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「魔法少女ラジカルイズ」(2008/03/12 (水) 22:57:10) の最新版変更点
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春の使い魔召喚の儀式。メイジであるならば当然のごとく使い魔の召喚に成功する……はずだったのだが、ルイズと呼ばれる少女はそれが出来ないでいた。
ルイズは魔法が使えないと揶揄される。彼女が魔法を唱えれば生じるのは爆発のみ。しかし、ルイズは努力を積み重ねていた。
ただ、いくらその努力を積み重ねていようとも彼女は使い魔を呼び出すことが出来ず、本来ならば彼女はメイジ失格の烙印を押され、退学乃至留年という結果になったであろう。
だが彼女には幸運なことにもう一度チャンスが与えられた。それは教師であるコルベールが他の教師や学院長に嘆願した結果でもあった。
月が頭上に昇った今宵、ルイズは中庭に出ていた。コルベールの温情に答えるべく、魔法の練習をするために……。
繰り返される爆発音、眠りを妨げるこの騒音も、いつもは冷やかす生徒達は今夜だけはと、目を瞑るのであった。
沢山の書物を読んだ。
沢山の人に助言を仰いだ。
それでも結果がでない。明日こそは、明日こそは魔法を成功させて見せると誓い、練習に励むのであった。
そして日付が変わったであろうその時に、それは起こった。
ルイズが練習を切り上げようと思い、最後の一回と杖を振るう途中にそれは起きた。
いつもならば杖が振り切ってから生じる爆煙が杖を振る途中に起きたのだ。
そして月明かりによって明らかになる何かの影……この時ルイズは理解した。使い魔の召喚に成功したのだと……。
思わず小躍りして煙が晴れるのを待つルイズであったが、煙が晴れるにつれ、彼女の顔から喜びが消えていく。
そうどう見てもそこにいるのは妙齢の女性であったのだ。
ルイズは誰であるか問おうと一歩踏み出した。その時、女性が唐突に動き出した。
「ラジカール、レヴィちゃん、参上!」
なにやらピロリロリーンやらキュピーンとかいう擬音がついてきそうな挨拶をしでかしたのだ。
呆気にとられたルイズはレヴィちゃんなるこの人物をつぶさに観察する。スタイルは羨むぐらいに良い。黒髪を後ろでまとめている彼女の容姿は綺麗と言っても過言ではないだろう。
けどその格好はどうかと思う。彼女が美少女、少女と言われるような年齢ならば有りかも知れない。けど現実には彼女は美女であって美少女ではない。魔法少女チックな服装は痛々しい。
「誰……?」
辛うじてそう声を出すことが出来たルイズ。彼女はこの状況でよくまともな質問をしたと自画自賛していることであろう。
「魔法少女としての素質がいまいちな貴女を、スナック感覚で助けるために、ヘストンワールドからやってきた正義と平和の使者なのよ!」
くるくる踊りながらそんなことを言ってのける彼女をルイズは冷たい目で見ながら、スナックとかヘストンワールドって何?と心の中で思っていた。
決して突っ込んだら負けと彼女が思っていないということを弁明しておく。
ルイズの様子などお構いなく、ノリノリなレヴィちゃんは目をキラキラさせてルイズの両肩をがっしり掴んだ。
「悩み事とかあるでしょう! 言ってみて!」
鼻息が荒いレヴィちゃんはルイズをがくがく揺さぶる。
ルイズは絶対こいつは使い魔じゃない、そう思ったか定かではないが言い放つ。
「帰ってくれない?」
そんなルイズを素直じゃないツンデレかと思っているレヴィちゃんは尚をルイズに詰め寄る。
「ほらー、やっつけて欲しい人とか嫌いな奴とかいるでしょ! ほら!」
「いないことはないけど…」
折れた。ルイズは折れた。彼女のテンションについて行けなくなったルイズは用事が終わったら帰るのかしら、なんて思ったのか話に乗ってしまったのだ。
そして夜が明け、物語は魔法学院の教室へと移る。
「なんだよ”ゼロのルイズ”、使い魔は召喚できなかったんじゃないのか?」
教室に入るなり行き成りいちゃもんをつけ始めたこの少年、マリコリヌとその取り巻きはこの後降りかかる災いを知らない。
「え? こいつ? うざったいやつって…」
「こんな感じでうざいのよ…」
妙にうきうきしたレヴィちゃんとは対照的に覇気がないルイズ。
「なんだちょこざいな。あんなもんひとひねりですよー♪」
それはルイズに語ったのか、それとも彼らを挑発するために言ったのか、理由はともかく結果としてマリコルヌとその他数名の生徒は激昂した。
「なにー!ルイズの癖に生意気な!」
どこぞのガキ大将のごとく顔を真っ赤にさせて襲いいかかる彼らを尻目にレヴィちゃんは踊り始めた。
「トカレフ、マカロフ、ケレンコフ、ヘッケラーコックで―――」
キラリラリンという効果音つきで踊るそれは彼女の魔法を使うための舞、そして……
「見敵必殺ゥ!」
何とも頼もしい掛け声と共に現れたのは二丁の銃、それは彼女の相棒ソードカトラスに他ならない!
