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「鉄《くろがね》の使い魔-02」(2007/11/24 (土) 12:34:23) の最新版変更点
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「あんた誰?」
ルイズは愕然としていた。聖獣や幻獣を呼び出すはずのサモン・サーヴァントで、よりにもよって人間の男を召喚してしまったのだ。身長は自分よりも少し高いだろうか。少し長めの茶色の髪と、不思議な眼をした少年だった。
周りでは、事態を分かり始めた生徒達から笑い声が聞こえ始めていた。
「おい!ルイズ!人間の使い魔なんて聞いた事ないぞ!」
「さすがはゼロのルイズね!アハハッ!」
「しかも見たところ平民ときたもんだ!笑うしかないだろう?」
笑い声が増えていく。ルイズは顔を真っ赤にしながらコルベールに怒鳴った。
「ミスタ・コルベール!もう一度召喚させてください!」
コルベールと呼ばれた、頭の禿げが妙に目立つ男が表れた。
「それは無理だ。ミス ヴァリエール。伝統であるとともにこれは神聖な儀式だ。二度は許可できない。彼を使い魔にしたまえ。」
「そんな…」
ルイズは落胆し、がっくりと肩を落とし溜め息をついた。
早瀬浩一は混乱していた。
わけが分からない。ここはどこだ!?
俺はさっき、JUDA本社の屋上で城崎を護るためにラインバレルを呼んだはずだ…。なのになぜ!?つか、こいつら誰だよ!?
浩一の前には女の子がいた。桃色がかかったブロンドの髪と、鳶色の瞳が特徴的な背の低い可愛い女の子だった。
彼女は禿げたおっさんと口論をしていた。
「そんな…」
肩を落とし溜め息をつきながら彼女が近付いてきた。
「あんた、名前は?」
「は、早瀬浩一…、つかどうなってんの?城崎は?アルマ達はどこにいったんだよ!」
「…ハァ?ワケ分からない事言わないで頂戴。」
「それはこっちの台詞だ!!一体俺はどうなってんだ!?」
「うっさいわね!ちょっと黙って!!………あと感謝してよね、貴族にこんなことされるなんて、平民のアンタじゃ一生ありえないんだから」
「(…は?)」
彼女は顔を真っ赤にしながら自分に杖を向け、
「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我が使い魔となせ!」
と唱えた後、ゆっくりと唇を近付けた。
「ちょっ、えっ、」
抵抗する間も無く、ソレは自分の唇と重なった。
「(ン――――――!?)」
あまりの出来事に唖然としていると少女は禿げさんに終了の旨を伝えた。
「コントラクト・サーヴァントはできたようだね。」「はい…」
「それは相手が平民だったから成功できたんだろ!」「そうそう。じゃなきゃ契約できるわけないよ」
契約?コントラクトなんとか?こいつらは何を言っているんだ?それゆりどうなってんだ?
などと一人状況を認識しようとしていた浩一の腕に痛みが走る
「っぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!熱い!!」
すると左手の甲に不思議な痣ができる。
「うっさいわね。使い魔のルーンが刻まれてるだけよ!おとなしくして。」
「おや?珍しい形のルーンですね。メモをとらせてもらうよ。」
禿げたおっさんが呑気にメモをとっている内に、浩一はルーン顕現の痛みに耐えられずにあっさりと意識を投げ出した。
鉄の使い魔法 第二話 契約
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「俺は――」
俺はルイズに説明した。
俺は多分この世界の人間じゃないこと。
俺は元の世界で、マキナという巨大な力で加藤機関という悪と戦っていたこと。仲間の事、地球はこちらの世界とは全然色んな事が違うって事。
「…マジ?」
「大マジだよ!だから早く元の世界に戻してくれ!」「無理よ」
「なんで!?勝手に呼んどいてそれはないだろ!責任とれよ!」
浩一は怒鳴った。今のJUDAでまともに戦えるマキナはラインバレルだけだ。俺がいなくちゃ城崎や森次さんに迷惑がかかる。
「じゃあアンタ死ぬ?」
「は?」
「主と使い魔の関係は、どちらかが死ななきゃ解消されないの。だから諦めて。」
「そんな…」
「仕方ないじゃない。わたしだって人間の使い魔なんて欲しくなかったわよ。それと、早くベッドからどいて。わたしが寝れないでしょ。」
浩一がベッドから降りたのを確認するやいなや、ルイズは何を思ったのか服を脱ぎ始めた。
「え…ちょ…ルイズ何やってんだよ!」
「何って着替えよ。別に使い魔に見に見られたぐらいどうって事ないでしょ。」
彼女からブラウスとスカートがふわりとはずれる。ほっそりとした肢体は今下着しかつけていない。
たまらず浩一は顔を真っ赤にしながら部屋から飛び出してしまった。基本的にウブなのだ彼は
「なんなのよ…まったく」
彼女は、明日の朝自分を起こす事と、衣服の洗濯をするようにという指示を書いた置き手紙をドアに張り付け、ベッドに潜り込んだ。
鉄の使い魔 第三話 自らの世界
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部屋を飛び出した浩一は庭に出ていた。
「ラインバレルを呼べば通信が使えるかもしれないしね…」
ニヤリと笑みが溢れる。こんな変な世界には居たくない。早く地球に帰りたい。
彼は昂ぶる気持ちを抑えながら叫んだ。
「っ来い!ラインバレル!」
その言葉に応じ、白い巨躯がその場に顕現する!…………はずだった。
「っあれ?来い!ラインバレル!」
繰り返される言葉に反応は無い。浩一は焦った。
「来い!っ来いよ!迎えに来いよ!ラインバレルッ!!」
浩一の虚しい叫びが夜空に広がる。
その叫びに応えるモノは無かった。
「別世界には来れないってのかよ……、俺はここにいるしかないのか……。」
元の世界に戻るための鍵を失った浩一は絶望した。
外の寒さが体を舐めていく。
部屋に帰ろう。明日になればルイズよりすごい魔法使いなら俺を帰してくれるかもしれない。
そんな有り得ない希望にすがりながら彼はその場を後にした。
部屋のドアに貼られた手紙により、さらにその絶望が深くなる事も知らずに
鉄の使い魔 第四話 軽い絶望
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番外編
浩一が先程から口にしているマキナと呼ばれる兵器の説明をしよう。
浩一達の住む世界に突如として表れた12体の巨大兵器、それがマキナ。
マキナと呼ばれる巨大な人型兵器は、単体では人間に危害を加える事ができない。
兵器として、いや人を殺すためにマキナは要因《ファクター》を必要とする。
言うなればファクターはマキナにとっての引き金だ。ラインバレルのファクターに選ばれたのが早瀬浩一だった。
今浩一が行おうとしていたのはラインバレルの召喚だ。
マキナとファクターの間には特殊なフィールドが存在している。
そのフィールドを経由することによりマキナはファクターの召喚に応じ、ファクターの下に瞬時に転移することが可能になる。
だがそれは元の世界でのは話。
ハルキゲニアでの召喚に足りないモノを少年はまだ気付いていない
鉄の使い魔 第4,5話 力の実態
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