あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

異世界使い魔學院紀-02



玉磨かざれば宝とならず
                 礼記

2nd.Discovery 『ゼロの少女』 Scene.1

「あァ…腰が痛い…」
翌朝、固い床の感触に甲太郎が目を覚ます。
そして非常に気だるそうにあたりを見回す、そこは今までいた東京都新宿区、天香学園の学生寮…ではなく
昨日から住み込み始めた見慣れない部屋、そしてベッドには桃色の髪をした少女、ルイズが寝息を立てている。
「チッ…夢じゃねェか…」
そう重々しく呟きながらアロマに火をつける、ラベンダーの香りが幾分か心を和らげた。
「アロマがうまいぜ…、さて、どうするか…」
甲太郎があたりを見回すと昨夜ルイズが脱ぎ捨てた衣服や下着が目に付いた
「(そういや洗っておけって言ってたな……ダリぃ…)」
しかし、昨日取引したようにここにいる間は"一応"≪使い魔≫だ、元の世界に戻るためだ、仕方がない
一応世話になるのだからそれなりの義理は果たすことにし、適当なカゴに衣服を詰め込み、外へと出た。
「広いな…」
甲太郎は洗濯できる場所を探し学院内をうろつきながら一人ごちる、
ふと空を見上げると青い空がどこまでも広がり小鳥のさえずりが聞こえてくる、彼がいた東京とは大違いだ、
この世界には視界をさえぎる高層ビルや電線など存在しない
「(こういう世界も悪くはないかもな…)」
のんびり昼寝をするには丁度いい世界だ。
そんな事を考えながら歩いていると、不意に後ろから声をかけられた
「あの…」
「うん?」
甲太郎が後ろを振り向くと、そこにはメイドの恰好をした一人の少女が立っていた。
「あの、どうかされました?」
「あァ、あんたここのメイドか? ちょうどよかった、こいつを洗濯しといてくれ」
その姿を見て一瞬で察した甲太郎は洗濯物の入ったカゴを押し付ける。
「えっ? あっ、はい、えっと…あの…もしかしてあなたが噂のミス・ヴェリエールの≪使い魔≫さんですか?」
「あん? 誰だそりゃ」
「ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール様です」
「あぁ…そういやそんな名前だったな…ま、一応そう言うことになってる」
よく覚えてんな、とそんな事を思いながら適当に相槌を打つ。
「あ、私こちらでご奉公させていただいているメイドのシエスタと申します」
「俺は皆守甲太郎だ、まァなんだ、ここにきて初めてまともな人間と会話した気分だ…」
「コータロー様…ですか、変わったお名前ですね」
「様なんてつけんな、俺はそんな大層な奴じゃねェよ」
アロマパイプを燻らせる甲太郎にシエスタが笑顔で話しかける。
「はい、わかりました、同じ平民同士よろしくおねがいしますね。では、お洗濯が終わりましたら、お部屋へお届けします」
「あァ、助かったぜ…んじゃーな…ふわーあ……眠い…」
「…いい香り、なんだろう?」
後ろ手で手を振りながら立ち去る甲太郎を見送りながらシエスタは呟き、水場へと歩いて行った。


