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#navi(炎神戦隊ゴーオンジャー BUNBUN!BANBAN!クロスオーBANG!!)
次回予告
「ガンパードだ。何だかみんなの様子がおかしいぜ。どうやら新聞に惑わされてるみたいだな。何、キュルケが逮捕された? どうなってんだ?
GP-10 捏造ホウドウ
――GO ON!!」
フリッグの舞踏会翌日の昼過ぎの学院中庭、ギーシュは手を振ってケティと別れていた。
「今日のデートはこれで最後……と」
「ギーシュ、今日のデートは随分少ないのね?」
「うん、ミスタ・コルベールから大任を受けたし、いざという時にデートなんて事が無いようにね。……はあー、僕の事が大好きな妹が12人くらいできないかなー……」
「ギーシュは暢気ね。まあ、今のところ平和だしね」
「ルイズの使い魔達も特に変わった様子は無いしね」
キュルケもギーシュも油断していた。しかし事件とは得てしてそういう時にこそ発生するものなのだ。
丁度その時、
「号外ー、号外だよー。マジックワールド一早くて確かな真実の泉、『蛮々。新聞』の号外だよー。これを読まないとあなたに明日は無いわー」
少女の甲高い声が上空から響いたかと思うと何枚もの紙切れが舞い落ちてきた。「蛮々。新聞」と書かれたその新聞の1面には、
『「ガリア王国王位継承者」シャルロット王女 クーデターにより簒奪者ジョゼフから王位奪還』
の文字とタバサの写真が。
『タバサが王位継承者に!?』
新聞に載っているタバサは普段通りの無表情のままVサインをしている。
その2人の混乱に追い討ちをかけるように、
「号外ー、号外だよー。マジックワールド一早くて確かな真実の泉、『蛮々。新聞』の号外だよー。これを読まないとあなたに明日は無いわー」
の声が再び響き空から大量の新聞が舞い落ちる。
『ビプリーベ伯爵 19人の孫娘全員の婚約者にギーシュ・ド・グラモンを指名』
「ええーっ!? ぼ、僕!?」
「ギーシュ、このビプリーベ伯って人知ってるの?」
「いいや、全然」
「ええっ!?」
「でもこの新聞によると僕が指名されたって……。今日からハーレム、ナンパ生活とはおさらばだ!! イエーイ!!」
ギーシュはそのまま喜び勇んで中庭から走り去っていってしまった。
「ちょっとギーシュ……。……王位継承者にハーレム? いったいどうなってるの?」
――GP-10 捏造ホウドウ――
場所は変わってヘルガイユ宮殿。モニターには幾つものウインドウが開かれ、タバサやギーシュに関する新聞記事が映し出されている。
「これがキタネイダス達の邪魔をさせないための作戦? キュルケ達何だか楽しそうよ」
「ああ……、何か腹立つな……」
「いや、これでいいなり」
ルイズ・デルフリンガーの反応に反論しつつヨゴシュタインが現れた。
「我が害地目のリンテンバンキよ!」
呼びかけと共にモニターの映像は、トリステインの城下町上空を飛行しつつ大量の新聞を印刷・散布している少女型蛮機獣のものに変わった。
「その調子で作戦を続行するなり」
『かしこまろうぜ、蛮々。新聞! 世界で一等電波な新聞~』
「だが奴らの楽しそうな顔を見るのは……」
「何だか癪だぞよ」
「そう思ってキュルケは趣向を変えてやったなり。フフフ……」
ヨゴシュタインは不気味に微笑むのだった。
一方女子寮・キュルケの部屋では……、
「何がどうなってるのよ、これ……」
空中から降ってきた新聞を眺めつつ溜め息を吐くキュルケの耳に、
「犯人に告ぐ、無駄な抵抗はやめて出てこい!」
「何? 事件?」
キュルケが部屋を出ると、数人の武装衛兵がキュルケの部屋に入り込んできた。
「キュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプシュトーだな!」
「ええ、そうだけど?」
コルベールの研究室の窓を突き破って新聞が飛び込む。そこには、
『「土くれ」の正体判明 連続窃盗犯人キュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプシュトーを指名手配』
「……大変です!」
いきなり壁に叩きつけられるキュルケ。
「何するのよ!」
「お前を窃盗の容疑で逮捕する!」
「そんな馬鹿な! 何かの間違いよ!」
「無駄な抵抗はするな!」
「盗みなんかしないわよ!」
衛兵を突き飛ばして逃げ出すキュルケ。何とか衛兵達を巻いて溜め息を吐く。
