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秋山異世界物語 天気晴朗ナレドモ風強シ(仮)-05


人は熱中すると時間が急激に短くなる。
そんな訳で、特に何も無く、ラ・ロシェールに着いた秋山一行。

「実物を初めて見たがほんに飛ぶんじゃのー、がいじゃのー!」
「はい、すごいですね!」
「本当、田舎者の集団だな。さ、そろそろ出発の時間だ、準備しよう!」
「うむ、はやくのりたいな。」

そのはしゃぎ様といえば初めて三輪車を与えられた子のようなもの。
最初は二輪に補助輪がついてても、勝ち誇った感じになれるが、徐々にはずしたくなる、だが恐怖でよく自転車が倒れて、その痛みからまた恐怖が起こるデススパイラルは、慣れで克服するあたり不思議だ。
余談である。
アルビオンに行く為に今回乗る物は、硫黄をたんまり積んだ商船である。
どうやら、アルビオンは上下しながら浮いてるようで、今の時間が一番風石の消費を抑える事が出来る位に下がっているらしい。
それに乗せてもらう事になった、費用も安く済む。

船長によれば、日も眠る少し前には着くようだ。
出航開始。

「おー、おー!ほんとに飛んどる、ほんとにとんどるぞー!!ガイじゃなー!!」
「ほんとう!初めて乗るけど、すごいです!」
「えらいはしゃぎようだね、ほんとに」

とにかく船の中を隅々まで、見ていった、風石という物質が浮かしている、というのは説明されてもちんぷんかんぷんだったが、実物を見てもちんぷんかんぷんだったのは
言うまでも無く。
要するに風石がフネを浮かせてるだけである。
「これは少し違うのー」何が違うとは科学で飛ばしてるのではない、魔力だ。

片手で数えられる程度の砲があった、まぁ近代より少し前の大砲だ、隣に砲弾があって、足りなくなったら弾薬庫から運んでくる、そして弾を中に入れて、火の付いた棒を点火口に入れる。
そういう設計であった。

「ふるいのー」確かに古い、確かに古いが、日本軍の砲だって秋山がいた世界からすれば遅れているのである。
これを古いといってもしょうがない、だから全力でコルベールに砲の研究にあたらせたのである。
正直、装填の所で時間を早める事が出来るなんて思っていない。
復座機とか駐退機のバネ式を作ってくれさえすれば、一々照準を変えなくて良いという点が生まれる、それにより発射から次の発射までの時間を短縮できればよいと考えていた。
後はコルベールの知識量、運、努力頼りである。
この世界の大砲は、まず飛距離が無い。
だから、自分の持ってる知識をコルベールに渡し、それを元にコルベールが自分で考えるしか無いのである。
砲を適当に見ながら、考え事をしていると、シエスタが慌てた様子でこちらに来た。

「――大変です!海賊が!!」

と、言い、シエスタはすぐさまアキヤマの手を繋ぎながら甲板に出た。

「ほー、あれが西洋式海賊かー、ガイなフネじゃのー、でかいのー」
「の、ののんきな事をよく言えるね、さすが僕を倒した奴だ、み、見直したぞ」
「面舵一杯!!」

ギーシュの足は短機関銃の反動のように、震えていた。
なら弾は……。
余談である。

「あしの海賊の血もさわぐのー、じゃが、どんぱちしても勝てんのー」
「ほ、本当のんきですね、流石です」
「駄目だ!逃げ切れねぇ!!」

シエスタはがっちりアキヤマの腕に組んでいた。
残念ながらアキヤマは身長を見れば頼れる男とは見れない。
だから彼女とかが「きゃっ、こわーい」「はっは、そんな近づくなよ」みたいな図は出来ないのである。
余談である。

