あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

伝説を呼ぶ使い魔-07a


前回のあらすじ


(再生することが可能な方は脳内で名探偵コナンのテーマを流しながら見てください。)

オラはカスカベ防衛隊の隊長・野原しんのすけ。愛犬のシロとおさんぽに出かけている途中、
道端に現れてた怪しい鏡を目撃した。
鏡を調べるのに夢中になってたオラは、鏡は実はどこかへの入り口なのに気付かなかった!
オラは体全部鏡に飲まれ、目が覚めたら…!

異世界に召喚されてしまっていたゾ!

父ちゃんや母ちゃんともはぐれたため身寄りのなくなったオラはオラを召喚した
胸がぺったんこでピンク色の髪の女の子、ルイズちゃんの力を借りることにした。
今はルイズちゃんの下で使い魔をやっている。
正直、オラ使い魔なんてメンドくさいゾ。カスカベに帰る方法探さなくちゃね。

さて、オラの周りにいる心強い仲間の紹介だゾ!

まずはオラを召喚した張本人で、その可愛らしいピンク色の唇で今まで風間君にしか許していない
(しのぶちゃんは言わないお約束だゾ。)オラの唇を奪っていったルイズちゃん!
この時胸がキュンとしたのは秘密だけど、この子は可愛い顔してオラの母ちゃんのように凶暴な女の子!
見た感じオラの母ちゃんとよしなが先生を足して半分にしたようなイメージだぞ。
どうもみんなと違って一度も魔法が使えないのが悩みみたい。
でもいつかみんなのように魔法が使えるようになりたいんだって!そこはオラも応援するぞ。

続いてはお城のメイドのシエちゃん!シエスタだからシエちゃんだぞ。
洗濯物の洗い方も教えてくれるし、お腹をすかしたオラにご飯をつくってくれるし、
やさしいし、美人だし、おムネも大きいし、サイコー!すばらしいゾ!ぜひ結婚をぜんてーにお付き合したいですな!ウンウン。

さらに、この間仲良くなったギーシュくんとチビマルコくんの迷コンビ!
そしてギーシュくんとよく一緒にいるモンモンちゃん!
いつ名コンビなんて呼ばれたのかはオラにもわからないし、この間結局別れたのかどうかは分からずじまいだゾ。

そしてオラと一緒に呼び出された愛犬シロ!オラの相棒を務めるわたあめ犬!ま、みんな知ってるよね。
でも仲間といえば、カスカベに残してきたカスカベ防衛隊のみんなや野原家のみんなは今頃どうしているのかな?

そして、オラの使う秘密へーきの紹介だゾ。
まずはオラが本気になった時に使う野原しんのすけ隊員専用ヘルメット!
オラの本気をモーレツに上げてくれるイカしたメットだぞ。ゴーグルの部分がチャームポイント。

もう一つは野原しんのすけ作、大規模変装セット入りバック!
オラの特技といえば変装とかくれんぼだよねー。
アクション仮面変身セットもこの中の一つだぞ。

そしてオラの愛機!スーパー三輪車!名前は…えーと「中島スバル3号!」
この間は「赤マムシ72号」だった気がするけど気にしない気にしない。
どーせカスカベに忘れてきちゃったしね。

異世界行ってもお茶目は同じ!
行き止まりなしのおバカパワー!!

おねえさん!オラとお茶飲みにいきませんか?


