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「異世界BASARA-34」(2008/02/28 (木) 23:17:22) の最新版変更点
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『魅惑の妖精亭』で横暴な振る舞いをする徴税官、チュレンヌ…
誰も近寄りたくないこの貴族の相手を、ルイズは自ら名乗り出たのであった。
「行くって…あんたに出来るのかい?普段だって全然ダメじゃない」
勢いよく名乗り出たルイズだが、早速ジェシカに突っ込まれる。
「ば、馬鹿にしないで。次こそは上手くやってみせるわよ!」
手近にあったワインとグラスを取ると、ルイズは一度深呼吸した。
『ルイズ殿のお役に立つ為ならば!誇りは一時捨て置く覚悟でござる!!』
脳裏に、先程の幸村の言葉が浮かぶ。
(そうよ、誇りは一時捨て置く…後で拾えばいいのよ…!)
「い、いらっしゃいませぇ~」
ルイズはできるだけ明るく振舞ってチュレンヌの前に出てくる。
だが、当のチュレンヌはルイズの胸を見るや否や不満いっぱいの顔に変わった。
「…ここは男を働かせておるのか?」
「お、男!?」
ルイズの眉がピクピクと動く。
それに気づかないチュレンヌはさらに続けた。
「おやぁ?よく見れば単に胸の小さい娘か?」
「むむむむ、胸の小さい!?」
ルイズの体がわなわなと震え始める。
これ以上言えば、彼女の「何とか」袋の緒がブチ切れそうだ。
しかし、このような男の場合、そんな事を感じ取らないものである。
「どれどれ、私が本当に胸があるかどうか確かめてやろうか」
チュレンヌの手がルイズの胸を触ろうとした。
その瞬間…
「…ふ、ふ、ふざけないでえぇぇーっ!!!!」
「ぶっはああぁぁぁぁぁーーーーーっ!!!!」
ルイズの脚が顔面を蹴り飛ばした。
チュレンヌは椅子から転げ落ち、無様に倒れる。
「「「「きゃあああぁぁぁ~!!」」」」
「ノオオオォォーーーーーーーンッッ!!!」
予想していたとはいえ、あまりの事に従業員とスカロンは悲鳴を上げた。
「お、おのれ小娘!貴族を足蹴にするとは何事かあぁ!」
蹴られた鼻っ面を抑えながらチュレンヌは叫ぶ。
「ごごごめんなさい!この娘まだ新人さんでしてぇっ!」
スカロンがルイズに代わり、必死に謝った。
余程焦っているのか、腰の振りもいつもより速くなっている。
「黙れぇっ!今更謝っても遅いわぁー!!」
しかし、平民に蹴られたと思っているチュレンヌの怒りは納まらない。
テーブルに置いてあったワインボトルを引っ掴むと、ルイズに向かって投げつけた。
だが、ボトルがルイズに届く事はなかった。
当たる前に、ルイズの前に現れた幸村が受け止めたのだ。
幸村はワインボトルをテーブルに置き、チュレンヌを睨みつけた。
「……………」
現れた幸村に、チュレンヌとその部下は開いた口が塞がらなくなっていた。
「スカロン!スカロオオォォォーーン!!!!」
数十秒の沈黙を破ったのはチュレンヌだった。
「スカロン!おまっ!!お前!こ、ここはいつからオカマを雇うようになったんだ!?」
「い、いえ…ちょっと趣向を変えてみようと思いまして…ほほほ」
「趣向!?あんなオカマが客を取れると!?」
こればかりは、ジェシカも含めた従業員もチュレンヌに同意した。
「チュレンヌ殿でござったな……」
と、幸村がチュレンヌに話し掛けてきた。
「先程の貴殿の振る舞い、民の上に立つ者として恥ずかしいとは思わぬのか?」
「何だと!?」
その言葉に、チュレンヌはパニックで忘れていた怒りが再び燃え始めた。
さらに幸村は続ける。
「そして、ルイズ殿に対してあのような破廉恥な行為に及ぼうとするとは…」
そこで幸村は目をくわっ!と見開き、大口を開けて叫んだ。
「この変態めがあああぁぁぁぁぁ!!!!!」
「き、きき、貴様に言われたくないわあぁー!!!」
「おのれぇ…変態の分際で私を侮辱するとは…!」
チュレンヌは持っていた杖で幸村を指し、周りの部下に向かって叫ぶ。
「お前達!この馬鹿と小娘をひっ捕らえろ!」
「馬鹿ではない、真田源二郎幸村だ!」
幸村は名乗りを上げると、先ず、最初に近づいてきた男を殴り飛ばし、次に右から飛び掛かってきた男を裏拳で叩き伏せた。
「囲め!取り囲んでしまえ!」
これはマズイと感じたのか、チュレンヌの部下は幸村を周りを取り囲み、一斉に襲い掛かる。
だが、幸村は動じることなく、店中に響く程の声で吼えた。
「それしきで、この幸村は止まらぬわあぁぁぁ!!!!」
その後、複数の男の悲鳴と争うような音が聞こえた。
その音は大きく、店の外まで聞こえており…
「………?」ウィーン、ギュギュギュ?