「ほ、砲をぶっ放してきました!!」
「フネ止めろ!!」
「ほー、砲の性能はやはり、予測通り煙が酷いな、まぁ空の上じゃからすぐ消えるじゃろう」

秋山は冷静に分析していく、とにかくこの世界での情報を貪欲なまでに集めている。

「というか本当に空に島がういとるのー」

海賊いや、空賊から目をそらして、船内にいたため見れなかったアルビオンをはじめて目に入れた。

「さっきから見えていたよ……それよりどうするんだい?」
「どうもできんじゃろうな、捕まるしかないぞな」
「く、空賊の連中どもが!糞っ!!」

フネが商船にくっついて、空賊のフネから空賊が飛び移ってきた。
無精ひげを生やして片目眼帯、たくましい胸筋を持った男も乗り移ってきた。
どうやら、船長のようだ。

「おー、おー拿捕かー、野蛮じゃのー」
「おい、船長はどこだ」
「船長は、俺だが」

船長も威厳を保つのに精一杯だが、全身が硬直と緊張で震えが止まっていない。

「にしてもでかいのー、たかが賊がこんなフネを綺麗にするもんかの、どこが拠点なんじゃろ、とてもでかいんじゃろな」
「積荷は何だ」
「硫黄だが……」
「よし、買った!てめえらの命を売ってな!」

船長が悔しさに顔を歪ませた。

「考えられる事は軍から色々やってうばったんじゃろーな」
「おいてめぇ、ちょっと黙ってろ!」
「……」

空賊たちがせっせと商船を占拠して操縦桿を握る、それが終わると、今度はアキヤマ達も収容した。
収容された場所は一般的な監獄をほとんど木製にしたような物だ。
ギーシュはフードとか平民らしい服を着ていた為、貴族という事はばれなかったようだ。

「大変な事になったの」
「最後まで呑気ですね、アキヤマさん」
「あわてちゃーても仕方ないじゃろ。短気は損気じゃ」

本当は地団駄でも踏みたいものだが、短気を直そうとしている為、そんな事はしないであくまで平常を装った。
すると、空賊の一人が飯を持って現れた。

「飯だ」

それだけ行ってスープを渡して出て行った、秋山は妙に背筋が伸びている事を不思議に思った。
次にやせ細った空賊の一人が来た。

「お前等は船員でも何でもないそうだが、何をしにアルビオンに行こうとしたんだ?」
「姫殿下からアルビオン皇太子への密書を授かったのだ、いち早く僕達を解放する事を要求する!」

あくまで正直に伝える。

「は?お前等みてぇな奴らが?はっはっは、寝言は寝て言え」

ギーシュは体に密着させていた薔薇の杖を引き抜くと。

「いいから僕等をアルビオンの港に降ろすんだ、そう船長に言え!!」
「き、貴族!!なんだてめぇ平民じゃなかったのか!」
「もう一度言わせる気か!船長を、呼べ!」
「わ、分かった。落ち着け、今から呼んで来るから……」
「急げ!」

すぐさま看守とやせ細った男はこの部屋から去っていった。
厳重な身体検査などしていない、適当なとこ触るだけで終わった。
女に対しては触れてもいない。

「ギーシュ、お前はやっぱ何かする男じゃな」
「はい、今のはかっこよかったです!」
「ふ、ふ、ふいー、いやもう死ぬかとおもったよ……」

緊張が解けたのか、足から力を失って床に手を付ける。

「にしても、どうしようか」
「死ぬんでしょうか……」
「ま、それはないじゃろ」
「なんでそんな事が分かるのさ」
「じき、分かる――」

言い終わると同時に、この部屋に空賊の頭がドアを開けた。

「貴族のぼっちゃんはお前か、良い度胸をしてる」
「……」
「で、トリステインのぼっちゃん達が何のようだね?あの廃れた王族に」
「密書を預かっている、アルビオンの港に連れて行ってくれればいいだけだ」

