あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

ゼロと聖石-13


脱出艇が無事にラ・ロシェールに付き、安堵する間も無くシルフィードを王都に向けて飛ばす。
その道のりでふと思う。
シエスタのサジタリウス然り、アルビオンの宝物庫にあったアクエリアス。
そして私のヴァルゴ。
もしかして、これら聖石以外もなにかこちらの世界に来ているのかもしれない。
たとえば、アルテマの知識にある旧文明の遺産とか。
なーんて、そんなわけ無いか。

若干気楽に考えつつ、シルフィードの上から景色を楽しむのだった。



一方そのころ学院では。

「これは、一体?」
「へぇ、畑から出てきたんでさぁ。何か分からないから調べてくれんかのぉ」

コルベールの前に転がっているのは巨大な鉄球。
所々に穴が開いていたり突起が出たりしている。
近くある農村の畑から掘り起こされたものを解析の為に持ち込まれたものだ。

杖で叩くと金属独特の音が響きわたる。
かといって鉄のような音はしない。
ためしにフレイムボールを当ててみるが、焦げ目一つ無い。
大丈夫なのか? と触ったこっちが手のひらを火傷してしまう有様だ。
畑から掘り起こす際にクワで思いっきりぶつけたが、クワのほうが折れたと言っている。
すなわち、鉄以上に硬い物質ということになる。
私はそんな物質を見たことが無い。

ふと気になって、窪みの一つをよく見てみる。
どこかで見覚えのある模様がペイントされている。

どこかで見覚えのある記号―――
思い出した、ミス・ヴァリエールの召喚した石だ!
そう思った瞬間、彼はこの鉄の塊を研究室に運ぶように指示しておいた。



あらかじめ情報を収集しておいたので、王宮上空の飛行禁止を知ることが出来た。
もしもシルフィードで飛んでいったら最悪撃墜だろう。
城の入り口で身分と謁見理由を尋ねられたので、素直にヴァリエール家の三女、「手紙の件」とだけ伝えておいた。
アンリエッタ様ならそれだけで謁見を許可するだろう。
案の定、謁見許可が下り、私だけが部屋へと案内される。

「待ってください、ルイズ様。皇子様は名誉に殉じたと、お伝えください」

分かっている。
私が眠らされている間にそんなやり取りがあったのだろう。
ウェールズ様は、シエスタに誇りを託したのだろう。
本来なら私ではなく、シエスタが伝えるべき言葉を噛み締める。

「必ず、伝えるわ」

待合室に皆を待たせ、私は謁見室へ向かった。

「そうですか、あの子爵が裏切り者でしたか…」

アンリエッタ様に事のあらましを説明する。
ラ・ロシェールの奇襲、ウェールズ様との会話、そしてワルドの裏切り。
全て語り終えた後、アンリエッタ様は深くため息を付いた。

そして、私は手紙と風のルビーを渡す。
さまざまな思いの篭った指輪と手紙が、思いを届けたい人の下へと渡った。

「ウェールズ様は名誉に殉じたと。この場には居ない、一人の騎士が受け取った最後の言葉です」

この思いも、彼女の元へと還っていった。
この言葉を彼女がどう取るかは、全て彼女しだいだ。
私に出来ることは無い。
一礼し、机の上に水のルビーを置こうとして、止められる。

「それは貴女が持っていてください、ルイズ。私が貴女に与えられるのはそれだけですから…」

断ろうとしたが、押し切られてしまったので結局持って出てきてしまった。
待合室に戻るとシエスタが真っ先に駆け寄ってきて、伝えられたかどうか聞いてきた。
間違えることなく伝えたといって、待合室を後にした。

ギーシュが僕のことは話していたかい? と聞いてきたので片鱗すら出なかったと言っておいた。
灰になっていたが気にしない。



ミス・ヴァリエールはオールド・オスマンからの指示で公欠扱い。
同じような石を持っているシエスタも同じく休暇扱い。
いきなり八方塞がりだ。
聖石にどこまでの力があるか知らないが、これに取り付けたらどうなるのだろうか?
いや、その前に私の魔力で動かせないかどうか調べてみよう。
杖を模様部分に当て、全力で魔力を注ぐ。
血管が、浮き出るくらいにまで全力を費やす。
超えろ、コルベール! 自らの限界を超えるんだ!!
ぬずうぉりゃああああああああああ!!!

