あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

斬魔の使い魔02


 色々と騒がしかった儀式から一晩たった。
 カーテンの隙間から射し込む日の光が、豪華なベッドで眠りにつくルイズと、床に敷いたシーツの上で眠っている男を照らした。

「……ん?」

 ルイズの使い魔となった男――大十字九郎は目を覚ました。

 ここは何処だろうか? 周囲を見回す。

 見たことの無い石造りの部屋。
 豪華そうな調度品。
 まるでテレビで観た西洋のお城の一室のようだ。

 自分は何故ここに? 首を傾げる。

 そして唐突に記憶がフラッシュバックする。

 ――ブラックロッジ!
 ――クトゥルー!
 ――ヨグ・ソトース!
 ――マスター・テリオン!
 ――デモンベイン!
 ――アル!

「――!? そうだ、アルは……ぐっ」

 思わず上体を起こすが、全身に走る激痛に顔を歪める。
 それでも何とか立ち上がろうとしたとき、

「ちょっと、何やってるのよ!」

 突然かけられた少女の声に、九郎は目を向けた。
 視線の先には、気の強そうな少女がこちらを睨んでいた。

「…………アル?」
「アル? 誰よ、それ?」

 不思議そうな表情をする少女。
 アルではない、全くの別人である。

「あ、ああ、ごめん。人違いだった……」

 よく見ると、アルとは違う箇所がいくつもある。
 そもそも髪の色が違うし髪形も違う。
 さらに気の強そうな顔、小学生のような背の低さ、洗濯板のような胸……

(……あれ? 髪以外はそっくりじゃね?)

 ルイズは眉をぴくぴくさせ、

「何か、とっても失礼なこと考えていない……?」

 勘が鋭いところまでそっくりだ。
 このままではやばい。話題を変える。

「ああっと、ここは何処なんでしょうか? というか、おたくは誰?」
「ここはトリステインよ。そして、ここはかの有名なトリステイン魔法学院」
「トリステイン? それに魔法って……!?」
「そして私の名前は、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。貴方のご主人様よ」
「………………はぁ? ご主人様?」

 頭の中で、何故か見た目がコケティッシュな腹黒メイドの姿が浮かんだ。
 いつものように、ニコニコ笑いながらこちらをけなしている。ムカつく。

「何よ、さっきからボーとして」
「ここは地球……じゃないのでしょうか?」
「チキュー? 聞いたこと無いわ。何処の田舎?」
「――!?」

 これで確信した。ここは異世界だ。
 最初はマスターテリオンの罠かと思ったが、すぐにそれはないと結論付けた。何よりやる意味がない。
 目の前のルイズという娘も嘘をついているようには見えない。

 その後、いくつか質問をして、答えを得た。

『九郎はルイズによって召喚された』
『コントラクト・サーヴァントにより契約を交わし、使い魔になった』
『召喚されたとき怪我が酷かったので、水のメイジに治してもらった』
『ちりょーひがべらぼーにかかったよ♪ ふぁっきん♪』

 最後の言葉で冷や汗が出たが、とりあえずは自分に何が起こったのか大体理解できた。
 ようするに、マスターテリオンに止めを刺されそうになった瞬間、この世界に召喚されたようだ。

 おかげで九死に一生を得ることが出来たのだろう。
 と、最後に肝心なことを尋ねた。

「なあ、俺と一緒に女の子が召喚されなかったか? 見た目はお前ぐらいの」
「知らないわ。貴方しかいなかったし……って、何いきなりタメ口を聞いているのよ! それに『お前』とは何よー! ご主人様でしょー!」
「えー、でも、あの執事サンじゃないんだから、ご主人様と言うのはちょっと――」
「従わなかったら、ご飯抜き!」
「何なりとお申し付けください! ご主人様!」

 大十字九郎。
 食い扶持のためならプライドなど、カルコサのハリ湖にポイだ。



「ところで、その女の子って誰?」
「ん? アル・アジフって言って、俺の仲間だよ、じゃない、ですよ」
「ふーん、そういえば、最初、私と見間違えていたわよね。そんなにそっくりなの?」
「ええ、そりゃあ、もちろん。気が強いところも、背の低いところも、ペチャパイなところもそっくりで――」

 そこで九郎は気付いた。
 ルイズが俯いてプルプルと震えていることに。
 そしてルイズは何処からか鞭を取り出した。馬を引っぱたくような奴である。

「あ、あの……ご主人様……?」
「この……バカ犬――――――――ッッッ!!!」
「ぎょええぇぇぇぇぇっっっっ!!!」






(おまけ)



(感じる……お前は何処かで生きている……早く会いたいぜ……そうじゃないと)






「このバカ犬! バカ犬! バカ犬!」











「別の意味で感じてしまいそうだ……ぶへっ!」


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