床に座りながら、ばっちり杖を船長に向ける。

「威勢のいい若者だ、だが、私も杖は持っているのでね」

頭が杖を引き抜く、その杖の形はいかにも気品溢れる上品な物、そこらへんの貴族が触れるような物じゃなかった。
そして次に、眼帯を外し、不精ひげの付け髭を取った。

「君みたいな若者が我が国にも多くいればいいがね、さて、私がウェールズ、アルビオン皇太子だ」
「なっ……!し、知りもせず、さきほどのご無礼をお許しください!」
「よい、よい。さて、まぁこんな狭い部屋に座らせて悪かったね、こっちへ」

と、言われて船長室に案内された。

「まぁ、ここならまともに話せるんじゃないかな、密書とやらを運ぶ任務なんだろう?見せてくれるかな?」
「は!こ、これです!」
「うむ、ありがとう」

その手紙を早速広げて、じっくりと読んでいった。

「はは、馬鹿だなぁ、そんな手紙は死ぬ前に燃やすよ……、でも。アンリエッタらしいな」

ギーシュはずっと直立不動のまま。
秋山はあぐら、シエスタと適当な会話をしていた。

「ふむ、なるほど。まだ、私事と政が混合してる……。ギーシュ君?だったかな、ご苦労様」
「はい!」
「一旦アルビオンの国まで行く、そしてから君達は姫の手紙を持ってアルビオンが陥落する少し前にこのイーグル号に乗って、アルビオンを脱出させる。安心したまえ」
「アルビオンは、いつまでもちますか……」
「城攻めが始まれば、その日に陥落するだろうね」

自分の命に関する事なのに、その表情はネガティブではなかった。
ようするに死ぬ覚悟が出来ている男である。

じぐざぐと海岸線、空岸線?どちらでもよいが、とにかくそこをジグザグと航行していき、大陸の下にもぐりこみ、王党派空海軍しかしらない秘密の抜け道。
から、この世界で他にだれにもできないような操作をし、ニューカッスル城へ着いた。

イーグル号がまず巨大な鍾乳洞へ入っていき、それに商船が続いた。
イーグル号に一斉にもやいが放たれ、それを船員がフネにくくりつけていく。
その次に木製のタラップがフネの出入り口へつけられる。
そこからギーシュ達を促して、フネから地上へ足をつけた。

「諸君!すごいぞ、硫黄が手に入った!!」

鍾乳洞にいる兵員が歓声を上げる。
まずウェールズの傍に、老メイジがやってくる。

「硫黄とは火の秘薬ではござらんか、しかもこんなにたんまりと……今日ほど嬉しき日は無いですぞ殿下」
「あぁ、明日の敗北には最高の調味料だと思う」
「はい……その通りで。それと反乱軍の輩は明日正午から城攻めをはじめるとのうまを通達してきました、間に合ってよかったですな!」
「それは我が生涯最高の運だな!戦場に遅れるなど、武人にあらず」
「その通りで、今まさに晩餐が始まろうとしております、急いでくだされ」
「うむ、ギーシュ君とアキヤマとシエスタさんだったかな?美味しいご馳走が食べられる、ついてくるといい」
「おや、この方達は?」
「うむ、廃れた王国の最後の客人、トリステインからの使者だ」

パリーという名の老メイジは泣きながら、一人一人に手を握っていった。

「応援してくれる人がいるとは、これこそ最後の舞台にふさわしい……、ささっ、こちらへいそいでください!」

パリーを先頭にウェールズと一緒に城の中へ、流石に腐っても城その作りはとても豪華に、そして広かった。

「さて、ここです。――閣下、ウェールズ皇太子がお帰りになりました!!」

大きな扉を開けると、そこは城のホールだった、簡易な王座によぼよぼな、しかしどこか威風のある爺さんが座っていた。
テーブルには豪勢な料理があって、皆がそれを談笑しながら食べていた。
そこにウェールズがこのホールに現れた時、この部屋全体をつつみこむような拍手が起こった。
ここでも人気なようだ。

「おぉ、ウェールズ、ご苦労じゃった」

ウェールズは一回軽く礼をすると、ジェームズ一世に耳打ちをした。
それをきいたジェームズ一世は席を立とうとした、が、既に足も老いて、立つ事すらも容易ではなかった。
それをウェールズがささえた。

