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異世界使い魔學院紀-04


Scene.3

ヴェストリの広場にて甲太郎とギーシュがにらみ合う、
そんな中ルイズは甲太郎の無気力さにあてられたのか、止めることがバカバカしくなってしまい、
ギャラリーの中からそれを見守っていた。
「疲れた…あいつの口癖がうつっちゃったわ…危なくなったらとめればいっか…」
ルイズが小さく呟くと。いつの間にか隣にいたキュルケが話しかけてくる。
「あらルイズ、使い魔をメイジと戦わせるなんてどうしちゃったのよ?」
「別に…? もう説明するのもだるくなってきたわ…」
「そ…そう? どうしちゃったのよあなた…、まぁいっか、ね、タバサ、あなたどっちが勝つと思う?」
キュルケはそう言いながら隣で本を読む小柄な少女、タバサに話しかける
「ギーシュが勝つ」
タバサは短くそう言うと本に目を戻した。どっからどうみてもやる気というか気力というか、そう言うものが欠如している平民が
メイジに勝つなどやはりありえないと映ったのだろう。
「あら、やっぱり? ま、平民が勝てるわけないものね、危なくなったら私も止めに入って上げるわ、ルイズ?」
「そう…そんじゃそうして…」
使い魔の影響を完全に受けたのか無気力そうにルイズは手をひらひらをふると視線を甲太郎へ戻した。

「…始祖ブリミルの使い魔『ガンダールヴ』に行き着いた、という訳じゃな?」
学院長室にて、コルベールの説明を受けたオスマンは、例のルーンが書かれた紙と文献を交互に眺める。
「そうです! あの青年の左手に刻まれたルーンは、伝説の使い魔『ガンダールヴ』に刻まれたモノと全く同じであります!」
「で、君の結論は?」
「あの青年はガンダールヴです! オールド・オスマン!」
唾を飛ばして力説するコルベールに同調せず、オスマン学院長は腕を組み、思慮深げに息を吐いた。
「確かに、ルーンが同じじゃ。ルーンが同じという事は、只の平民だったその青年は、『ガンダールヴ』になった……。
と、いう事になるんじゃろうな」
「どうしましょう」
「始祖ブリミルの記録を疑う訳ではないが……。如何にルーンが同じだといえど、
そう決め付けるのはちと、早計に過ぎはせんかね?」
「それも…そうですな」
教師二人の会話が途切れたその時、足音に続きドアがノックされる。
「誰じゃ?」
扉越しに、先程退室した秘書官の声が届く。
「私です。オールド・オスマン」
「なんじゃ?」
「ヴェストリの広場にて、生徒による決闘が行われ、大きな騒ぎになっています。
止めに入った教師もいましたが、生徒達に邪魔されて、止められずにいます」
澱み無い報告を聞き、オスマン学院長はうんざり顔で頭を振る。
「……全く。暇を持て余した貴族程、性質の悪い生き物はおらんわい。で、誰が暴れておるのだね?」
「一人は、ギーシュ・ド・グラモン」
「ああ、グラモンとこのバカ息子か。親父も色の道では剛の者じゃったが、息子も輪を掛けて女好きと来た。
大方、女の子の取り合いじゃろうて。相手は誰じゃ?」
「……それが、メイジではありません。ミス・ヴァリエールの使い魔の青年です」
想像外、しかも先程迄話し込んでいた人物の名が出た事に、両者は期せずして困惑と驚きの表情を互いの顔に見出だす。
「教師達は、決闘を止める為に『眠りの鐘』の使用許可を求めておりますが」
それを聞いたオスマン学院長は、片方の眉を跳ね上げると憮然たる声を出す。
「アホか。たかが喧嘩一つ止めるのに、秘宝を持ち出す者がおるかね。放っておきなさい。
…まあ、結果如何によっては、当事者への処分も考えるがのう」
「わかりました」
秘書官の足音と気配が去ったのを確かめ、コルベールはオスマンに向き直る。
「オールド・オスマン」
「うむ」
頷くが早いが、杖が振られる。
壁に掛けられた大鏡が輝きを放つと、そこにヴェストリ広場の現況が映し出された。


