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カオスヒーローが使い魔-01


暗い廊下の向こうから強い力の波動を感じる。地獄の魔王達を滅ぼしてきたのか・・・。
でなければ此処、カテドラルの最深部にはたどり着けない。

かつて弱者だったその者は、廊下の向こうを見据えて拳を握る。
俺は誰にも負けない力を手に入れた。力を手に入れるためなら何だってやった。
それこそが俺の生きる意味。そして世界の掟。力こそ正義なのだ!

剣を鞘から抜く。自然と持つ手にグッと力がこもる。さあ、来い!かつて親友だった男、そして
俺の最大の宿敵!お前を倒し、俺はさらに強くなる!

「俺は力を手に入れた。もう誰にも負けない!」

そう言い終わると目の前にアイツの姿が現れた。神を殺し、悪魔を使役する男。
人間のくせに、人間離れした力の持ち主。迎え撃つは人間をやめ、その身に悪魔の力
を宿す混沌の化身。互いの力は計り知れない。

調和とバランス。自由と混沌。二人の信念をかけた死闘が今はじまる・・・。


はずだった。



東京とは違う世界。そこはハルケギニア。魔法を使う貴族が魔法を使えない平民を支配する。それがハルケギニアの秩序。
そんなハルケギニアにカオス属性の魔人が呼ばれてしまったようです。

ハルケギニアにあるトリステイン国。そこにある魔法学院では貴族の子供達が魔法や礼儀作法を学ぶために、日夜勉学に
勤しんでいる。そこで新学期に行われる「春の使い魔召喚の儀」。
順調に生徒達は新しいパートナーを召喚し、安堵の表情に包まれている。残る生徒はあと一人。だが・・・

最後に残された少女が目を閉じて集中し、呪文を唱え始める。異変はその時すでに起こっていた。
春の日差しが心地よい暖かさであったのに、突然寒気に襲われた。生徒達は季節の変わり目だしまだ冷たい風が吹いても
おかしくないと、あまり気に留めなかった。
さらに少女が呪文を唱え続けると、何故か身体が震え始める。
あと少しで呪文を唱え終わる頃になってその場にいた全員の頭に同じ言葉が浮かんだ。


<とてつもなく恐ろしい悪魔の気配がする・・・>


呪文を唱え終わった少女の頭に声が響いた。


―ここに、とどまりますか?


少女は目を開き、頭の中でこう答えた。

―もちろんよ!


さらに頭の中に声が響く。

―― ほ ん と う に 、 と ど ま り ま す か ?

ゆっくりとそれでいいのか、本当に後悔しないのかと聞き返してくる声。そんな事をいわれると決意が鈍る。
もしや自分はとんでもない間違いをしてしまったのか?自信が崩れ不安に襲われた時、少女は選択を変えようとする。

―や、やっぱりやめるわ!



・・・・・・・・




―― 逃 げ ら れ な い !

そしてドーンという爆発。一体何が来るのか全くわからない。得体の知れないものを呼び出してしまうよりは、失敗のほうが
いいとこの時ばかりは思ってしまった。

爆発で巻き起こった煙が晴れると、そこに現れたのは見たことも無い格好をしている人だった。


「何だここは?」
何が起こった?さっぱり理解できない。ついさっきまで海に浮かぶカテドラルに居たはずだ。
それがどうしてこんなところにいる?アイツの仲魔が使った幻術か?頭上には青い空が
果てしなく広がっている。地面には草が生えている。ここは東京なのか?だとしたら
いつ洪水の水が引いたんだ?空だって霞んで汚れていて青空なんて最後に見たのは
大破壊前だ。

「ちょっとあんた」
いきなり後から声がする。反射的に跳んで相手と距離をとる。チッ、なんてザマだ!
今のが悪魔からの攻撃だったら確実に致命傷だ。
殺気全開、戦闘体制、目標補足・・・?

「あん?」
気の抜けた声が口から出てしまう。自分の後にいた奴の正体はピンク色のド派手な頭をした
チビのガキだった。その後には同じ服を来た奴らがこっちを見ていた。制服か?まるで
学校みたいだな。

「アンタ誰よ?」
ピンク頭のチビが話しかけてきた。
「お前こそ誰だ」
「質問に質問で返すんじゃないわよ!」
そこにハゲ頭のオッサンが割り込んできた。
「ミス・ヴァリエール、やめなさい」
鋭い眼光でこちらを伺っている。このオッサン、少しはやるみたいだな。無造作に立っちゃいる
が、手に持った杖で何時でもこっちの行動に対応できるようにしている。
しかし悲しいかな、彼との実力の差は明らかである。

