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「滅殺の使い魔-07」(2009/04/03 (金) 23:13:44) の最新版変更点
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#navi(滅殺の使い魔)
「僕の二つ名は『青銅』。 青銅のギーシュだ。 従って、青銅のゴーレム『ワルキューレ』がお相手するよ」
豪鬼に向かって、ゴーレムが突進してくる。
豪鬼は一歩も動かない。 が、ゴーレムの行く手を阻むように、右手を前に出した。
ゴーレムが間合いに入り、豪鬼が突き出した手を払おうと腕を振る。 その瞬間。
――豪鬼が、消えた――
「なっ……! ど、どこだ!何処に行ったっ!」
ギーシュが辺りを必死で見回す。 周りの野次馬達も同じように何処だ何処だと視線を動かした。
一人の生徒が気付く。
「う、上に」
時既に遅し。
豪鬼がゴーレムの頭上から手刀を構えて落下していく。
混乱状態のギーシュは、不覚にもワルキューレを棒立ちにさせている。 無論、突然の出来事に反応は出来ず。
「ふんっ!」
豪鬼の手刀がワルキューレに命中し、その青銅の体を容易く両断する。
『天魔朱裂刀』……相手の攻撃をすんでの所で見切り、頭上から手刀を叩きつける技である。 大抵の者はその一瞬の出来事に全く反応できず、成す術なく当たってしまう。
ワルキューレ『で、あった物』は、力なく左右に倒れた。
「う、うわあぁぁぁぁぁ!」
半狂乱のギーシュが、滅茶苦茶に薔薇を振る。
新たなワルキューレが六体、ギーシュの周りに現れる。
豪鬼はゆっくりと構えなおすと、目を見開き、口を開いた。
「我は、拳を極めし者。
……うぬらの無力さ、その体で知れい!」
一方、森では。
「潰れろ!」
一人のメイジを掴んだ『白髪の男』は、それを大木に叩きつけ、大木ごとメイジを屠る。
その足元には、既にもう一人のメイジの亡骸が横たわっていた。
「さて……あとは君一人だ。 『トライアングル』君?」
『白髪の男』は、ゆっくりと振り返る。
少女は既に遠くへ避難し、震えながら傍観していた。
残ったメイジは、がくがくと震えながら、手に持った杖を『白髪の男』向ける。
「どうした? 早くしたまえ」
「ひ、ひぃ!」
メイジの放った炎の玉は、一直線に『白髪の男』に向かう。
「ハッハッハ!」
――『白髪の男』の前に、緑の光が現れた――
場所は戻り、ヴェストリの広場。
「な、なんなの、あいつ……」
『平民とギーシュが決闘をする』。
それを聞いたルイズは、他の生徒と同じように広場に来ていた。 豪鬼の命を救うために……。
だが、それも要らぬ心配だったらしい。
ルイズの目には、青銅のゴーレムが豪鬼に真っ二つにされると言う衝撃の光景が飛び込んできていた。
また、広場の別の場所では、キュルケと、小さな幼い印象を受ける生徒が、二人の決闘を見つめていた。
「な、何だったの? 今の……。 ねえ、タバサ」
キュルケが引きつった笑みを浮かべ、隣の少女、タバサに話しかける。
「……わからない」
一言でその問いに返答するタバサ。 その言葉には感情が感じられないが、しかしその目は、驚きと興味で見開いていた。
そんな中、急に広場の生徒達人ごみの一部が割れた。 中から現れたのは、オスマン、ロングビル、コルベールの三人だった。
ロングビルが、オスマンに対し説明を始める。
「片方がギーシュ・ド・グラモン。そしてもう片方は、ミス・ヴァリエールの使い魔です」
それを聞くと、コルベールとオスマンは顔を見合わせた。 コルベールは驚いた表情をしている。
「オールド・オスマン……!」
「うむ……」
「オールド・オスマン」
「なんじゃ? ミス……」
ロングビルは、普段からは考えられないほどに真面目になっているオスマン達に威圧される。
「い、いえ、『眠りの鐘』の使用許可を求めているようでして……」
「要らん。 こんな子供の喧嘩に秘宝など」
オスマンはそれを一蹴するが、その目は警戒心をありありと表していた。
広場の中心で、豪鬼とそれを囲うように位置したワルキューレ達が睨み合う。
豪鬼は一向に構えから動かず、ワルキューレ達を警戒するそぶりも見せない。
対するギーシュも、先ほどのワルキューレにおいて、カウンターを受けたため、迂闊には動けない。
広場内を静寂が包む――
「行け! ワルキューレ!」