「僕はメイジだ、魔法で戦う、よもや文句はあるまいね!? いや! 言わせないぞ!」
「わかったようるせぇな…」
「どこまでも口の減らない平民だっ…!!
僕の二つ名は『青銅』! 青銅のギーシュだ! 従って、青銅のゴーレム『ワルキューレ』がお相手する!」
ギーシュがそう叫びながら薔薇の杖を振る、すると花びらが七枚、宙に舞ったと思うと……。
甲冑を着た女戦士の形をした、七体の人形となった。
身長は人間と同じ位だが、硬い金属製のようだ。その手には剣やら槍やらを持っている。
「おおっ! ギーシュがいきなり本気だ!」
「そりゃ…あそこまで恥かかされりゃあな…」
周囲から声が上がる、それと同時に七体のワルキューレが甲太郎に向かいじりじりと距離を詰めてきた。
「へぇ…」
甲太郎はそう呟くと、気だるそうにアロマを吸った。
「くっ…行けっ! ワルキューレ!!」
ギーシュがワルキューレに号令を出し甲太郎へけしかける、
甲太郎は迫るワルキューレなど眼中にないといわんばかりに、ゆらりゆらりとギーシュへと近づいて行く。
だが、その姿は眠たくて仕方がない人間がうとうととしているようにしか見えなかった。
その自分を小馬鹿にしたような態度にギーシュはワルキューレに無策に歩いて近づいてくる平民に一斉に襲い掛かるように指示を与える。
合計で七体ものゴーレムが一斉に甲太郎へと殺到し―――そして全ての攻撃があっさりと避けられた。
「―――え?」
ギーシュが間の抜けた声を出した。だがそれはその場を見た人間の素直な感想だった。誰一人として今、目の前で起こったことを理解できなかった。
誰が見ても避けられるとは思えなかった七体ものゴーレムの攻撃が、甲太郎がふらっと動いただけで全て宙を切り派手に転倒する。
ギーシュへと近づいていく甲太郎に攻撃をしかけるワルキューレたち。だが甲太郎はふらふらと動くだけでそれを全て回避してしまう。
目の前の男を平民だと侮る気持ちは跡形もなくなった。代わりに恐怖が芽生える。
「何でだよ! 何でワルキューレの攻撃が当たらないんだっ!」
必死でワルキューレに命令を下すギーシュ。だが攻撃を当てることはおろか、足を止めることすらできない。気がつけば甲太郎はもう間近に迫っていた。
「なっ―」
ギーシュが驚きのあまり目をつむり身をすくませる、それと同時に右手から杖がの感覚がなくなった。
恐る恐る目をあけると気だるそうに杖を持った甲太郎の姿があった。
「気は済んだか? んじゃ、これで終わりな…ふぁ~あ、だりぃ…」
甲太郎はそれだけ言うとポイとギーシュへ杖を投げ返し、広場を後にすべく振り返り歩き始める。
「僕の負けだ…」
しばらく呆然としていたギーシュだったが負けを認めると、周りからは歓声が起こる。
この場から出て行こうとする甲太郎にギーシュは言う。
「待ってくれ! 君は一体何者なんだ!?」
「…皆守甲太郎、学生だ…」
その質問に甲太郎は歩みを止めようとせず、後ろ手をひらひらと振りながらそれだけ応え、広場から去っていた。

オスマンとコルベールは、『遠見の鏡』で一部始終を見終えると、顔を見合わせた
「勝ってしまいましたな…」
「うむ…彼の動き、見えたかね?」
「彼はふらふらしているように見えて全ての攻撃を紙一重で回避していました、おそらくあれは全て見切っていたと考えられます…」
「しかし戦闘能力まではわからんかったのぉ…伝説によれば『ガンダールヴ』はあらゆる武器を使いこなしたとあるが…」
「一応ギーシュは一番レベルの低い『ドット』メイジですが、それでもただの平民に後れをとるとは思えません。
やはり彼は『ガンダールヴ』なのではないでしょうか? 早速王宮に報告して、指示を仰がない事には……」
「それには及ばん」
『ガンダールヴ』の発見に興奮し、想定されるその強さについて語るコルベールをオスマン氏は嗜めるように押さえる。
王宮の者達に渡せば戦を引き起こしかね無いとも語る。
「ははあ。学院長の深謀には恐れ入ります」
「この件はわしが預かる。他言は無用じゃ。ミスタ・コルベール」
「は、はい! かしこまりました!」
「しかし…やる気ないというか…無気力な男じゃのぉ…」
「えぇ…実のところ『ガンダールヴ』なのか少々不安になってきました…」
そう言うと、二人は『ガンダールヴ』がどんなものだったのかと話し始めた。


