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男達の使い魔 第五話

無事に土くれのフーケから宝物を取り戻したルイズたち一行は、オスマンに報告を済ませていた。
一通り報告が済んだ所で伊達が尋ねた。

「オールド・オスマン。一つ尋ねたい。あの旗をどこで手に入れた。
 あれは俺達男塾塾生にとっては、命よりも大切な魂を預ける旗だ。」

「そうか。やはりあれは君達のじゃったか。」

「説明したいことがあるから、宝物庫の前に君の仲間達とシエスタを集めてくれんかね。」

男塾の塾生だけでなく、メイドのシエスタまで集めろというオスマンの意図は分からない。
しかし、ここは素直に従うことにした。

宝物庫の前に全員が集まったのを確認したオスマンは、鍵を開けると、ついて来いと短く言って、宝物庫の中に入っていった。
宝物庫の中には様々なものがあった。
一目で宝物であると分かる豪勢なもの。
傍目には何に使うのか分からない奇妙なもの。
そのどれにも共通しているのは、大切に扱われ、磨き抜かれているということだ。
この威容にみな黙り込む中、オールドオスマンはゆっくりと語りだした。


およそ50年前、オールド・オスマンは立ち寄った村で炎を操る韻竜と戦っていた。

路銀が尽き、行き倒れかけていたオスマンは、ある村人に助けられた。
彼の名は佐々木武雄。
本人もこの村人に拾われた、という彼は、この村に来て10年になるという。
三年前にはとうとう結婚し、娘も授かった彼は、もはやここに骨を埋めるつもりであるという。
ただ心残りはある。
そう言って彼は自宅の倉庫にオスマンを案内した。
とても平民のものとは思えない巨大な倉庫には、三つの物があった。

「一つは伝説の杖、一つは伝説の旗。ここまでは君達も知っての通りじゃな。」

その言葉が全員に染み渡るのを確認したオスマンは、壁の一角を押した。

ズズズ

すると、壁が動きだした。
その事態に、一年の時に見学にきたルイズたちも驚きを隠せない。
その様子を満足そうに眺めたオールドオスマンは、まるでいたずらっ子のような笑いを浮かべる。

「ここから先はわししか知らぬよ。」

そうして表れた入り口をくぐり、オスマンは階段を下りていった。
その階段は広く、そして長かった。
聞けばこの階段は、オスマンが自分の手で作り上げたという。
これ程の回廊を一人で作り上げたというオールド・オスマン。
その魔法の腕前はいかほどのものか。

「そうして最後の一つはこれじゃ!」

そうしてオールド・オスマンは己が杖で指し示した。

そこには、ある戦闘機が鎮座していた。
零式艦上戦闘機、通常ゼロ戦である。

佐々木武雄はオスマンにこう語った。
これらは自分が預かったものだ。
命にかえても、自分は江田島にこれを返さねばならない。

それほどまで覚悟をしてまで返さねばならぬそれは一体どれほどの価値が?
そう問うたオスマンに、その男はゆっくりと首を横にふった。

モノとしての価値はそれほどはない。
ただ、これらには、数多くの男達の命が込められている。
それを正統な後継者に渡さぬうちは死んでも死にきれんよ。

そう言って佐々木武雄は誇らしげに宝物を見上げた。

この人物に興味を覚えたオスマンはしばらくその村に滞在することにした。
村人は、当初いかにもメイジ、といった格好をしていたオスマンに対して一歩離れて接していたがすぐに慣れた。
いかにもエロジジイそのもの、という行動をとるオスマンに対して、扱いが雑になったともいう。
しかし、その穏やかな日々も長くは続かなかった。

ある日、村人が竜を狩ってきたのだ。

竜の鱗は大変な高値で取引されている。
傭兵達からは、貴族の魔法でさえも防げる防具のもととして憧れの的になっており、貴族達からは、大変貴重な魔法薬の材料として人気がある。
しかも、ほとんどの竜は大変おとなしく暮らしており、人間の領域に降りてくることなどほとんどない。
一頭の竜の鱗で、小さな村の全員が一年間遊んで暮らせることすらあるのだ。
そんな竜を見つけた村人が思わず狩ってしまうのは仕方のないことだ。
オールド・オスマンも特にその行動に何か言うつもりはなかった。

その竜が韻竜の子供でさえなければ。
最悪と詠われる火竜の子供でさえなければ。

一早く事態に気がついたオスマンは村人を非難させるべく動いた。
しかし、相手は火韻竜。空の王者である。
空を飛ぶ速度こそ風韻竜に一歩及ばぬものの、そのブレスは圧倒的な威力を誇る。
スクウェアクラスの炎ですら及ばぬそれは、一説によるとエルフですら燃やし尽くすという。
事実、たった一度のブレスで村は焼き尽くされた。
水の防壁を作り出したオスマンであったが、それで助けることができた村人は少ない。
その中に佐々木武雄の娘はいたが、本人は炎に飲み込まれていった。
残った村人を逃すべく、火韻竜に対峙したオスマンだったが、その姿には死を覚悟した。
空高くよりブレスで攻撃してくる火韻竜が相手では、対抗手段がないのだ。
せめて、空を飛ぶ幻獣がいれば。
オスマンが歯を食いしばったその時だ。
東の空から急降下してきたゼロ戦が火韻竜を襲ったのだ。

ダダダダダッ!

オスマンが聞いたことのない爆音が響き渡る
その直後、火韻竜が悲鳴をあげながら地面に墜落する。

(やれ!オスマン!)

