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「ゼロの機神 ギガンティック・ゼロ-05」(2007/11/13 (火) 21:31:31) の最新版変更点
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事態は収束した。闖入者ウルカヌス・は倒され、オニクス十式はルイズの使い魔となった。これで何もかもが丸く収ま-------
らなかった。
直後に教師陣が中庭に集結し、ルイズとオニクス、コルベールとその他一部の生徒が校長室に呼び出された。
待っていたのは質問攻め。
あの敵はなんなのか?
敵の目的。
オニクスとウルカヌスの関係性。
そしてオニクスの正体。
オニクスとルイズとその他の人たちは、本当のことを嘘偽りなく話した。
「ではあのウルカヌスワンとやらも、アナタも『神』だと?」
「そうだ」
「そしてこれから自分がいる限り、この学園にはあのような連中がやってくると」
「断言はできんがおそらく」
オニクスは教師らの質問に全て答えられる範囲で答えた。この質問攻めの開始された時から広がっていた教師陣の動揺は、さらに広がっている。
動揺せずがっしりと構えているのは、オールド・オスマンとその秘書ロングビル、そして数名の聡明な教師だけだ。
(馬鹿な…あのようなものが12体も、しかもここを襲ってくる可能性があるというのか)
(神を従える生徒なんて、聞いたことがない!)
(早急に排除すべきだ)
(恐れ多い、神の眷属を従えようなど…)
(またヴァリエールがやらかしたのか)
その雰囲気にも、オニクスは黙って耐えている。まるで聞く耳を持たないかのように。逆にルイズは不安だった。
あの時は気付かなかったが、確かに神を従える魔術師など、神話やおとぎ話の中でしか聞いたことがない。すごいことはすごいが、手放しで喜べることでは無さそうだ。
「オールド・オスマン、我々はこのオニクスの追放を提案します」
一人の若い教師が言った。それに感化されるかのように、他の教師も彼に呼応してオスマンにオニクスの追放を提案する。
「そうだ!これはヴァリエールにとってもよくない!」
「ここが消滅してからでは遅いのですよ!」
だがオスマンは黙ったまま。ルイズはつばを飲み込み、依然としてオニクスは押し黙っている。
「オールド・オスマン!」
「静まれ、静まらんか」
不意にオスマンが声を上げ、一斉に教師達が沈黙する。
「まぁ、ええじゃないか」
「しかし」
「例え手に入れたとしても、使いこなせるわけではなかろう?半人前の魔法使いに高位の魔道書を与えても、扱えないのと同じじゃ。だから、そこは彼女に任せてみても良かろう?
それに、オニクス殿」
「なんだ?」
「もしここに敵がやってきたとしても、お前さんが戦ってくれるんじゃろ?」
「ここの安全は保証しないがな」
オニクスは平然と言い放つ。
「その時はその時じゃ、わしは、ヴァリエールとこの使い魔にすべてを任せてみてもいいと思うぞ」
オスマンの一言で、教師陣は沈黙する。この老いた魔法使いの放つ言葉には、何というか威厳というか、妙な説得力があった。
それに押されてしまったのだろう、もうオスマンに反抗の意を唱えるものはなかった。
「…ご覧の通り、皆納得したようじゃ。ささ、でてったでてった」
夜。ルイズはクッタクタに疲れていて、自分の部屋に戻るや否や、ベッドに倒れふしてしまった。続いてドアをくぐるように、オニクスがルイズの部屋に入る。
「ふはぁ…あんたのせいで、疲れたわ」
「そうか」
またしてもオニクスは、単調な返事を返す。まるでホンモノのロボットのように。ルイズは少し頭に来た。
「あんたさ、もうちょっとなんかないわけ?」
「なにかないかとは」
