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創世の使い魔-01



創世の使い魔
第1章 ――白い鳥――

 どこまでも澄み切った蒼天を、白亜の鳥が飛んでいく。
 目的地を目指して、海を渡り、山を越え、風を受けて飛んでいく。

 その鳥は世界中を見てまわり、見つめてきた。
 切り倒され、少しずつ営みの領域を減らしていく森を。
 追いやられ、住処を失っていく鳥達を。
 狩られていく動物達を。
 そして、人間達を。
 総てをつぶさに、見つめてきた。

 鳥は、悲しくはないと思った。
 それこそが、この星の正しい姿なのだから。
 正しく進化と滅びが生み出される世界が、そのありようを受け入れたのだから悲しくはない。
 ただ、さびしいだけ。



 その鳥は世界中を見てまわり、見つめてきた。
 しかしそれも、もうおしまい。
 夢は終わる。歪みは正され、総てはあるがままに戻る。
 だから、鳥は向かう。あの地へ。あの森へ。あの村へ。

 必ず帰ると約束した。
 だから、向かう。

 ゆっくりと、天空を往く鳥は高度を下げる。
 鳥の視界に広がる森が徐々に広がっていく。
 その森の中にある小さな村、そこへ向かって降りていった。
 嗚呼、もう名前も思い出せないけど、あの村こそ約束した場所! あの家こそ約束した場所!

 木で作られた大きな家の前に、鳥は羽を羽ばたかせながら降り立った。
 帰ってきた、とうとう帰ってきた!
 鳥は喜びに心を震わせた。


 やがて鳥の体から、まばゆいばかりの光があふれ出した。
 そして光は、ゆっくりと鳥の体から離れていく。
 光は、人の形をしていた。

 顔は見えない。ただ、穂を垂れる麦畑のような髪だけが分かる。
 鳥には見覚えがあった。誰だろう、知っているけど思い出せない。

 その少年はやがて、鳥には聞き覚えのない――だが、懐かしくもある声を発した。
「キミは、もう自由だ」
 少年は笑っている、顔は見えないけど鳥はそう感じた。
「星の意思に翻弄される事はない。その役目は僕だけで十分だ」
 鳥の後ろを少年は指差す。
 その先にあるのは、一枚の鏡だった。
 鏡に映るのは、誰も見た事のない新天地。

 羽を羽ばたかせる。
 体は重いけど、まだ飛べる。

 ―――さぁ、往こう。

「さようなら、元気で――もう一人の僕」



古き空の思いを胸に、新たな空に思いを馳せて――。


――白亜の鳥は飛んでいく。





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