伝説を呼ぶ使い魔 第7話 「ストライク!バッターアウト!だゾ」

天気は快晴、雲ひとつない。そんなとあるお昼時。ヴェストリの広場。
その中央に張られたバレーボールのネットが一つ。だがどこか不恰好だ。
ネットの片方にしんのすけとシロ。もう片方にギーシュとマリコルヌが立っていた。
しんのすけとギーシュがお互いに叫ぶ。

「準備はよろしくて?ギーシュさん?」
「上々。いらして!」
「サアッ!!!」
しんのすけが高く打ち上げる。狙いは右のコーナー。
しかしマリコルヌが見事受け止める。ギーシュにレシーブ。
「ナイス!マリコルヌ!」
「ほらギーシュ!お行きなさい!!」
ギーシュが高く飛び上がる。勢いをつけてスパイクを打ち込むつもりだ。
しんのすけのブロックより速く打つ。それのみが頭にあった。
「イナズマァァァァァァ!!!スパイクッ!!」
「半ケツブロックッ!!」
負けじとブロック!しかしギーシュのほうが速いッ!!
だが!
「アン!アン!!」
シロがボール到達地点に早回り!見事カバー!ボールは相手側、マリコルヌが再びキャッチ!
「やりますわねシンノスケ…もといパピヨン夫人!」
「そちらこそ…初心者とは思えませんわ…ですが!」

「「勝つのはこの私よッ!!」」

「サアッ!!」「そうれッ!!」「えいっ!!」「やあっ!!」
「ああんッ!!」「危ないッ!!」「まだまだッ!!」

「…アンタたち何やってんの?」

しんのすけとギーシュが声のした方向に顔を向ける。
すごくムスッとした表情でルイズがこちらを見ていた。
「はっきり言わせてもらうとアンタたち気持ち悪いのよ。なに?アンタたちいつからそっちの気に目覚めてたの?」
「…んもう。ルイズちゃんったら、せっかくいいところだったのに~。
ちょっかいいれないでほしいですな。まったく!ムネもなければ気遣いもナシですか!?」
ゴンッ!っとげんこつの音が響き渡らせた後、ルイズが聞きなおす。
「で、だからなにやってるの?」
「ハッハッハッ。これはねルイズ、シンノスケの故郷にあった球技で『バレーボール』
と言ってね。これがなかなか面白いんだよ。」
うさんくさそうにみるルイズにギーシュは爽やかに説明を始める。
「今やってるのは少人数でも楽しめるビーチバレーなるものらしいけど、実際は6対6でやるらしくてね、
このネットを中心にそこに引いた相手側のラインの内側にボールを放ち、受けられなかったら攻撃成功、
ポイントが入るというゲームなんだそうだが。」
ギーシュが得意げにルイズに説明する。
しかしルイズは的確に、当然の疑問をぶつけた。
「今アンタ、たしかに言ったわね?これは球技だって。じゃあ一つ聞いていい?」
「ああ、一体何だい?」

「ボールはどこよ?」

聞かれた瞬間に三人と一匹はそろってあさっての方向を向き始めた。
「いや、シンノスケの言われた通りにネットを『錬金』して、いやそれでもどこかヘンと言われた
んだけどもね、正直ぼくの魔力じゃ万全でもこのネット作るのが限界で…。ボールは無理だった。」
「ぼくに至っては風系統だしね…。彼の見よう見まねの情報と専門外の錬金では無理があって…。」
「で、仕方がなかったから女の子バレーボールやってたんだゾ。」
「クーン……。」
「女の子バレーボール?なんで女の子の必要が?」
ルイズが首をかしげて聞くがしんのすけは人差し指を立てて教える。
「ルイズちゃん、男の子と実際のバレーボールにあって、女の子とこのゲームにないものは何?」
数刻の静寂。
やがてルイズが平手にポン、と拳をのせてひらめく。
「ああ!なるほど、タマがないから女の子……。」

ぐりぐりぐりぐりぐりぐりぐりぐりぐりぐりぐりぐりぐりぐりぐりぐり!!!!

