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「神父様のコートは四次元コート-1」(2007/08/06 (月) 22:21:42) の最新版変更点
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「諸君!決闘だ!!」
そう高らかに宣言するのは、『フルボッコ』『G・E・レクイエム』『かませ犬』『死亡フラグ』と負の異名を持つギーシュ・ド・グラモン
例によって決闘をする事になったのだが相手はまだ現れなかった。
周りの観客が逃げたんじゃないかと思い始めた時、静かに、だが妙に大きな音で足音が鳴響いた
「我らは神の代理人 神罰の地上代行者」
ゆっくりと、だが意思を持った声が広場に響き渡る。
「我らが使命は、我が神に逆らう愚者を」
現れし男がその手に持つは二つの銃剣(バイヨネット)
「その肉の最後の一片までも絶滅する事…」
その二つの銃剣をあたかも己が首に下げている十字架の如く重ねる。
「Amen!」
事の始まりはルイズが香水の瓶を拾いそれが原因でギーシュの二股がバレ、ルイズとギーシュの間で争いが起こった事に始まる。
そこにこの男がそれを止めに入ったのだが逆上しているギーシュはこの、見せしめも兼ねて使い魔に決闘を挑んだ。
『聖堂騎士』『殺し屋』『銃剣』『首切り判事』『天使の塵』
ギーシュがこの男の異名を知っていれば決闘などにはならなかったかもしれない。
ギーシュから見ればこの男はあくまで平民であり、メイジである自分にかなうはずが無いと思い込んでいる。
だが、今のこの男はあの時の優しげな神父ではなく、眼鏡を妙に光らせ必殺の武器を携えギーシュと向かい合っている。
もちろん武器を持っているからとは言え怯むギーシュではない。
ワルキューレがある限り平民がどのような武器を持ったとしても無意味。ギーシュだけではなく周りの観客も当然そう思っていた。
「さて…では始めるか
僕はメイジだ、だから魔法で戦う。よもや文句はあるまい」
そう言うと地面から女戦士の青銅人形が現れる。
「僕の二つ名は青銅。青銅のギーシュだ。したがって青銅のゴーレム『ワルキューレ』が君の相手をする」
それを見た、男―アンデルセンは驚きもせず小さく「ほう」と呟くと口の端を上げ薄く笑った。
ゴーレムがアンデルセンに突進し拳を振り上げる。それを腕で防御し続けるが一発良いのを貰い少し吹き飛ばされた。
「もう終わりかい?その武器は飾りじゃあないだろ?」
ギーシュが拍子抜けしたように言うが、アンデルセンは軽く笑うとワルキューレに向け走る。ワルキューレも突進しその二つが交差し閃光のような物が奔った。
背を向けるようにして立つアンデルセンとワルキューレ。
異変はワルキューレから起こった。背を合わせて2~3秒するとワルキューレの両の腕が切断され胴体から離れた。
「な…ッ!あの一瞬で関節を狙い切り落としたとでもいうのか!?」
「…残ってるのは貴様だけ」
「ぐ…だが!メイジを甘く見ないでもらおうかッ!」
そうギーシュが叫ぶと薔薇の造花から花びらが舞い6体のワルキューレが現れた。
腕を切り落とされたワルキューレも再生は終わっている。
それに加え武器も錬成し必勝の陣形でアンデルセンを囲む。
だが、アンデルセンは微動だにしないで居る。銃剣を構えてすらいない。
さすがのルイズも危険と判断し止めに入るが
「その程度か?貴族のゴミども」
このアンデルセンの挑発にキレたギーシュが武器を持ったワルキューレに総攻撃を仕掛けさせる。
ギーシュの腕に振り払われ倒れこんだルイズが見たものはワルキューレが持つ武器に無残にも切り裂かれているアンデルセンだった。
一体のワルキューレのもつ剣が頭を貫きアンデルセンがその場に崩れ落ちる。
勝負あり、そこにいる誰もがそう思い死体から目を離した。
