――……私……タバサの使い魔……ナグモミツナリは……超弩級のめがねっ娘フェチ……。
――……友達のルイズは……あんな使い魔やめろって言うけど……。
――……だけど1つの事に一直線な男性って素敵……。
「めがねっ娘が好きだー!」
「だからあんたおかしいわよ!!」
――……だから……ミツナリ好みの素敵なめがねっ娘になる……。
――……友達のルイズは……あんな使い魔やめろって言うけど……。
――……だけど1つの事に一直線な男性って素敵……。
「めがねっ娘が好きだー!」
「だからあんたおかしいわよ!!」
――……だから……ミツナリ好みの素敵なめがねっ娘になる……。
「……ミツナリ……」
中庭で読書中のミツナリにタバサは声をかけた。
「……何読んでるの……」
そう言いつつ眼鏡の片方のレンズを親指と人差し指で挟んで上げた瞬間、
「めがねの上げ方はそうじゃなーい!!」
「……ひいい……」
三成の突然の雄叫びに思わずくずおれるタバサ。
「タバサ……、キミはとんでもない事をしてくれたな……」
「……え……えええ……」
思わず壁際まで後退したタバサに、憤怒のあまり震えつつ三成は言葉を続ける。
「その上げ方はわざとらしすぎるのだ!! そう! めがねキャラを演じる三流女優のアレだ! そんなものには何1つ来ない!+『わざとらしさ』は我々めがねっ娘スキーが最も嫌う仕草!! 我々が求めるのは自然な仕草!!」
中庭で読書中のミツナリにタバサは声をかけた。
「……何読んでるの……」
そう言いつつ眼鏡の片方のレンズを親指と人差し指で挟んで上げた瞬間、
「めがねの上げ方はそうじゃなーい!!」
「……ひいい……」
三成の突然の雄叫びに思わずくずおれるタバサ。
「タバサ……、キミはとんでもない事をしてくれたな……」
「……え……えええ……」
思わず壁際まで後退したタバサに、憤怒のあまり震えつつ三成は言葉を続ける。
「その上げ方はわざとらしすぎるのだ!! そう! めがねキャラを演じる三流女優のアレだ! そんなものには何1つ来ない!+『わざとらしさ』は我々めがねっ娘スキーが最も嫌う仕草!! 我々が求めるのは自然な仕草!!」
蝶が花に止まるように、小鳥が木の実をついばむようにめがねっ娘がめがねを上げる。
彼らはそこにぐっとくるのである。
「ナチュラリスト」、そう呼んでも過言ではないだろう。
眼牙書房「めがねを愛した男達」(平賀才人著)より抜粋
彼らはそこにぐっとくるのである。
「ナチュラリスト」、そう呼んでも過言ではないだろう。
眼牙書房「めがねを愛した男達」(平賀才人著)より抜粋
「……遠い……果てしなく遠い……ミツナリ……」
その時、タバサの目には三成が雲の向こうにいるかのように思えたのだった。
「キミは他の女とは違うと思っていたが……。だがタバサ……」
三成はそう言い残してタバサの前から姿を消した。
「キミには失望したよ」
その時、タバサの目には三成が雲の向こうにいるかのように思えたのだった。
「キミは他の女とは違うと思っていたが……。だがタバサ……」
三成はそう言い残してタバサの前から姿を消した。
「キミには失望したよ」
「……うううううう……」
放課後の教室。三成に拒絶されたショックから、タバサは机に突っ伏して泣き崩れていた。
「……ルイズ……私どうすればいいの……」
「………」
頬杖を突いてタバサの様子を無言で眺めていたルイズだったが、
「あのさあ、前から聞こうと思ってたんだけど、タバサはミツナリのどこがいいの?」
その問いにタバサはかすかに赤らめた顔を上げる。
「……優しいところ……」
「優しくないでしょ、ひとっつも!!」
「タバサ」
その声に振り向くと、いつの間にか教室入口に三成が立っていた。
「さっきはその……、すまなかった」
うなだれている三成の表情には、タバサへの悔悟と心底の後悔が色濃く出ていた。
「僕とした事がつい興奮して脳内物質が必要以上に分泌されてしまい、キミにあんな酷い事を……」
「ちょっとちょっと、何言ってるのよ、ちょっとっ!?」
あまりに支離滅裂な三成の謝罪に当然ツッコむルイズ。タバサはタバサで、
「……わ……私は平気……気にしないで……ミツナリ……悪いのは脳内麻薬……」
「だからあんた達会話がおかしいわよ!!」
とやはり支離滅裂な許しの言葉を返した。
「すまない、タバサ」
「……だからもういいの……ミツナリ……」
「いや、キミにあんなキツイ言い方をしてしまうなんて。だから……」
そう言いつつ、三成はどこからともなく長い紙筒を取り出し、
「優しく説明するために図を描いてきた!」
と黒板にタバサと思しき眼鏡をかけた少女の顔が多数描かれている大きな紙を貼り出した。
そして指示棒で最初に差したのは、揃えた手の指先で眼鏡の中央部を押し上げている絵だった。
「まずこれ! めがね中央部(ブリッジ)を上げる型。とても知的である。僕はこれを『センターアップ』と命名した」
続いて、人差し指の爪側でレンズを押し上げている絵が差される。
「次は『ワンフィンガーアップ』! とても自然! かつ美しい! ベリィーグッド!! だがまだその先がある!」
そして最後に三成が指した絵は、頬杖を突くように両手で眼鏡を押し上げさらに腕が胸の膨らみを挟んで強調しているものだった。
「『ダブルサイドアップ』!! 両手で包み込む女性の優しさ、そしてその事により自然に意識させられる胸の膨らみ……。まさにパーフェクト!! 僕はタバサのダブルサイドアップが見たい!!」
「……えええ……」
仁王立ちになって「ダブルサイドアップ」を実践する三成に、タバサは狼狽を隠せなかった。
「……それはちょっと……」
「なぜだ、タバサ!?」
「……だ……だって……」
さらにはルイズも、
「いいじゃないの、やってあげれば。くいって」
「……ルイズまで……」
「ダブルサイドアーップ!!」
「さっさとやってこいつを黙らせなさいよ!」
とうとうタバサは目に涙を浮かべ、
「……だって私……挟めるほど胸が大きくない……」
「くはあっ(はぁと)」
その言葉に盛大に胸を打ち抜かれた三成は、大きくのけぞる。
「………」
そのまましばらく震えていた三成だったが、
「うおおおおおおっ!」
絶叫と共に黒板に貼っていた紙を細かく引きちぎり、
「貧乳バンザーイ!!」
「……ミツナリ……」
紙吹雪のように窓からばら撒くと力の限り叫びを上げた。
「貧乳めがねっ娘ぶあんざーい!!」
「……やめてミツナリ……止まって脳内麻薬……」
昼下がりの学園に三成の奇声がこだまするのだった。
放課後の教室。三成に拒絶されたショックから、タバサは机に突っ伏して泣き崩れていた。
「……ルイズ……私どうすればいいの……」
「………」
頬杖を突いてタバサの様子を無言で眺めていたルイズだったが、
「あのさあ、前から聞こうと思ってたんだけど、タバサはミツナリのどこがいいの?」
その問いにタバサはかすかに赤らめた顔を上げる。
「……優しいところ……」
「優しくないでしょ、ひとっつも!!」
「タバサ」
その声に振り向くと、いつの間にか教室入口に三成が立っていた。
「さっきはその……、すまなかった」
うなだれている三成の表情には、タバサへの悔悟と心底の後悔が色濃く出ていた。
「僕とした事がつい興奮して脳内物質が必要以上に分泌されてしまい、キミにあんな酷い事を……」
「ちょっとちょっと、何言ってるのよ、ちょっとっ!?」
あまりに支離滅裂な三成の謝罪に当然ツッコむルイズ。タバサはタバサで、
「……わ……私は平気……気にしないで……ミツナリ……悪いのは脳内麻薬……」
「だからあんた達会話がおかしいわよ!!」
とやはり支離滅裂な許しの言葉を返した。
「すまない、タバサ」
「……だからもういいの……ミツナリ……」
「いや、キミにあんなキツイ言い方をしてしまうなんて。だから……」
そう言いつつ、三成はどこからともなく長い紙筒を取り出し、
「優しく説明するために図を描いてきた!」
と黒板にタバサと思しき眼鏡をかけた少女の顔が多数描かれている大きな紙を貼り出した。
そして指示棒で最初に差したのは、揃えた手の指先で眼鏡の中央部を押し上げている絵だった。
「まずこれ! めがね中央部(ブリッジ)を上げる型。とても知的である。僕はこれを『センターアップ』と命名した」
続いて、人差し指の爪側でレンズを押し上げている絵が差される。
「次は『ワンフィンガーアップ』! とても自然! かつ美しい! ベリィーグッド!! だがまだその先がある!」
そして最後に三成が指した絵は、頬杖を突くように両手で眼鏡を押し上げさらに腕が胸の膨らみを挟んで強調しているものだった。
「『ダブルサイドアップ』!! 両手で包み込む女性の優しさ、そしてその事により自然に意識させられる胸の膨らみ……。まさにパーフェクト!! 僕はタバサのダブルサイドアップが見たい!!」
「……えええ……」
仁王立ちになって「ダブルサイドアップ」を実践する三成に、タバサは狼狽を隠せなかった。
「……それはちょっと……」
「なぜだ、タバサ!?」
「……だ……だって……」
さらにはルイズも、
「いいじゃないの、やってあげれば。くいって」
「……ルイズまで……」
「ダブルサイドアーップ!!」
「さっさとやってこいつを黙らせなさいよ!」
とうとうタバサは目に涙を浮かべ、
「……だって私……挟めるほど胸が大きくない……」
「くはあっ(はぁと)」
その言葉に盛大に胸を打ち抜かれた三成は、大きくのけぞる。
「………」
そのまましばらく震えていた三成だったが、
「うおおおおおおっ!」
絶叫と共に黒板に貼っていた紙を細かく引きちぎり、
「貧乳バンザーイ!!」
「……ミツナリ……」
紙吹雪のように窓からばら撒くと力の限り叫びを上げた。
「貧乳めがねっ娘ぶあんざーい!!」
「……やめてミツナリ……止まって脳内麻薬……」
昼下がりの学園に三成の奇声がこだまするのだった。