オスマンは確かにその台詞を聞いた。

全ての力を魔法にかえるべく詠唱を始めた。
火韻竜が再び空に飛び上がったならば、オスマンに勝ち目はないのだ。

(この一撃で仕留める!)

そう強く念じたオスマンは、最強の奥の手を切った。
水の六乗、アブソリュート・ゼロである。

オスマンの突き出した両手から全てを崩壊させる絶対零度の冷気がほとばしる。
それに気づいた火韻竜はブレスで相殺しようとするが、もう遅い!

原子の動きすら止められた火韻竜は、粉々に砕け散り、風に消えていった。

火韻竜を屠ったオスマンは着陸したゼロ戦に歩いていった。
恩人に礼を言おうとしたのだ。
しかし、そこには……


「火韻竜のブレスに全身を焼き尽くされておっての。生きているのが不思議なくらいじゃった。
 ただ、愛する家族を守る、そして友との約束を守る、その思いが彼を支えておったのじゃ。」

「そんなわしに気がついた彼は、家族の無事を知ると、わしに一つだけ頼んできたのじゃ。」


「俺はもう助からぬだろう。頼むオスマンよ。いつか必ず江田島かその縁の者がここに来るはずだ。
 あいつはそういう男だ。俺は知っている。
 だから、その時までこれを預かっていてくれないか。」

オスマンは男の手を力強く握った。
それに安心したのだろう。
男は、最後に娘をなでると、笑みを浮かべて死んだ。

「その娘こそお前の祖母なのじゃよ、シエスタ。」

シエスタは驚くと同時に納得していた。
タルブの村の村民に過ぎない自分の後見人がオールド・オスマンであることは知っていた。
しかし、一介のメイドに過ぎないシエスタがオスマンに会う機会など、ほとんどない。
なぜオスマンほどの人間がそこまでしてくれるのか、今まで分からなかったのだ。
しかし、これで納得した。

オスマンは続ける。

「その夫である邪鬼殿こそ、彼の志を受け継ぐ者ではないか。
 一度そう言って邪鬼殿と話したことがあるが、彼は断ってのう。
 何でも

 『もはや自分はこの世界の人間だ。この魂を受け継ぐわけにはいかぬ』

 と言っておったのう。」

そう言って、オスマンは周りを見渡した。
桃がみなを代表するかのようにオスマンの前に進み出た。

今日はフリッグの舞踏会。
学院にはどこか浮かれた空気が漂っている。
みな楽しみにしているのだ。


「しかし、みんな着飾って楽しそうじゃのう。」

「まあ、わしらには合わんよ。」

「俺達にはダンスよりも盆踊りの方が似合ってるぜ。」

「贅沢言うんじゃねぇ。わしらにだって、ホレ。」

そう言って田沢が顔で指し示す。
そこにはメイド服を着たシエスタが立っていた。
本来ならフリッグの舞踏会の給仕として借り出されているはずだが、特別に許可をもらってきていたのだ。
ここ、男塾「新男根寮」では、みな忙しそうに動き回っていた。
田沢や雷電が中心になってゼロ戦を整備している。
一方、秀麻呂などは幻の大塾旗を磨いている。
彼らには、パーティなどよりも優先すべきことがあるのだ。
そう言うものの、慣れたとはいえ、女性が一人もいないのは寂しいものだ。
この男塾の皆に違和感なく入り込める、「綺麗な」女性はダイヤモンドよりも貴重なのだ。
枢斬暗屯子などは論外である。

誰かが玄関を開ける音がした。

「まったくあんた達、相変わらず男臭いわねぇ。」

ルイズが立っていた。

「フッ。舞踏会はどうしんだい。」

その光り輝くようなドレス姿に誰もが言葉を失う中、桃がいつも通りに声をかけた。

「ふん!あんな、ドレスを着るだけで態度まで変わるような男達なんて、こちらからお断りよ。
 それに、女っ気のないあんた達を哀れんでここに来てあげたのよ。感謝しなさい。」

「ハーイ!私達もいるわよ。それにしてもあんた素直じゃないわねぇ。」

キュルケとタバサも顔を出す。
ルイズがその言葉に噛み付く。
空気が一気に華やかになった。
誰もが笑顔であった。

男達の使い魔 第五話 完


NGシーン 番外編

雷電「ま、まさかアレは!」

虎丸「知っているのかアレは!」

雷電「間違いない!あれこそ中国において四千年前より伝わる……



   もってけ陸軍服(がくらん)!」


「わしが男塾塾長江田島平八である!」

力強い声があたり一面に響き渡ると同時に音楽が開始した。
前を見ると、いつのまにか松尾たち塾生が後ろで手を組み整列している!

「押忍!斉唱させていただきます!

 日本男児の生き様は!」

朗々と男塾塾歌が流れ出すなか、ステージ上に二人の男が現れた。
一号生筆頭 剣桃太郎
二号生筆頭 赤石剛次
である。

二人は、押忍!と短く叫ぶと斉唱にあわせて見事な剣舞を披露した。

「嗚呼男塾 男意気 己の夢を魁よ」

とうとうさびの部分に突入したところで、身長10メートルはあろう男が登場した。
三号生筆頭 大豪院邪鬼である。

「続け!」

男がそう叫ぶと、皆一様に踊りだした。
なんと表現すべきかまったくわからない。
ただ、
ttp://jp.youtube.com/watch?v=9pm4FGH3r5A
な踊りであった。
そうして舞台は幕を下ろした。

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民明書房DVD社
「もってけ!陸軍服(がくらん)」
(監督:平賀才人)

  ~完~



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