あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

ブレス オブ ファイア 0 中編

『ははは、逃げずにやってきたことだけは褒めてやろう!!』
『……スピリチュアル』
『げ、げぇーーッ!!ど、ドラゴンだってぇーー!?ギーシュ、逃げろ!!』
『うわーもうだめだー』
『ギーーシューーーー!?』

『残念だったな、オメェみてえなヒョロイのに振るわれる気はねぇぜ!』
『試し切りをさせてもらうぞ』
『あっ、オメ、聞いてねぇな!って、おでれーた……おめ、人間か?』
『それが気に入ったの?そんなのよりこっちの綺麗な剣にしなさいよ』
『うっせ、娘っ子!……なあ、お前さんそんなに俺を気に入ったのか?よしわかった、俺を買え!!
 使い手もこねーし飽き飽きしてたんだ、これからよろしくな兄ちゃん!!デルフって呼んでくれや!!』

『苦労して盗んだと思ったらただのボロ剣だってぇ?っち、期待はずれもいいとこだよ、何が神殺しの剣だい!
 もういい、あたしのゴーレムでお前ら全員ふみつ……』
『サーペント』
『ほあーーーー!?』
『きゅいきゅい!素敵なのね!!おっきぃのね!!ひゃん!寒いのね!!きゅいきゅい!!』
『……喋っちゃダメだってば』

『フハハハハ!このような狭い空間では変身もできまい!!彼女も巻き込んでしまうからな!!』
『デルフ』
『応よ!初めて名前呼んでくれたな兄ちゃん!!兄ちゃんは全く俺を使わねぇからな……』
『人の身となった竜に何が出来るというのだ!遍在に囲まれて死ぬがい……消えた!?
 ぐわぁああ!!い、一瞬にして斬りつけたというのか!?』
『まだだ』
『なぁッ!?のああああ!!見えん!!何故見えんのだ!?先住魔法か!?』
『テメーがノロマなだけさね。なぁ兄ちゃん』
『ふむ』
『ぎょぇあああああ!!』

『ウェールズ、傷は浅いぞ!』
『ふふ、君も声を荒げる時があるんだね。ロン……君は、ヒトは醜く、汚い生き物だと言ったね?それは真実かもしれない。
 しかし私は、人はそんなに汚れていないと、そう思うのだよ』
『……ああ、そうだな』
『はは、よかった。君は不思議なやつだなぁ。君のほうがよっぽど王の器に……くっ、ごふッ!
 うっ、く……ああ、できることなら最後に、一目だけでも……アン、リ……愛、して――――――』
『うぇーるず、さ、ま……?』
『……行くぞ、ルイズ』

『姫様、ウェールズ皇太子は……』
『そうですか……殿方って勝手ですね。残される者の想いなど、考えていないのでしょうね』
『……ウェールズは最後、お前のことを愛していると言って、死んだ』
『そう、ですか……本当に、殿方って、かって……ひぐっ、ううッ――――』
『姫様……』

『で、これが竜の羽衣なわけね?』
『そうです!おじいちゃんはこれに乗って飛んできたんですよ』
『こんな鉄の塊りがホントに飛ぶの?』
『……多分、ですけど』
『まあ、ロンには必要ないわね。普通に飛べるし』
『はぅあ!?も、盲点でしたー!』

『共に往きましょうロン、背中を貸して。今度は嫌だなんて言わないわよね?』
『ああ、そうだな。俺はお前の使い魔だから、な』
『え?い、いいい今、何て?』
『何でもない』
『ちょ、待ちなさいよ!!』

『ディヤァアアアア!!タイラントォオオ!!』
『うひょー!すげーぜ兄ちゃん!高ぇーー!!怖ぇーー!!こらおでれーた!!』
『集中できないから黙ってなさい、唯でさえ空気薄いんだから』
『いやだってな、オレ全然使われないからいい加減寂し、ってヤメテーー!鞘に入れないで、アッ――――』
『高度を上げる、同時に仕掛けるぞ』
『エオルー・スーヌ・フィル・ヤルンサクサ……』
『――――ダーク・パニッシュ!!!!』
『――――エクス・プロージョン!!!!』

