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マジシャン ザ ルイズ 八話

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マジシャン ザ ルイズ (8)虚無の目覚め

ウルザの色眼鏡の奥、そこに収められたものからマナが迸り、ルイズへとその奔流が流れ込む。
強大な魔力の放出の余波を受け、ウルザの体も小さく痙攣する。
「そうだ、何もかもを忘れ…一つのことだけを考えるんだ…」
この娘の力を開放する二つの鍵、そのうちの一つを自身のもので代用する。
「それは雑念だ、ファイアーボールなど、使わなくていい…ただ、君の中にあるものを表に出したまえ」
少々強引だが、不完全な形での覚醒であっても構わない。
「そうだ、その中から…取り出すのだ、分離させるのだ、純粋なる力を」
ルイズの焦点の合わぬ瞳がゆっくりと開かれていく。

    刹那   閃光が世界を支配する

「――――!っ!ハッ!ハアッ!わ、私、今…!今!今っ!まほ、魔法をっ!」
―――そうだ、これは私の推測の重要な裏づけになるだろう!

ウルザはただ、微笑むのであった。




翌朝、ルイズ、ウルザ、キュルケ、タバサの四人は院長室へ呼び出されていた。
院長室には既に、教員達が召集されていた。

恐る恐る、キュルケが口を開く。
「あ、あの…オールド・オスマン、私達は別に昨日は…」
「今日呼び出したのは、君達が昨日何をしていたかを問う為ではない。君達が、昨日宝物庫で何かを見ていないかを聞くためじゃ」
横にいた、コルベールがウルザの方を一瞥し、話し始めた。
「良いですか?この事はくれぐれも内密にお願いしますよ、皆さん。
 実は昨日の夜、宝物庫の一部が破壊され、その中から貴重なマジックアイテムが盗み出されました。犯人は『土くれのフーケ』。最近巷を騒がしている盗賊です。
 今日あなた方を呼んだのは、あなた方が荒らされる前の宝物殿に、一番近づいていたからです。」

これには流石のルイズもぎょっとして、慌てて意見する。
「ちょ、ちょっとミスタ・コルベール!それではまるで私達の中に土くれのフーケがいるようではありませんか!」
「いえ、ミス・ヴァリエール。別の生徒が学院から逃げるように去っていった黒いローブの人影を目撃していますから、私達もそうは考えていません。しかし、犯行現場を目撃したとしたらあなた達しかいないのです」

「そんな事言われたって…キュルケ、あんたは何か見た?」
「いいえ、見ていないわ。始祖ブリミルに誓って」
「他の二人はどうかね?何かに気付かなかったね?」
二人も首を左右に振るばかりであった。

「そうですか、分かりました。………しかし、参りました。これで手掛かりは途絶えてしまいました…」
「ミスタ・コルベール。それで、フーケに盗まれたというのはどのようなマジックアイテムなのですか?」
「それは………」
ルイズの質問に対し、コルベールが困ったようにオスマンを見る。
「『禁断の剣』と呼ばれるものじゃ」
「『禁断の剣』?」
「うむ、わしがこの学院の学長になる前、先代の学長の時代以前より学院に保管されておったマジックアイテムじゃ。世界の均衡を崩しかねない強大な力を秘めておると伝えられる品じゃ」
「な、何でそんな危険なものが学院にあるんですか!」
「学院だから、じゃよ、ミス・ヴァリエール。魔法学院に居るのはほとんどがメイジ、それに宝物庫には強力な固定化の魔法がかけられておった。
 『禁断の剣』を保管にするに、トリステインでここより適した場所は無いと考えられておったのじゃ。
 しかし、その油断を突かれたのぅ、まさか賊に襲われるなど、わしとて夢にも思わんかったからのぅ…」
世界を均衡を崩しかねないマジックアイテム、それが盗まれたこと、そしてその責任の所在が自分達であると追求されることを考えて教員達は青くなるのであった。

「ところで、ミスタ・コルベール、ミス・ロングビルはどこへ行ったのかの?」
「はぁ…それが、朝から姿がなく…」
「この非常時に何をしとるんじゃ…」

「すみません!!遅くなりました!」
噂をすれば何とやら、件のロングビルの登場である。

「ミス・ロングビル!どこへ行っていたのですか!?大変ですぞ!事件ですぞ!」
「申し分かりません!実は…今朝方からの騒ぎを聞きつけて急いで調査をしておりましたの」
「ほほう、流石はミス・ロングビル、仕事が早いのぅ」
「それで、結果は!?」

「はい、フーケの居所が分かりました」


その後、ロングビルの調査によって森の廃屋にフーケが潜伏していることが突き止められたと説明され、『禁断の剣』捜索隊を派遣することになった。
「では、我こそはと思うものは杖を掲げよ」

シーン
「どうした、フーケを捕らえて名をあげようという貴族はおらんのか?」

「ミセス・シュヴルーズ、あなた当直だったのでしょう!?」
「そうですが、ミスタ・ギトーもまともに宿直していました!?」
「そんな事おっしゃるなら、今までだって………!」


「私!やります!」

ここで、誰もが予想しなかった立候補者が現れたのである。
事情を聞くために呼ばれ、そのままなし崩し的に部屋にとどまっていたルイズであった。

すかさずシュヴルーズが反論する。
「あなたは生徒ではありませんか!ここは私達教師に任せて……」
「先生方はどなたも杖を掲げないじゃありませんか!でしたら…私が、私が行きます!」
「そ、それは………」
そこで、教員達は気付いた、この桃色の髪の少女から溢れる自信に。
昨日までのルイズ・ド・ヴァリエールにはなかったもの、それが今のルイズには溢れている。

「ルイズってば、何考えてるのよ……、しょうがないわねぇ―――
 あたくしも志願します。ヴァリエールには負けられませんわ」
「ツェルプストー、君まで――」
その横ですっと杖を掲げるタバサ。
「え!?タ…タバサ!?あんたはいいのよ?関係無いんだから、こんな馬鹿な事に付き合わなくても」
「私も行く………心配」


「では、この三人、いや四人に頼むとするかの。」
「反対です!生徒達を危険に晒すなんて!」
「じゃあ君が行くかね?」
「い、いえ、私は体調が優れませんので………」
「それに…」
オスマンが視線をタバサに向ける。
「ミス・タバサは”シュヴァリエ”の称号を持つ騎士だと聞いている。この若さでそれを持つ彼女の実力は確実なものじゃ。」
続いてキュルケ。
「ミス・ツェルプストーは、ゲルマニアの優秀な軍人を数多く輩出した家系の出身で、彼女の炎の魔法もかなり強力だそうでないか」
そしてルイズ。
「ミス・ヴァリエールは……」
ちらりとその横の使い魔メイジを見やり、元に戻す。
「ミス・ヴァリエールは、数々の優秀なメイジを輩出したヴァリエール公爵の息女で、将来有望なメイジと聞いておる」
ウルザ。
「その使い魔、ミスタ・ウルザはトライアングルメイジだとも聞いておる。
 彼の力を持ってすれば、土くれのフーケに遅れを取ることはあるまい」

そして最後に全員に。
「魔法学院は、諸君らの努力と貴族の義務に期待する!」
「「はい!杖にかけて!」」

                      私の計画は順調に進んでいる。今度こそ。
                               ―――ウルザ


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