「さて、この愚鈍な王に反旗を見せた反乱軍が、明日、ようやく我が城へ攻め入るという事、諸君は私によく従って勇ましく戦った。
 そんな君達の死ぬ姿を私は見たくない、故に暇を与える、明日イーグル号が女子供を乗せてこのアルビオンから旅立つ、皆はこれにのり脱出するとよい」

誰も返事はしない、ある貴族が。

「耄碌には早いですな、陛下!」
「私は先の大砲の音で耳がやられておりましてな!全軍前へ、全軍前へ。それしか耳に入らないようになっております!」

その言葉にその場にいる全員が頷いた。

「馬鹿者どもめ……」と一ついうと咳を一つして、さらに言葉を続けた。

「よかろう、よかろう!なら今夜は飲め歌え食え!楽しもうではないか!今日はよい日だ!なんと、トリステインからのお客が来ておる、まさに奇跡、この奇跡に乗じようではないか!!」

城全体を包むような、歓声がホールから発せられた。
そして、宴が続けられた。
ギーシュは先程、いつもの服に着替えた。
身なりともに貴族になった、為によく王党派貴族が飯を勧めたり話しかけたりする。
それをテンションにあわせ、自分も酔っていった。

そんな中アキヤマの元にウェールズが来た。

「君は、何者なんだい?」
「あしか、あしは日本海軍の秋山真之じゃ、今はルイズという貴族の使い魔をやっとる」
「人が使い魔になるのか、不思議な国だね、トリステインは」
「いや、トリステインだけでもあしだけらしい」
「はっはっは――!うむ、うむ」
「しかも、この人は貴族を決闘でやっつけちゃった人なんですよ!」

長らく喋っていないシエスタがようやく口を開いた。

「おや、そうなのかい?とても強いんだね」
「いや、あれはただ運が強かっただけじゃ」
「ふむ、ふむ。そういえば軍人なんだってね?ここに来たのも視察かい?」
「それもある、もし、たら、れば。という事もある、だから偵察に出た、もう一つは、あしはこの世界の事をあんまり知らんから、様々な事を勉強する為という事もある」
「勉強熱心はすばらしいと思う。あんまり知らないという事はこの大陸からはなれた所からきたのかい?」
「まぁ、そうじゃ」
「にしては、いい顔をしてるね、君みたいな軍人がいれば王党派も後一ヶ月は保ってたかな……」

ホールのドアが突然開けられた、王党派の貴族だ、陛下の前に行くと方膝を床にした。

「何じゃ」
「報告にございます。夜間に乗じて敵兵士が城壁前を通過していた為、これを捕らえました、すると、一枚の手紙を持っていました」
「みせい」

と王党派貴族から差し出された一枚の紙を見ていくと。

「ふむむ」

と難しい顔をした。
ウェールズが父王の近くへ行った。

「どうしたのです父上」
「これを見てみい」

アンリエッタの手紙をみていた時とは違う表情で、その紙を読んでいった。

「王党派制圧後、トリステイン制圧の為の弾薬、補給船、食料の確保を忘れぬよう、これを念頭に置いて城攻めを開始せよ……」
「あいつらはわしらの国を制圧した後、トリステインにまで手を付けようという事らしい、まったく貪欲な奴等じゃ」
「アキヤマ君!」
「なんじゃ」
「君のいる国にすぐさま危機が迫っている」
「じゃろうな、だからあしがここに来たぞな」
「えらく落ち着いているな、頼もしい、一つ手紙を書いてくる、それを無事、アンリエッタの元へ送ってほしい」
「まかされた」