死人が出るとは思っていなかったが所詮、平民。死のうが知ったことではないという空気がその場に流れている。
ぶっちゃけ教師もそれを見ていたのだが、面倒ごとは御免だと言わんばかりに静観していた。
ただ一人、その使い魔の主であるルイズだけは使い魔の死という事に泣き喚いていたのだが。
勝利を宣言するギーシュだったが、心の奥底にかすかな違和感を感じていた。
一瞬でワルキューレの腕を切り落とす程の男が何故あの時微動だにせず剣も構えずに動かなかったのかと。
そう思い死体に目をやる。倒れたまま、動かないでいる死体を見て、もう終わった事だと思い後ろを向いた時
異変が起きた。
「クククク…クカカカカカカカカ!」
そう地獄の底から聞こえるような笑い声が広場に広がった。
誰も、そんな笑い方をするような者は居ない。
背筋に寒いものを感じ恐る恐る後ろを向くが、そこでギーシュが見た物は…眼鏡を光らせながら立ち上がるアンデルセンだった。
「な…バカ…な…ワルキューレは確かに君の頭を貫いたはず…まさか風の偏在か!?」
だが、アンデルセンの額からは血の後がある。風の偏在では血は流れはしない。
「中々…面白い芸だったぞ小僧…」
周りの観客もそれに気付きざわついているが、ギーシュは何とか自分を取り戻しワルキューレを布陣させる。
「シィィィィィ!」
交差させた腕を解き放つと袖の下から無数の銃剣が現れ、それをワルキューレとギーシュに向け投げつける
「う、うわぁぁぁぁ!僕を守れワルキューレぇぇぇぇ!!」
自分を守るようにしてワルキューレを配置するが、1体、また1体と銃剣によって貫かれていく。
「エェェェェェェェイメン!!」
銃剣を投げつけると同時に走っていたアンデルセンが銃剣によって貫かれていたワルキューレの首を撥ねながらギーシュに突進するが
生き残りのワルキューレの武器に頬を切り裂かれた。
「はぁ…はぁ…何なんだお前は…」
聖職者とは言いがたい悪魔のような笑いを見せるアンデルセンだが、ギーシュはさっき切り裂いた傷があっという間に癒えていくのを見て心底恐怖した。
「傷が…治っていく…お前は…お前は一体なんなんだ!!」
「我々人類が化物達に対抗する為に作り出した技術だ」
それだけ言うとまたしても黒衣の下から無数の銃剣を取り出しギーシュに投げつける。
大半は残ったワルキューレが受けたがそれでもギーシュの腕や脚に少なくない数の銃剣が突き刺さった。
「あああああ!うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!ぐ…がぁ!」
観客達はそのギーシュから顔を背けているがアンデルセンは気にした様子もなくゆっくり最後のワルキューレに近付きながら言い放つ。
「随分とまぁ可愛らしい声を上げて苦しむのだね…お坊ちゃん
だが、その程度では死にはせんよ?内臓には一本たりとも突き刺してないのだから…」
最後のワルキューレがアンデルセンに襲い掛かるが逆に突進した
アンデルセンに首を掴まれその身に銃剣を壁に打ち込まれるように刺され身動きが取れなくなったところに首を撥ねられた。
「Amen!」
「クククク…クカカカ…フハハハハハハハハハ!これが!?こんなものが貴族の切り札!?
貴様達のいう魔法だと!?まるでお話にならない!とんだ茶番だ!だから思い上がった貴族というものは……む!」
思いっきりのけぞりポージングで笑ってたアンデルセンが倒れていたギーシュに視線を向けるがそこにギーシュは居らず血の跡が続いていた。
「ほう…あのダメージでまだ動けたか…どうやらあのお坊ちゃんを…少々甘くみていたようだ…」
「はぁ…はぁ…ありがとう…モンモランシー」
「早く、先生のところに行かないと…」
ギーシュに肩を貸し広場から離れるようにして逃げる二人だが後ろから銃剣が刺さったワルキューレの頭部が二人をかすめるようにして飛んできて壁に刺さった。
「どこに行こうというのかね?どこにも逃げられはせんよ?