驚くルイズを尻目に銃口はマリコルヌの額に合わさった!
教室に響く銃声、悲鳴、怒号…そして……
「魔法じゃないの!」
「誰が?」
虚しく叫ばれるルイズの突っ込み。
「イェーイ! 物事なんでも速攻解決! 銃で!!」
一仕事終えて楽しそうに叫ぶ彼女にルイズはもはや突っ込みを入れる気もなくしてしまった。
「魔法なんて非現実的なものよりよっぽど確実な方法よ!」
高らかに笑い、そう宣言するレヴィちゃん。彼女はここが魔法学院とは知らない。
「ああ、風上のマリコリヌが風穴のマリコルヌになってしまった…」
誰ともなくそう叫ぶ声が教室に響く。
「頭痛いから教室に帰るわ……」
これは悪い夢、目を覚ませばいつもの日常が……。逃避を試みるルイズ、だがそうは問屋が許さない。
レヴィちゃんに首根っこを掴まれ引き止められる。
「何言ってんの?ここは教室だから帰るなんてできないぞぉ」
彼女の言うとおり。そもそも教室にいるのに教室に帰ることなど出来ないのだ。それよりもレヴィちゃんに突っ込まれるなんて……。
「そんなことより、今日はレヴィちゃんから素敵なプレゼントがありまーす」
「いらないいらない」
「何とこの銃をあげちゃいまーす!」
心の底から全力で拒否しようがレヴィちゃんには無駄無駄。無理やりルイズの手に二丁の銃を握らす。それはまだ発砲の余韻で銃口が暖かい。
「あ、それじゃあ時間だから帰るね! バイバ~イ!」
こうして自己満足を思うさま堪能したラジカルレヴィは、ヘストン・ワールドに帰っていきました。
テンション爆超のまま。
物語はここで終わらない。当然その後教室に踏み込んだ教師達によって、ルイズは事件の首謀者として拘束されてしまうのでした。
「ミス・ヴァリエール。君は、君はそんなことをする生徒ではないと信じていたのに……」
コルベールが目元を拭う。オスマンはそんな彼を気遣いながらルイズに優しく問いかける。
「何故こんなことをしでかしたのじゃ。君にはチャンスが与えられた…自棄になる必要はないじゃろう」
「ごめんなさいごめんなさい……」
ルイズは謝罪の言葉を口にしながら心の中で助けを求めていた……そしてそれに呼応するものが現れたのだ!
「マジカールメイド、ロベルタちゃん、参上!」(猫耳)
「お、同じくマジカルメイド、シエスタちゃん参上!」(猫耳)
続きません
春の使い魔召喚の儀式。メイジであるならば当然のごとく使い魔の召喚に成功する……はずだったのだが、ルイズと呼ばれる少女はそれが出来ないでいた。
ルイズは魔法が使えないと揶揄される。彼女が魔法を唱えれば生じるのは爆発のみ。しかし、ルイズは努力を積み重ねていた。
ただ、いくらその努力を積み重ねていようとも彼女は使い魔を呼び出すことが出来ず、本来ならば彼女はメイジ失格の烙印を押され、退学乃至留年という結果になったであろう。
だが彼女には幸運なことにもう一度チャンスが与えられた。それは教師であるコルベールが他の教師や学院長に嘆願した結果でもあった。
月が頭上に昇った今宵、ルイズは中庭に出ていた。コルベールの温情に答えるべく、魔法の練習をするために……。
繰り返される爆発音、眠りを妨げるこの騒音も、いつもは冷やかす生徒達は今夜だけはと、目を瞑るのであった。
沢山の書物を読んだ。
沢山の人に助言を仰いだ。
それでも結果がでない。明日こそは、明日こそは魔法を成功させて見せると誓い、練習に励むのであった。
そして日付が変わったであろうその時に、それは起こった。
ルイズが練習を切り上げようと思い、最後の一回と杖を振るう途中にそれは起きた。
いつもならば杖が振り切ってから生じる爆煙が杖を振る途中に起きたのだ。
そして月明かりによって明らかになる何かの影……この時ルイズは理解した。使い魔の召喚に成功したのだと……。
思わず小躍りして煙が晴れるのを待つルイズであったが、煙が晴れるにつれ、彼女の顔から喜びが消えていく。
そうどう見てもそこにいるのは妙齢の女性であったのだ。
ルイズは誰であるか問おうと一歩踏み出した。その時、女性が唐突に動き出した。
「ラジカール、レヴィちゃん、参上!」
なにやらピロリロリーンやらキュピーンとかいう擬音がついてきそうな挨拶をしでかしたのだ。
呆気にとられたルイズはレヴィちゃんなるこの人物をつぶさに観察する。スタイルは羨むぐらいに良い。黒髪を後ろでまとめている彼女の容姿は綺麗と言っても過言ではないだろう。
けどその格好はどうかと思う。彼女が美少女、少女と言われるような年齢ならば有りかも知れない。けど現実には彼女は美女であって美少女ではない。魔法少女チックな服装は痛々しい。
「誰……?」
辛うじてそう声を出すことが出来たルイズ。彼女はこの状況でよくまともな質問をしたと自画自賛していることであろう。
