「ゼロの女帝-19」(2008/09/14 (日) 16:44:06) の最新版変更点
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#navi(ゼロの女帝)
&setpagename(ゼロの女帝 第十九話)
その一撃に青ざめるミョズニトニルン。
見ると、その女が迫ってくるではないか。
『フライ』じゃない
もちろん『レビテーション』でもない
純粋に脚力(あるいは『神の頭脳』たる自分さえも知らない何か)による跳躍で
まっすぐこの船に迫ってくるのだ。
「こんにちわー」
その女はレキシントン号ブリッジの壁にぽっかりとあいた穴から入ってきた。
妙にゆったりした、まるで床の吹き掃除をするかのような長いスカートをはいている。
「な、なにものだ!」
数人のメイジが杖を構える・・・・もとい、構えようとする。
だが彼らは即座に、なにも何も起こらず倒れこんで行く。
そんな彼らの足元に小さな石が転がってるのには誰も気づかなかった。
「き・・・・・・・キサマ・・・・・」
「キシャマー!」
銀髪おかっぱの青年が頭に血ィ登らせて呪文を唱えようとするも
「キョ、キョシヌケがぁ!」
珍妙な悲鳴をあげて後ろに倒れ、気を失う。
「大丈夫大丈夫、何もする気無いから」
「・・・・・・・・・何もする気ないというなら何をしにきた?」
「たいしたことじゃないのよ、『レコン・キスタ』の頭領ってことになってる
クロちゃんの顔見に来ただけ」
「ク、クロちゃんって」
「無礼者が!」
と杖を構えて虚無の魔法を唱えようとしたクロムウェルは、手を捕まれ口を押さえられていた。
何が起きたのか、周りのものはおろか彼自身すら理解できない。
あ、ありのまま起こった事を話すぜ
魔法を唱えようとしたら5,6メイルほど向こうにいた平民(らしき だって杖持ってないもん)の女が
いきなりオレの口を押さえてた・・・・・・
そして耳元で囁いたんだ。
「ダメよ、多分その指輪はあとニ、三回で魔力切れるわ。
大事にして。本当に必要なとき以外はね」
そしてすばやく離れていく。
何を言ったんだこの女は
まるで皇帝たる自分がこの指輪無しには何も出来ないみたいな言い方しやがって
俺は・・・・・・俺は・・・・・・・・・・おれはぁ!
「あの子ももういなくなったみたいだし」
周囲を見回すと、さっきまで傍にいた『使い』の女が居なくなってる。
あの尻は・・・・・・・ワルド卿だ。
机の引出しに顔だけ突っ込んで何怯えてやがる。
「こここここここここ、怖いよママン あの女が来たよ。
またきっとボクをイジメルつもりなんだよママン
助けて助けて助けてよママン」
「やなこった。自分の不始末は自分でつけな、ワ・ル・ド・ちゃん」
「マ-マー!!」
「しがみつくな鬱陶しい!」
「さて、と」
そんな珍妙な寸劇を無視した瀬戸は、掌中に少し大きめの光弾を生み出すと、床に向かって放った。
「それじゃ、失礼致します、をほほほほ」
ふわりと後ろ向きに地上に向かって飛び降りる謎の女。
でもやっぱ死なないんだろうなぁ、とその場の全員がぼぉっとしていると、下層からの伝令が飛び込んできた。
「風石が!風石が消滅しました!」
「なんだと!」
「突然天井を突き破って降ってきた光球が風石を包み込み、消滅させました!」
「全てか?」
「いえ、航海士が計算したところぎりぎり地上に不時着するくらいは持つとのことです」
その言葉に一同は、さっきまでここにいた平民(らしき)女の顔を思い浮かべる。
「おーっほほほほほほほほほ!」
謎の高笑いが壁の穴の向こう側から響いてきた。
「たっだいまー」
「おかえりセト」
「ご無事で何よりです、マダム・セト」
「とりあえず『レコン・キスタ』の船は全滅させてきたわ」
「みたいですね」
すこし苦々しい顔で答えるウェールズ。
こうもあっさり反乱軍を殲滅されたら、王家としてのメンツとか立場とか・・・・・・
まあしかし彼女が敵でないのなら安心だ。
