あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

ワイルドの使い魔-9(4)

ギーシュが気絶した丁度その時、宝物庫の中である異変が起こっていた。

ズズン・・・

・・・ピ・・・・・・
・・・・・・センサーに反応・・・衝撃感知
ドゴォ・・・
・・・ピピピ
・・・・・・衝撃感知・・・・・・衝撃感知
ドゴゴォォ・・・!
・・・・・・異常感知・・・・・・異常感知
・・・・・・衝撃増大・・・・・・エマージェンシー
ドグラシャァー・・・・・・!!
・・・・・・衝撃、警戒ライン突破・・・・・・何らかの攻撃行動と判断
・・・・・・休止モードより待機モードへ
・・・・・・各部チェック・・・・・・機関部オールグリーン
・・・・・・エネルギー残量・・・・・・イエロー・・・・・・要エネルギー補充
・・・プラズマジェネレーター起動
メイン思考回路オープン
マークⅣ起動します

いや、それは既にゴーレムの登場から既に変化を始めていたのだ。
そして『それ』は目覚めた。
長い休眠モードが、その電子化された頭脳にノイズを走らせる。

(・・・・・・魔・・・・・・に、逆・・・・・・・・・か者・・・・・・!
 お前・・・・・・、・・・学・・・・・・・・・は、無・・・・・・・・・!)
剣を手に向かってくる少年。異形の存在と不可解な現象を引き起こす少女がそれに続く。
(科学・・・・・・拠が・・・・・・! ・・・・・・的根・・・・・・無い!)

記憶回路のエラーか、浮かんでは消える幾つもの記憶。
それは『彼ら』と最後に戦った記憶。
特殊合金の装甲を貫かれ、機関中枢を破壊された記憶も。
屈辱と復讐に燃える念が、肉体を捨て去った今もそれを忘れさせない。
だからこそ、再改造で最後に残った生身の部分すら捨て去り、彼の理想・・・科学の粋を極めた身体と頭脳を手に入れたのだ。
そこまで思い出して

「・・・ココハドコダ」

自分がどこに居るのか疑問に思う。
たしか、あのガキどもから屈辱を味わった後、再度の改造を自分の身体に行った所まではメモリーに残っている。
そう、直後に極秘の研究所が原因不明の崩壊を起こして・・・衝撃で休眠モードに移行したのだ。
それから、どうなった?
今は何時だ?

ドグワシャァ!!!!

「!??」

再度の衝撃と破砕音。それでようやく『彼』は周囲を見回した。
見慣れない場所だ。
微かな明かりに照らされているのは、使途不明な物品から『彼』も目にした事もある物まで千差万別。
それが整然と整理され並べられている。
見れば『彼』もその中の一つとして扱われているらしい。
サイズは違うが、何かの模型のように木枠の中に収められているようだ。

ドガーーーーン!!!!

再度の衝撃。今度は何かが壁の向こうで爆発したかのような音と衝撃だ。
それらを、『彼』は遂に戦闘行動だと判断した。

「アノガキドモ・・・マダアノオカタニサカラッテイルノカ」

ならば好都合だ。新たに手にしたこの力を見せ付けてやろう。
ここが何処かは解からないが、都合がいいことに『武装」になりそうなものが山ほどある。
彼は動き出す。丁度近くにあったある物を内部弾倉へ次々と収納しながら、衝撃と大音響の元・・・今にも崩壊しかけている壁へ無数の照準を定めて。

「プラズマバルカン・プラズマキャノン・プラズマー・・・イッセイシャゲキ、ジュンビ」

声に応じて、各部の装甲が展開し、物々しい砲塔や銃身が姿を現す。
既に光の帯をまとい、破壊の奔流を喉元へ溜め込んで。

「ハッシャ!!!」

瞬間、滅びの閃光が脆くなっていた宝物庫の外壁を一瞬にして突き破った。

ギーシュの気絶と同時にゴーレムに挑みかかったキタロー達はこう着状態に陥っていた。
上空でシルフィードに乗ったキュルケとタバサは炎と氷の槍を降らせ続け、地上ではキタローがデルフリンガーと魔叉霧音の二刀を以って接近戦を挑み、ルイズが例の失敗魔法で幾度と無くゴーレムの手足を吹き飛ばす。
だが、ゴーレムのあまりの巨体と土から鉄へと変化した体、さらには破壊しても次々再生するため決定打を与えられないのだ。
肩口に居たフーケと思しきローブ姿の人影も、直撃を避けるためかゴーレムの身体の中へと姿を消している。

「久しぶりの相手が鉄のゴーレムとはキツイな!相棒、相手はもう少し選んでくれ!!」
「どうでもいい。というかうるさい」
「見つけちゃったものはしょうがないでしょ!!剣の癖にガタガタ言わない!」

満腹感も一段落したキュルケとタバサ。
お先に、とばかりシルフィードで先行してゴーレムを見つけたのは丁度その登場の頃だ。
無論フーケの噂は全員聞き及んでおり、一度は見なかった事にもしようとしたのだが・・・