「もうちょっと『ごめんなさい』とか、『すいませんでしたぁ』とか、あるでしょ」
「謝る必要性はない」
「はぁ?」
「俺は自分の身を守ったまで。お前は確かにウルカヌスに殺されかけたかもしれんが、それはウルカヌスが悪いのであって、俺は全くの無罪だ」
「あんた、召還されてすぐに私にした悪行の数々を、忘れたって言うの……!?」
「…そうだったな。だが、アレも半ば自業自得だろうに。もう少しやんわりとした言い方は出来ないのか」
「使い魔に対してしつけをして何がいけないってのよ!」
「そうか、使い魔は人間以下の存在なのか。俺も堕したな、昔はもう少しマシに扱われていた」
「そりゃ神様だものね」
…彼らのコンビネーションは当分よくはならなさそうだ。
「そういえば、ルイズ」
ふと、オニクスが声をかけた。本来ならルイズはここで
「ちょっと、もうちょっとよびかたがあるでしょ!?『御主人様』とか(以下略
などと怒鳴りつける所なのだが、ルイズにはその気力すらなかった。
「ぁによ」
「使い魔とは何をすればいいのだ」
「ああ、そうね。それをまだ言ってなかった」
ルイズはベッドから身を上げると、オニクスを見上げて説明を開始した。
「……まず、使い魔は主人の目となり、耳となる能力を与えられるわ」
「で、俺はそうなってるか?」
「全然。だから、これは無理ね。
えーと、それから使い魔はね、主人の望むものを見つけてくるの。例えば秘薬の材料とか……」
「そんな能力は俺にはないし、必要なかろう」
「むかつく言い方するわね…さいごに、これが一番重要。使い魔は主人を守る存在でもあるの。その能力で主人を敵から守るのが一番の役目!」
「それならば俺で…事足りるな。それだけか」
「そうね、それ以外は特にないわ」
オニクスは納得したのか、顔を伏せる。
「そうだ、私はもうそろそろ寝るから、洗濯よろしくね。そこのカゴに入ってるから。後、朝は起こしてね。じゃおやすみ」
ルイズはそういって、ベッドの中に潜り込んだ。
オニクスは呆然としてしまった。
「…洗濯、だと?この俺に、洗濯だと?」
数時間後の早朝
窓を越え、地上へと跳躍する。カゴを足下に置き、オニクスは虚空を見つめた。
「…ふざけてやがる」
ここは神話界、そのものだった。魔法が世界の常識で、神話が人々の間に浸透し、エルフが、亜人が、当たり前に存在する。
科学に彩られたあの世界のことを思い出しながら、彼は洗濯する場所を探して歩き出した。
そういえば、あの世界では洗濯も機械が代行してくれるのだったか。つくづく怠惰な世界だ。だが、皮肉なことに怠惰も技術を進める原動力のひとつである。
○○を誰かがやってくれたなら、俺はそれをしなくて良い。
そういう思想が、案外発明を生み出す原動力になる。そしてそこに情熱が加わり、熱意となり、発明への努力に昇華される。
「…」
洗濯場を探しながら、彼はそんなことを考えていた。
洗濯場はほどなくして見つかったが、洗濯の方法がわからない。かの最高神も、洗濯まではしたことがなかったらしく、洗濯の方法は何度思い返しても思い出せない。
べつに洗濯をしないであの少女の元に戻り、口喧嘩になってもいいのだが、それはそれで面倒だとオニクスは思った。
「どうするべきか」
口に出してつぶやく。状況は、悪くなるばかりである。
「あ、あの…」
後ろから、誰かがオニクスに声をかけた。オニクスは振り向き、それを見下ろす。
メイド服を来た少女が、困った顔をして彼を見つめている。
オニクスの背は高い(2m10cm前後)。自然と見上げる形になる少女。オニクスは何となくかがみ、少女と近い高さをキープした。
「この学園にはメイドがいるのか?」
「そ、そうです。雑用は私たちの仕事で」
「雑用とは?」
「掃除とか、洗濯とか、料理とか…」
「…大変そうだな。で、洗濯か」
「はい、でも、あなたも洗濯物、持ってますよね?てことは、あなたが先じゃ」
