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#navi(ゼロのカウングルッペ)
戦場の塵と消えた者は余りに多い
その例は歴史の本を捲れば幾らでも見ることができる
それが滅びゆく帝国の英雄や将兵ならば 尚更の事だ
東部の風雪と鉄の暴風の下で消えた者達がいた
西部で祈祷師と蛍の一斉射撃に欠片も残さず消えた虎がいた
祖国で休養中に反意を疑われ服毒自殺を強要され歴史から消えた狐がいた
戦後、かつての報復を叫ぶ市民による襲撃に消えた者もいる
たから、彼らが消えた事も別に不思議には思われる事は無かった
単なる戦場でおきた不幸な出来事に過ぎず、それ以上の何ものでも無い、と
彼らの足跡をたどった者は皆、同じ結末を目撃する事に成るだろう
「祖国人民最大の敵」
ハンス・ウルリッヒ・ルーデル大佐 及び エルンスト・ガーデルマン曹長
1944年5月6日カノンフォーゲルにて出撃
・・・・・・未帰還、と
神聖なるサモン・サーヴァントの儀式
その儀式の場でコルベールは首をひねっていた
「ミ、ミスタ コルベール!もう一度サモン サーヴァントを!」
本日既に30余回に及ぶ爆炎と発煙を巻き上げた生徒が周りの野次に負けずコルベールに嘆願する
「よろしい、ミス・ヴァリェール 続けなさい」
ヴァリェールと喚ばれた少女・・・・・・ルイズは再び杖を構え 呪文の詠唱を繰り返し
再び爆風と発煙を辺りに撒き散らす
そして何も現れない
「流石はゼロのルイズ、こんなかんたんな魔法も唱えられないなんて」
「才能ゼロなんだ。そろそろ実家に帰った方が良く無いかい!」
「えぇい!静まりなさい!それでも貴族の一門に名を列ねる者ですか!」
周囲の野次を黙らせながらコルベールは腕を組んで考えた
(おかしいですね 呪文自体は完璧に成功しているハズなのですが)
確かに何かが召喚された気配がする
それは間違いないのだが、なぜかこの場に使い魔が現れないのだ
結果としてそれは失敗と見なす他は無いのだが
そうなれば 進学試験を兼ねたこの儀式に彼女は失敗したと言う事になり
ルイズを留年させなければならない事になる
毎夜に及ぶ彼女の隠れた努力を知るコルベールとしては
それはできる限り避けたい選択だった
「ミスタ コルベール!」
ルイズが再び彼に再挑戦の許可を求める
(しかし、いつまでも挑戦させ続けると言う訳にもいきません)
コルベールは一つの決断をくだす
「よろしいミスヴァリェール、しかし次で最後です
これでダメなら来年、この儀式を受け治して貰いますよ」
落第勧告に等しいこの言葉に さすがに彼女も少し怯えたようだが 決まりは決まり、しかたが無い事だった
「しかし疲労したその体では成功するものも成功しないでしょう
私が見本を見せますので、その間に息を整えなさい」
それは咄嗟に思いついた事だった
あるいは日頃の努力を見ていたコルベールなりの無意識のご褒美というべきだろうか
幸か不幸かコルベールの使い魔は既にこの世に居ない
故にこの召喚の儀式を行う事ができる
ならば、この機会に自らも使い魔を召喚し、生徒の模範となるのも教師の勤めというものであろう
「・・・はい ミスタ」
そう考えたコルベールは杖を下ろしたルイズと立ち位置を入れ換えて杖を構えた
そしすぐ後ろに立つルイズに改めて教育するかのようにゆっくりと呪文を発音する
「我名はコルベール。五つの力を司るペンタゴン、我が運命に従いし"使い魔"を召喚せよ」
コルベールが降り下ろした杖と共に呪文が完成する
サモン・サーヴァントの魔法に込められた膨大な魔力が溢れ、空間がねじ曲げられて行く
数秒の後には通常のゲートの数倍のサイズで門が実体化した
それを見た生徒達が騒然となった
彼らの中にも風竜やサラマンダーを呼び出した優秀な者も確かにいる
