
「どういう、ことかな」
ルイズは無言のまま、手に持ったクリスタルを天にかざした。そして、叫ぶ。
「テックセッター!」
部屋を出て、外にまで飛び出したルイズにやっと追いついたワルドは彼女の肩を掴んだ。
「危ないよ、ルイズ。早く戻るんだ」
しかしルイズはワルドの手を払った。そして、振り返りながら言う。
「ワルド、少し離れてて」
「どういう、ことかな」
ルイズは無言のまま、手に持ったクリスタルを天にかざした。そして、叫ぶ。
「テックセッター!」
ルイズの身体が巨大なクリスタルに包まれる。身体の表面に強固な外殻が形成され、続いて外装に覆われる。
ワルドの目の前で、ルイズの身体は全く別のものへと変貌した。
さらに彼女は両肩から二本の刃を取り出し、それを繋げた。
そして、叫ぶ。
「テッカマンゼロ!」
変身したルイズは、魔法はおろか風竜ですら追いつけないような速度で上昇し、怪物の群れに飛び込んでいった。
ワルドの目の前で、ルイズの身体は全く別のものへと変貌した。
さらに彼女は両肩から二本の刃を取り出し、それを繋げた。
そして、叫ぶ。
「テッカマンゼロ!」
変身したルイズは、魔法はおろか風竜ですら追いつけないような速度で上昇し、怪物の群れに飛び込んでいった。