動き始めた!
球体が震え、内部に格納されていた何かが飛び出す。
足だ、するとこれはゴーレムだったのか!
これは大発見だ!!
と思った瞬間に緊張の糸が切れた。
魔力が完全に切れ、全身から力が抜ける。
恐る恐るゴーレムの方を見やると、止まっていた。
球体から足を生やした状態で。
それを見て思わず笑ってしまう。
このゴーレムは一体どんなものだろうかと、期待に胸を膨らませつつ。


さすがにシルフィードの移動速度は速い。
あっという間に学院に到着。
シルフィードを撫でてやり、オールド・オスマンに経過報告をしに行こうと思った瞬間、

「ミス・ヴァリエール! シエスタ君!」

人型の輝く物体、コッパゲが接近してきた。
いや、コルベール先生だ。
全体的にくたびれてる様に見える。
というかいつもより頭の輝きが薄い。

「ぜひとも見てほしいものが! 急いで来てください!」

私達はそのままコルベール先生に引きずられていった。
キュルケは一眠りするといい、ギーシュはモンモランシーに会って来ると言って別れ、ついてきたのはタバサだけだった。

コルベール先生の研究室は一言で言うと、臭い。
カビとか埃とかそういったものが発する臭いだ。
あたりには秘薬や標本などが散らかっており、いかにもズボラな人の部屋といった感じだ。

そして、その部屋の中央にある奇怪なオブジェ。
球体に足を生やしたような不思議な物体。

「見てほしいのはこれなんだ。魔力を動力とするゴーレムらしいのだが、私の魔力を費やしても動かせなかった」

そのことに興味を持ってタバサが観察をしている。

「模様が刻まれている窪みに杖を当てて、魔力を込めると動くのですが―――」

タバサが魔力を込めると、軽く震えるように動き始めるが、それ以上の変化は無い。

「このように、並大抵の魔力では動かないんだ。どうも調べてみると君の召喚した石が関係あるようだが…」

私はその模様を見ようとして、聖石がいきなり煌いた。
それも、強力な魔力を放って。
窪みの模様と聖石の模様は違う。
ためしにはめてみたが、反応は無かった。
それを見て、シエスタが近づくと、胸元からより一層激しい魔力波と光を発する。
ただ、それはシエスタの持つ聖石の緑ではなく、淡い水色。
胸元からシエスタが聖石を二つ取り出す。
一つはいつもの緑色の聖石、もう一つは淡い水色の聖石。

「ウェールズ様からいただいたアルビオンの聖石、アクエリアスです」
私にその聖石が渡される。
私がはめろという意味か。
窪みに聖石、アクエリアスをはめる。

周囲にまぶしい光を放ちつつ、足だけのゴーレムから手が生え、頭が出てくる。
ずんぐりむっくりした体を動かし、余剰魔力を光として排出する。

そこに立っていたのは、旧文明の遺産、鉄のゴーレムだった。

「システム セットアップ カンリョウ! カクブ イジョウナシ!」

いきなり平坦で微妙に抑揚の無い声で喋りだした。
これは魔力の充電を終了したという合図なのか?

「ゴメイレイヲドウゾ、ゴシュジンサマ!」

コルベール先生は狂喜乱舞しながら各部を観察している。
タバサはコルベール先生と共に観察しているが、落ち着いている。

「ルイズ様、何か命令を出してみては?」
「そうね……踊ってみなさい!」

その言葉にコルベール先生がずっこける。
タバサもこっちをアホの子を見るような視線だ。

「み、ミス・ヴァリエール、その命令はいくらなんでも」
「でも踊ってる」

タバサの発言にゴーレムを見ると、確かに踊っている。
命令を聞く、ガーゴイルに近い特性を持つマジックアイテムなのか?
しかし、それだったらなぜアレだけの魔力を蓄えた聖石が動力源なのか?
疑問は尽きない。

「でも、このゴーレムって強いんでしょうか?」
「ワタシハ トテモ ツヨイデス!」

強いと自己申告されても、正直反応に困る。
自称強いにろくなものがない。
だから、いたずらの意味も込めて、

「コルベールをやっつけろ☆」
「ル、ルイズ様、いくらなんでもそれは」

「リョウカイシマシタ! タイショウ コルベールヲ ショリシマス!」

へ? と思うのもつかの間。
胴体から大砲が三門せり出し、コルベール先生に向かって魔力の光を放つ。
着弾、爆風。
爆煙が消え、そこには倒れ伏しているコルベール先生。
シエスタは顔を青くし、タバサは冷静に今の攻撃を解析している。
私はというと、

「わーっ! フェニックスの尾! フェニックスの尾!!」

慌ててフェニックスの尾を道具袋から取り出すのだった。

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