せっせかせっせかと、ウェールズはホールを出て行く、されど宴は続いて言った。

「陛下殿」
「うむ?君は、トリステインからのお客さんアキヤマ君じゃな、なんの用かな」

普通はたかが平民や一般市民程度が話せる人ではないが、もはやこの城の中にそんなしきたりは無い、王はどんな人にも微笑みながら接していく。

「ご武運を祈ります」
「うむ、うむ!ありがたい、明日は精一杯戦ってみせようぞ!」

少し時間が経つと、一人の貴族が秋山に駆け寄ってきた。

「ウェールズ皇太子が呼んでおります、ついてきてください」
「うむ」


ウェールズ皇太子の部屋はとても質素な作りになっていた。
本棚があってベッドがあってランプに机、椅子がある、それ以外は何も無い。
その椅子に座りながら秋山を待っていた。

「この手紙、どうか渡しておいてくれ」
「まかされた、一つ聞きたい事があるんじゃが」
「なんだね?分かる範囲でなら、答えるよ」
「何故、反乱が?」

この事を聞くとウェールズが、空に指を上げて。

「今上にある、レキシントンっていう我が国の全てを導入した船が、暴動を起こしてからがこの事の始まりだ」
「そのフネはどんなものぞな?」
「設計図があったな、うむ、これだ」
「えらく砲をつんどるのー」
「うむ、すごいぞ砲台数は百門を超える、まさに我が国の全てだ」
「この設計図、くれんか?」
「あぁ、良いだろう、ゆっくり研究してくれ、だがこのフネは厄介だ、隔壁が大量にあるせいで、生半可な砲じゃ、風石にも弾薬庫にも到達しないんだ」

「ほら」とフネの中心を指差した。

「まずこのフネはね、200m近づいて、砲をぶっぱなしても、風石を貫通する事が出来ないくらいに隔壁を多くしてる」

確かに、見れば分厚い木製の隔壁が、10cm程度の感覚で、風石の周りを囲っているように描いてある。

「ふむ、ふむ。下からは弱いようじゃな」
「あぁ、下からなんて砲撃できるわけが無い、重力によって砲の距離が狭まるしね、威力もよわまる、貫通なんて出来るわけが無い」
「ほう、ほう……」
「で、近づけば片方50近くの門が一気にずどん、やれやれ」

秋山の目論見が当たった、船の下から攻撃という事を誰も実行しない、技術力が無いからだ。

「そうだな、私も暇だ、少し遊びに付き合わないか?」

と、机の下からなにやら大きなマップを出して、床に広げた。

「昔は、これでよくパリーと机上の戦争をやったものだよ」

床に置かれたものは、様々なハルケギニアの地図、そこには色々な施設とか、町色々なものが正確に描きだされていた。
そして隣にあるものはちっさなフネの模型、弓を持った兵士、剣や槍を持った兵士だ。

「やり方はわかるかね?」

秋山は首を横に振る、なんとなく予想はついているが。

「そうだね、これはアルビオン空海軍の司令官が、実際の戦闘で作戦を立てるときに使う物だ」

秋山の世界では、この方式はアメリカ海軍が始めて採用したものだ。
もちろん秋山も知らない、これを知るのは秋山が10年たってからだ。

「この兵士は何人、この兵士は何人。勝利条件は~~、といった具合に色々シチュエーションを変えるんだ」
「おもしろそうじゃな」
「では、じゃんけんだ」

秋山が守る側になった。
戦力は歩兵ユニット12内、歩兵6弓6、一ユニット600人本隊に800人、野砲は6門フネは登場しない、野戦である。
ウェールズの方は歩兵ユニット18内、歩兵16弓2、一ユニット900人本隊に1600人

始まった、秋山は背後にある砦から弓兵を速攻で出して、攻撃、引く。攻撃、引く。
を繰り返し、その間に歩兵に砦を中心に丸いUの形にユニットを配置していく。

「なるほど、確かに囲まれて戦うことはできない」

と、歩兵を退かせたところで敗因が決まった。
ウェールズはこのひかせた時に、長方形のまま引かせてしまった。
16番目になった時に秋山が全部隊を円形に配置させようとする。
18番目、円形が出来た、この時ウェールズもこれを迎え撃つ陣形を構築した。
鋒矢、↑左のような形で配置していく陣だ。
19番目最前線がぶつかる。
20番目円形が右回転をして、最前線の部隊が変わった。
21番目さらに一回右回転をしてウェールズ側の最前線の兵数の被害が広くなったところで。