「何で私がこんな目に……」
――キュルルル
(主だけではありません。他の皆さんに起きている事も何だか奇妙です)
「確かめてみるわよ」
ガリア王国・ヴェルサルテイル宮殿。
簡素ながら上品なつくりの執務室内では、タバサが部下から持ち込まれる案件に指示を出していた。
「パンデ子爵に反乱画策と噂されるアルビオン貴族との密会疑惑が……」
「……現場に踏み込んで身柄拘束……」
「クッジャ川堤防が老朽化し今度の雨季に決壊の恐れが……」
「……軍工作部隊出動……」
「ナテンア男爵配下の騎士団が男爵解任を求め……」
「……男爵は解任……首謀者は投獄……」
「キンバ財務大臣が……」
「……私が口を出す問題じゃない……」
廊下に出たタバサをキュルケが呼び止める。
「タバサ!」
「……キュルケ……」
「いったい何やってるのよ?」
「……新聞……見なかったの……私はジョゼフから王位を取り戻した……」
「タバサ、あんた……また来るわ!」
タバサを非難しようとしたキュルケだったが、衛兵隊に気付いて即座に逃げるのだった。
「おい! いたぞ! 待てえ!」
そのタバサの目の前をキュルケを追いかける衛兵達が駆け抜けていった。
「………」
逃げまとうキュルケの様子が映し出されたモニターに、満足気な表情のルイズ達。
「この調子なり。リンテンバンキ、作戦をセカンドステージに進めるなり」
『かしこまり! 号外ー、号外だよー……』
再度新聞を撒き散らすリンテンバンキ。
『工房排煙10倍法案可決 今日から全ての工房で従来の10倍の煙を出す事が法律で義務付けられた』
一方ビプリーベ伯邸では……、
「おうおうおう、新聞に載っていた通りの立派な少年じゃ。ハハハハハ。うんうん、じゃあ早速孫達に紹介しよう」
ビプリーベ伯の傍には大きな本を抱えた薄桃色の髪の少女・リボンを結んだ青髪の少女・金髪を縦ロールにまとめた少女。
「今屋敷にいるのはこの子達5人じゃが、他のみんなが帰ってきたらまた紹介しよう」
そこへ、東方風の白い上着に赤いロングスカート姿の黒髪の少女がやってきた。
「兄者、そちに客人が来ておるぞ」
「え? 客人?」
客人とはキュルケの事だった。
「確かに不思議だけど……、新聞に書いてあったじゃないか」
「それでいいの!? 私達と一緒にミスタ・コルベールから大任を任された時の気持ちは忘れちゃったの!?」
ギーシュの両肩をつかむキュルケだったが、ギーシュは非情にもその手を払いのけ、
「ルイズの使い魔の相手より、可愛い妹達の相手の方が楽しいかも!」
「あの、お兄ちゃん、チェリーと遊んでくれますか?」
「うん、行こう、チェリー!」
そう返事して紫色っぽい茶色の髪の頭に大きな帽子を被った少女と一緒に立ち去ってしまった。
「そんな……」
道端にうずたかく積み上げられたゴミの山。
騎馬衛兵達の通過を確認してキュルケ・フレイムはその中から這い出した。
「……ねえフレイム、野良犬って知ってる?」
――キュルルルル……
(さあ、火竜山脈にはいませんでした。……それよりここはどこでしょう? ゴミ捨て場とは思えませんが……)
周囲では町の人々があちこちにゴミ袋を捨てている。
顔をしかめてキュルケは1組の父娘に声をかける。
「駄目じゃない、こんなとこに捨てちゃ」
しかし父親はまったく悪びれた様子も無く、
「知らないのですか? 新しい法律ができて、家庭のゴミはどこに捨ててもいい事になったんですよ」
「え?」
「工房から出す煙も今までの10倍にする法律ができたって、新聞に書いてあったよ」
「新聞で?」
『号外、号外ー。町を汚すための新しい法律が出来たよー!』
「あっ……」
その時、キュルケの脳内で一連の異変のキーワードが浮かび上がった。
(――……『新聞』……見なかったの……)
(――『新聞』に書いてあったじゃないか)
「まさか……」
「ミス・ツェルプシュトー!」
そこへコルベールが駆け寄ってきた。
「ミスタ・コルベール!」
「ミス・ツェルプシュトー! 無事だったのですね」
「ええ。それより新聞を調べてください。ルイズの使い魔が何か細工をしているに違いありません!」
「なるほど……。こちらも新聞の発信源の場所が特定できました」
「………!」
決意の表情で歩き出すキュルケ。
――キュルル?
(1人で行くのですか、主?)
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