もっとも味方だった場合は、王家の威信とかそういったものの害になる。
「王家の者」より優秀な存在など抹殺対象にするしかない。
敵には回すなどもってのほかだが味方としても劇薬だ。
「まあ一人も殺してないけど船は一隻残らず使い物にならなくしたからね。
お船を全部回収して修理して風石用意して・・・・・・
ふふっ 何時になったら再攻撃できるようになるのかしらね」
まあ無理な話だろうな。
それにこれほど強力な「王家の味方」が存在する以上『レエコン・キスタ』から離反する
風見鶏な恥知らずも多々現れよう。
「ただいま戻りました、ジョゼフさま」
「よく戻ったな、我が愛しきミョズニトニルン。
で、如何であった」
「は、ジョゼフさまのお見立て通り『レコン・キスタ』は使い魔の女ひとりに敗れ去りました。
このまま滅んでいくのが関の山でしょうね」
「うむ、詳しく聞かせてくれ・・・・・その背中の紙はなんだ?」
「は?」
見るとミョズニトニルンの背中に紙が張ってある。
「読んでみよ」
「は・・・・・・・あのぉ」
「かまわん」
「はい・・・・・・『弟を殺したのは判んないでもないけどさぁ、義妹や姪っこ苛めた挙句他の国を
暇だからって理由で引っ掻き回すのは感心できないわ
あんまりおイタ過ぎると、メッだからね』・・・・・・以上です」
「ふ・・・・・・ふふふふふ・・・・・ふはははは!」
「ジョゼフさま?」
「これが笑わずにいられようか!
この女、余を完璧に見切った挙句おぬしですら弄ばれたのだぞ!
自分を遥か上回る者と対峙するというのはこんな気分なのか!
素晴らしい!素敵だ!はーーーーっははははははは!」
「はーーーーーっはははははは!
やはりわたしにはかなわないと知って逃げ出したようだな!
はっはははははははは!」
「馬鹿言ってるんじゃないよ!このスカポンタン!」
#navi(ゼロの女帝)
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その一撃に青ざめるミョズニトニルン。
見ると、その女が迫ってくるではないか。
『フライ』じゃない
もちろん『レビテーション』でもない
純粋に脚力(あるいは『神の頭脳』たる自分さえも知らない何か)による跳躍で
まっすぐこの船に迫ってくるのだ。
「こんにちわー」
その女はレキシントン号ブリッジの壁にぽっかりとあいた穴から入ってきた。
妙にゆったりした、まるで床の吹き掃除をするかのような長いスカートをはいている。
「な、なにものだ!」
数人のメイジが杖を構える・・・・もとい、構えようとする。
だが彼らは即座に、なにも何も起こらず倒れこんで行く。
そんな彼らの足元に小さな石が転がってるのには誰も気づかなかった。
「き・・・・・・・キサマ・・・・・」
「キシャマー!」
銀髪おかっぱの青年が頭に血ィ登らせて呪文を唱えようとするも
「キョ、キョシヌケがぁ!」
珍妙な悲鳴をあげて後ろに倒れ、気を失う。
「大丈夫大丈夫、何もする気無いから」
「・・・・・・・・・何もする気ないというなら何をしにきた?」
「たいしたことじゃないのよ、『レコン・キスタ』の頭領ってことになってる
クロちゃんの顔見に来ただけ」
「ク、クロちゃんって」
「無礼者が!」
と杖を構えて虚無の魔法を唱えようとしたクロムウェルは、手を捕まれ口を押さえられていた。
何が起きたのか、周りのものはおろか彼自身すら理解できない。
あ、ありのまま起こった事を話すぜ
魔法を唱えようとしたら5,6メイルほど向こうにいた平民(らしき だって杖持ってないもん)の女が
いきなりオレの口を押さえてた・・・・・・
そして耳元で囁いたんだ。
「ダメよ、多分その指輪はあとニ、三回で魔力切れるわ。
大事にして。本当に必要なとき以外はね」
そしてすばやく離れていく。
何を言ったんだこの女は
まるで皇帝たる自分がこの指輪無しには何も出来ないみたいな言い方しやがって
俺は・・・・・・俺は・・・・・・・・・・おれはぁ!