「イデデデデデ!!!ぼくが何をしたと言うんだね!?」
「うおおおお中指がくいこむぅぅ!!」

しんのすけとギーシュの頭を挟んでおもいきりぐりぐりとかましてやったルイズだった。

「全く、またくだらない遊びを考えてこのおバカは…。ていうか楽しいのこんなの。」
「フッ。正直な感想を述べると、こんな清々しい爽快感と死にたくなるような空しさを同時に感じるのは
コレが始めての体験さ…。」
そう言ったギーシュは美少年のルックスをふんだんに活かした爽やかな笑顔を重苦しいオーラをまといながら
作るというかなり高等なテクニックを見せた。

あの決闘が終わって以来、この使い魔はやけにギーシュたちと意気投合していた。
ルイズはこの数日でわかったのだが、おバカで天真爛漫なこのしんのすけと言うヤツはどうも人をひきつける力を持っているらしい。
冒頭で行われた女の子バレーボールだけでなく、昼食の席に呼ばれた時にもこんなバカトークを行っていた。
「オラにとってのおっぱいとは!愛の形であり!人生であり!青春でもあるゾ!
オラはおっぱいにうるさい!やわらかさ!張り!つや!見てもよし、触れてもよしな至高のおっぱいが大好物だ!
オラは飛び込んでいきたいんだ!あのぽよっぽよのおムネの中に!!
実り豊かなお姉さんをオラ愛用の抱き枕にできたら!つまり二人で寝れたらどんなに嬉しいだろう!耳掃除のときとか横目で見たら
すぐそこにオッパイが見つかった時なんか!もう心が躍ってしかたないゾ!!『はーい。しんちゃーん。気持ちいいですかー?』
『ほーい。気持ちいいでーす!あーでももう少し奥のほうがかゆいなー。』『えーよくみえないけど、
どのへんがかゆいの~?』っていってそのオッパイがオラのこめかみに着陸して…!
カーッ!もう想像しただけでおさまりつかなくなりそーう!!」
白昼堂々公衆の面前で自分の大好きな巨乳について熱烈なセクハラトークを大音量で行っていた。ルイズはあまりの光景に自分の中で感情がぶつかり過ぎたあまり、
顔を真っ赤にしたままその場を動かない。見えるのは陰で見ていたシエスタのみ。これまた真っ赤な顔で動けなくなっている。
至高の意味もわからないくせに。だがそこでマリコルヌが意見を返す。
「シンノスケ。やはりキミはまだまだお子ちゃまだと言うことがわかったよ。よりによって貧乳をボイコットするとは。」
「なんだって!?その通りだゾ!!でも貧乳なんてどこがいいんだ!?」
「キミくらいの若造はみんなそう言う事を言うんだ。キミのこだわりには感化をうけたのは確か。
しかし巨乳が甘ったるいチョコトップ生クリームクレープなら貧乳はね、甘酸っぱいストロベリータルトだ!
酸味がきいているんだよ酸味が!まず巨乳とちがって貧乳は外見も感触も劣ってるとか言うけどそれは大きな間違いだ!
やわらかければいいってモンじゃない!肋骨の流れるラインとその固い感触の間に混じったほどよいやわらかさがいいんじゃないか!!
そしてそっちが耳掃除で来るならな、こっちはいつもは友達チーム3人でいる内気な後輩がぼくにお悩み相談してくる場合の話だ。
その子はどうも他の二人の友人と比べて胸が小さいことを気にしているらしい。
『先輩、私ってやっぱりダメですか?』『ダメなんかじゃないさ。キミだっていい所が…。』
そして彼女はうつむいたまま恥ずかしそうに僕に聞くわけだ。『先輩も…、やっぱり先輩も、
胸は大きいほうがいいとおもいますか?やっぱり胸が大きい子が好きだったりするんですか?』
なんて言われた日には感激のあまりその場で号泣しそうだよ!僕の頭の中で『晴れてハレルヤ』が流れるよ!」
「大きいほうがいい!」「いいや!小さいほうが最高だ!」「ところでなんで魔法陣グルグルのOP?」「なんとなく。」
討論は収まりが付かない。だがこの騒動をまとめたのは一人の男、ギーシュ・ド・グラモン。

