「ゼロの使い魔外伝‐災いのタバサ‐1」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら
「ゼロの使い魔外伝‐災いのタバサ‐1」(2010/12/02 (木) 21:09:22) の最新版変更点
追加された行は緑色になります。
削除された行は赤色になります。
白月と赤月が浮かぶ、幻想的な夜空。
その夜空を、月光に照らされた複数の黒い影が飛んでいる。
その影はけたたましい叫び声を上げながら翼を大きく羽ばたかせ、目的地へ向かっていた。
その影の中の、80メイルをも超える巨大な個体の背中で、青く短い髪をなびかせ、少女が悠然と本を広げている。
影達の主人、シャルロット・エレーヌ・オルレアン、『雪風のタバサ』である。
タバサは本から顔をそらし、周囲を飛ぶ影に向かって一言呟く。
「うるさい」
影達はタバサの呟きを聞き、一斉に叫ぶのをやめる。
主人の機嫌を損ねてしまえば、食事を抜かれてしまうからだ。
辺りに静けさが戻り、タバサは再び本へ視線を落とす。
その本には、こう書かれている。
『超遺伝子獣』
―― 超古代文明による遺伝子操作の結果の産物である。
単為生殖ができる、つまり単独で卵を産み、卵から産まれた個体も体長は数メイルあり、しかも仲間をも捕食してどんどん成長する。
頭はやや平たく、幅広くなり、目は目立たない。地上での活動も自由自在である。
地上を走り、翼を振り回して殴り掛かり、低く飛び上がって足の爪で攻撃をかけることもある。
また、自己進化能力があり、成長した個体は眼に遮光板の様な物を持ち、太陽光線も平気になる。 ――
タバサの使い魔達、それは異世界で『災いの影』と恐れられている超遺伝子獣、『ギャオス』であった。
タバサは、成体のギャオスをサモン・サーヴァントで異世界から召喚し、使い魔の契約を交している。
さらに、成体であるため卵が産まれ、産まれたギャオス達にも使い魔のルーンが刻まれていた。
しかも、最初に呼んだギャオスも、新たに産まれたギャオス達もタバサに異常になついており、片時も離れようとしない。
そのため、タバサはギャオス達を率いて目的地であるガリアへ向かっていた。
タバサが本を読み終わると、周りを飛ぶギャオス達が再び騒ぎ始める。
どうやら空腹になっているようだ。
「……ついたらご飯」
タバサの呟きに、ギャオス達は喜び、翼を折りたたみ弓状になると、目的地ガリアへ向かって突っ込んでいった。
ガリアの首都リュティスは、人口三十万を誇るハルケギニア最大の都市である。
その東の端に、ガリア王家の人々の暮らす巨大な宮殿、ヴェルサルテルが位置している。
そこから少し離れたプチ・トロワで、王女イザベラがあくびをしながらタバサの到着を待っていた。
「あのガーゴイルはまだ来ないの?」
「シャルロット様は――」
侍女が告げようとした瞬間、天井を破壊しながらギャオスが轟音をたて落下してくる。
イザベラと侍女達は悲鳴をあげながら慌てて逃げだした。
プチ・トロワの前庭に、無数のギャオスが降り立った。
数匹が勢い余って墜落したようだが、頑丈だから大丈夫だろう。
「お、おかえりなさいませ。シャルロット様」
タバサに敬礼する衛士がいたが、他の衛士はたしなめない。
あまりの出来事に呆然として固まっているからだ。
「この子達に食事を」
タバサは敬礼をした衛士にそういって、ギャオス達へ顔を向ける。
庭はギャオス達で埋め尽され、上空にも無数のギャオスが羽ばたきながら旋回している。
ギャオス達の食事を任せると、タバサはつかつかと建物の中へ入っていった。
----
-[[ゼロの使い魔外伝‐災いのタバサ‐2]]へ
-[[ゼロの使い魔外伝‐災いのタバサ‐]]の目次に戻る
#navi(ゼロの使い魔外伝‐災いのタバサ‐)
白月と赤月が浮かぶ、幻想的な夜空。
その夜空を、月光に照らされた複数の黒い影が飛んでいる。
その影はけたたましい叫び声を上げながら翼を大きく羽ばたかせ、目的地へ向かっていた。
その影の中の、80メイルをも超える巨大な個体の背中で、青く短い髪をなびかせ、少女が悠然と本を広げている。
影達の主人、シャルロット・エレーヌ・オルレアン、『雪風のタバサ』である。
タバサは本から顔をそらし、周囲を飛ぶ影に向かって一言呟く。
「うるさい」
影達はタバサの呟きを聞き、一斉に叫ぶのをやめる。
主人の機嫌を損ねてしまえば、食事を抜かれてしまうからだ。
辺りに静けさが戻り、タバサは再び本へ視線を落とす。
その本には、こう書かれている。
『超遺伝子獣』
―― 超古代文明による遺伝子操作の結果の産物である。
単為生殖ができる、つまり単独で卵を産み、卵から産まれた個体も体長は数メイルあり、しかも仲間をも捕食してどんどん成長する。
頭はやや平たく、幅広くなり、目は目立たない。地上での活動も自由自在である。
地上を走り、翼を振り回して殴り掛かり、低く飛び上がって足の爪で攻撃をかけることもある。
また、自己進化能力があり、成長した個体は眼に遮光板の様な物を持ち、太陽光線も平気になる。 ――
タバサの使い魔達、それは異世界で『災いの影』と恐れられている超遺伝子獣、『ギャオス』であった。
タバサは、成体のギャオスをサモン・サーヴァントで異世界から召喚し、使い魔の契約を交している。
さらに、成体であるため卵が産まれ、産まれたギャオス達にも使い魔のルーンが刻まれていた。
しかも、最初に呼んだギャオスも、新たに産まれたギャオス達もタバサに異常になついており、片時も離れようとしない。
そのため、タバサはギャオス達を率いて目的地であるガリアへ向かっていた。
タバサが本を読み終わると、周りを飛ぶギャオス達が再び騒ぎ始める。
どうやら空腹になっているようだ。
「……ついたらご飯」
タバサの呟きに、ギャオス達は喜び、翼を折りたたみ弓状になると、目的地ガリアへ向かって突っ込んでいった。
ガリアの首都リュティスは、人口三十万を誇るハルケギニア最大の都市である。
その東の端に、ガリア王家の人々の暮らす巨大な宮殿、ヴェルサルテルが位置している。
そこから少し離れたプチ・トロワで、王女イザベラがあくびをしながらタバサの到着を待っていた。
「あのガーゴイルはまだ来ないの?」
「シャルロット様は――」
侍女が告げようとした瞬間、天井を破壊しながらギャオスが轟音をたて落下してくる。
イザベラと侍女達は悲鳴をあげながら慌てて逃げだした。
プチ・トロワの前庭に、無数のギャオスが降り立った。
数匹が勢い余って墜落したようだが、頑丈だから大丈夫だろう。
「お、おかえりなさいませ。シャルロット様」
タバサに敬礼する衛士がいたが、他の衛士はたしなめない。
あまりの出来事に呆然として固まっているからだ。
「この子達に食事を」
タバサは敬礼をした衛士にそういって、ギャオス達へ顔を向ける。
庭はギャオス達で埋め尽され、上空にも無数のギャオスが羽ばたきながら旋回している。
ギャオス達の食事を任せると、タバサはつかつかと建物の中へ入っていった。
#navi(ゼロの使い魔外伝‐災いのタバサ‐)
表示オプション
横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: