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異世界使い魔學院紀-05



最初に「やめろ、泥棒」と
叫んだ人間が、
えてして宝物を盗んだ本人である。

───W.コングリーブ

3rd.Discovery 『あの腕をくぐれ!』 Scene.1

決闘騒ぎから数日後、甲太郎は厨房へと足を運ぶ、
目的は食事をもらうためではない、もちろん「アレ」が目的だ。
「おう! 来たか兄ちゃん! 今日もカレーとやらの様子見か?」
「おう、そろそろ頃合いだろうな」
マルトーが大手を振り甲太郎を出迎える、それに軽く手をあげ返事をした甲太郎は、
寝かせておいたカレー粉を取り出し蓋をあけ、香りを確かめる。
「で…どうだい?」
「あァ、これなら大丈夫だろう…よし、これからカレーの作り方を教えてやる。マルトー、準備しろ」
横から覗き込むマルトーにすぐさま指示をだし準備させ、甲太郎によるカレー調理教室が始まった。
「ルゥにカレー粉を混ぜ合わせとろみをつけるんだ、そうだ、それから…」
「野菜と肉は一口大に切るんだ、よし、それを炒めて…」
「シエスタ、コメは用意してあるか? 調理方法はわかるよな?」
「鍋でじっくり煮るんだ、焦がさないように注意しろよ…」
甲太郎は次々に指示を出し、自ら手本になりカレーを作り上げる、そして…。
甲太郎が鍋の中のカレーの味を見る、そして大きく頷いた
「よし…完成だ…」
「「「おぉーーー!!」」」
甲太郎のその一言に厨房に歓声が響き渡る、待ちに待ったカレーの完成だ、
「ささっ! 兄ちゃん! はやくライスにかけて試食と行こうぜ!」
「まァそうあわてなさんなって、よし! カレーライスの完成だ、さぁ皆、食ってみてくれ」
厨房の料理人やメイド達使用人が集まり、それぞれ皿によそわれたカレーを一口、口に運んだ。
「!!! うっ…うまいッ!!!」
「すごいですコータローさん! こ…こんなにおいしいもの初めて食べました!!」
「こっ…こんな料理があるなんて…」
マルトーに至っては涙まで流している。
「だろう? これが究極にして至高の料理…カレーだ」
甲太郎は満足そうに頷くとアロマに火をつけ言葉を続ける、
「いいか? カレーには多くのアレンジメントがある、つまり多くの料理に応用が利くんだ、
いつもの料理に隠し味として使うもよし、そのままライスにするもよし…っておい何やってんだ?」
甲太郎が異様な雰囲気に気が付き、視線を落とす、そこにはマルトーが涙を流しひれ伏していた。
「兄ちゃん…! いや! ≪我らが食神≫!! これからもどうか、カレーの御力を持って我らをお導きください!」
「「「お導きください!!」」」
「おっ…おいおい…、マルトーよ、そこまでするこたぁねーだろ…」
見れば厨房全体がひれ伏している、その様子に少々甲太郎は引き気味になりながらも言葉を続ける。
「ま…まァ…いいか…、だがな、このカレー粉にもまだ改良の余地はある、マルトーよ、この道を極めたきゃ
この味に満足しちゃいけない、日々新しいスパイスや香辛料を組み合わせた研究の果てにこそ、究極のカレーが出来上がるんだ」
「おぉ…流石は≪我らが食神≫だ! おめぇら! 今のお言葉! 聞いたな! 日々の尽きない研究と向上心!
これこそ料理人の鑑! 魂! 進むべき道! そのお言葉! しかと我らの心に刻まれました!!」
「「「うぉおおおお!!!」」」
厨房全体から雄たけびが聞こえてくる、気がつけば全員が涙を流していた、
「なんだよこれ…」
おいおいと涙を流し、雄たけびを上げる厨房全体を見渡し、甲太郎は肩をすくめた。
この日、ハルケギニアに≪カレー≫なる食べ物をもたらした偉大なる≪食神≫が降臨した日として歴史書に刻まれる…
のちに≪カレー≫は様々な発展を遂げ、ハルケギニア全土で愛される料理となった。
その中でも甲太郎自身が研究の末作り上げたカレー粉≪ミナカミ≫は王侯貴族ですら滅多に口にすることはできない神の≪カレー≫として
値段が付けられないほどのプレミアがつくのだが…それはまた別のお話…。