「ええい!おさまらんかこの田吾作どもがぁーーーーーッ!!」

あまりの気迫に二人が黙る。


ルイズが怒鳴ったギーシュを見る。
「キミたちは、何をくだらないことで討論してるんだ。こんな話題、するだけで無意味だね!」
そのセリフを聞いたルイズは思わずギーシュを見直した。
「女ったらしのくせに…。あんがい真面目なところがあるのね…。」
しんのすけとマリコルヌが断固講義する。
「くだらないとは何だ!男として大事な問題じゃないのかギーシュ!」
「そうだそうだ!その股間にあるモノを捨てたいのか!故郷の親父さんが泣くゾ!!」
「…キミたちはおっぱいは何カップが一番素晴らしいと思うんだい?」
「Aは流石に…。Bか?」「F!いやGだと思います!」
「そこで答えてしまった時点でキミたちはすでに敗北しているッ!!」
ギーシュがバッ!と手を前に出して言い放つ。
ルイズはギーシュの雄雄しき後姿を見直しながら、違和感があることに気づく。
(待てよ…、何この質問。おっぱいは何カップが一番素晴らしいと思うんだい?ですって?)
そしてその違和感に気づいたのは次の質問。

「かつて、僕の人生観を変えた男はこう語った。
『おっぱいに優劣など存在しない。すべてのおっぱいにはそれぞれ良さというものが存在するのだ。』
それ以来ぼくはAカップも、Bカップも、Cカップも、Dカップも、Eカップも、Fカップも、Gカップも、
全てを愛するようになった。
やわらかさ?張り?つや?いいじゃないか。肋骨の流れるライン?固い感触の間に混じったほどよいやわらかさ?
実にいいじゃないか!!それだけ長所があるのに、どうして同時に愛すことができない?どうしてどちらかを
決めることにこだわったりする?そんなことは無意味だ。なぜならおっぱいとは無限の可能性を秘め、
ありとあらゆる、千差万別の魅力を持つまさに女神のような存在なのだからッ!!」
おお~~~~~!!と言う声が野次馬たちから流れる。マリコルヌもその言葉に心打たれた顔をみせた。
「いいぞー!ギーシュ!」「全くおいしい事を言ってくれるぜ!!」「やっぱりお前は一味違うぜ!」
その後、マリコルヌを含む男たちがギーシュをたたえ、ある者は腕をふり、ある者は胴上げしながら「おっぱい!おっぱい!」と叫びだした。
それと同時にドン引きしたルイズの肩を叩く者がいた。モンモランシーだ。
彼女たちは身振りとアイコンタクトだけで意思疎通を行った。

    や ら な い か ?

             や っ ち ゃ お う か 。

「おのれらッ!!真昼間からさかってんじゃないわぁーーーーーッ!!」
10分後、ある者は黒こげ、ある者はびしょ濡れ、ある者は頬に紅葉、ある者は頭にトリプルジェラートのごときタンコブを作った
男たちの亡骸がころがったそうな。

