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#navi(異世界BASARA)
「まさか前田殿までこちらにきていたとは…」
「うむ!昨日キュルケ殿から話は聞いていたが、やはりお前だったかぁ!」
その頃、幸村と利家は紅茶とケーキを探して歩いていた。
「…こっちからいい匂いがするな、きっとけーきだ!」
「おお!前田殿の鼻は忍並ですな!」
「おう!まつの匂いならどんなに離れていても分かるぞ!」
匂いを頼りに走り出す2人。しかしまつの匂いまで分かる利家…もはや犬である。
そして、その匂いの元を運んでいたメイドに裸の大将が迫っていった。
「これからいい匂いがするぞぉ!娘!これをそれがしにくれ!」
「きゃああぁ!!」
突進してきた利家にメイドは驚いて尻餅をつく。
「ななな何ですか!?」
「けーき!それがしけーき食いたい!」
「ま、前田殿!落ち着きなされよ!」
空腹のあまりそのまま皿ごとケーキを食べそうな利家を止め、幸村は動揺しているメイドを見る。
「そなたがめいどでござるか?すまぬが茶を貰いたいのだが…」
「あ、ああお茶ですね?少しお待ちを…」
少し落ち着きを取り戻したのか、お茶を淹れ、ケーキを切り分けて2人に渡す。
「かたじけない!拙者、茶の心得に疎いものでな」
「いえ…あの、もしかしてミス・ヴァリエールの使い魔さんですか?」
「そうであるが…なぜ拙者の事を?」
「学院中で噂になっていますよ。4人も平民が召喚されて、その内1人はいきなり逃げたしたって…」
どうやら昨日の事が「主人から逃走した使い魔」として広まってしまったようだ。
「えーと…お名前は…」
「真田幸村にござる。幸村でよい」
「私はシエスタと言います。ユキムラさんですか…フフッ、変わった名前ですね」
「拙者はお主達の名の方が変わっていると思うが…む?」
4人の使い魔…幸村が知っているのは今ケーキを貪っている前田利家と、中庭の一角で佇んでいた本多忠勝…1人足りない。
「シエスタ殿、もう1人の平民というのは?」
「え?そういえば…ミスタ・グラモンの使い魔さんは何処に…」
「ギーシュ!あなたやっぱりこの1年生に手を出していたんじゃない!」
と、もう1人の平民の事を聞いていると、1つのテーブルから怒声が聞こえてきた。
ギーシュは今、この現状に焦っていた。
自分の計画ではこの時間はモンモランシーとお茶を楽しむ筈なのに、何故か約束の時間よりも早く1年のケティが来てしまったのだ。
「お、お願いだ香水のモンモランシー、その薔薇のような顔を怒りで歪ませないでおくれ!」
「酷いですわギーシュ様!私だけとおっしゃってましたのに…」
(な、何故こんな事になってしまったんだ!?ケティとの約束はまだ先の筈じゃないか!)
事の発端を作ったのは彼の使い魔である。
「おんのれ…何でわしがあんな物を食わねばならんのじゃ…」
ギーシュが召喚した使い魔…北条氏政はイライラしながら廊下を歩いていた。
原因は今日の朝食である。彼もまた幸村達と同様に固いパンとスープしか出されなかった、それが彼にとって我慢ならなかったのだ。
仮にも自分は元の世界では一国の主である。それがあんな食事とはどういう事かとギーシュに食って掛かったのだ。
そして彼は中庭でギーシュと喧嘩分かれし、今に至るという訳なのだ。
「わしは天下の北条じゃぞ!あんな飯を用意するとは何事じゃ!」
と、文句を言いながら歩いている彼の目に1人の生徒が目に止まった。
(んん?あの娘…確か昨日の晩に若造を訪ねてきた…)
ケティ・ド・ラ・ロッタ、ギーシュに好意を寄せている女性である。
「何をしておるのじゃ?」
「あ、ギーシュ様の…」
声を掛けられたケティはバスケットケースを持ってこっちに走ってくる。
「ギーシュ様と一緒じゃないんですか?今日はコミュニケーションをとる日だったんじゃ…」
「ふん!あんな奴と仲良くなる気はないわい。それが昨日話していた“すふれ”というやつかの?」
そう言って氏政は彼女の持っていたケースを見る。
実は昨日の晩、ギーシュの部屋に彼女が来たのだ。
そこで2人は彼女の焼いたスフレを食べようと約束したのである。
(しかしあやつは別の娘といたが…ほっほぅ~なるほど~)
ここまで思い出し、氏政はある事に気づく。
あの男は二股をかけている…と。
「おぉ~そうじゃそうじゃ。ギーシュが言っておったぞ、もう用事が済んだから早くお前さんに会いたい!とのぉ~」
「本当ですか!?あの…ギーシュ様はまだ中庭に?」
「まだおるぞぉ~。ほれ、早く行ってやるのじゃ」
「ありがとうございます!ああ…ギーシュ様あぁ~!」
氏政の言葉を聞き、ケティはケースを抱えて嬉しそうに駆けて行った。
「…わしは知らんぞぉ~なーんにも知らんもんね~フンフンフ~~ン♪」
「ギーシュ!」
「ギーシュ様!」
そして今の状況に至る訳である。
「と…とにかく2人共落ち着こう。落ち着いて話を…」
だが、そんな彼の言葉など彼女達が聞く筈もなかった。
パチイィーン!
「嘘つきっ!!」
先ずケティの平手が右頬を引っ叩いた。
バチイイィィン!!
「最っっ低っ!!」
次にモンモランシーの一撃が左頬を襲う。
2人のビンタを受けたギーシュの頬には、綺麗な紅葉模様が2つ出来上がった。
だがギーシュは何とか冷静さを保とうとする。
「は、ははは…あのレディ達は薔薇の存在を理解してな…」
ドゴオオォォォォン!!!
「このたわけ者おぉぉぉぉぉぉぉーーーっ!!!!」
「ぶええぇぇぇー!?」
だが、左右の頬にダメージを負った彼に予想外の拳が飛んで来たのであった。
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