広場からのんびりと食堂へ向かう甲太郎をルイズが追いかける、
「ちょっ! ちょっと! あんた大丈夫なの!? っていうかどうやってギーシュに勝ったの!?」
「うるせぇ女だ…、偶然だよ偶然、運が良かっただけさ…」
「もうっ! 真面目に答えなさいよ!!」
騒ぎ立てるルイズに取り合おうともせず食堂へ向かおうとする甲太郎にシエスタが駆け寄ってきた。
「あっ、あのっ! 大丈夫ですか? コータローさん! 貴族の方と決闘をしたと聞きましたので…」
「あァ、なんともねぇよ、それより腹減っちまった、なんか用意してくれると助かるんだが…」
「はっ、はい! すぐに用意します!」
それだけ言うとシエスタは厨房へと駆けていく、その様子を見送ったルイズが口を開いた。
「ずいぶんあのメイドと仲がいいようね?」
「今朝知り合っただけさ、つかお前、俺の交友関係まで口を出す気か?」
呆れた表情の甲太郎にルイズは顔を真っ赤にして反論する。
「そっ! そんなんじゃないわよ!」
「たく、少しは信用しろっつーんだよ…、んじゃぁな、お前は授業あるんだろ? 俺は飯くって昼寝でもするわ…」
そう言うと甲太郎は厨房の中へと入っていった。

「マルトーもなかなか料理の腕が立つじゃねぇか…こりゃ数週間後が楽しみだ…」
厨房で再会したマルトーの猛烈な歓迎を受け、大量のまかない料理をふるまわれた皆守は
そのまかないとはいえ豪華な料理をたいらげ、ルイズの部屋がある寮へ戻りながら満足げに呟く。
その帰り道、廊下を歩いていると、キュルケの部屋の扉が、がちゃりと開き、中からフレイムが出てきた。
フレイムは甲太郎の存在に気がつくと、ちょこちょことかわいらしく近づいてくる。
「…なんだ?」
甲太郎が気だるそうに呟くと、フレイムが甲太郎の袖をちょいちょいと銜え始めた。
「おいっ…、汚れるだろうがっ…つか燃えるだろうが…」
そんな甲太郎の抗議も聞かずフレイムはぐいぐいと袖を引っ張ってきた。
「んだよ…なんか用でもあんのか…?」
その呟きを肯定するようにフレイムはきゅるきゅると鳴くと、部屋の中へと入って行く。
「…入ってこい…ってか?」
甲太郎はそう呟くとキュルケの部屋のドアの前で立ち止まった。
そこは光が差し込まない真っ暗な部屋であった。サラマンダーが発する火が、周りをぼんやりと明るく光らせている。


常人では何も見えないであろうその部屋の内部を甲太郎はその常人離れした視力で内部の様子を探った。
ベッドにはほぼなにも身につけていないであろう恰好のキュルケが艶めかしく座っている。
どうやらこっちが入ってくるのを待っているようだった。
「(…入ったら絶対ロクな目に合わない)」
即座にそう理解した甲太郎はキュルケの部屋に入る…と見せかけてドアをバタンと閉めた。
「めんどくさい目に会うのはごめんだ…」
そう言いながらアロマに火をつけると、ルイズが自室から顔を出した。
「あら? 戻ってきたのね、ていうか、用が済んだのならさっさと戻ってきなさいよ」
「あァ、言われなくてもそうするつもりだ」
そう言いながら甲太郎が部屋へと戻ろうとした時、後ろから勢いよくドアが空きキュルケが飛び出してきた
「ちょっとダーリン! 無視するなんてあんまりだわ!」
「キュルケッ!!」
「あん? だれがダーリンだ、気持ち悪い、悪いが人違いだ」
突如飛び出してきたキュルケにルイズと甲太郎は眉間にしわを寄せる、それに構わずキュルケは続けた。
「違うのよコータロー! 恋をしたのよ! あなたに!」
「ちょっと! 勝手に人の使い魔に手を出さないでよ!」
「…一人でやってくれ、じゃあな」
すがりつくキュルケをにべもなく一蹴すると甲太郎はさっさと部屋へと入ってしまった。
「残念ねキュルケ、コータローはあんたなんかに興味ないって!」
それに釣られるようにルイズも部屋の中へと引っ込んでいった。
その場に取り残されたキュルケはしばらく呆然としていたが、突如笑い始める。
「ふっ…ふふっ…ここまでコケにされるなんてね…ますます燃えてきたわ! かならずあなたを振り向かせるわよ…コータロー!」


To be continued...

特記事項
キュルケ:情熱的です
タバサ:ドライです
ギーシュ:女好きです
コルベール:発想が豊かです
オスマン:セクハラです




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