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#navi(S・A in ハルケギニア)
1話 主は使い魔の実力を見抜けずに苦悩する
「ここはどこだ?」
滝島慧は気付くと、見知らぬ場所に座っていた。
辺りを見渡して見たら、いるのはピンクや赤や青と色とりどりの髪を持つ少年少女。
建物の様子と、周囲の人間の様子からここが外国である可能性が強いとは判断できるが、そもそもなぜ自分が
外国に居るのか理解出来ない。
(どういうことだ?確か俺は………)
滝島はつい先ほどの出来事を思い返す。
「やあ光。おはようございます」
「おう、滝島。おはよう。なあ……あれなんだろ?」
「えっ!?」
光が指を指すほうを見ると、そこには不思議な空間が広がっていた。
ブラックホールのほうなものだ。
そして他のSAメンバーの五人もその中心に立ってなにやら話していた。
「何なのかしら?」
「ねえ、竜。これって危なくないかな」
『本物のブラックホール?』
「いや、危険かは分からないけど、ブラックホールじゃないはずだ。本当にブラックホールならのんびり立っていられないから」
と、口々に話していた。
そして一人の男がのんきな一言を吐いた。
「ひょっとしてただの大きいチョコレートだったりして……あっ、光ひょっとしてチョコ作った?」
「そんなわけないだろ!誰がこんなデカイチョコなんて作る」
「そうですね。それに光が作ったとしても、わざわざ温室に放置する理由が無い。そもそもチョコならとっくに溶けている」
「ははは、それはそうだな。ハハハハハ」
と、宙のボケを慧があっさりと斬り捨てる。
宙も笑ってごまかしているが、何気なく歩くとやはり定番のように宙は足を滑らせた。
「うわっ!?」
宙は咄嗟にバランスを整えようとするが、すでに間に合わない。しかも倒れる方向はブラックホールの方向だ。
このままでは突っ込んでしまう事になる。
そこでうっかり近くにいた純と芽を掴んでしまう。
「うわっ!」
「っ!?」
しかし純も芽もそんな突然の行動に対応しきれずに、やはりバランスを崩してしまう。
「ちょっと芽っ!」
「純危ないっ!」
と、そこで素早く明と竜が手を伸ばして助けようとする。
だが、一瞬出遅れたせいで二人もやはりバランスを崩してしまった。
「おいお前らっ!危ないぞっっ!!」
そこでようやく光がダッシュしてそのまま跳び明の手を掴む。
が、勢いよく走りすぎたせいで勢いそのまま光も他の六人と共にブラックホールのような物に吸い込まれつつあった。
「光っっっ!!!」
そして最後に慧が走り出し光の手を掴む。
だが、すでに重心が浮いてしまい、踏ん張りが利かなかった。
「くっ、しまっ!」
た!
最後の言葉が出る前に七人はブラックホールのようなものへ吸い込まれていった。
やがて7人を吸い込んだ物は跡形もなく消え去り、温室には誰も居なくなった。
(そうだ。確かに俺は………だがそれならどうして他のみんなは……いったいこれは……んっ!?)
滝島が必死に状況を飲み込もうとするが、そこで驚きの出来事が起こる。
なんといきなり近づいてきたピンク髪の少女が口付けを交わしたのだ。
「なっ!?なにをする!?」
滝島は思わず若干怒気の混じった声で言い返す。
すると少女は驚きの返答をした。
「何怒ってるのよ。貴族の私にしてもらえるんだから光栄でしょ。あなたは私の使い魔なんだから」
「…………使い魔?何を……つっ!」
滝島は更に言い返そうとするがそこで右手に痛みが走るのを感じた。
みると右手には不思議な模様が刻まれていた。
「ほら。これであなたは私の使い魔よ。それは使い魔の証のルーンなんだから。あなた名前は」
「…………」
そこで滝島は急速に頭が冷えていくのを感じた。
事情はまだつかめていないが、目の前の女が自分の気に入るタイプとは外れているのを感じ取れたからだ。
そして、頭が冷却され、冷静さを取り戻したのを感じると、ようやくいつもの調子を取り戻す事が出来た。
「名前ですか。名乗るならまずはあなたが先に名乗るべきでしょう。貴族の癖に礼儀がまるでなっていませんね」
「なっ!」
と、滝島の思わぬ反撃にルイズはイラっと来るものを感じた。
そして周囲からは
「ルイズが召喚した使い魔が口答えしてるぞ」
「さすがゼロのルイズだ。使い魔を全然扱えてないぜ」
「才能ゼロは使い魔もまともなの召喚出来てないぞー」
と様々な嘲笑が飛び交う。
しかし滝島はそれに我関せずのまま更にルイズに追求する。
「ほら。あなたが先に名乗ってください。それとも私が名前をつけましょうか。そうですね……ゼロさんでどうですか」
「なっ!、ゼロ……」
「嫌ですか………ゼロさん。良いと思いますがね。ああ、私は滝島慧といいます。変なあだ名はやめてちゃんと名前で
呼んでくださいよ。ゼロさん」
「ゼっ…………」
「んっ?」
ルイズは明らかに怒りのボルテージが高まっているが、滝島は涼しい顔でそれを眺めている。
そして遂にルイズの怒りが爆発し、
「ゼロって言うなーっっっ!!!」
怒鳴りながら杖で殴りつける。
しかし滝島はそれを表情も変えずによけてしまう。
「なっ!」
「突然殴りかかるなんて………乱暴ですね。……ゼロさん」
「っ!」
滝島の涼しい顔のままの挑発に、ルイズは声にならない怒りを覚えた。
しかしそれをよそに、滝島は新たな事を考えていた。
(しかし……他の皆さんはどこに……あとで誰か話せそうな方を見つけて色々聞き出さなくては)
そうだ。
滝島の仲間を探すハルケギニアでの不思議な生活は今始まったのだ。
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