「全く…オラにはぺったんこの良さはどうしてもわからないゾ。」
ちゃっかり惨劇から逃げてきたしんのすけは学院内をシロと一緒に散歩していた。
「クーン。」
「この学校はでっかいから探検するだけでお昼の散歩がおわっちゃうな、シロ。」
散歩といっても魔法を使う異世界の住人たちが集まる場所での散歩だ。この場所での探検は
しんのすけの少年らしき冒険心を著しく駆り立てた。
シロも心なしかいつもよりはしゃいでるように見える。
「オラたち、いままでもいろんな所を見てきたけど、ここもすごい所だゾ…。でもときどきシロがお留守番することも
あるんだよね。」
「アン!アン!」
ちょっと六感的な会話を試みようとしんのすけがシロが見たら、シロは前の人物をみて吼えていた。
その人物は、重そうな本の束を抱えてふらふらと歩いていた。とても危なっかしい動き方をしていた。
この学校の女子だろうか。やがて床の隙間につまずいた。
「あ…。」
「おお!危ない!シロ!」
「アン!!」
ここからでは転ぶこと自体は回避させられそうにない。まずは床に散らばるであろう本を優先。
「シロ!わたあめ!!」
「アン!!アン!!ウワン!!」
空中に跳ねた雑種の白犬が空中で体を丸くわたあめのような体勢をとる。
その体勢のまま、このままだと床に散らばるはずの本をそのわたあめの弾力で跳ね返す。
犬とはおもえないほどの脅威の手並みとスピードで本は空中で一つ、また一つとつみ上がっていく。
最後にシロはその少女の倒れる地点に先回りし、また『わたあめ』の体勢になる。
床に顔面をぶつけ、少々のダメージを負うはずだった彼女はシロというクッションのおかげで無傷だ。
「よくやったゾ。シロ。さて、大丈夫かな?お嬢ちゃん。」
良い仕事をしたシロをほめて、その小柄な少女に話しかける。
小柄な少女だった。よほど軽かったのだろう、シロは苦しい顔を全く見せてない。ルイズより年下だろうか。
青髪でメガネをかけている。綺麗な印象を受ける整った顔はまるで人形のようだった。
服装はルイズと同じ服装だが黒ニーソックスのルイズと違い、彼女は白ニーソだ。この間は白タイツだったようだが。
だがしんのすけよ。一応おまえよりは年上だ。お嬢ちゃんはないだろう。
その少女がしんのすけとシロを見て口を開く。
「…助かった。今日は調子が悪かった。感謝する。」
「いやーそれほどでも~。紳士として当然のことをしただけだゾ~。」
「…一応これはこの子の功績。」
無表情でシロを指差して少女は呟いた。

彼女は図書室に向かっていた。しんのすけも途中まで運ぶのを手伝った。
どうも彼女の足元がおぼつかないのは本の重さが原因ではないようだ。テーブルにおいて別の本を棚から出す間の移動も
どこかふらついていた。
「どうしてふらふらしてるの?」
「言ったはず。今日は調子が悪い。」
椅子に座って本を読み出す。それにしても無表情だ、クスリとも笑わない。
「なんか最近にこんな感じにふらついてる人を見たような…ま、いっか。
オラは野原しんのすけ。こっちはオラのペットのシロ。キミはなんて言うの?」
「・・・・・・。」
本を読み始めた彼女はしんのすけの言葉には答えない。
しんのすけはそんな彼女のつっけんどんな態度に首をかしげる。
「あれ?もしもし?おーい!お元気ですか~!」
返事がない。ただの無口のようだ。
「うーむ。どうすればいいかな…。」
考えたしんのすけはテーブルの下に。そしてこう言った。

「本日は!白に黄緑のしましまもよう!!」

しかし彼女はそんなことをされてもまるで反応しない。
「うーん…できる。よし!シロ!『アレ』やるぞ!」
「アン!」
まずしんのすけは自慢の尻を出して横に。次にシロは体は彼女からみてしんのすけの体の死角に隠す。
そして地面につけている方の尻をおしつけてだえん状にしてシロの後ろ頭をその上にし最後に耳をたたみ一言。

「かがみもち!」

しんのすけの尻を餅に、シロの後ろ頭をみかんに見立てた芸である。カスカベ防衛隊では賛否両論の評価を得たこの芸。
でも、返事がない。ただの本の虫のようだ。
「すごい…!これでもこっちを向かないとは…。恐るべきツワモノだゾ…。」



どうにもおさまり付かないしんのすけはどう攻め落とすかを考える。
まさに女性をどう口説き落とすかを考えるように。
「…そうだ!本に集中してるなら…。」

彼女、タバサは本が大好きだ。
理由は特になく、昔からただ物語が大好きだったという単純な理由だ。
しかし、そんな彼女の本を読む姿勢はものすごい。よほどの衝撃を与えないと『サイレント』の呪文で
無音空間に逃げられてしまう。
今も勉強をやめ、とある冒険物の本を読んでいるようだ。そんな彼女の目に何章も終わってないのにタイトルが飛び込んできた。
そのタイトルのそばには挿絵もついている。

