Hello! The different world!
「はじめまして! 僕タチコマ!」
激しい爆音と共に現れた青い蜘蛛のような形をした物体は姿を見せるなりそういった。
「あれ? ここどこ? えーと君は誰?」
周囲に立ち込める煙が晴れるなりキョロキョロと辺りを見回すようなしぐさをする。
ルイズはタチコマの一方的な自己紹介に少し驚き硬直してしまったがすぐに立ち直り口を開く。
ルイズはタチコマの一方的な自己紹介に少し驚き硬直してしまったがすぐに立ち直り口を開く。
「あんたこそ何なのよ!」
タチコマと名乗った青い物体に怒鳴るものの無視されてしまった。
「あーっ!」
ルイズを無視した青いタチコマはキュルケがいる方に向かって叫んだ。するとキュルケの方からも青いタチコマと同じ声がした。
「あれ? 何で僕はここにいるのかしら? それに何処も壊れていないし…」
キュルケのそばにいたのは黄色いタチコマだった。青いタチコマは黄色いタチコマに走って近づく。ルイズもそれを追いかける。
「僕たちどうしちゃったんの?」
青いタチコマは黄色いタチコマに話しかけた。
「わからないよ。 けど僕たちはバトーさんを助けて死んじゃった……いや壊れたはずだよね」
黄色いタチコマはそう答えた。
「あんたたち! わたしを無視するんじゃないわよ!」
だけど二体のタチコマはルイズを無視する。
「ヴァリエール…あなたもあたしと同じ使い魔召喚したのね」
興奮して顔を真っ赤にしているルイズにキュルケが話しかけた。
「何よキュルケ」
文句あるのとでも言いそうな目でキュルケを睨む。
「ルイズ、あなた契約したの?」
睨みつけるルイズに少し呆れながらもキュルケは話を続ける。
「まだよ…。だって話を聞いてくれないもん」
口を尖らせるルイズ。
「そうなの…。実はあたしもまだ契約していないのよ」
そいったキュルケに少し驚きながらもルイズは言葉を返す。
「何で?」
キュルケは溜息を吐きながら端的に答えた。
「口が…どこかわからない」
その言葉にルイズは二体のタチコマを見る。
「もしかしてここがタチコマの楽園?」
「う~ん…。それは違うと思うな。だって僕たち以外にタチコマがいないし、第一ここにいる人たちは誰何だい?」
「まさか天使とか…」
「そんな非科学的なことあるわけないじゃないか」
「そうだよね」
「う~ん…。それは違うと思うな。だって僕たち以外にタチコマがいないし、第一ここにいる人たちは誰何だい?」
「まさか天使とか…」
「そんな非科学的なことあるわけないじゃないか」
「そうだよね」
何やら話が弾んでいる二体のタチコマ。どこから声を発しているのだろうか。
「どうしよう?」
まさか呼び出したものの契約できないのだろうか。ルイズはちょっぴり涙ぐむ。
「君達、早く契約をすませなさい」
そこにコルベールが口を挟む。
「残りは君達を含めて三人だけだ」
三人? わたしとキュルケとあと一人は誰? ルイズはキョロキョロと辺りを見回す。
「ゼロのルイズと同じ使い魔!?」
そこには灰色のタチコマ…蜘蛛に例えるならばちょうど腹にあたる部分のないタチコマを従えたモンモランシーが悲鳴のような声をあげる。
そしてタチコマは…
そしてタチコマは…
「「「アーッ!」」」
盛大に驚いていた。
「ふむ、三人ともしゃべるゴーレムかね? 実に興味深い…。おっと君達、早く契約をすませなさい」
契約を急かせるコルベールにルイズは反論する。
「ミスタ・コルベール! こいつらの口がわかりません」
それを聞いたコルベールは少し考え込む。
「とりあえず口と思われるところにそれぞれしなさい」
