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時の使い魔-01




―――時のリージョン―――
 時の君は暇を持て余していた。以前はこの止まった時の中で永遠に術の研究をする事
に苦もなく、むしろ楽しんでいたのだが、この止まった時を動かし仲間に誘いに来た酔
狂な奴等との旅は、今までの時の君の生活に劇的な変化をもたらした。
 旅の目的も果たし、皆ちりじりとなって、またこのリージョンに戻ってからというも
の以前の様にただ研究することに飽きてしまった。
「…なんだこの鏡は?」
 目の前に突如光る鏡が現れる。
「どこかのリージョンと繋がっているな…誰かが呼んでいるのか?」
 それも面白い。またあのときの様に…そう思いながら、光る鏡に手を差し出した。
―――トリスティン魔法学院―――
「宇宙の果てのどこかにいる私の僕よ、神聖で美しく、そして強力な使い魔よ!私は
心より求め、訴えるわ! 我が導きに、応えなさい!!」
 杖を振り下ろし、お決まりの爆発が起きる。ある生徒は呆れ、ある生徒は嘲笑し、あ
る生徒は苦い顔をする。三者三様の反応をしながらも、また失敗したという思いはみな
同じだった。
「またルイズが失敗しやがった!」
「もう何度目だよ…いい加減にしてくれよ。」
「その爆発じゃあ仮に呼び出せていても粉微塵だぜ!」
 しかし、嘲笑されている当の本人は少しも諦めない。
「うるさい!まだ時間はあるわ、必ず成功させて見せる…?ちょちょっと待って、何か
いるわ!」
 爆煙が次第に収まりだすと、煙の中に影が見える。ルイズは急いで駆け寄った。
「私を呼び寄せたのはお前か?」
「な、何で人間が…」
 爆発で抉れた地面の中心には青年が立っていた。キョロキョロと辺りを見回している。
ルイズは、様子を見守っていた頭の寂しい中年の男に大声を上げた。
「ミスタコルベール!召還のやり直しを要求します!」
「それは駄目だ、ミスヴァリエール、決まりなんだよ。伝統なんだ。春の使い魔召喚は
神聖な儀式。やり直すことは認められない」
「でも人間を使い魔にするなんて聞いたことがありません!」
「だが、ちょっと待って下さい。彼は見たことのない格好だが、マントを着けている。
もしかしたら、貴族かもしれない。もしそうなら色々問題がある。」
「え、貴族!?あなた貴族なの?」
 コルベールも青年に近寄り、話しかけた。
「失礼ですが、あなたはどちらかの国の貴族ですか?」
「貴族?支配階級かどうかという事なら違う。下級妖魔だからな。」
「よ、妖魔!?」
 時の君の答えにコルベールや生徒の間に緊張が走る。コルベールは、時の君と距離を
とり杖を構えた。
「ミスヴァリエール!危険だ!彼から離れてください!!」
「で、でも!」
 ルイズは考えた。メイジの実力を見たければ使い魔を見よ、という言葉もある。妖魔
を呼び出した例など聞いた事がない。もしかしたらこれは凄い事なのではないだろうか?
今までの努力がやっと実った気がしてくる。
「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブランド・ラ・ヴァリエール。五つの力を司
るペンタゴン。このものに祝福を与え、我の使い魔となせ」
「な!?」
 コルベールは驚いた。自分を妖魔だと言った青年に意識を集中させている間にミスヴ
ァリエールがコントラクト・サーヴァントの詠唱をし、ジャンプして口付けをしてしま
った。
「感謝しなさいよね。貴族にこんな事されるなんて、普通は一生無いんだから。」
「さっきからなんの話をしている?何の用で私を呼び寄せたのだ?…っぐ!?何をした!?」
 左手を押さえ、その場にうずくまる。
「使い魔のルーンが刻まれているだけよ。すぐに収まるわ。」
「ミスヴァリエール!成功したからいいもののかなり危険でしたよ!」
 杖を収めコルベールが再び近寄ってきた。
「すみません。でももうルーンが刻まれましたから、私の言うことを聞くはずです!」
「まあいいでしょう…ふむ、珍しいルーンの形だな」
 スケッチを取り出したコルベールにうずくまっていた妖魔が起き上がり問いかけた。
「で、結局なぜ私を呼び寄せたのだ?使い魔がどうこう言っていたが、私を使い魔にし
ようというのか?」
 答えようとしたコルベールを遮り、ルイズが答えた。
「そうよ!もうあなたは私の使い魔なの!左手に使い魔のルーンが刻まれてるでしょ!
もう決定なの!」
 左手を見ながら時の君は答える。
「使い魔か…まあいいだろう。」
 自分を殺しにきた相手にも「好きにしろ」で済ませる時の君である。(抵抗はするが)
自分の身分くらい軽いものである。

「そろそろ次の授業が始まるな…ではとりあえず解散しましょう。」
 スケッチを描き終えたコルベールが、皆にそう伝えるとフライを唱え宙に浮いた。
続いて生徒たちも次々とフライを唱え宙に浮き学院へ向けて一斉に飛び去っていく。
「…空術か?あれも時術と一緒で資質は一人しか持てない筈だが…」
 呆然と空を眺めていた時の君へルイズが問いかける。
「別にフライくらい珍しいものでもないでしょう。それよりあなた名前は?」
「…時の君と呼ばれていたな。」
「時の《君》ぃ!?ずいぶん大仰な名前ね…そうだ!妖魔って先住魔法を使えるんで
しょ?ちょっとやってみてよ!」
「先住魔法?なんだそれは?」
「はぁ…そういえば下級妖魔とか言ってたもんね…じゃあ何が出来るの?」
「時間を操る事が出来る。」
「ほ、本当に!?凄いじゃない!やって見せてよ。」
「…無理だな。魔力が空だからな。」
 常時オーヴァードライブ状態の時のリージョンである。止まった時の中では消費され
る事のない魔力も一歩外へ出ると使った分の魔力が一度に消費される。常時術の研究を
しているので、魔力が残っているはずもない。
「もう!本当は何も出来ないんじゃないの?時間を操れるなんて嘘なんでしょ、そもそ
も先住魔法の存在自体知らないなんておかしいし…ま、まさか妖魔って言うのも嘘なん
じゃ…ただの平民とか…貴族の振りをして遊んでいるところを呼び出されて、貴族の格
好をしているもんだから平民だって言う訳にもいかず思わず妖魔って言っちゃったとか
…妖魔って人間と区別が付かないっていうから確かめようがないし…」
 ぶつぶつと認める事が辛い考えを呟いていく。
「そんなことより、皆戻って言ったが、お前は戻らなくていいのか?」
「え!?そうね、早く戻りましょ。ここで考えててもまとまらないわ、後で考えよう…」
 ルイズは、一旦思考を中断し学院に向けて歩き出した。
「お前は飛ばないのか?」
「は!?う、うるさい!いいから行くわよ!」
 魔法がまともに使えない上に、使い魔がただの平民だったら…追及してみたかったが、
もし平民だと開き直られたら…それは怖い…ルイズは暗澹たる気持ちで学園へと向かっ
ていく… 



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