静寂を破ったのは、ギーシュだった。 ワルキューレに指令を出し、それを受けたワルキューレ達は、一斉に豪鬼に向かって走り出す。
しかし、それが豪鬼に達することは無かった。
「滅殺……」
「なっ! と、止まれ!」
豪鬼の変化に、ギーシュが咄嗟にワルキューレを制止させる。
「……」
そう豪鬼が呟く。 小声のそれは、しかし大きな威圧感を持ち、ギーシュの判断を鈍らせた。 豪鬼はそれを尻目に、手を『天』に向かって突き上げる。
「我が拳、 とくと味わえ」
「……くそ! 行け! ワルキューレ!」
そして再びワルキューレ達が動いた瞬間、豪鬼が突然、突き上げていた右手を振り下ろし、地面を殴ったのである。
「あ、じ、地震!?」
ただそれだけのことで、地面が揺れる。 豪鬼の足元の地面から光が溢れる。 それはさながら火山の噴火のように。
やがて地震が収まり、広場の生徒が豪鬼達に視線をを向ける。 そこには既にワルキューレの姿は無く、ぐちゃぐちゃにひしゃげた鉄の塊が、豪鬼の足元に転がっていただけだった。
「あ……あ……」
腰を抜かし、ズルズルと後ろに下がっていくギーシュ。 豪鬼は、そんなギーシュに一瞬で近付き、そして、手を振り上げた。
「ひぃっ!」
ギーシュが必死で後ずさる。 それを、周囲の人間は助けようとしない――否、周りの者達も同じくその場を動けないのだ。
しかし勇敢にもその威圧に耐え者がいた。 コルベールだ。 コルベールは、あたふたとギーシュに駆け寄る。 そして、豪鬼にその杖を向ける。
「み、ミスタ・グラモン! 大丈夫かね!?」
「あ、あ……?」
「済まない、ミスタ・グラモン……。 こんなことなら、私が止めれば良かったのだ……!」
そんなコルベールを見たオスマンは、あえて声を掛けなかった。
「帰るぞ、ミス・ロングビル」
「え、あ、はい」
オスマンが身を翻す。 それに少し遅れて、ロングビルも歩き出す。 コルベールの大声が聞こえる。
オスマンは呆れたようにため息をつき、呟いた。
「阿呆が」
次の瞬間、オスマンの後ろで大きな騒ぎが起こった。
「へ、平民が消えたぞぉっ!」
「ど、どこだ!? また上か!?」
「い、いや、上じゃない! 地面か!?」
そう、豪鬼は、既にその場を去っていたのだ。殺気だけを残して。
ロングビルはオスマンに追いつくと、一つ、疑問を口にした。
「オールド・オスマン。 あれならば、『眠りの鐘』を使用するべきだったのでは?」
オスマンは立ち止まり、いつものように髭を撫でながら言った。
「いや、それは無いじゃろ。 実際、どちらも怪我という怪我はしておらんしな」
「……は、はあ」
それに……、と小声でオスマンが呟く。
「……あの男に、そんなものが通用するとは思えんな……」
「は?」
「いや、なんでもない」
オスマンは悟られないように小さく、本当に小さくため息を付くと、これからの苦労に、気が重くなる思いで、ある人物に思いを馳せる。
「『あの方』ならば、どうするのかのう……」
今日の「滅殺!」必殺技講座
・天魔朱裂刀
俗に言う『当身技』。 コマンドを入力し、構えに入る。 その一瞬に相手が打撃技をしてきた場合、即座に反撃すると言う技である。
その性質上、多少の読みが必要になるため、使い所は制限されるか。
コマンド「(上段の場合)下、下+パンチボタン三つ同時押し。(下段の場合)下、下+キックボタン三つ同時押し」
・金剛國裂斬
ギーシュのワルキューレを一撃で葬った技。
実際の威力はこんなものではなく、エアーズロックを一撃で叩き割り、地盤を破って地獄へと行けたりしてしまうハチャメチャ技。
作者はアレク使いなので詳細は分からないが、かなりの威力を発揮する様子。
ゲーム中では、暗転後、地面を思い切り殴り、その衝撃波で攻撃をするという業になっている。
コマンド「下、下、下+パンチボタン三つ同時押し」
「地盤を叩き割って……で、どうしたの?」
「死合った」
「あ、そ。 もう慣れてきたわ」
今日の「死ネィッ!」必殺技講座
・ゴッドプレス
突進しながら相手を片手で掴み、さらに加速しながら最後には画面端に叩きつけるという技。
ちなみにこの技、ルガールの象徴的なものとなっている。
コマンド「逆半回転+パンチボタン」
「オリコンでこの技を連続で放つのは男のロマンと言うやつだよ、テファ」
「すごいです! ダメージは勿論大きいんですよね!」
「……君の純粋さが辛い……」
#navi(滅殺の使い魔)
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