甲太郎が部屋へ戻ると、主であるルイズはベッドの上でまだ心地よさそうに寝息を立てている。
「…ま、起こすのも悪いか…さて…俺も寝なおすとするか…」
そんなルイズを見て甲太郎は大きくあくびをすると床へと寝そべり寝息を立て始めた。
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「あんたなんで起こさないのよぉぉぉぉぉぉ!!!!!」
「るせぇーな…あんまり気持ちよさそうに寝ていたもんでな…邪魔するのも悪いと思ったんだよ…」
ルイズが顔を真っ赤にし大急ぎで制服に着替えながら、呑気にアロマを吸っている甲太郎を怒鳴りつける。
ルイズが目覚めると時刻はすでに授業開始の直前になっていた、朝食を取り損ねた上に遅刻寸前だ。
「あんたみたいな役立たずな≪使い魔≫にはお仕置きが必要みたいね!!!」
着替え終わり、乗馬用の鞭を握りしめ睨みつけるルイズに甲太郎は立ち上がり気だるそうに答える。
「おいおい、そんなもんでどうする気だよ、悪いが俺にはそんな趣味はないんでな、他でやれ」
そう言いながらアロマを吸い、ふーっと煙を吹き出した。
「あ~…眠い…」
その一言はルイズの逆鱗に触れたのか、甲太郎目がけ思いっきり鞭を振ってきた。
甲太郎の頬を横からおもいっきり殴りつけるように振りぬいたにも関わらず
鞭が軽い音を立て空を切り、ルイズは体勢を崩してしまった、ルイズが驚いたように目を見開き甲太郎をみる
「何やってんだ?」
ルイズは少し唖然としていたが甲太郎の呆れるようなその声に我を取り戻す
怒りのあまり手元が狂ってしまったのだろうか?
そう考えたルイズはもう一度甲太郎目がけ飛びかかるように鞭を振った。
ヒュン! という軽い音、またも鞭は空を切り、体勢を崩したルイズは前のめりに倒れこむ、石造りの床がルイズの顔面に迫った
「おっと」
「ぎゃうっ!」
ルイズが床に顔面から倒れこむ直前、甲太郎がルイズの襟首を掴み、転倒を阻止する。
「大丈夫か? ≪ご主人≫?」
甲太郎が制服の襟首をつかんだままルイズの顔を覗き込む。
「はっ! 離しなさいよ! いつご主人様に触っていいって言ったの!?」
ルイズは顔を真っ赤にしながらジタバタと怒鳴り散らした
「ほらよ」
「ぎゃん!」
甲太郎がパッと手を放すとルイズはドサッという音とともに地面に倒れこむ
「もう! あんた一日ご飯抜き!」
「冗談じゃねぇ、餓えちまうよ」
「知らない! 少しは反省なさい! それより授業へ行くわ! ついてきなさい!」
ルイズはそこまで捲くし立てると授業へ出るための準備をしはじめた。
「もうっ! あんたのせいで朝食も取れないし授業にも遅れそうだし最悪だわ!!」
「授業を休講(フケ)るのも悪かないぜ? 非生産的で無意味な授業を体験するぐらいなら、
夢という安息を生産する時間を過ごしていたほうがマシだ、そうは思わないか?」
「私は受けなくっちゃならないの! そんな考えを持ってるのはアンタだけよ!」
「お前もそこいらの生徒(ヒツジ)どもと同程度か。精々今のうちに教師に媚を売るがいいさ」