この男の耳にもその音は届いていたのである。
「ぐあぁー!!」
殴られた部下の1人が、店の扉を破って外まで吹き飛ばされる。
辺りを見回してみれば、幸村によって倒された部下が床に転がっている。
皆、元の顔が分からない程に腫れ上がっていた。中には歯が数本折れた者もいるのか、抜け落ちた歯が落ちている。
「そ、そんな…こんな変態に…」
予想外の出来事にチュレンヌはうろたえた。
いくらなんでも、こんな訳の分からぬ平民のオカマに全て倒されるなど思っても見なかったのだ。
「ひ、ひぃ!」
さっきの横暴な態度とは打って変わり、チュレンヌは尻餅をつきながら後ずさる。
「ままま待て、ちょっと待て!!」
もはや立つ事も困難な程に慌てふためきながらも、チュレンヌは何とか店の入り口まで辿り着き、外へと逃げ出す。
「待たぬ、このまま尻尾を巻いて逃げる気か?」
「い、いいのか?私は女王陛下の徴税官なのだぞ!?」
「…むっ?」
外に出たチュレンヌを追ってきた幸村の表情が変わる。
(こいつめ…ようやく自分の愚行に気づいたな…)
チュレンヌは立ち上がり、嫌な笑みを幸村に向けた。
「今更後悔しても遅いぞ、お前達には罰として重税を課してくれる!」
「……………」
「フフフどうした?さっきの威勢がまるでないぞぉ?」
黙っているのを見て安心したのか、チュレンヌは後ろに下がりながら罵声を浴びせる
「平民風情が貴族に逆らうからこうなるのだ!平民は犬のように従っておればいいものを!
……いや、犬ではないな。貴様等は虫ケラだ、貴族に刃向かう者は犬以下の虫ケラよ!」
コツン
「んん?」
幸村を罵りながら後ずさっていたチュレンヌの背中に、何か硬いものが当たった。
投下終了します。
何だか忠勝ならある程度魔法受けても大丈夫な気がしてきました…
#navi(異世界BASARA)
『魅惑の妖精亭』で横暴な振る舞いをする徴税官、チュレンヌ…
誰も近寄りたくないこの貴族の相手を、ルイズは自ら名乗り出たのであった。
「行くって…あんたに出来るのかい?普段だって全然ダメじゃない」
勢いよく名乗り出たルイズだが、早速ジェシカに突っ込まれる。
「ば、馬鹿にしないで。次こそは上手くやってみせるわよ!」
手近にあったワインとグラスを取ると、ルイズは一度深呼吸した。
『ルイズ殿のお役に立つ為ならば!誇りは一時捨て置く覚悟でござる!!』
脳裏に、先程の幸村の言葉が浮かぶ。
(そうよ、誇りは一時捨て置く…後で拾えばいいのよ…!)
「い、いらっしゃいませぇ~」
ルイズはできるだけ明るく振舞ってチュレンヌの前に出てくる。
だが、当のチュレンヌはルイズの胸を見るや否や不満いっぱいの顔に変わった。
「…ここは男を働かせておるのか?」
「お、男!?」
ルイズの眉がピクピクと動く。
それに気づかないチュレンヌはさらに続けた。
「おやぁ?よく見れば単に胸の小さい娘か?」
「むむむむ、胸の小さい!?」
ルイズの体がわなわなと震え始める。
これ以上言えば、彼女の「何とか」袋の緒がブチ切れそうだ。
しかし、このような男の場合、そんな事を感じ取らないものである。
「どれどれ、私が本当に胸があるかどうか確かめてやろうか」
チュレンヌの手がルイズの胸を触ろうとした。
その瞬間…
「…ふ、ふ、ふざけないでえぇぇーっ!!!!」
「ぶっはああぁぁぁぁぁーーーーーっ!!!!」
ルイズの脚が顔面を蹴り飛ばした。
チュレンヌは椅子から転げ落ち、無様に倒れる。
「「「「きゃあああぁぁぁ~!!」」」」
「ノオオオォォーーーーーーーンッッ!!!」
予想していたとはいえ、あまりの事に従業員とスカロンは悲鳴を上げた。
「お、おのれ小娘!貴族を足蹴にするとは何事かあぁ!」
蹴られた鼻っ面を抑えながらチュレンヌは叫ぶ。
「ごごごめんなさい!この娘まだ新人さんでしてぇっ!」
スカロンがルイズに代わり、必死に謝った。
余程焦っているのか、腰の振りもいつもより速くなっている。
「黙れぇっ!今更謝っても遅いわぁー!!」
しかし、平民に蹴られたと思っているチュレンヌの怒りは納まらない。