「盗賊なんかに背中を向けたら貴族の恥よ!」

とのルイズの一声と、遠目から見たギーシュの奮戦に勇気付けられこうして戦うことになった。
なったのだが・・・

「も~うイヤ!! 何でいちいち再生するのよ!!」
「全身鉄に練成されたのも大きい」
「炎も効き難いのよね・・・もしかして固定化もかけてるの?」

あまりに硬く丈夫で再生までするゴーレムに皆嫌気が混じり始めた。
もっとも、ゴーレム自体の動きは鈍い為、反撃をかわしつつ軽口に近い掛け合いは出来てはいるが。
特にキタローは半ば試し切りの感覚で居る為、ペルソナを使わずに戦っていた。
尤もいまのアクティブは戦の魔王シュウ。ゴーレムの拳の一撃さえ通用しない古の戦神だ。負ける気だけはしない。

一方、ゴーレムを操るフーケも同様に困り果てていた。
先刻のゴーレム使いの少年で足を止められ、今また学生ながらかなりの実力を持つ少年たちが彼女の盗みを邪魔している。
只でさえも時間が無い(と、フーケは思い込んでいる)のに、これでは何時あの厄介なゴーレム少女がやってくるとも限らない。
特に、あの良く判らない爆発の魔法は厄介だ。
威力がかなりあり、胴体まで吹き飛ばすには至らないが手足を狙われると一撃で吹き飛びかけ、壁を殴りつける事さえ出来なくなる。
更にその千切れかけた腕を信じられない動きの少年が切り飛ばすのだ。
(拙いわね・・・かなりの時間を無駄にしたわ・・・これはもう此処での仕事はあきらめるべきかしら?)
フーケにとって、仕事の失敗はそれほど問題ではない。
一度『名誉』を奪われた身だ。今更怪盗としての名が失敗で落ちようが大したことは無い。
だが、捕まったり命を落とすわけには行かない。大切な守りたい人が故郷に居るのだ。

「仕方ないわね・・・今夜は此処でさよならしましょう。無理をする事無いものね」

別に今夜どうしても盗まなければいけないわけではない。
また隙を見計らえば良いだけだ。今の生活を続けていれば、今夜のように力業をしなくてもいい日が来るかもしれないわけで。
・・・まぁ、あのセクハラに耐える日々を続けなければいけないのは頭が痛いが・・・
(・・・思い出したら腹が立ってきたわね。今度セクハラを理由に給料のアップを要求しようかしら?
 文句は言えないはずだし・・・それで今夜の分を穴埋めするのも良いかもね・・・いっそ慰謝料で宝物庫の中の物でも要求して・・・)
そんな事を考えていたフーケは、その異常に気付けなかった。

「・・・・・・ゲキ、ジュンビ」

既にかなり破壊された壁の向こうから、微かな声。
同時に響く高周波音。
キタローとタバサが何事かと目を穴の穿たれた壁に向けた瞬間、それは起こった。

「・・・・・・ッシャ!」

そして・・・閃光!!!
一瞬で残る壁を消滅させ、尚勢いの衰えない閃光がゴーレムの胸の辺りに殺到する!

「な、何!?」
「キャァァァァッ!??」
「・・・!!!!」
「な、なんだぁ!?なんだってんだぁ!?」
「メギドラオン・・・いや、違う」

無数の悲鳴と驚愕。
吹き飛ぶゴーレムの上半身。上半身で唯一の請った頭が数瞬後に落ちてきて、

「きゃぁぁぁぁぁぁ~~~~~っ!!」

悲鳴と同時にズズン・・・と重苦しい音を立て残った下半身に着地する。
そして中からローブ姿の人影が混乱したように現れた。フーケだ。どうやら無事らしい。
だが、あまりの事態に何がなにやらわからぬ様子。

「な、なんじゃ今のは!?」
「光学兵器・・・いえ、プラズマ理論を応用した兵器のようであります」
「・・・プラズマ・・・確か、あの宝物庫には・・・」

学長室の観戦組も突如起こった破壊に混乱の色が隠せない。
と、メアリが何か思い出したように宝物庫のリストを取り出す。

「あの宝物庫の中で私の居た世界にあった物品は362個に上ります。その中でプラズマを起こしえるのは・・・只一つ。
 10年前に持ち込まれた『白のゴーレム』・・・プラズマを動力源とした自律ロボットと推測された物です」

その声に答えるように、魔法の鏡の中の映像・・・塔の外壁に開いた穴から『彼』が姿を現す。
重厚かつ巨大な白い体躯。無数の兵器を全身に装備し、以前の巨大ながらもシンプルな形状から一線を画すシルエット。
そしてそんな身体になっても尚、自己主張の激しい・・・生身っぽく見える『顔』。

「ナンダ・・・・・・ココハ・・・・・・?・・・ツキガ、フタツアル??」
「な、なによあれ・・・」
「・・・ゴーレムが喋ってるの?」
「ロ、ロボット!?」
「ツ、ツキガフタツアルナド・・・カガクテキコンキョガナイ!!!」

驚く一同も気にせずそのゴーレム・・・いや、科学の信奉者にしてプラズマの伝道者、超改造教師オオツキMK-Ⅳは月に向かい絶叫した。

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