ルイズと甲太郎がそんな会話をしながら部屋の外へと出る、
すると部屋の前に一人の女生徒が立っていた。
燃えるような赤い髪に、褐色の肌、そして大きく突き出た胸。
一番上と二番目のブラウスのボタンが外れている為、余計に強調される。
その姿をみた甲太郎は口をぽかんと開けた
「(双樹!? いや…ちがうか…)」
天香学園の≪生徒会≫書記、双樹咲重を一瞬連想したがすぐにその考えを改めた。
「おはよう、ルイズ、良く眠れた?」
「おはよう、キュルケ、こいつのおかげでね…」
キュルケと呼ばれた女生徒とルイズは嫌そうな表情を浮かべながらも挨拶を交わす。
「朝食の時間になってもこないんだもの、起こしにきてあげたんだけど…余計なお世話だったみたいね
それで、あなたの使い魔ってもしかしてそれ?」
そういいながらアロマを吸っている甲太郎を指差す
「えぇ」
「へぇ~、ホントに人間だなんて、凄いじゃない!」
アッハッハと笑い出すキュルケ。ルイズは腕を組んだまま黙っている。
「『サモン・サーヴァント』で平民を喚んじゃうなんて。あなたらしいわね≪ゼロ≫のルイズ」
「うるさいわね」
「誰かさんと違って一発で私は成功したわ」
「へぇ」
「使い魔はやっぱりこういうのがいいわよねぇ~、フレイム!」
キュルケは、自慢するかのように自分の使い魔を呼んだ。キュルケの部屋からのそりと、真っ赤な巨大なトカゲが廊下へと姿を現した。
「(もう…なんでもアリだな)」
遺跡内部でそういった類の化人を見慣れているせいか、その姿をみても特になにも思わず、アロマの煙を吐き出す
「これってサラマンダー?」
ルイズは悔しそうに聞いた。
「そうよ、火トカゲよ、火竜山脈のサラマンダーよ、好事家に見せたら値段なんかつかないわよ」
「そりゃあ、良かったわね」
「素敵でしょう、あたしの属性ぴったり」
「あんた『火』属性だもんね」
「ええ、≪微熱≫のキュルケですもの、ささやかに燃える情熱は微熱、でも、男の子はそれでイチコロなの、貴方と違ってね」
「(香水は使わないのか…ま、面倒がないだけいいか)」
その話を聞きながら甲太郎はそんな事を考える。
「あんたみたいに色気振りまくほど暇じゃないわよ」
そんなルイズにキュルケは余裕の笑みを見せた。
「貴方お名前は?」
「あ? 皆守甲太郎」
「ミナカミコータロー? 変な名前」
ぶっきらぼうに答える甲太郎をキュルケは軽く流す
「………」
「それじゃ、先に行くわね、あなたも早くしないと遅れるわよ~」
そういって後ろ手に手を振りながらキュルケは去っていった。それに続いてサラマンダーが可愛らしく動く。
キュルケが視界からいなくなると、ルイズは拳を強く握り締めた。
「あーもうむかつく! 自分がサラマンダーを召喚したからってわざわざ自慢しにきて! くやしー!」
「使い魔ごときで盛り上がって、おめでたい女だ」
「何言ってるのよバカ! メイジの実力をはかるには使い魔を見ろって言われてるのよ!? なんでわたしがあんたなのよ!」
「知らねぇな、こっちも迷惑してんだ、だから一刻も早く使い魔を変えたいだろ? だったら早く俺を元の場所に戻す方法を探すんだな
そうすりゃお前もああいうのを喚べるさ」
煙を吐き出し、まるで他人事のように甲太郎は言う、
「~~~っ…! もういいわ、さっさと行くわよ!」


そう言いながらルイズと甲太郎は教室へと向かう、その途中、ふと甲太郎が口を開いた
「なァ、あの女、≪生徒会≫役員ってことはないよな?」
「何よ≪生徒会≫って、一応あることはあるけど、キュルケは普通の生徒よ、役員とかそういうのはやってないわ、
それよりあんた、キュルケに見とれてたでしょ?」
「別にそんなんじゃねぇよ、俺の元いたとこの知り合いに少し似てただけだ」
「そう? ならきっとロクな女じゃないわね」
「あァ、ロクな女じゃねぇよ」
にべもなく言い切った甲太郎を見て、知り合いに似ていたのなら仕方がないとルイズは考えた。
教室の前にたどり着き教室内に入ろうとするルイズに再び甲太郎が話かける。
「おい、ダルいから外で寝てるわ、終わったら声掛けてくれ」
「あれだけ寝ておいてまだ寝る気!? 使い魔と一緒に授業受けなきゃならないの!
いいからついてきなさい!」
有無を言わさぬ口調で甲太郎を教室に引っ張り込む。
ルイズが教室に入ると、すでに多くの生徒たちが席に着いていた。
大学の講堂のような教室には、たくさんの生徒が様々な使い魔を引き連れていた。
だが、使い魔が人間というのはルイズだけのようで、ルイズはそれをネタに散々揶揄されていた。
「おい、ゼロのルイズだ…」
「平民なんか連れてるぜ…」
その言葉にルイズはいちいち反論していたが甲太郎はどこ吹く風。
呑気に壁に寄り掛かりアロマパイプをくゆらせていた。
「(まるで小学生だな…)」
そう思いながらあたりを見回していると、やがて女性教員が教室へ入ってきた。
「皆さん、春の使い魔召還は大成功のようですね。このシュヴルーズ、みなさんの使い魔を見るのを毎年、楽しみにしているのですよ」
そして教室を見渡すと、やがて甲太郎に眼をとめた
「おやおや、また変わった使い魔を召喚したようですね、ミス・ヴァリエール」
シュヴルーズのとぼけた声に、教室中から忍び笑いがもれる。
「おい『ゼロ』。召喚が失敗したからって。その辺の平民引っ張ってくるなよ!」
誰かがそういうと、忍び笑いは大笑いに変わった。
「いい加減なことをいわないで、かぜっぴきのマリコルヌ!」
「誰がかぜっぴきだ! 俺は風上のマリコルヌだ!」
シュヴルーズが頭を押さえながら杖を振ると、二人がすとん、と座った。