遠巻きに見ていたトリステイン魔法学園の生徒はピンク頭の少女が召喚したモノが放つ異常な
波動にほぼ全員が青ざめいていた。それは生まれて初めて味わう殺気。近づくな、見るな、
早く逃げないと死ぬぞ、という恐怖に捕らわれているのだ。
「ゼロのルイズが失敗でとんでもないものを呼び出してしまった」
みんなの頭にはそう浮かんでいた。

「生意気な平民ね!逆らうとッ!」
ピンク頭の少女、ルイズが言い切る前にその口をハゲ頭のオッサン、コルベールが手で塞いでしまった。
「失礼・・・大変失礼なのですが貴方は何者なのでしょうか?」
出来るだけ彼を刺激しないように質問する。表情は平静を装っているが、全身から緊張による汗が噴出し、
コルベールの顔は汗が雫になって垂れている。

「悪いが先にこっちの質問に答えてもらうぜ。ここはどこだ?洪水の水は何時引いた?」
「・・・ここはハルケギニアのトリステイン魔法学院です。洪水は私の知る限り起こっていません」
「はるけぎにあ?・・・おい、東京じゃないのか?」
「トーキョー?どこの国でしょうか?」
「カテドラルはどこだ?」
「なんですかそれは?・・・申し訳ないがそろそろ貴方が誰か教えていただけますか?」

最初、答える気は無かったが敵ではなさそうだし、仮に刃向かって来ても余裕で倒せるので教えて
やる事にした。

「俺は魔人だ」

その答えを聞いた瞬間、コルベールの手で塞がれていたルイズの口から歓喜の叫び声が飛び出した。
その答えを聞いた瞬間、コルベールは顔面蒼白になり抑えていた体の震えが止まらなくなった。

「おい、俺はどうしてここにいる?」
その質問に歓喜の表情で意気揚々とルイズが答える。
「感謝しなさい!私が使い魔召喚の儀式でアンタを召喚したのよ!!」
仁王立ちのポーズをしながらその台詞を言い終わったとき。あたりの気配が変わってしまった。
まず全く物音がしなくなってしまった。さっきまでは風が吹けば草木がざわめき、鳥が鳴いていたのに。
空気が鉛のように思い。体を動かそうとするとまとわりつき、体の運動を妨害する。
そしてものすごく寒い。ルイズ、コルベール、クラスメートの全員がガタガタ震えていた。

「この俺がッ・・・ガキの使い魔に、召喚されただと・・・?」
みんな死ぬ。ルイズのバカが逆鱗に触れやがった。クラスメートはそう思った。
だめだ、これほど強力な相手に私では生徒を逃がす時間稼ぎにすらならない。コルベールはそう思った。
何よこれ。何で私、自分の使い魔に怖がってるのよ。ルイズはそう思った。

コツン、コツンと静かな足音を立てて死を運ぶ魔人がルイズの前に立つ。彼の怒りは最高潮。
怒りの真っ赤なオーラが彼の全身から溢れ出し、ユラユラと空間を捻じ曲げ、物が歪んで見える有様だ。
魔人が静かに抜刀した。右手に持った剣を高く振り上げる。誰も動けない。それが当たり前のように
違和感無くその光景を見つめる。
ルイズは最後に魔人の目を見た。怒りで激しく血走っている。顔は半分、マスクで覆われているので見えないが
その表情は悪魔も逃げ出すほど恐ろしいに違いない。

魔人もルイズの目を見た。見えてしまった。ルイズがそのまま顔を伏せていれば剣は首を刎ね飛ばしていた
だろう。魔人は見た。少女の瞳にある、力への渇望を。

―――これは力を求める渇いた魂。

何故かそんな声を魔人は聞いた。そしてふと人間だったころの自分を思い出した。
無力で弱くて何も出来なかった自分。そんな自分が嫌で、とにかく力を求めたあの頃。
何故だろう、そんな自分と目の前のガキが重なって見えるのは。
「・・・力が欲しいか?」
「ほ、欲しいわ。誰にも負けない強い力がッ!」
精一杯の勇気を振り絞って答えるルイズ。魔人は動かない。
「力を手に入れてどうする?」
「いつも私をバカにして見下していた連中を見返してやりたいのよ!その為なら何だってするわ!もう
魔法を使えない出来損ないの貴族だなんて言わせない!」
「何でもするか・・・いい覚悟だ。」
そして魔人は剣を納めた。
「お前見所あるぜ。いい機会だから遊んでやる。ここが何処かもわからねぇしな」
ルイズの表情が輝く。
「ってことは、使い魔に」
「ならねぇよ。少なくとも俺より弱い奴の使い魔にはな」
そして一気に落胆する。
「期待させといて、それを裏切る。基本戦術。」
見ていたタバサがポツリとそんなことを言ったが、誰にも聞こえなかった。

「俺は魔人 カオスヒーロー 今後ともよろしく・・・」

とても強いけど、変な名前だ。思っても誰も口には出来なかったのは言うまでもない。



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