だが、目の前にあるのはそれらが喚ばれた時以上の"門"の姿
そこから現れるモノが余程のもので有ることは想像に難くなく
そして、その期待に答えるかのようにソレは現れた
竜のようにもゴーレムのようにも、或いは翼を広げた鳥のようにも見えるモノ
それは大地を抉るかの滑空し、周囲に戦鼓の如く轟音を撒き散らし
さらにその衝撃波で生徒を薙ぎ倒ながら、
重力からすら逃れているかのような上昇をみせて空に駆け登る
そして、静に上空で旋回を開始し始める段になって
ようやく生徒達も混乱から立ち直って大騒ぎで空を行くものの正体について議論を始める
グリフォンの亜種だ
いえ、ドラゴンの一種よ
いやいやガーゴイルだろう、と
怪物精霊竜と、知る限りの知識と比較していく
だが、目に移る"ソレ"は彼等の知識に該当する物はないだろう
「・・・ミスヴァリェールのお手本の積もりでしたが――」
周囲を見渡し、生徒達の無事を確かめたコルベールは誰にともなく呟いた
肝心のルイズもこの予想外の出来事に先程迄の失敗を忘れたかのように
上空を旋回する"使い魔"を視線で追い続けている
「なにがなんやら、分かりませんが、面白い事になりましたねぇ」
生徒達の中に紛れて空を見上げるコルベールの目に
ゆっくりとソレが高度を下ろして近づいてくるのが確認できた
――彼も彼の生徒も知らない
"ソレ"の名が ju87G 通称 大砲鷲(カノンフォーゲル)と呼ばれる"飛行機械"の化物である事を
――そして彼等は知ることに成る
その中にいる人間こそが
本当の化物である事に
帝国と共和国に存在した数多の英雄の中でただ一人
誰にも再現出来ない程に絢爛豪華に戦場を駆け抜けた男とそれに付き従"う事ができた"男
人類至上最高の勲章を受賞した英雄の中の英雄とその相棒である事に
そう、彼等は来たのだ
#navi(ゼロのカウングルッペ)
#navi(ゼロのカンプフグルッペ)
戦場の塵と消えた者は余りに多い
その例は歴史の本を捲れば幾らでも見ることができる
それが滅びゆく帝国の英雄や将兵ならば 尚更の事だ
東部の風雪と鉄の暴風の下で消えた者達がいた
西部で祈祷師と蛍の一斉射撃に欠片も残さず消えた虎がいた
祖国で休養中に反意を疑われ服毒自殺を強要され歴史から消えた狐がいた
戦後、かつての報復を叫ぶ市民による襲撃に消えた者もいる
たから、彼らが消えた事も別に不思議には思われる事は無かった
単なる戦場でおきた不幸な出来事に過ぎず、それ以上の何ものでも無い、と
彼らの足跡をたどった者は皆、同じ結末を目撃する事に成るだろう
「祖国人民最大の敵」
ハンス・ウルリッヒ・ルーデル大佐 及び エルンスト・ガーデルマン曹長
1944年5月6日カノンフォーゲルにて出撃
・・・・・・未帰還、と
神聖なるサモン・サーヴァントの儀式
その儀式の場でコルベールは首をひねっていた
「ミ、ミスタ コルベール!もう一度サモン サーヴァントを!」
本日既に30余回に及ぶ爆炎と発煙を巻き上げた生徒が周りの野次に負けずコルベールに嘆願する
「よろしい、ミス・ヴァリェール 続けなさい」
ヴァリェールと喚ばれた少女・・・・・・ルイズは再び杖を構え 呪文の詠唱を繰り返し
再び爆風と発煙を辺りに撒き散らす
そして何も現れない
「流石はゼロのルイズ、こんなかんたんな魔法も唱えられないなんて」
「才能ゼロなんだ。そろそろ実家に帰った方が良く無いかい!」
「えぇい!静まりなさい!それでも貴族の一門に名を列ねる者ですか!」
周囲の野次を黙らせながらコルベールは腕を組んで考えた
(おかしいですね 呪文自体は完璧に成功しているハズなのですが)
確かに何かが召喚された気配がする
それは間違いないのだが、なぜかこの場に使い魔が現れないのだ
結果としてそれは失敗と見なす他は無いのだが