「俺はいい。それより、後でいいから教えて欲しいことがあるんだ」
「はい、私に出来ることなら」
「…洗濯を、教えてくれ」
オニクスはメイド…シエスタの洗濯の様子を黙って見学していた。彼女はさながらプロフェッショナルのような手つきで洗濯を済ませていく。
オニクスは妙に感心してしまった。
「そういえばあなたも、誰かの使い魔なんでしたっけ」
「ルイズ…とか言ったか。あのクソガキの使い魔さ」
彼女はオニクスと会話をしながら、既に自分の洗濯を8割がた済ませている。
「名前は?」
「十式オニクス。オニクスでいい」
「なんか、厳つい名前ですね」
「…そうだな」
もしオニクスが人間なら、微笑を浮かべていたことだろう。昔の世界では絶対に味わえなかった、日常的な風景。こういうことを求めていたのかもしれない。オニクスは一人心中でつぶやく。
そうこうするうちにシエスタが洗濯を終え、オニクスに声をかけた。
「終わりましたから、洗濯カゴを持ってこっちへ!」
「わかった」
オニクスは生まれてはじめての洗濯に臨む。
結果は…
最早語るまい。
朝。
しばしの眠りから目覚め、オニクスは起動した。そして昨晩ルイズに言われた通りに、彼女を起こしにかかった。
「起きろ、ルイズ」
ゆさゆさ。
彼女の肩を揺するが、彼女は起きる様子を見せない。
「う~~ん…うるちゃい、うるちゃい、ぜろじゃないもぉ~ん」
「寝ぼけてないで起きてくれ」
「メロンパン…かゆ………うま……」
「起きろ!」
「右斜め四十五度、これアタシの角度ね~」
朝からどんな景気の夢を見ているのかも気になったが、オニクスは腹が立った。せっかく言われた通りに起こしてやったのに、なんだろうかこの態度は。と、思ったわけだ。
なので、少々荒っぽい手段をとることにした。手を手刀の形に固定し、狙いをつけ、上に振りかぶり、
「起きろ!!」
ルイズの額に、おもいっきり振り下ろした。
「嫌ぁあああああああ!!
ホァアアアアア!!ホァアアアアアア!!!
天皇陛下BANZAI !!!!!!!!!」
煩かったので、もう一発チョップを決めた。
効果はてきめんだったが、お陰で朝からルイズの失敗魔法を喰らったオニクス。
ダメージ自体は少ないが、おかげでオニクスは「この主人とのコンビネーションには期待出来ない」と、つくづく思った。
一人と一機は今階段を下り、授業へと向かっている。
「ったく、洗濯ものはボロ雑巾になってるし、朝からチョップで起こされるし、ろくなことがないわよ!」
「自業自得だろうが」
「うるさいわねっ、もうちょっとマシな起こし方は出来ないの!?」
「じゃあ次からボルカノハンマーで頭をカチ割ってやろう」
「それじゃ永眠しちゃうわよ!!」
「ならお前の夢に介入して悪夢を見せてやろうか」
「悪夢で目が覚めるなんて最悪じゃないの!」
「なら少々強めの電気ショックと行くか」
「半身不随にするつもり!?」
「全身でもいいだろう。一生眠れるぞ」
「そういう問題じゃないわよ!」
とにかく二人の朝は、当分喧嘩が定例になりそうだ。
話を少し変え、時間を少し戻そう。
視点をルイズとオニクスから移し、
ギーシュという少年に向けてみることにする。
その少年はドットメイジで、貴族で、ワルキューレの使い手「青銅のギーシュ」として、学園ではある程度名の知れた魔法使いであった。
だが彼は、もっと強くなりたかった。志ある人間なら当たり前かもしれないが、彼もまた向上心が高く、誰よりも上を目指していた。
数体のワルキューレが使えても、それではまだ駄目だ。自分よりワルキューレの使い手などいくらでもいる。
そうして少しばかりの壁に突き当たっていたギーシュは、二日程前に、ある拾い物をした。
それは、青みを帯びた小石だった。親指程の大きさで、なんと顔のような模様が極めて精巧に彫り込まれている。ギーシュはこれを何故だか気に入り、持ち歩くことにした。
