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ゼロのチェリーな使い魔-08



フリオニールが召還されてから始めて『虚無の曜日』が訪れた。

「買い物に行くわよ」
「いってらっしゃい」

一瞬の沈黙が流れる。するとルイズはため息混じりに

「はぁ。あんたはわたしの何?」
「使い魔でしょ?」
「だったらしっかり護衛をしなさい!」
「わかりましたよ(面倒くさいなぁ)」
「まったく、人が優しくすればすぐ調子に乗って。今日はあんたの剣を買いに行くのよ」
「えっ!武器屋に行くんですか!?」
「あんた、持っていたナイフいつの間にか失くしているでしょ」
「ああ、あれは恩人に感謝の証としてプレゼントしました」

フリオニールはマルトーとの邂逅以来、食事の面で何かとお世話になっている。
3日間の断食を言い渡された時もこっそり厨房へ赴きまかない料理を分けてもらっていた。
フリオニールは当然、そのお礼として厨房を手伝うつもりでいたが、
「「我らが剣」にこんなことをさせる訳にはいかねぇ。それに、お前さんから貰ったナイフ。
 目利きのダチに見せたらかなりの珍品みてぇじゃねぇか。メシはおつりだ。遠慮なく喰ってくれ!」
とはばかられた。フリオニールは恐縮しながらもその好意に甘えた。ありがとう、マルトーとゴートス。
それとシエスタ。彼女にもまた色々とお世話になっている。破れた一張羅を補修してくれた
お礼をしたいと考えているが、チェリーなフリオニールにはレディが何に喜ぶのかわからない。
フリオニールは買い物に行くのはチャンスだと思った。町を散策すればシエスタが喜びそうな
物を見つけることが出来るかもしれない。
一転して出かける気満々のフリオニール。

「あんたって本当に単純ね。まぁ、感謝しなさい。新しい武器を買ってあげるんだから。
 ちゃんと稽古に励んで「ご主人様」を守るのよ」

ルイズは呆れ顔で言うと部屋を出た。慌ててアイスシールドを背中に掛け追従するフリオニール。
そして、二人は馬に乗り学院を出るのであった。
「あのふたり、どこへ行くのかしら?」
ルイズとフリオニールが部屋を出て馬に乗るところを目撃したキュルケ。
「こうしちゃいられないわ!」
キュルケは遅れをとるまいと駆け足で親友の部屋へ向かう。
ドアが施錠されているので、コモン・マジック『アンロック』を使い部屋の中へ入ると、
青髪のショートカットヘアの少女がベッドに横たわり読書をしていた。

「タバサ!今から出かけるわよ!」
「今日は『虚無の曜日』。それと『アンロック』は校則違反」

勢い込むキュルケとは対照的に表情一つ変えずに本から目を離さず注意するタバサ。

「ごめんなさい。でも、事は急を要するの!ああ、私のダーリンが悪女の毒牙に!」
「・・・ミス・ヴァリエールの使い魔?」
「そう!あなたも彼の魔法に興味があるって言ってたじゃない!」
「彼が身の危険に陥るとは思えない」
「甘いわ!彼は純情よ。私が一番よく知っているんだから!」
「・・・・・・」

キュルケとフリオニールの間に何があったかは知らないが、確かに彼の使う魔法には
並々ならぬ興味がある。あいにく彼とギーシュの決闘には関心が無く見物していなかったが、
それを実際にこの目で確かめる良い機会だとタバサは思った(彼の身に何が起こっているのかは不明だが)。
『虚無の曜日』には一日中読書をすると決めているタバサであるが、譲歩する価値はあると判断した。
そして、タバサは意を決すると口笛を吹き、自身の使い魔である風竜を呼び出したのであった。
数時間後

ルイズとフリオニールはトリステインの首都トリスタニアに到着した。

(綺麗な町だなぁ。フィンを思い出しちゃうな。マリア、ガイ、レイラは元気かな?)

トリスタニアの町並みを眺め望郷の念に駆られるフリオニール。トリステインにやってきて
一週間程経過した。
(仲間達は無事なのか?『かめん』は探し出せたか?ミンウの所在は?厳重に管理されている
『アルテマ』とは一体どのような魔法なのか?)
急に真剣な表情を見せたフリオニールに、ルイズはおのぼりさんをからかうように、

「美しい町でしょ。恐れ入った?」
「・・・恐れ入りました。『かめん』で封印とは本当に」
「?また始まったわね。まぁ、いいわ。「チクトンネ街」に行くわよ」

言うのであったが、使い魔の悪い(?)癖であるぼやきが始まったので、それを無視するように
先導してメインストリートから裏路地へと入って行った。

そして、十字路へ出るとルイズは辺りを見回し、

「ピエモンの秘薬屋の近くだからこの辺りのはずなんだけど・・・」
「武器屋ですよね。こういうときは・・・」

フリオニールは駆け足で1件1件中へ入って確認し始めた。まるで刑事の聞き込み捜査のようだ。

(あいつ、町人には一人一人話しかけるタイプなのね。きっと、ひとマスひとマス
「しらべる」もやっているに違いないわ!)

ルイズの心に疑念が沸き起こっているところにフリオニールが呼び声が聞こえた。

「「ご主人様」ありましたよ!」
二人は揃って武器屋へと入っていった。中は薄暗く、所狭しと武器が並べられていた。

(まさか、トブールじいさんが出てきたりして)

反乱軍一の鍛冶屋(自称)トブールの顔を思い出し苦笑いするフリオニール。彼にもまた
苦渋を舐めさせられた。
死線を潜り抜けミスリルを奪取してきたのに、タダ、で武器防具を寄越すわけでもなく
店で買え宣言。ああ、ボケが始まったのか、との結論で自身とマリア、ガイ(こいつは
状況を理解しているのか不明だが)は納得したのだが(ミンウの申し訳なさそうな顔が
印象的ではあった)、やはり老人は苦手である。

すると、店の奥からマスターが顔を出した。じいさんではなくほっとするフリオニール。

「いらっしゃい」
「剣を買いにきたよ」

マスターはフリオニールをガン見して、こいつは中々の手練だな、と見極めた。
武器屋としての経験と勘である。
しかも、付き添いの少女の紐留めには五芒星が付いている。貴族だ。
久しぶりの上客に気分の良くなったマスターは笑顔で揉み手をして、

「左様ですか。それでは、当店一番のおすすめを・・・」
「いや、いいよ。俺、色々見てみたいからさ」

フリオニールはマスターの言葉を遮り店内を物色する。

(ちっ、相手が悪いか。カモがネギを背負ってやってきたと思ったのに・・・)
としかめっ面をするマスター。
(あまりいい品揃えじゃないなぁ。これからしばらくは素手を鍛えるしかないか・・・)
としかめっ面をするフリオニール。

「気に入ったのはあった?」
態度が決まらないフリオニールに若干イラつきながら問いかけるルイズ。
「う~ん、ここの武器を使うくらいなら素手の方が・・・」
言うか言うまいか逡巡するフリオニールであったがつい口が滑ってしまった。
「ちょっとお客さん!あんまりじゃねぇか!」
気色ばむマスター。緊迫する店内に突如、低い笑い声が響いた。



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