「どこ行ってたのよ?」
食堂にてルイズが昼食を取りながら厨房から戻ってきた甲太郎に声をかける。
「厨房だ、カレーが完成したんでな」
そう言いながら戻ってきた甲太郎の手には完成したばかりのカレーライスが乗っていた。
「なんだ、もう食ってるのか」
「えぇ、あんまり遅いからもう食べちゃってるわよ、あんたの食事は例によってそれだけど…
そのカレー? ってのが完成したならもういらないわよね」
ルイズの言うとおり、そこには貧相なパンとスープがあった、だが、もう甲太郎には必要ないものだ。
「まぁな、もう俺にはこれがある」
そう言いながら甲太郎はテーブルにカレーを置くと、椅子に腰かけた。
「なぁに? それがカレーなの?」
ルイズは興味津津といった表情でカレーを覗き込む、
「俺の特製カレーだ、どうだ? 食ってみるか?」
「べっ…! 別にいらないわよ! そんな平民の食べ物、貴族は食べないわ!」
ニヤリとしながら差し出す甲太郎にルイズは顔を赤くしながら目の前の用意された食事を食べる、
「そうかい、うまいんだがな…」
そう言うと甲太郎はパクパクと持ってきたカレーを食べ始めた。
しばらくそうしていると、横をギーシュが通りかかる。
以前甲太郎と決闘騒ぎを起こしたが、今では友人としてすっかり意気投合していたのだった。
「おや? コータロー、一体何を食べてるんだい?」
「よぉ、ギーシュ、これはな俺の特製カレーだ、食ってみるか?」
声をかけてきたギーシュに甲太郎はそう言いながらスプーンを差し出す。
「へぇ、じゃあ一口貰ってみようかな」
ギーシュはスプーンを受け取り、カレーを口に運んだ。
「…っ!!! こ…これは…! うまい! うまいよ!」
そう突如叫ぶや否や涙を流しながらカレーを口にかき込み始めた、
「お、おい! 食いすぎだっつーの! 俺の分まで食うんじゃねぇ!」
そう言いながら慌ててギーシュからカレーの乗った皿を奪い取る。
「ったく…俺の昼食だぜこれは…」
「ご…ごめん、でも一体それは…僕こんなにおいしい料理食べたことないよ…」
「ギ…ギーシュ…? それ、そんなにおいしかった?」
ルイズがおずおずとギーシュに尋ねる、なんだかんだでカレーが気になるようである、
しかもギーシュが涙を流すほどおいしいと絶賛していたのだ、なるほど確かにスパイスのいい香りがしてくる。
「おいしいとかもうそういう次元を超越してるよ! 僕にはこのカレーの色が黄金に輝いてみえるね…
僕、ちょっと厨房に夕食から彼と同じものを用意するように頼んでくるよ!」
そう言うとギーシュは厨房へと駆けだして行った。
そんなギーシュを見送った後、ルイズは再び甲太郎に話しかける
「しょっ…しょうがないわねぇ…そそ…そんなに私に食べてほしいなら、た…食べてあげてもいいわよ? その…カレー…」
「あん? 食わないんだろ? 無理しなくていいぞ」
甲太郎はバッサリと切り捨てると、再びカレーを食べ始める、
「よ…よく考えたら使い魔が手料理を作ってくれたんだから食べないとか…かわいそうよね! だから特別に―」
「ご馳走さん」
ルイズがそこまで言うまでの間に完食した甲太郎はさっさと立ち上がり皿をもって厨房へと歩いて行ってしまう。
しばらく呆然と厨房へ消えていく甲太郎を見送っていたが…
「バ…バカーーーー! 私にも食べさせなさいよぉ!!!」
ルイズの叫びは食堂に空しく響いて行った…。
その後、タイミングを完全に逃したルイズは甲太郎の特製カレーになかなかありつくことができなかったとか…。


場面は唐突に切り替わり、数日後…虚無の曜日
「町へ買い物に行くわよ」
雑用を終え、部屋で寝そべっている甲太郎にルイズが声をかける
「あァ、気をつけてな、留守番は任せておけ…」
甲太郎はそれだけ言うとふぁ~あ…と大きくあくびをし再び寝入ってしまった。
「ちょっと! あんたも行くのよ! 早く支度しなさい!」
「はァ? なんで俺も付いていかなきゃならないんだよ…めんどくせぇ…」
「あんたの剣を買いに行くの! ご主人様が使い魔に身を守る武器を買ってあげるのよ!
この間みたいなことがまたあるかもしれないでしょ!?」
めんどくさそうに答える甲太郎にルイズは顔を真っ赤にして怒鳴る。
「剣だぁ? そういうのはストーカー侍の役目だろうが…つか俺に荒事をさせる気かよ、そんなに物騒なのかこの学院は?」
「だから! 最近ちゃんと使い魔の役目をこなしてるあんたにご褒美をあげようと思ってるの!」
「だからいらねぇっつうの…、それよりよ、お前、ちゃんと俺を元いた場所へ戻す方法捜してんだろうな?」
「うっ!!」
甲太郎のその問いにビクッ! とルイズが硬直する、その反応をみた甲太郎がむくりと起き上がりルイズをみる。
「お前…まさか今まで探してねぇなんてオチじゃねぇだろうな…?」
「さささ! 探してるわよ! ももももちろん!」
「そうか…? ならいいんだけどよ…」
急にどもりながらあたふたと慌てるルイズを怪訝そうな眼でみると甲太郎はゴロンと再び横になった。
「って! 寝るなーー!! とにかく! あんたも行くの! 命令よ!」
「わかったよ…わかったから耳元で喚くなっての、鬱陶しい」
ルイズの金切り声に耐えられなくなったのか渋々甲太郎は起き上がった。


To be continued...





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