Dust to Dust 塵は塵に…塵にすぎないお前は…塵に還れ!Amen!」
広場から歩いてくるは銃剣を持った両手を広げ悪魔のような姿のアンデルセンだ。
「逃げ…なきゃ…早く…!」
「モンモランシー…君だけでも逃げてくれ…あいつの狙いは僕なんだから…」
「そん…な…ギーシュ!」
「終わりだ」
いつの間にか後ろまで迫っていたアンデルセンが二人もろとも切り裂こうとした時、氷の弾丸が飛来し銃剣の刀身を叩き壊した。
アンデルセンが別の方向へ視線を向けると、そこに杖を構えた赤髪の女がいた。
「ほう…まだ向かってくるヤツがいたか…」
「そろそろ、止めないと面倒な事になるから退いた方がいいんじゃない?あなた」
その横で、ちっこい青髪の少女も杖を無言で構えている。
「退く…?退くだと!?我々が…?我々神罰代行13課が!」
退くという言葉に語気を強めるアンデルセンを見て二人が警戒を強める。
「ナメるなよ!ベイベロン(売女)!我々が貴様ら無能な貴族どもに退くとでも…思うかァァァァ!!」
そう叫びまたどこからか取り出した銃剣を構え二人に斬りかかる。
魔法が放たれるが、それを気にする事も無く正面から受け止め斬りつける。
赤い方が反射的に杖でそれを受けるが真っ二つにされ返す刃で青い方の杖も切り裂いた。
「…化物!」
受けた傷が瞬時に再生していく姿を見て青い方がそう呟いた。
「貴様ら…揃いも揃って弱すぎる…話にならん」
なにせこの男、生身で最強の吸血鬼とドツキあえる程の戦闘力を誇っている。
近接戦闘なら魔法衛士隊ですら相手にはなるまい。
「Amen!」
そう叫ぶと四人を切り裂くべく銃剣を振りかざす。
全員が目を閉じ、切り裂かれる衝撃を待った。
だが、それはやってこない。
目を開けるとルイズが泣きながらアンデルセンに抱きついて必死に止めていた。
「なんのつもりだ?」
「駄目よ…もうやめて…!あんたが強いのはもう分かっ…たからいいじゃない!」
思わず銃剣を振り下ろそうとするが泣きながら自分に抱きついているルイズと孤児院の子供達が重なって気が変わった。
「…興が冷めた」
銃剣を黒衣の中に仕舞うと元の優しい神父様の笑顔で
「とても良い庭だ。今度はお茶でも飲みながら話をしましょう」
その豹変っぷりに開いた口が塞がらない5人だがなんとかキュルケが口を開いた
「え…ええ…承知したわ…」
へたりこんでいる4人の横を通った時
「…次は殺す、必ず殺す」
と、低い声でそう呟いたのが聞こえ、ギーシュが失禁し気絶した。
「諸君!決闘だ!!」
そう高らかに宣言するのは、『フルボッコ』『G・E・レクイエム』『かませ犬』『死亡フラグ』と負の異名を持つギーシュ・ド・グラモン
例によって決闘をする事になったのだが相手はまだ現れなかった。
周りの観客が逃げたんじゃないかと思い始めた時、静かに、だが妙に大きな音で足音が鳴響いた
「我らは神の代理人 神罰の地上代行者」
ゆっくりと、だが意思を持った声が広場に響き渡る。
「我らが使命は、我が神に逆らう愚者を」
現れし男がその手に持つは二つの銃剣(バイヨネット)
「その肉の最後の一片までも絶滅する事…」
その二つの銃剣をあたかも己が首に下げている十字架の如く重ねる。
「Amen!」
事の始まりはルイズが香水の瓶を拾いそれが原因でギーシュの二股がバレ、ルイズとギーシュの間で争いが起こった事に始まる。
そこにこの男がそれを止めに入ったのだが逆上しているギーシュはこの、見せしめも兼ねて使い魔に決闘を挑んだ。
『聖堂騎士』『殺し屋』『銃剣』『首切り判事』『天使の塵』
ギーシュがこの男の異名を知っていれば決闘などにはならなかったかもしれない。
ギーシュから見ればこの男はあくまで平民であり、メイジである自分にかなうはずが無いと思い込んでいる。
だが、今のこの男はあの時の優しげな神父ではなく、眼鏡を妙に光らせ必殺の武器を携えギーシュと向かい合っている。
もちろん武器を持っているからとは言え怯むギーシュではない。
ワルキューレがある限り平民がどのような武器を持ったとしても無意味。ギーシュだけではなく周りの観客も当然そう思っていた。
「さて…では始めるか
僕はメイジだ、だから魔法で戦う。よもや文句はあるまい」
そう言うと地面から女戦士の青銅人形が現れる。
「僕の二つ名は青銅。青銅のギーシュだ。したがって青銅のゴーレム『ワルキューレ』が君の相手をする」
それを見た、男―アンデルセンは驚きもせず小さく「ほう」と呟くと口の端を上げ薄く笑った。
ゴーレムがアンデルセンに突進し拳を振り上げる。それを腕で防御し続けるが一発良いのを貰い少し吹き飛ばされた。
