あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

アノンの法則-03


「ん~~~~~~~~~~~~っ」
すがすがしい朝。
窓から差し込む太陽の光で目を覚ましたアノンは、思い切り伸びをした。
今日から、この魔法の世界での生活が始まる。
だが、そろそろ他の生徒達も起き出しているだろう時間にもかかわらず、アノンのご主人様となる少女は、まだ夢の世界にいた。
「ルイズー」
返事がない。
「ご主人様ぁー」
呼び方を変えてみる。まだ起きない。
「ごーしゅーじーんーさーまー」
今度はペシペシと顔を叩きながら呼んでみた。
「んん……っ!? な、なによ! なにごと!」
目が覚めたら、いきなり顔をペシペシやられている事態に驚いて、ルイズはベッドから跳ね起きた。
「朝だよ。ルイズ」
「はえ? そ、そう……。って誰よあんた!」
ルイズは寝ぼけた声で怒鳴った。
「アノンだよ。キミが呼んだんだろ?」
「ああ、使い魔ね。そうね、昨日、召喚したんだっけ」
ルイズはのろのろと起き上がり、あくびをしながらアノンに命じる。
「服」
アノンは椅子にかかっていた制服を渡した。ルイズはだるそうにネグリジェを脱ぎ始める。
「下着」
「どこ?」
「そこのー、クローゼットのー、一番下の引き出しに入ってる」
ルイズの寝ぼけた声に従い、アノンはクローゼットを開けて、適当な下着を渡す。
下着を身につけたルイズが、再びだるそうに咳く。
「服」
「さっき渡したよ」
「平民のあんたは知らないだろうけど、貴族は下僕がいる時は自分で服なんて着ないのよ」
「これから毎朝、ボクが着せるのかい? 面倒だな……」
「あっそ。生意気な使い魔にはお仕置き。朝ごはんヌキね」
「…話が違うよ。昨日、衣食住は面倒見るって言ったじゃないか」
「それもご主人様の言うことを、よく聞いてたらの話よ」
不満気なアノンに、ルイズは指を立て、勝ち誇ったように言った。
アノンは少々納得がいかなかったが、まだこちらの世界のことは何も知らないのだ。
とりあえずは従っておこうと、慣れない手つきでルイズのブラウスのボタンをはめていった。


ルイズと部屋を出ると、狙ったようなタイミングで、隣の部屋のドアが開き、中から燃えるような赤い髪の女の子現れた。
彼女はルイズを見ると、にやっと笑った。
「おはよう。ルイズ」
ルイズは顔をしかめると、嫌そうに挨拶を返した。
「おはよう。キュルケ」
「あなたの使い魔って、それ?」
キュルケと呼ばれた少女は、アノンを指差して、バカにした口調で言った。
「そうよ」
「あっはっは! ほんとに人間なのね! すごいじゃない!『サモン・サーヴァント』で、平民喚んじゃうなんて、あなたらしいわ。さすがはゼロのルイズ」
「うるさいわね」
キュルケは面白そうに、アノンを見つめた。
「あなた、お名前は?」
「ボクはアノン。よろしく」
「アノン? ヘンな名前。その顔の刺青は?」
「これは生まれつきだよ」
「ふーん……ヘンなの」
それだけで、キュルケはアノンへの興味を失ったようだった。
すぐにルイズに向き直る。
「あたしも昨日、使い魔を召喚したのよ。誰かさんと違って、一発で呪文成功よ」
「あっそ」
「どうせ使い魔にするなら、こういうのがいいわよね。フレイム!」
キュルケは、勝ち誇った声で使い魔を呼んだ。キュルケの部屋からのっそりと、真っ赤で巨大なトカゲが現れた。
尻尾の先がたいまつのように燃えるトカゲは、そこにいるだけでむんとした熱気を放っている。


「これって、サラマンダー?」
ルイズが悔しそうに尋ねた。
「そうよ! 火トカゲよ! 見てよ、この尻尾。ここまで鮮やかで大きい炎の尻尾は、間違いなく火竜山脈のサラマンダーよ? ブランドものよー。好事家に見せたら値段な
んかつかないわよ!」
上機嫌で自慢するキュルケ。
「わぁ、尻尾が燃えてる」
アノンはフレイムを見るなり、目を輝かせながら駆け寄ろうとする。
フレイムが口を開けて、アノンに小さな火炎を吐いた。
「おっとと。へー、火も吐くんだ」
「ちょ、ちょっとツェルプストー!? 危ないじゃない!」
「平気よ。あなたも知ってるでしょ? 使い魔は主が命令しない限り、人を襲ったりはしない…ってあら?」
キュルケの言葉とは裏腹に、フレイムは身を屈め、口の端から炎をこぼしながら、低い声で唸っていた。
威嚇している。いや、それどころか、今にも飛び掛りそうだ。その視線の先にはルイズの平民。
「震えてる…?」
よく見るとフレイムの体が、小さく震えているのに気がついた。
一体、この平民の何に怯えているのだろう。
「早くそいつ連れてってよ!」
フレイムの異変の原因はわからないが、自分の使い魔が、召喚した翌日に人を襲うなどシャレにならない。
キュルケはフレイムを連れて、慌ててその場を後にした。
キュルケがいなくなると、ルイズは拳を握り締めた。
「くやしー! なんなのあの女! 自分が火竜山脈のサラマンダーを召喚したからって! ああもう!」
「そんなに大事なの? 召喚って」
「そうよ! メイジの実力をはかるには使い魔を見ろって言われているぐらいよ! なんであのバカ女がサラマンダーで、わたしがあんたなのよ!」
「でもあのトカゲ、様子が変だったね…。そうか、あのトカゲにはボクが人間じゃないってわかるんだ。ボクと一緒で勘が鋭いんだなぁ」
「あんた、まだそんなこと言ってるの?」
「ホントのことだからね。ところで、あの人、ゼロのルイズって言ってたけど、『ゼロ』ってなんだい? 苗字か何か?」
「違うわよ! わたしの名前はルイズ・ド・ラ・ヴァリエール。ゼロはただのあだ名よ」
「ふぅん…どういう意味?」
「知らなくていいことよ」
ルイズはバツが悪そうに言った。
そしてアノンはルイズに急かされ、『アルヴィーズの食堂』へと向かった。


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