『は、はは、ハはハハは!圧倒的じゃあないか!やはり君の力は世界を掴むことができるのだよ!
 ルイズゥゥゥゥ!!――――――――』
『さよなら、ワルド……』

『ウェールズ、お前は苦しんでいるのか?』
『ちょっとダーリン、まずいわよあの竜巻!!』
『こちらも同じ事をやればいい。タバサ、キュルケ、魔力を流せ。重属魔法を仕掛ける』
『ええ!?だからそれは王族じゃないと……』
『彼ならできる』
『タバサ!?……ああん、もう!!わかったわよ!!』
『兄ちゃんは魔法まで使えるのか、いやドラゴンの魔法だから先住魔法だな!すげぇ、力が集まって、うおっまぶしっ!』
『テラ・ブレイク!!』
『え?え?ふぇええええ!?』
『すごい。想像以上』
『……やりすぎじゃね?姫さん生きてんのか……?』

『この始祖の祈祷書って……』
『初代ミョズニトニルンによって作成されたものだろう。始祖の言葉を書き留めた形式なのだろうが、
 書き手が都合のいいように改竄した可能性もあるな。異教に奪われし聖地を取り戻すべく努力せよ、か』
『いったい、何故?』
『ヤツの臭いがする。腐ったヒトの臭いだ。ふん、読めたぞ。第四の使い魔。
 ブリミルに向こう側から召喚された生物を素材に使ったか、こちらで召喚された生物を使ったか、あるいは――――』
『何?聞こえないわ、なんて言ったの?』
『……いや、何でもない』

『では何故、私の村は焼かれたというのだ!?』
『火を放つ、という事は消し去りたい何かがあったという事だ。それが人であれ、物であれ、他の何かであれ……』
『貴様の同類のせいで村は焼かれたんだろう!!貴様と同じ化け物が潜んでいたせいでッ!!』
『ならば、お前の手の内にあるその剣で、この身を貫くがいい。
 その剣は、うつろうものがうつろわぬものにせめて一噛みと、磨いた牙だ。その牙で、殺せ』
『うるさいッ!やはり貴様は化け物だ!人の気持が解らぬ化け物だ!!私に貴様を殺せと言うのか!?この私に!貴様を!!
 出来るわけがないだろうが!!この化け物め!化け物め化け物め化け物め――――ッ!!』
『アニエス……』
『ううっ、うううっ……うああぁぁぁ……ッ』
『……死してなお、悲しみを創るというのか――――ユンナ』




――――――――思えば遠くに来たものだ。
目まぐるしく過ぎ去った日々を思い返し
ロンは、ゆっくりとその目を開けた。


ブレス オブ ファイア 0   ~虚無ろわざるもの~   中編


「ここが……聖地……」

ルイズの呟きに、ロンは肯首する。

「この下に、いるのね……」
「ああ、神がな。作り物の、だが」
「ヒトが創った神様、か。それは『記すことすらはばかられる』わね。
 私いろいろ考えたわ、ロン。そして解ったの。神様は神様の世界に居るべきだって。この世界の中に、神様はいらない」
「……その通りだ」

忌々しげに肉の枝を蹴飛ばしながら、ルイズは溜息をついた。

「はぁ、結局ヒトは夢を見すぎていたのかしら。長くて、儚い、神様の夢。神様に憧れる、信教っていう夢」
「ロマリアの者共を非難するつもりはないが、ヒトは何かを信じなければ生きていけないのだろう。
 彼らの言葉を借りるなら、これがどんなものであれ、神は神だということだ」
「見得ぬモノこそが美しいのにね。ビダーシャルの言ったとおり私は、ううん、人間はシャイターンだわ」