「まいった、降参だ」

といって第一試合は終わった。車掛の陣形を用いた秋山の勝利だった。

「なるほど、考えた事もない作戦だった。では次は艦隊戦をやろう」
「うむ」

ジグザグに配置していったウェールズに対して、秋山は一直線に艦を並べた。
戦いはすぐ終わった、相手は砲全体を一隻でなく、全体に向けようとした、が秋山は全砲を一隻に向けた。
これにより各個撃破されてしまった為28番目には全艦大破、または消失となった。
その後も4戦した、がそのつど秋山が勝利した

「君は、君は天才だな!君がいれば王党派は革命派を倒せたかもしれない。あぁ、なんという不運だ!さて、最後のゲームだ。これでしまいにしよう」
「はっはっは、いや、これはただ前からある知識の流用じゃな、まだまだ」

最後に用意された舞台は陸だった、城があって、守り側は300、攻め側は5万、攻め側にはフネまである。
守り側は秋山になった。

「降参じゃ!はっはっはっ!」
「流石の君も無理かい?はっはっは!」
「いや、はや、これは無理じゃのー流石に」
「そうだね、でもトリステインにはまだ戦力がある、こうはならないよう、君にトリステインを任せたい」
「じゃが、あしはトリステイン軍人じゃないただの軍人じゃが」
「うむ、その手紙に追記しておこう『このアキヤマ君は稀代の天才だ、この者に軍事を任せておけばトリステインは絶対的な平和を手にするだろう』とでも、付け加えておこう」
「そんな事で、できるのかの」
「私の遺言だ、愛しいアンリエッタは必ずこれを守るよ、後はそうだな、私の配下の空海軍を君に任せたい。と、言っても数も少ないがね」
「そんな、あしはそんな身分じゃ――」
「友人の最初で最後の頼み事だ、頼むよ?」
「……あい分かった、あしが最強の空海軍にしちゃる、任せちゃらい」

ウェールズはこくりと頷くと、すぐ机の上で一枚の手紙を書き、もう一枚の既に書いてある手紙に追記していった。

「ほら、これを」
「うむ」
「さ、宴ももう既に終わってるだろう。今日は、寝て。明日の朝、イーグル号に向かいたまえ」

今度は秋山が頷き、部屋から出て行った、ドアを閉める前に一度敬礼をする。
それに、ウェールズも合わせる。
少ない時間だったが、ウェールズと秋山の中にはその少ない時間以上の友情が出来ていた。


日が変わった。
アルビオン王国の滅亡が始まった既に攻城が始まって30分は経つ、外の貴族達が何もかもを使って応戦している、そろそろ崩れるだろう。

「はっはっは――」
「どうしました皇太子様」
「いや、昨日の事を思い出してな、アキヤマとあれをやっていたのだ」
「あぁ、あれですか、私との戦績は確かウェールズ様が23勝6敗5引でしたな、いやはや、本当に強かった、であの軍人とはどのように?」
「なんとな、私が1勝、彼は6勝だ、あれは100年に一度の天才だった」
「左様で!?皇太子様の負け数のほうが多いなんて……」
「そうさ、さて……と、パリー、馬を連れてきてくれるかな?もう限界だろう、それと同時に相手の本隊に突撃を仕掛けて、勇ましく死のう」
「そうですな!王党派の最後、立派に飾りましょうぞ!!」