そう言われた三人は彼女達が召喚したタチコマたちの前にそれぞれ立った。
「あれ? 何かよう?」
「ここってどこなの?」
「ねえ君誰?」
「ここってどこなの?」
「ねえ君誰?」
彼女達は思い思いの場所に口付けをした。
「君、何してるの?」
「僕知ってるよ。これってキスって奴だよね」
「ということはこの人たちは機械フェチ?」
「僕知ってるよ。これってキスって奴だよね」
「ということはこの人たちは機械フェチ?」
三体のタチコマは一歩後ずさる。するとそのうち青いタチコマに異変が訪れた。
「ああー見て見て! 僕の左のマニピュレーターに模様がある!」
「あ、本当だ」
「いいなぁ~かっこいいなぁ」
「あ、本当だ」
「いいなぁ~かっこいいなぁ」
それを見届けたコルベールは満足気に頷いた。
「無事に契約できたようだな。さて皆学院に戻るぞ」
その言葉に促され生徒たちは宙に浮いていく。その光景を嘆息しながら見詰めるタチコマたち。
「CG?」
「いやワイヤーアクションだろ?」
「無駄にすごいよね」
「いやワイヤーアクションだろ?」
「無駄にすごいよね」
何やら間違った感想を持つタチコマたちだった。
ルイズたちも学院に戻らなくてはならない。キュルケが先立って口を開く。
ルイズたちも学院に戻らなくてはならない。キュルケが先立って口を開く。
「ちょっとあなた、少しいいかしら? そこの黄色いの」
黄色いタチコマはキュルケに向き直る。
「なになに?」
「あたしの名前はキュルケよ。あなたは今日からあたしの使い魔。よろしくね」
「あたしの名前はキュルケよ。あなたは今日からあたしの使い魔。よろしくね」
そういってウインクをするキュルケだったが黄色いタチコマは無視した。
「ねえ君。スタイルいいよね。少佐とどっちがすごいかな?」
やたらセクハラ地味た言葉にキュルケの顔は引き攣った。
ルイズも負けじと青いタチコマを呼ぶ。
ルイズも負けじと青いタチコマを呼ぶ。
「青いの! あんたよあんた! いい?今日からわたしの使い魔になるんだから光栄に思いなさいよね!」
小さな胸を張って威勢よく告げるルイズ。ここでもタチコマは冷静に告げる。
「使い魔? 君何言ってるの?」
「知ってるよ。さんそけつぼーしょーとかいうやつだよね?」
「それは違うと思うよ? まあともかく冗談はその胸だけにして…」
「知ってるよ。さんそけつぼーしょーとかいうやつだよね?」
「それは違うと思うよ? まあともかく冗談はその胸だけにして…」
それを聞いたルイズはわなわなと震える。
「ムッキー!」
怒りに身を任せルイズは杖を振る。そして訪れる激しい爆発に青いタチコマは吹き飛ばされる。
「うわ! ロボット虐待!」
「機械にも愛を!」
「機械にも愛を!」
生き残った二体のタチコマは騒ぎ立てるがルイズに睨まれ黙り込む。
「えーと…灰色の君? 今日からわたしの使い魔になるんだけど…」
「うん!よく分からないけどいいよ!」
「うん!よく分からないけどいいよ!」
モンモランシーに話しかけられ、吹き飛ばされては堪らないと即答した灰色のタチコマだった。
一方吹き飛ばされた青いタチコマはギーシュを下敷きにしていた。
「んもう~全く酷いんだから…」
青いタチコマはギーシュの上から飛びのく。するとギーシュを心配するかのようにソバに寄り添う四角い物体がある。
「ジェームスン社長!」
驚いて思わず声を上げた。そしてそれを聞きつけた二体のタチコマが飛ぶようにやって来た。
「わー社長だ~」
「久しぶり~」
「久しぶり~」
ここに三体のタチコマと少女達の物語が幕を開けた。ついでにギーシュとジェームスン社長の物語も……。