どくり、と地面が脈動する。
まるで何か、巨大な心臓が鼓動するかのような、そんな振るえだった。
それに併せて、肉の枝が伸びていく。
ルイズの身は虚無によって守られているが、ハルケギニア中に広がった肉の枝に対抗できるものは……多くはないだろう。
キュルケやタバサ達を筆頭とした強力なメイジをはじめ、エルフ達もしがらみを捨て、国を越え協力し合い
主要都市や民間人を守っているが、それも時間の問題だろう。
肉の枝は滅ぼすことが出来ないのだから。
共通の敵を得たことで、人間とエルフの数千年にも及ぶ争いに終止符が打たれ、和平が結ばれるとは。
何とも皮肉なモノだ、とルイズは思った。
滅びの時は近い。
しかし、その時は来ないのだと確信していた。
何故ならば、横に佇むこの頼もしい使い魔、いや仮り使い魔の青年が全てを打ち倒すと信じていたからだ。
ただ、その場にこの身を挟む余地がないことだけが、ルイズの胸を締め付けた。

「呪いが濃すぎるせいで、ここから先は私は入れないのよね?
 悔しいわ、本当に悔しい。ロンを見送ることしか出来ないなんて……」
「でぇーぃじょうぶだって!なんてったって天下無敵の名刀、デルフリンガー様が兄ちゃんにはついてんだからな!」
「もう、デルフったら。あ、そうだ!ロン、最後にしておきたいことがあるわ。
 あんたちょっと屈みなさい!時間は取らせないから」
「ああ、こうか?」
「ええ、いいわよ。あ、あと目も瞑りなさい」

言われて、ロンは素直に屈み、目を閉じた。

「今度は、避けないでよね」

ルイズのしなやかな指が頬を伝うのを感じる。

「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。
 五つの力を司るペンタゴン、この者に祝福を与え、我の使い魔と為せ」


――――――どれだけの時間が過ぎただろうか。
ロンにはそれがとても短くて、それでいて長い時間だったような気がした。
その時の中で左手の甲が熱くなったような気もしたが、口付けの衝撃に比べればどうでもいいことだった。

「……ふうっ。こっ、こここここ……」
「ニワトリか?」
「馬鹿!まったく、いい!?これで、あんたは私の使い魔になったんだから!
 ご主人様の言う事、聞かなくちゃいけないんだから!だから命令するわ!
 絶対、必ず、帰ってきなさい!!」
「……ルイズ」
「何よ!ご主人様の命令を聞けないっていうの!?」
「ルイズ」
「ダメよ、言いなさい!帰ってくるって!」
「……」
「帰ってくるって……言いなさい、よぉ……」

ロンは縋るルイズの手を剥がし、彼女に背を向けた。

「……行ってくる」
「馬鹿ぁぁぁ……」

歩みを、進める。
ルイズは滅多なことでは泣かなかった。
最後に脳裏に焼き付けたのは、その気丈だった彼女の泣き顔だったことが
何故かロンには、ひどく残念に思えた。


聖地の地下。

歩みを、進める。
封印されし遺跡に張り巡らされた肉の枝を、神鉄の剣で斬り進んでいく。
ロンの右手には神殺しの剣が。
ロンの左手には魔法喰らいの剣が。
それぞれ握られていた。

「なあ、兄ちゃん」
「何だ、デルフ」
「今更だけどよ、兄ちゃんのことさ、相棒って呼んでもいいか?」
「好きにしろ」
「へへっ、あんがとよ!いや俺も運がよかったわ、最後にこんな最高な使い手にめぐり合えるなんてな!!」
「使い手?」
「あー、ガンダールヴっていってな、まあいいや。今となっちゃどうでもいいしな」

歩みを、進める。
道中、数多のよく解らない形をした怪異を切り伏せた。
終わりが見えない。

「身体が、軽い」
「へぇ、おでれーた!!冷血漢だとおもったらまぁ。熱い心を持ってんじゃねぇか!!」

歩みを、進める。
しかしどれほど進んでも、未だ終わりが見えない。
進むは、この先に待ち構えているものの胃袋か。

「そろそろか」
「ああ、ヤベェ気配がビンビン伝わってきてやがる」
「怖気づいたか?」
「へっ、冗談!!……っておでれーた、おいおい、軽口なんか叩いたの初めてじゃねえか?」
「……ふっ」
「ヒヒヒ、いいねぇ心強いねぇ。じゃあいっちょかましてやりますか!相棒!!」

歩みを、進める。
マガイ物の神を殺すために。
終わりの近づく肉の廊下を、竜と剣は唯々突き進んでいった。

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