あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

異世界BASARA-35


自分の部下を倒されながらも、自分の貴族としての権力を盾にして幸村を脅すチュレンヌ。
だが、そんな彼の背中に何か硬い物が触れた。

「何だ?こんな所に馬車など置いてはいないが…」
振り向いたチュレンヌは、自身の背に当たったものを見て固まる。
何というか…大きな足が自分の真後ろにあった。
そういえば…あの変態の表情が変わった時、心なしか自分の頭上を見ていたような…
それに何だか上から視線を感じるではないか。
振り返った姿勢のまま、自分の上を見上げてみる。


赤く光った目が、自分を見下ろしていた。


「………」ゴゴゴゴゴ…
「あ、あ、あの…どどどちら様で?」
チュレンヌはビクビクしながら自分の背後にいた忠勝に尋ねる。
「!!!」ウィーン、キュイキュイキュイ!
だが忠勝はチュレンヌの問いに答えず、彼を片手で掴み上げた。

『貴様等は虫ケラだ、貴族に刃向かう者は犬以下の虫ケラよ!』

忠勝の脳裏に、この男の言葉が木霊する。
彼はこの街に滞在し、そこに住む人々の生活を見てきた。
店を破壊した自分を、誤解とはいえ嫌な顔せずに置いてくれたスカロン。
スカロンや働く娘達と共に、店を切り盛りしているジェシカ。
そして、この街で生きている民…
きっと、このチュレンヌという貴族は自分がこの世界に召喚される前からこのような横暴を働いていたのだろう。
街の民が貴族に逆らえないのをいい事に…忠勝はそれが許せなかった。
だが、さらに許せないのがこの愚か者1人のせいで他の真っ当な貴族…自分の主までもが反感を持たれてしまうかもしれない事であった。
「…!…!!」プシュー!ギギギ!!
「ひいぃぃ!や、止め…苦しい!止めてくれぇ!」
それを考えると、忠勝の指に力が入っていった。
ミシ、ミシとチュレンヌの体が軋み始める。


「タダカツ!止めなさい!」


あわやチュレンヌの骨をバラバラにしかねない忠勝を止めたのは、なんとルイズであった。
「そんな男殺しても、あんたの得になる事は何一つないわよ」
「………」ウィーンピピピ…
ルイズの言葉を黙って聞いていたが、忠勝はチュレンヌを地面に置いた。
地面に置かれたチュレンヌは急いで忠勝から離れる。
そのチュレンヌにルイズは紙を一枚手渡した。
「な、何だこれは?」
「読みなさい」
ルイズに言われ、渋々と読み始める。すると、紙に書かれた内容を読んでいたチュレンヌの顔が蒼白になっていった。
「こ、これはまさか…王室の…!!」
「そうよ。ようやく自分のやった事の重大さが理解できたかしら?」
勝ち誇ったようにルイズが言い放つ。
一方のチュレンヌは汗をダラダラ流し…




「も、も、申し訳ありませぬうううぅぅぅぅっ!!」
地面に頭を擦り付けて謝り始めた。
「いい事?これからは今までの行いを改める事。それから…ここで見た事聞いた事は全て忘れなさい!」
「そ、それはもう!」
チュレンヌはヘコヘコと頭を下げると、懐から袋を取り出した。
「こ、これはその…迷惑料という事で…すみませんでしたぁ~!」
その袋を置くと、チュレンヌは脱兎の如く逃げていった。
それに続き、店で倒れていた部下達もフラフラと逃げていく…

「凄いわルイズちゃん!」
「あの下品なエロガッパを凹ませるなんて!」

チュレンヌが去っていた後、ルイズは従業員の娘達に囲まれ、褒めちぎられていた。
ルイズは顔を赤らめて満更でもない表情を浮かべている。
だが、ルイズとは打って変わって不安な顔をしている者がいた。
まだ女装ををしていた幸村である。
「…ルイズ殿、よろしいのか?拙者等の素性が知れてしまったが…」
と、ルイズやジェシカ、娘達がきょとんとした顔になる。
いきなり皆の表情が変化したので、幸村は一瞬たじろぐ。
その幸村にジェシカが呆れるように言った。

「何言ってるのよ、皆とっくに感づいていたわよ?」

「な、何と!そんな馬鹿な!何故でござるか!?」
ジェシカの言葉に幸村は驚愕する。
驚いている幸村に、ルイズはムスッとした顔で近づいてこう切り出した。
「あんた、私の事をなんて呼んでた?」
「何を…拙者はちゃんと“ルイズ殿”と…」

ここで…幸村はこの店に来た時の事を思い出した。

『ルイズちゃんはね、お父っつぁんの博打の肩に売り飛ばされそうになった所を、“お兄さん”と町まで逃げてきたのよヨヨヨ…』

で、幸村は「ルイズ殿」と呼んでいた…つまり…

「……あ……」
「あんたのせいで最初からバレてたのよ!このバカムラァーー!!!!」
「申し訳ありませぬ!申し訳ありませぬうぅぅーー!!」
「フンッ!」

幸村は地面に頭を擦り付けてルイズに謝る。
それは…ついさっき繰り広げられた光景にも見えた。
「ユキムラちゃん、ここは従業員の事情に深く追求しない店だから安心しなさい♪」
「あのスケベにはほとほと困ってたからねぇ。それに…大金も手に入ったしね」
そこへ助け舟を出したのがスカロンとジェシカだった。
ジェシカはチュレンヌが置いていった袋を弄ぶ。
「これだけあれば、ボブちゃんが壊した屋根の修理代を差し引いてもお釣りがきちゃうわよ♪」
「!!」ギュオーン!
忠勝はスカロンの言葉ではっとした。
修理代を返せるという事は、学院に…主のいる場所に帰る事が出来るのだ。
「さぁさぁ妖精さん達!まだ閉店には時間があるから戻って♪」
「「「「はい!ミ・マドモワゼル!」」」」
スカロンが手を叩くと、娘達は元気よく返事をして店内に戻って行く。


「タダカツ」


自分も店の裏で待機していようとしたその時、ルイズが忠勝を呼び止めた。
「明日学院に戻る前に、私達と一緒に来て頂戴」
「…??」キュイィ、キュオーン?


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