ぶりぶりざえもんのぼうけん

               さく:のはらしんのすけ
             イラスト:のはらしんのすけ  

むかし、むかし、あるところにおじいさんとおばあさんはいっぱいいましたが、
ぶりぶりざえもんというぶたはいっぴきしかいませんでした。
ぶりぶりざえもんとは、すくいのヒーローのなまえです。
このせかいのどこかにはふしぎなマラカスがあり、こまったときにふるうとそのこまったひと
をたすけに、ぶりぶりざえもんがあらわれるといわれています。
でも、ぶりぶりざえもんはしごとはできるけど、いつもいつもしごとをおえるとすくいりょうをとるので、
いままでつかったひとはけっこうこまっていました。

タバサは『どこのお国のお言葉でございましょうか?』と言いたげな目でそれを見る。
そりゃそうだ。いくら若くしてトライアングルとなった天才であるタバサといえども、日本の文字は読めない。
やがて、何かに感づいたようにしんのすけを見る。
「…あなたが?」
「お、やっとこっちを向いたゾ。それはオラの書いたごほん、ぶりぶりざえもんのぼうけんだゾ。」
そう言ったしんのすけはどこからか持ってきた羽箒でタバサの鼻をくすぐる。
「…!ふぁ…。」
「でもキミ、さっきから見てたけどなんかオラのともだちに似てるね。ボーちゃんって言うんだけど、
ボーちゃんもキミみたいに口数少ないし、表情をめったに変えないし、実は高い実力をかくしてるんじゃないの?」
一瞬ドキリ、とした。タバサはしんのすけのことは聞いていた。旗争奪戦のときも見学していたが、彼の技量ははかりしれない。
…このままだと自分の正体もバレるかもしれない。ていうか鼻をくすぐらないでほしい。
「もしボーちゃんがかわいい女の子に成長するとするならちょうどキミのようになるかもしれないよね。
でもボーちゃんにたとえるにはやっぱり足りない物があるよね。それはもちろん…。」
「くちゅん!!」

くしゃみした彼女の整った鼻から、鼻水がたれている。
「おおーっ!!はなみず!それもボーちゃんのと負けず劣らず立派な鼻水だゾ!!」
しんのすけは心からの感想を言う。すると、彼女の顔に少しだけ赤みがさす。
柄にもなく照れているのだろうか。
「ねえねえ!もしかして鼻水を器用に操る特技とかあったりするんじゃない!?」
言われるが速く、タバサの鼻水が円運動を始める。
そしてその場で急激に伸びる。リボンを回すように華麗に鼻水は舞う。
「おお~。ボーちゃんとほぼ互角!すばらしい腕前だゾ!!」
しんのすけはここでやっと彼女と意思疎通できてることに気づく。
「改めまして!オラは野原しんのすけ!気軽にしんちゃんと呼んでほしいゾ。
こっちはオラの相棒を務めるシロ!特技はチンチンカイカイ!
オラたちの最近のブームは!『何でも』我慢大会!!現在13勝10敗!どうぞよろしくだゾ。」
「…タバサ。」
「タバサ?そういう名前なの?わかった!じゃあオラそろそろぶりぶりざえもんのぼうけんの次回作執筆に
とりかからないといけないんで。またね!タバサちゃん!」
そうしてしんのすけとシロが去っていった。

「あらタバサ!鼻水復活してるじゃない!なに、それがないとバランスとれないって言ってたわね!」
去っていくしんのすけに一瞬目をやり、タバサの顔を見る。
「鼻水のよさが分かるらしい。なかなか見所がある。」
「あれって、ヴァリエールの使い魔の子よね?…へえ。面白い子ね。でももう例の騒動は
聞いているわよ…フフフ。」


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