その小石には、自分のように美しい男の顔が彫られていた。
そして授業。
自分の得意とする、錬金の授業だったか。
ギーシュは指名され、おもむろに教師に言われた通りに鉄屑に魔法をかけた。するとどうだろうか。
本人は軽くひねった程度のつもりだったのに、鉄屑はなんと金塊に変わった。
これにはギーシュも驚いた。その後も、ギーシュの魔法はとどまる所を知らなかった。
出せるワルキューレは八騎に増え
その作りは精巧になり
動きも人間に近くなり
まるで、マジックアイテムで急に強くなったかのような感覚。ギーシュは興奮した。これなら学年一位とて夢ではない。
そのせいで、彼は石のことなどすっかり忘れてしまった。
それ以来、石は彼の右ポケットに入っている。
そして時は動き出す。元の時間へと、元の視点へと戻ろう。
ルイズは席に着いていた。既に授業は開始され、黒板にはチョークで字が描かれ、彼女はそれを写し取る。だが、今回の授業は、いつもと違う所があった、
「静かすぎる」。
いつもなら数名の生徒の雑談や、紙切れを回してのしりとり、ペン回しもろもろが見受けられる。それが正しい「それなりの学生の授業」のはずだ。
そしてそれを注意する教師の声もまた、日常の一部。
だが、今日の授業にはそれが全くない。
静か過ぎた。
原因は、後ろで壁にもたれかかるオニクス十式、彼にあった。
先日その力を遠慮なく見せつけてしまった彼の噂は、瞬く間に学校中に広まっており、しかも噂には尾びれまでついて、物騒なものになっている。
使い魔達もまた彼の存在を警戒し、静寂を保っている。
曰く「その手からは詠唱もなしにあらゆるものを生み出す」
曰く「身の丈程もある剣の使い手で、剣は輝き全てを切り裂く」
曰く「金色の羽で空を駆け、破壊の杖で天を灼く」
曰く「R-2とR-3と合体し、無敵のスーパーロボSRXになる」
そんな物騒な噂のせいで、今日の教室は静かなのだ。
そんな中でも、ルイズはいつもと変わらず熱心にノートを写し取る。唯一いつもと変わらないのは、彼女ぐらいだろうか。
黒板に再び字を書き始めたシュヴルーズのチョークを追い、それを書き取る。雑談には加わらず、ただそれに専念する彼女。
そう、いつもならそれで終わり。
だが、今朝は少し違った。
シュヴルーズが、前で錬金の実技をする有志を募っている。
(…普通いく奴はいないわよね)
ルイズはノートを写しながら、その光景を見つめていた。そして、瞬間ペン先への意識がおろそかになった刹那に、それは起きた。
乾いた音ともに、えんぴつが折れた。
「あ」
「ちょうどいい。ミス・ヴァリエール、今回の実技はあなたがやりなさい」
完全なるこじつけ。
だが、ルイズは渋々従った。
オニクスは授業の風景を見つめていた。
どうやら「四大元素」という考え方は、どこの世界でも共通のようだ。そして今回の授業で扱うのは「土」。
見た所オニクスが小指でひねれば出来る程の魔術ばかりであったが、細かい理論の違いをオニクスは探したりしてしばしの暇つぶしをしていた。
ふと、前の方で教師(シュヴルーズと言ったか)が、実技の有志を募っている。
(誰がいくだろうか)
オニクスは少し気になり、生徒達に眼をやる。
手を挙げかけで引っ込めるもの。
そもそも手を上げる気がないもの。
種類は様々だ。そして自分の主人は、後者に属していた。
(指名になるか)
すると、オニクスの聴覚は乾いた音を捉えた。鉛筆の芯が、折れる音だ。音源は主人たるルイズの鉛筆。彼女の鉛筆が折れたのだった。
シュヴルーズはこれをチャンスとばかりに彼女を指名し、実技を行わせるよう促した。ルイズは立ち上がり教卓へと向かう。
すると、一人の女生徒が立ち上がってシュヴルーズに言った。
「先生、危険です」