テーブルに置いてあったワインボトルを引っ掴むと、ルイズに向かって投げつけた。
だが、ボトルがルイズに届く事はなかった。
当たる前に、ルイズの前に現れた幸村が受け止めたのだ。
幸村はワインボトルをテーブルに置き、チュレンヌを睨みつけた。
「……………」
現れた幸村に、チュレンヌとその部下は開いた口が塞がらなくなっていた。
「スカロン!スカロオオォォォーーン!!!!」
数十秒の沈黙を破ったのはチュレンヌだった。
「スカロン!おまっ!!お前!こ、ここはいつからオカマを雇うようになったんだ!?」
「い、いえ…ちょっと趣向を変えてみようと思いまして…ほほほ」
「趣向!?あんなオカマが客を取れると!?」
こればかりは、ジェシカも含めた従業員もチュレンヌに同意した。
「チュレンヌ殿でござったな……」
と、幸村がチュレンヌに話し掛けてきた。
「先程の貴殿の振る舞い、民の上に立つ者として恥ずかしいとは思わぬのか?」
「何だと!?」
その言葉に、チュレンヌはパニックで忘れていた怒りが再び燃え始めた。
さらに幸村は続ける。
「そして、ルイズ殿に対してあのような破廉恥な行為に及ぼうとするとは…」
そこで幸村は目をくわっ!と見開き、大口を開けて叫んだ。
「この変態めがあああぁぁぁぁぁ!!!!!」
「き、きき、貴様に言われたくないわあぁー!!!」
「おのれぇ…変態の分際で私を侮辱するとは…!」
チュレンヌは持っていた杖で幸村を指し、周りの部下に向かって叫ぶ。
「お前達!この馬鹿と小娘をひっ捕らえろ!」
「馬鹿ではない、真田源二郎幸村だ!」
幸村は名乗りを上げると、先ず、最初に近づいてきた男を殴り飛ばし、次に右から飛び掛かってきた男を裏拳で叩き伏せた。
「囲め!取り囲んでしまえ!」
これはマズイと感じたのか、チュレンヌの部下は幸村を周りを取り囲み、一斉に襲い掛かる。
だが、幸村は動じることなく、店中に響く程の声で吼えた。
「それしきで、この幸村は止まらぬわあぁぁぁ!!!!」
その後、複数の男の悲鳴と争うような音が聞こえた。
その音は大きく、店の外まで聞こえており…
「………?」ウィーン、ギュギュギュ?
この男の耳にもその音は届いていたのである。
「ぐあぁー!!」
殴られた部下の1人が、店の扉を破って外まで吹き飛ばされる。
辺りを見回してみれば、幸村によって倒された部下が床に転がっている。
皆、元の顔が分からない程に腫れ上がっていた。中には歯が数本折れた者もいるのか、抜け落ちた歯が落ちている。
「そ、そんな…こんな変態に…」
予想外の出来事にチュレンヌはうろたえた。
いくらなんでも、こんな訳の分からぬ平民のオカマに全て倒されるなど思っても見なかったのだ。
「ひ、ひぃ!」
さっきの横暴な態度とは打って変わり、チュレンヌは尻餅をつきながら後ずさる。
「ままま待て、ちょっと待て!!」
もはや立つ事も困難な程に慌てふためきながらも、チュレンヌは何とか店の入り口まで辿り着き、外へと逃げ出す。
「待たぬ、このまま尻尾を巻いて逃げる気か?」
「い、いいのか?私は女王陛下の徴税官なのだぞ!?」
「…むっ?」
外に出たチュレンヌを追ってきた幸村の表情が変わる。
(こいつめ…ようやく自分の愚行に気づいたな…)
チュレンヌは立ち上がり、嫌な笑みを幸村に向けた。
「今更後悔しても遅いぞ、お前達には罰として重税を課してくれる!」
「……………」
「フフフどうした?さっきの威勢がまるでないぞぉ?」
黙っているのを見て安心したのか、チュレンヌは後ろに下がりながら罵声を浴びせる
「平民風情が貴族に逆らうからこうなるのだ!平民は犬のように従っておればいいものを!
……いや、犬ではないな。貴様等は虫ケラだ、貴族に刃向かう者は犬以下の虫ケラよ!」
コツン
「んん?」
幸村を罵りながら後ずさっていたチュレンヌの背中に、何か硬いものが当たった。
投下終了します。
何だか忠勝ならある程度魔法受けても大丈夫な気がしてきました…
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