そして授業が始まる。
甲太郎は半ばぼんやりと講義を聞いていた。
魔法には土、水、火、風、虚無の五つの属性があり、メイジはそのうち一つは必ず使えること。
虚無の属性の使い手は失われていること。メイジの実力によって四階級が存在すること。
メイジにはみな、それぞれ二つ名のようなものがついていること。
講義が進むと、いよいよ実践になり、シュヴルーズという女教師がただの石を真鍮に変化させていた。
「へぇ…便利なもんだな…」
甲太郎が呟くと、シュヴルーズは実際に実演してもらおうということでルイズを指名した。
「ではミス・ヴァリエール 『錬金』は貴方にやってもらいましょう」


そういった途端、教室中の生徒がびくっと反応した。そして続々と反対意見が挙がる。
「先生、やめといた方がいいと思います」
「そうです。無茶です、先生!」
「『ゼロ』に魔法を使わせるなんて!」
シュヴルーズは何をそんなに反対するのか分からない。
「失敗を恐れていては進歩はありませんよ。さあ、ミス・ヴァリエール。やってごらんなさい」
ルイズが意を決したように教壇へ向かっていくと、ある者は机の下に隠れ、ある者は教室から逃げるように出て行く。
わけが分からず、ぼんやりと甲太郎が観察していると、ルイズは一心に杖を掲げ、呪文を唱えた。
次の瞬間、ただの石が爆発を起こした。
「なッ!?」
爆風とともに飛んできた石のかけらや木片などを全て回避する。
とっさのこととはいえ、怪我を負うことはなかった。
「(なんだよこりゃ…椎名のより強力じゃねぇか…)」
土煙りが収まり煤だらけになったルイズが現れる
「ちょっと失敗したみたいね」
その言葉に教室中から非難の声が挙がり始めた
「ちょっとじゃないだろ!ゼロのルイズ!」
「いつだって成功の確率、ほとんどゼロじゃないかよ!」
「(なるほどな…成功率≪ゼロ≫か…)」
何かある度によく聞くゼロのルイズ。魔法の成功率がほとんどゼロだから、と甲太郎は理解した。
「だが…この破壊力はさすがにすげぇな…」
甲太郎はそう呟きながら服についた埃を払い、アロマに火をつけた。

「はぁ…ダリぃ…」
「うるさいわね、早く片付けなさいよ!」
「わぁったよ…」
ルイズの失敗魔法による爆発によって、シュヴルーズは失神、授業は中断されてしまい
罰としてルイズは昼ご飯までにこの教室を片付ける事になったのだった。
甲太郎は気だるそうに、だが手際よくゴミを片付け机を拭いている。
途中、黙って机を拭いていると急にルイズが話しかけてきた
「…どうせあんたも心の中で私を笑ってるんでしょ?」
「…は?」
「魔法も使えない何の≪力≫もないメイジがなにを偉そうにしてるんだ、とかさ! 思ってるんでしょ!? 笑えばいいじゃない!」
「…何言ってんだお前?」
甲太郎から返ってきた意外な言葉にルイズは少々驚き目を見開く
「え?」
「お前の事笑ってどうするんだよ?」
「コータロー…」
「それに、だ、お前のその≪力≫、俺は認めるぜ? 俺のいた学園の≪生徒会執行委員≫とも渡り合えるだろうよ」
ま、今はもう解放されたけどな…と甲太郎は静かに呟く。
「…でも、こんなのじゃ≪力≫とは呼べないわ…私はただ普通のメイジでありたいだけなのよ…ふつうに魔法を使いたい…」
「最初から備わっているだけいいじゃねぇか、≪生徒会≫のように与えられたようなものじゃない、お前の天性のものだからな」
「ちょっと待って…さっきから引っ掛かってたんだけどあんたのいた≪学園≫って一体どんなところだったの?」
ルイズは怪訝な表情で甲太郎を見る、≪生徒会≫という言葉にひっかかりを感じたのだ、さっきもやたらと気にしていた気がする。