「もう終わりかい?その武器は飾りじゃあないだろ?」
ギーシュが拍子抜けしたように言うが、アンデルセンは軽く笑うとワルキューレに向け走る。ワルキューレも突進しその二つが交差し閃光のような物が奔った。
背を向けるようにして立つアンデルセンとワルキューレ。
異変はワルキューレから起こった。背を合わせて2~3秒するとワルキューレの両の腕が切断され胴体から離れた。
「な…ッ!あの一瞬で関節を狙い切り落としたとでもいうのか!?」
「…残ってるのは貴様だけ」
「ぐ…だが!メイジを甘く見ないでもらおうかッ!」
そうギーシュが叫ぶと薔薇の造花から花びらが舞い6体のワルキューレが現れた。
腕を切り落とされたワルキューレも再生は終わっている。
それに加え武器も錬成し必勝の陣形でアンデルセンを囲む。
だが、アンデルセンは微動だにしないで居る。銃剣を構えてすらいない。
さすがのルイズも危険と判断し止めに入るが
「その程度か?貴族のゴミども」
このアンデルセンの挑発にキレたギーシュが武器を持ったワルキューレに総攻撃を仕掛けさせる。
ギーシュの腕に振り払われ倒れこんだルイズが見たものはワルキューレが持つ武器に無残にも切り裂かれているアンデルセンだった。
一体のワルキューレのもつ剣が頭を貫きアンデルセンがその場に崩れ落ちる。
勝負あり、そこにいる誰もがそう思い死体から目を離した。
死人が出るとは思っていなかったが所詮、平民。死のうが知ったことではないという空気がその場に流れている。
ぶっちゃけ教師もそれを見ていたのだが、面倒ごとは御免だと言わんばかりに静観していた。
ただ一人、その使い魔の主であるルイズだけは使い魔の死という事に泣き喚いていたのだが。
勝利を宣言するギーシュだったが、心の奥底にかすかな違和感を感じていた。
一瞬でワルキューレの腕を切り落とす程の男が何故あの時微動だにせず剣も構えずに動かなかったのかと。
そう思い死体に目をやる。倒れたまま、動かないでいる死体を見て、もう終わった事だと思い後ろを向いた時
異変が起きた。
「クククク…クカカカカカカカカ!」
そう地獄の底から聞こえるような笑い声が広場に広がった。
誰も、そんな笑い方をするような者は居ない。
背筋に寒いものを感じ恐る恐る後ろを向くが、そこでギーシュが見た物は…眼鏡を光らせながら立ち上がるアンデルセンだった。
「な…バカ…な…ワルキューレは確かに君の頭を貫いたはず…まさか風の遍在か!?」
だが、アンデルセンの額からは血の後がある。風の遍在では血は流れはしない。
「中々…面白い芸だったぞ小僧…」
周りの観客もそれに気付きざわついているが、ギーシュは何とか自分を取り戻しワルキューレを布陣させる。
「シィィィィィ!」
交差させた腕を解き放つと袖の下から無数の銃剣が現れ、それをワルキューレとギーシュに向け投げつける
「う、うわぁぁぁぁ!僕を守れワルキューレぇぇぇぇ!!」
自分を守るようにしてワルキューレを配置するが、1体、また1体と銃剣によって貫かれていく。
「エェェェェェェェイメン!!」
銃剣を投げつけると同時に走っていたアンデルセンが銃剣によって貫かれていたワルキューレの首を撥ねながらギーシュに突進するが
生き残りのワルキューレの武器に頬を切り裂かれた。
「はぁ…はぁ…何なんだお前は…」
聖職者とは言いがたい悪魔のような笑いを見せるアンデルセンだが、ギーシュはさっき切り裂いた傷があっという間に癒えていくのを見て心底恐怖した。
「傷が…治っていく…お前は…お前は一体なんなんだ!!」
「我々人類が化物達に対抗する為に作り出した技術だ」
それだけ言うとまたしても黒衣の下から無数の銃剣を取り出しギーシュに投げつける。
大半は残ったワルキューレが受けたがそれでもギーシュの腕や脚に少なくない数の銃剣が突き刺さった。
「あああああ!うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!ぐ…がぁ!」
観客達はそのギーシュから顔を背けているがアンデルセンは気にした様子もなくゆっくり最後のワルキューレに近付きながら言い放つ。
「随分とまぁ可愛らしい声を上げて苦しむのだね…お坊ちゃん
だが、その程度では死にはせんよ?内臓には一本たりとも突き刺してないのだから…」
最後のワルキューレがアンデルセンに襲い掛かるが逆に突進した
アンデルセンに首を掴まれその身に銃剣を壁に打ち込まれるように刺され身動きが取れなくなったところに首を撥ねられた。
「Amen!」
「クククク…クカカカ…フハハハハハハハハハ!これが!?こんなものが貴族の切り札!?