そうなれば 進学試験を兼ねたこの儀式に彼女は失敗したと言う事になり
ルイズを留年させなければならない事になる
毎夜に及ぶ彼女の隠れた努力を知るコルベールとしては
それはできる限り避けたい選択だった
「ミスタ コルベール!」
ルイズが再び彼に再挑戦の許可を求める
(しかし、いつまでも挑戦させ続けると言う訳にもいきません)
コルベールは一つの決断をくだす
「よろしいミスヴァリェール、しかし次で最後です
これでダメなら来年、この儀式を受け治して貰いますよ」
落第勧告に等しいこの言葉に さすがに彼女も少し怯えたようだが 決まりは決まり、しかたが無い事だった
「しかし疲労したその体では成功するものも成功しないでしょう
私が見本を見せますので、その間に息を整えなさい」
それは咄嗟に思いついた事だった
あるいは日頃の努力を見ていたコルベールなりの無意識のご褒美というべきだろうか
幸か不幸かコルベールの使い魔は既にこの世に居ない
故にこの召喚の儀式を行う事ができる
ならば、この機会に自らも使い魔を召喚し、生徒の模範となるのも教師の勤めというものであろう
「・・・はい ミスタ」
そう考えたコルベールは杖を下ろしたルイズと立ち位置を入れ換えて杖を構えた
そしすぐ後ろに立つルイズに改めて教育するかのようにゆっくりと呪文を発音する
「我名はコルベール。五つの力を司るペンタゴン、我が運命に従いし"使い魔"を召喚せよ」
コルベールが降り下ろした杖と共に呪文が完成する
サモン・サーヴァントの魔法に込められた膨大な魔力が溢れ、空間がねじ曲げられて行く
数秒の後には通常のゲートの数倍のサイズで門が実体化した
それを見た生徒達が騒然となった
彼らの中にも風竜やサラマンダーを呼び出した優秀な者も確かにいる
だが、目の前にあるのはそれらが喚ばれた時以上の"門"の姿
そこから現れるモノが余程のもので有ることは想像に難くなく
そして、その期待に答えるかのようにソレは現れた
竜のようにもゴーレムのようにも、或いは翼を広げた鳥のようにも見えるモノ
それは大地を抉るかの滑空し、周囲に戦鼓の如く轟音を撒き散らし
さらにその衝撃波で生徒を薙ぎ倒ながら、
重力からすら逃れているかのような上昇をみせて空に駆け登る
そして、静に上空で旋回を開始し始める段になって
ようやく生徒達も混乱から立ち直って大騒ぎで空を行くものの正体について議論を始める
グリフォンの亜種だ
いえ、ドラゴンの一種よ
いやいやガーゴイルだろう、と
怪物精霊竜と、知る限りの知識と比較していく
だが、目に移る"ソレ"は彼等の知識に該当する物はないだろう
「・・・ミスヴァリェールのお手本の積もりでしたが――」
周囲を見渡し、生徒達の無事を確かめたコルベールは誰にともなく呟いた
肝心のルイズもこの予想外の出来事に先程迄の失敗を忘れたかのように
上空を旋回する"使い魔"を視線で追い続けている
「なにがなんやら、分かりませんが、面白い事になりましたねぇ」
生徒達の中に紛れて空を見上げるコルベールの目に
ゆっくりとソレが高度を下ろして近づいてくるのが確認できた
――彼も彼の生徒も知らない
"ソレ"の名が ju87G 通称 大砲鷲(カノンフォーゲル)と呼ばれる"飛行機械"の化物である事を
――そして彼等は知ることに成る
その中にいる人間こそが
本当の化物である事に
帝国と共和国に存在した数多の英雄の中でただ一人
誰にも再現出来ない程に絢爛豪華に戦場を駆け抜けた男とそれに付き従"う事ができた"男
人類至上最高の勲章を受賞した英雄の中の英雄とその相棒である事に
そう、彼等は来たのだ
#navi(ゼロのカンプフグルッペ)
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