そうだ。危険だ。その威力は十分知っている。ウルカヌスにダメージを与える程なのだから、この教室の机を全て吹き飛ばすくらいのことは出来そうだ。
それは自分に取っても、この場の全員にとっても危険だ。
ルイズはその長身の女生徒に抗議し、周りの文句を無視して詠唱を始めた。
オニクスは杖に注視する。
魔力の具合を見るオニクス。
人によって魔力の質は微妙に異なる。Aという人間とBという人間の魔力は、違うものだ。ゆえに、人によって得意な属性苦手な属性があるし、差異が出てくる。
その中でもルイズは特に、個性的なものだ。何でも爆発に還元する力、といった所だろうか。昨日あたりでオニクスは結論づけていたが、実物を見れば何かわかるかもしれない。
そう思って、これは少し楽しみにしていたのだ。
(さて、どうなることやら)
魔力が生成され、回路を伝って杖へと。
杖から大気へ放出される一瞬、そこに手がかりがある。
オニクスは注視した。
杖から変換された魔力が大気に放出される。
本来ならそれは石に到達して、奇跡を起こし石を砂なり鉄なりに変える。
だが、ルイズの場合は違った。
魔力は石に到達。
そして、魔力は役目を果たすことなく、すぐに外部へと拡散していく。
爆発へと変換され。
「…!!」
よくわからない。だが、危ないことは明らかだった。オニクスは動いた。右腕の掌を向け、高らかに叫ぶ。
「銃の腕(ゲヴェーア・アルム)!!」
瞬間、掌から閃光がほとばしった。青い閃光は机の上の小石を魔力ごと消し飛ばし、惨事は免れた。
そして教室の人間の視線は当然、オニクスに向く。
「…オニクス?何してるのかしら?」
約一名、怒りの視線を向ける人間もいる。(無論ルイズだ)
だがオニクスはあくまで冷静に対応した。
「失敗するぞ」
「何言ってるのよ!私の魔法が失敗するはずないでしょ!」
「嘘をつけ。どれ、俺が手本を見せてやろう」
オニクスは机の間を横切り、教卓の隣にいるルイズに相対した。後ろではシュヴルーズが「ちょwwwおまっwww」と言った顔でオニクスを引き止めている。
「あなたなんですか?使い魔なら後ろで静かに…」
「もう一個石を用意しろ」
「ハ?」
「聞こえなかったのか、『もう一個石を用意しろ』」
有無を言わさぬオニクスのドスの利いた声に、思わずシュヴルーズは小石を用意してしまった。そしてオニクスは拳大の小石を、教卓の上に置く。そしてそれに向けて手をかざした。
「………」
ナーブケーブルを石に展開し、一瞬で組成を組み替える。小石は人形になり、着色された。
数秒後教卓の上にあったのは、ルイズとそっくりな精巧な人形だった。生徒の拍手と「おお~」という賞賛の声が漏れる。そしてオニクスが指を鳴らすと、ルイズ人形が動き出した。
「ウルチャイ!ウルチャイ!ゼロジャナイモン、ゼロジャナイモン」
その怒り狂う姿は、見事にルイズそっくりだ。
ルイズは赤面し、再び賞賛の声。
そしてオニクスがもう一度、指を鳴らすとルイズ人形は爆発した。そして爆発の煙が晴れると、そこには鳩が立っていた。真っ白な鳩だ。
「…こんなところか」
「お…お見事」
思わずシュヴルーズも声を漏らす。一方で不愉快なのはルイズだ。
「オ・二・ク・ス~っ」
「文句か」
「使い魔のくせにアタシより目立つんじゃないわよ!今日は昼食抜きよっ!!」
鳩が開いた窓から、外に飛び出していった。
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次 回 予 告
プライド高き少年の些細な失敗は、
邂逅への鍵となる。
彼の手にした魔性の力は
黒き機神に悪い予感を抱かせた。
次回「青銅」 機械を纏った神々の戦いが、始まる。
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