「あの子ももういなくなったみたいだし」
周囲を見回すと、さっきまで傍にいた『使い』の女が居なくなってる。
あの尻は・・・・・・・ワルド卿だ。
机の引出しに顔だけ突っ込んで何怯えてやがる。
「こここここここここ、怖いよママン あの女が来たよ。
またきっとボクをイジメルつもりなんだよママン
助けて助けて助けてよママン」
「やなこった。自分の不始末は自分でつけな、ワ・ル・ド・ちゃん」
「マ-マー!!」
「しがみつくな鬱陶しい!」
「さて、と」
そんな珍妙な寸劇を無視した瀬戸は、掌中に少し大きめの光弾を生み出すと、床に向かって放った。
「それじゃ、失礼致します、をほほほほ」
ふわりと後ろ向きに地上に向かって飛び降りる謎の女。
でもやっぱ死なないんだろうなぁ、とその場の全員がぼぉっとしていると、下層からの伝令が飛び込んできた。
「風石が!風石が消滅しました!」
「なんだと!」
「突然天井を突き破って降ってきた光球が風石を包み込み、消滅させました!」
「全てか?」
「いえ、航海士が計算したところぎりぎり地上に不時着するくらいは持つとのことです」
その言葉に一同は、さっきまでここにいた平民(らしき)女の顔を思い浮かべる。
「おーっほほほほほほほほほ!」
謎の高笑いが壁の穴の向こう側から響いてきた。
「たっだいまー」
「おかえりセト」
「ご無事で何よりです、マダム・セト」
「とりあえず『レコン・キスタ』の船は全滅させてきたわ」
「みたいですね」
すこし苦々しい顔で答えるウェールズ。
こうもあっさり反乱軍を殲滅されたら、王家としてのメンツとか立場とか・・・・・・
まあしかし彼女が敵でないのなら安心だ。
もっとも味方だった場合は、王家の威信とかそういったものの害になる。
「王家の者」より優秀な存在など抹殺対象にするしかない。
敵には回すなどもってのほかだが味方としても劇薬だ。
「まあ一人も殺してないけど船は一隻残らず使い物にならなくしたからね。
お船を全部回収して修理して風石用意して・・・・・・
ふふっ 何時になったら再攻撃できるようになるのかしらね」
まあ無理な話だろうな。
それにこれほど強力な「王家の味方」が存在する以上『レコン・キスタ』から離反する
風見鶏な恥知らずも多々現れよう。
「ただいま戻りました、ジョゼフさま」
「よく戻ったな、我が愛しきミョズニトニルン。
で、如何であった」
「は、ジョゼフさまのお見立て通り『レコン・キスタ』は使い魔の女ひとりに敗れ去りました。
このまま滅んでいくのが関の山でしょうね」
「うむ、詳しく聞かせてくれ・・・・・その背中の紙はなんだ?」
「は?」
見るとミョズニトニルンの背中に紙が張ってある。
「読んでみよ」
「は・・・・・・・あのぉ」
「かまわん」
「はい・・・・・・『弟を殺したのは判んないでもないけどさぁ、義妹や姪っこ苛めた挙句他の国を
暇だからって理由で引っ掻き回すのは感心できないわ
あんまりおイタ過ぎると、メッだからね』・・・・・・以上です」
「ふ・・・・・・ふふふふふ・・・・・ふはははは!」
「ジョゼフさま?」
「これが笑わずにいられようか!
この女、余を完璧に見切った挙句おぬしですら弄ばれたのだぞ!
自分を遥か上回る者と対峙するというのはこんな気分なのか!
素晴らしい!素敵だ!はーーーーっははははははは!」
「はーーーーーっはははははは!
やはりわたしにはかなわないと知って逃げ出したようだな!
はっはははははははは!」
「馬鹿言ってるんじゃないよ!このスカポンタン!」
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