貴様達のいう魔法だと!?まるでお話にならない!とんだ茶番だ!だから思い上がった貴族というものは……む!」
思いっきりのけぞりポージングで笑ってたアンデルセンが倒れていたギーシュに視線を向けるがそこにギーシュは居らず血の跡が続いていた。
「ほう…あのダメージでまだ動けたか…どうやらあのお坊ちゃんを…少々甘くみていたようだ…」
「はぁ…はぁ…ありがとう…モンモランシー」
「早く、先生のところに行かないと…」
ギーシュに肩を貸し広場から離れるようにして逃げる二人だが後ろから銃剣が刺さったワルキューレの頭部が二人をかすめるようにして飛んできて壁に刺さった。
「どこに行こうというのかね?どこにも逃げられはせんよ?
Dust to Dust 塵は塵に…塵にすぎないお前は…塵に還れ!Amen!」
広場から歩いてくるは銃剣を持った両手を広げ悪魔のような姿のアンデルセンだ。
「逃げ…なきゃ…早く…!」
「モンモランシー…君だけでも逃げてくれ…あいつの狙いは僕なんだから…」
「そん…な…ギーシュ!」
「終わりだ」
いつの間にか後ろまで迫っていたアンデルセンが二人もろとも切り裂こうとした時、氷の弾丸が飛来し銃剣の刀身を叩き壊した。
アンデルセンが別の方向へ視線を向けると、そこに杖を構えた赤髪の女がいた。
「ほう…まだ向かってくるヤツがいたか…」
「そろそろ、止めないと面倒な事になるから退いた方がいいんじゃない?あなた」
その横で、ちっこい青髪の少女も杖を無言で構えている。
「退く…?退くだと!?我々が…?我々神罰代行13課が!」
退くという言葉に語気を強めるアンデルセンを見て二人が警戒を強める。
「ナメるなよ!ベイベロン(売女)!我々が貴様ら無能な貴族どもに退くとでも…思うかァァァァ!!」
そう叫びまたどこからか取り出した銃剣を構え二人に斬りかかる。
魔法が放たれるが、それを気にする事も無く正面から受け止め斬りつける。
赤い方が反射的に杖でそれを受けるが真っ二つにされ返す刃で青い方の杖も切り裂いた。
「…化物!」
受けた傷が瞬時に再生していく姿を見て青い方がそう呟いた。
「貴様ら…揃いも揃って弱すぎる…話にならん」
なにせこの男、生身で最強の吸血鬼とドツキあえる程の戦闘力を誇っている。
近接戦闘なら魔法衛士隊ですら相手にはなるまい。
「Amen!」
そう叫ぶと四人を切り裂くべく銃剣を振りかざす。
全員が目を閉じ、切り裂かれる衝撃を待った。
だが、それはやってこない。
目を開けるとルイズが泣きながらアンデルセンに抱きついて必死に止めていた。
「なんのつもりだ?」
「駄目よ…もうやめて…!あんたが強いのはもう分かっ…たからいいじゃない!」
思わず銃剣を振り下ろそうとするが泣きながら自分に抱きついているルイズと孤児院の子供達が重なって気が変わった。
「…興が冷めた」
銃剣を黒衣の中に仕舞うと元の優しい神父様の笑顔で
「とても良い庭だ。今度はお茶でも飲みながら話をしましょう」
その豹変っぷりに開いた口が塞がらない5人だがなんとかキュルケが口を開いた
「え…ええ…承知したわ…」
へたりこんでいる4人の横を通った時
「…次は殺す、必ず殺す」
と、低い声でそう呟いたのが聞こえ、ギーシュが失禁し気絶した。
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