早速用意された馬に乗り、最後の号をかける。

「諸君、最後の突撃だ!馬をひけ、敵のど真ん中を突っ切れ、しからば勇ましく死のう!」

最後の男達の歓声があがる、砲から手を離し、城壁から降りる、馬の数は足りた、それまでに死んだ人数は40人位。
ただし相手に与えた打撃はそれの100倍はあるだろう。

「アルビオン万歳!!」

馬の駆ける音が無数に轟いた、浮いた大地を踏んで前へ、ただ、敵の大群の中へ。
風を操るウェールズは器用にエアシールド展開を使う最中に詠唱、氷の矢を出し、敵を一度に倒していく。
この騎馬隊は、殆どがメイジの為、たかが傭兵の群衆如き、どうという事はない。
だが、しだいに精神力が切れていくと、一人ずつ槍で貫かれていった。
パリーとウェールズ、その他の数人も、この騎馬隊を崩す事なくただ前進した。
栄光の為だけに走った。
突如、ウェールズの右肩に、エア・ニードルが突き刺さった、見てみれば相手の持ってる魔法の杖がフェンシングで使うそれであった、何かの部隊だろう。

「ぐぅっ……」
「大丈夫ですかぁっ!」
「この程度……!!」

風に操られるマントを片手で器用に取ると、それを肩に巻いた。

「流石、流石です。皇太子!」
「ウェールズで良い、既に城は無いのだから」

そのフェンシングのような杖を持った男を無視してそのまま突き進んだ。
死ぬ為に。

「――逃げるか、ウェールズ!!」

馬を反転させて、ウェールズを追う。
詠唱を素早く唱えると、エア・カッターを繰り出した。

「ぐ……くっ…」
「ウェールズ様!!」

またも右肩に命中、すでに右肩は胴体から切り離されてしまった。

「よくよけるっ……!!」
「このっ、反乱分子風情がぁっ!」

パリーが急遽馬をワルドの方へ向け魔法を唱えた。

「ふんっ、そんなもの!」

軽々しくよけると、それは間も無く、エア・ニードルを放ち、パリーの胴体を貫いた。

「ぐっ、く……陛下、お先に」

パリーが最後に見た物は、片手を失い、ながらも優雅に奮戦していく皇太子の姿であった。
しかし、この詠唱のすばやい男に一矢報う事が出来た事を、パリーは永遠に知る事は無かった。
そのままその男に向けた馬が、停止もせずそのまま突撃したので、その男の馬はこけてしまい、上の男も落ちてしまった。

「パリー……良い死に様だった、パリーに続け!!」

既に着いてくる貴族は、たったの2人。
だが、既に精神力も切れかけていた。
また一人、走っている時に槍が刺さってしまい絶命。
2人。

「私が最後になりそうだな」
「王は最後にしぬものですからの」
「はっはっは、たしかに……な……」
「皇太子様、皇太子様!?」

どうやら死んではいない、肩から出てる血の量からの気絶だろう。

「こんな死に方を皇太子様は望まないだろう……」

結構走った、故に兵の塊の端が見えた。
馬を併走させ、ウェールズに紐を通して、レビテーションを掛けた、それを後は自分の馬の後ろに乗せるだけだ。
そして全力で走らすと、すぐに兵の塊から脱出した。
後は市街に入るだけだ。
大分兵を遠ざけると、最後の王党派メイジが馬を止めて、地面に降りた。
ウェールズの腕に止血と増血させる魔法をかけた、既に精神力はない。

「なるほど、ここで死ぬか。綺麗な場所じゃないか」

と、言って馬の尻を思いっきり叩いた。
馬は疲れながらも、驚いて、走っていった。
上には、ウェールズが乗っている。

「ご無事で」

既に精神力が切れた貴族は、メイジとはいえない、ただの平民と同じである。
そんな平民がメイジに対抗する為に作った剣を腰から引き抜くと、後から追いかけてきた兵士達を待った。
ぞろぞろと追いかけてきた。

「これぞ、我が最後」

そういうとただ一人剣を振り上げ、この傭兵達に振り下ろした。

剣が、折れた。

アルビオン大陸より上の空から、この様子を眺め、敬礼する指揮官、ボーウッドがいた。
そしてアルビオン大陸より下の空で、甲板に出てきた異世界の軍人もアルビオン大陸ニューカッスル城に向けて敬礼をしていた。


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