「魔法少女としての素質がいまいちな貴女を、スナック感覚で助けるために、ヘストンワールドからやってきた正義と平和の使者なのよ!」
くるくる踊りながらそんなことを言ってのける彼女をルイズは冷たい目で見ながら、スナックとかヘストンワールドって何?と心の中で思っていた。
決して突っ込んだら負けと彼女が思っていないということを弁明しておく。
ルイズの様子などお構いなく、ノリノリなレヴィちゃんは目をキラキラさせてルイズの両肩をがっしり掴んだ。
「悩み事とかあるでしょう! 言ってみて!」
鼻息が荒いレヴィちゃんはルイズをがくがく揺さぶる。
ルイズは絶対こいつは使い魔じゃない、そう思ったか定かではないが言い放つ。
「帰ってくれない?」
そんなルイズを素直じゃないツンデレかと思っているレヴィちゃんは尚をルイズに詰め寄る。
「ほらー、やっつけて欲しい人とか嫌いな奴とかいるでしょ! ほら!」
「いないことはないけど…」
折れた。ルイズは折れた。彼女のテンションについて行けなくなったルイズは用事が終わったら帰るのかしら、なんて思ったのか話に乗ってしまったのだ。
そして夜が明け、物語は魔法学院の教室へと移る。
「なんだよ”ゼロのルイズ”、使い魔は召喚できなかったんじゃないのか?」
教室に入るなり行き成りいちゃもんをつけ始めたこの少年、マリコルヌとその取り巻きはこの後降りかかる災いを知らない。
「え? こいつ? うざったいやつって…」
「こんな感じでうざいのよ…」
妙にうきうきしたレヴィちゃんとは対照的に覇気がないルイズ。
「なんだちょこざいな。あんなもんひとひねりですよー♪」
それはルイズに語ったのか、それとも彼らを挑発するために言ったのか、理由はともかく結果としてマリコルヌとその他数名の生徒は激昂した。
「なにー!ルイズの癖に生意気な!」
どこぞのガキ大将のごとく顔を真っ赤にさせて襲いいかかる彼らを尻目にレヴィちゃんは踊り始めた。
「トカレフ、マカロフ、ケレンコフ、ヘッケラーコックで―――」
キラリラリンという効果音つきで踊るそれは彼女の魔法を使うための舞、そして……
「見敵必殺ゥ!」
何とも頼もしい掛け声と共に現れたのは二丁の銃、それは彼女の相棒ソードカトラスに他ならない!
驚くルイズを尻目に銃口はマリコルヌの額に合わさった!
教室に響く銃声、悲鳴、怒号…そして……
「魔法じゃないの!」
「誰が?」
虚しく叫ばれるルイズの突っ込み。
「イェーイ! 物事なんでも速攻解決! 銃で!!」
一仕事終えて楽しそうに叫ぶ彼女にルイズはもはや突っ込みを入れる気もなくしてしまった。
「魔法なんて非現実的なものよりよっぽど確実な方法よ!」
高らかに笑い、そう宣言するレヴィちゃん。彼女はここが魔法学院とは知らない。
「ああ、風上のマリコルヌが風穴のマリコルヌになってしまった…」
誰ともなくそう叫ぶ声が教室に響く。
「頭痛いから教室に帰るわ……」
これは悪い夢、目を覚ませばいつもの日常が……。逃避を試みるルイズ、だがそうは問屋が許さない。
レヴィちゃんに首根っこを掴まれ引き止められる。
「何言ってんの?ここは教室だから帰るなんてできないぞぉ」
彼女の言うとおり。そもそも教室にいるのに教室に帰ることなど出来ないのだ。それよりもレヴィちゃんに突っ込まれるなんて……。
「そんなことより、今日はレヴィちゃんから素敵なプレゼントがありまーす」
「いらないいらない」
「何とこの銃をあげちゃいまーす!」
心の底から全力で拒否しようがレヴィちゃんには無駄無駄。無理やりルイズの手に二丁の銃を握らす。それはまだ発砲の余韻で銃口が暖かい。
「あ、それじゃあ時間だから帰るね! バイバ~イ!」
こうして自己満足を思うさま堪能したラジカルレヴィは、ヘストン・ワールドに帰っていきました。
テンション爆超のまま。
物語はここで終わらない。当然その後教室に踏み込んだ教師達によって、ルイズは事件の首謀者として拘束されてしまうのでした。
「ミス・ヴァリエール。君は、君はそんなことをする生徒ではないと信じていたのに……」
コルベールが目元を拭う。オスマンはそんな彼を気遣いながらルイズに優しく問いかける。
「何故こんなことをしでかしたのじゃ。君にはチャンスが与えられた…自棄になる必要はないじゃろう」
「ごめんなさいごめんなさい……」
ルイズは謝罪の言葉を口にしながら心の中で助けを求めていた……そしてそれに呼応するものが現れたのだ!
「マジカールメイド、ロベルタちゃん、参上!」(猫耳)
「お、同じくマジカルメイド、シエスタちゃん参上!」(猫耳)
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