「どんなって言われてもな…、まぁ、ここと同じ全寮制の学園だ、一般生徒の上に≪生徒会≫が絶対の法として存在し
その下部組織≪生徒会執行委員≫が風紀の取締りを行っていた。簡単にいえば生徒を恐怖で支配していたのさ。」
「どんな集団よ…」
「そいつらはみな、過去に縛られた哀れな連中さ、それぞれが異能の力を持っていた、お前の魔法みたく、触れたものを爆発させる奴や、
木刀で石だろうが鉄だろうが斬っちまう奴、さっきのキュルケって奴に似てる女は香水を使って人心を操る能力を持っているな。
トップの生徒会長に至ってはそいつらの元締めだ、そりゃ強力な力を持っていたさ。」
「なによそれ…どんな化け物集団よ…、っていうかほとんど先住魔法の領域じゃない…」
「だが、その支配もついに終わる時が来た、たった一人の≪転校生≫が全員過去の束縛から解き放ったのさ。
学園の地下に眠っていた神サマの太古の呪縛までもな。」
「学園の地下に神様がいたの!?」
思わぬ一言にルイズが驚き聞き返す、
「まぁ、それは置いておいてだ、その化け物集団と戦い勝利した≪転校生≫、こいつには何の≪力≫が備わっていたと思う?」
「えっ? それはそんな化け物と戦うくらいだから…ものすごい≪力≫を持っていたんじゃないの?」
ルイズがそう答えると、甲太郎はどこか嬉しそうに、そして誇らしげに語り始める
「そいつはな、なんの≪力≫も持っていない、お前らの世界で言うただの平民だったんだ。」
「そんな…一体どうやったっていうのよ?」
「あいつは、俺やクラスメートを巻き込んで≪生徒会執行委員≫や≪生徒会役員≫と戦った、
持てる知力と勇気をもってな。あいつの人を思う心が、学園の魔人達の心の鎖を解き放っていった。
終いにはあいつ、敵だった執行委員や役員まで仲間にしていたんだぜ?そしてついには封印されていた化物まで倒しちまった」
ルイズはまるで英雄譚を聞く子供のように目を輝かせながら甲太郎の話に聞き入っている。
「あいつは…俺の誇りであり大事な親友だ、俺も救われたんだ、あの≪転校生≫に…」
そこまで言うと甲太郎は少し俯き、やがてルイズをまっすぐ見据える。
「たとえ≪力≫なんかがなくっても、やれることはあるさ、あいつみたいにな…、だから前を向け、お前はゼロなんかじゃねぇよ」
そこまで言うと、「火が消えちまった」と呟きアロマに火をつけ、後ろを向きふーっと煙を吐いた。
ルイズの心に甲太郎の言葉が響く、気がつけば眼に涙がたまっていた。
今まで誰かにかけて欲しかった言葉、自分を認めてくれる言葉、ようやく見つけた、自分を心から認めてくれる存在が。
「ふぇっ…うっ…ひっく…」
「なっ! おいおい! なんで泣いてんだ!? なんか泣くようなこと言ったか!?」
突然涙を流し始めたルイズをみて甲太郎は慌てふためく。
「ちっ違うわよバカぁ! な…泣いてなんかいないもんっ…! 使い魔の前では泣かないもん…!」
涙がとめどなくあふれてくる、ルイズは涙を止めることができずついには決壊してしまった
「うえ~~~ん」
大声で泣き出してしまったルイズを見て甲太郎は溜息を吐きながら肩を落とす。
「どうなってんだ? これじゃ俺が苛めてるみたいじゃねぇか…」
そう呟くと少々疲れた表情でアロマを銜えた。


To be continued...




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