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「無から来た使い魔-8」(2008/01/30 (水) 20:40:01) の最新版変更点
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虚無の曜日当日……
バッツとルイズは朝早く学院を出て首都トリスタニアへ行き、色々な店を見てまわる。
ルイズは、本屋では始祖ブリミルの虚無に関した内容が書かれていそうな書物や本を探す。その中で彼女にとって信憑性が高そうなものをいくつか購入する。
よろず屋では始祖ブリミルが残したと言われる宝などの話を聞き購入しようとするが、それらしい物はどれも値が張るため購入を諦める。
そして秘薬屋では、始祖ブリミルの時代からある秘薬にはどのような物があるか聞く。
一方バッツもルイズが本を読んだり買い物をしている時に、最近の事件や噂話、それにここら辺に生息している危険な生き物の話を聞く。他にも手持ちのギルの両替、
又はポーション類の一部を売却しようとする。
しかし、ギルはハルケギニアには存在しない通貨であるため、店側が難色を示し、詳しく調べるのに時間が掛かり今すぐの両替は難しく、時間が掛かる事を伝えられる。
一方ポーション類は効果の説明をしても、店側が信用せず、実際に使って見せようとしてもメイジであるルイズが一緒にいるため、
「魔法で誤魔化した可能性がある」
と、言われてしまい買取を拒否される。
なお、テントやコテージならばよろず屋で売れたかもしれないが、彼は学院の近くの森で寝泊りしているため、彼はテントとコテージを売ることは選択肢に入れていない。
そしてルイズが回りたい店を回り終え、二人は比較的豪華な食堂で食事をしながら午後の予定を話し合う。もっとも注文をしたのはルイズのみで、
お金の無いバッツは何も注文はしなかった。
「わたしが行きたい店は一通り回り終わったから、次は武器屋でいいのよね?」
「ああ、それで良いけど、ギルやポーションの換金が出来なかったから、お金がない。武器屋で欲しい武器が有ったらお金貸してくれないか?」
「え? 何で換金出来なかったの? それにわたしは自分の買い物で持ってきたお小遣い殆ど無いわよ」
彼女はそう言いながら自分の持ってきた財布の中身が残り少ない事を見せる。
「ああ、どうもギルは珍しすぎて、どれくらい価値があるか調べるのに時間が掛かるらしい。ポーションとかは、どうもここら辺にあるのと勝手が違うみたいで、
効果に懐疑的なんだ。実際に使って見せようとしても、俺自身に使っても演技の可能性が、店員の場合だと毒薬の可能性があるって事で買取は不可だったんだ」
「ふーん、ギルの換金が難しいのは解ったけど、バッツが持ってるポーションと普通のポーションは何が違うの?」
「ああ、魔法を使って消耗した魔力を回復させる物と傷を癒す秘薬秘薬なんだけど、魔力回復させるほうは聞いたことも無いって一蹴された。
傷を治す方はどうも店側で取り扱っている物と違うみたいで、売るとしたら有名な水のメイジか王家のお墨付きでも無いとだめらしい」
バッツはそう言いながらハイポーションを弄くる。
「信憑性ねー。ところで今バッツが弄っている薬はどの秘薬?」
「ああ、傷を治す薬のハイポーションだ。結構美味しいぞ?」
「へ? 美味しいって、傷を治す秘薬なのに飲み薬なの?」
「いや、飲んでも塗っても効果があるんだ。最も、一番効果を出すためには素人はまね出来ない、特殊なことをしないといけないけどな。
まぁ普通に飲んだり塗ったりするだけでも、大抵の傷は直る。ハイポーションは優れた薬だよ」
「へーすごのね……って、飲んでも、塗ってもいい秘薬なんて聞いた事無いわよ! 確かにそれだと、買い取ってくれる店はまず無いわね。
ほんとにあんた、どこにいたのか分からないわ」
ルイズは鬼気迫る表情でバッツに迫ろうとしたが、彼が記憶喪失であることを思い出し椅子に座りなおす。
バッツはルイズを騙していることを負い目を感じるものの、自分の記憶の話題から金銭問題に戻しこの町で働くことを提案する。ルイズに馬の問題を指摘されるが一度戻り、
自分一人が歩いていけばよいと提案する。
「確かにそれなら問題ないけど。でもバッツの場合、トリスタニアで仕事探すよりも、学院の生徒や先生達を相手に、お金を取って歌った方が多分稼げるわよ?」
「ん? そうなのか? でも、ギルの鑑定を待つ間、手持ち無沙汰でいるのが、もったいないから働く。ってのが本音だから学院で歌って稼ぐのはちょっと違うなぁ。
それに昨日は何故か男子生徒たちが、俺のこと目の敵にして襲ってきたから、のんきに歌ってたら歌を聴いてくれる人達に迷惑をかけちまう」
「あ、そういえばコイツ、キュルケに惚れられたんだっけ……「ん? 何か言ったか?」 いえ、なんでもないわ。まぁ欲しい武器が有って、
馬を学院に返すなら反対する理由もないし、いいんじゃない?」
ルイズは、バッツがトリスタニアに一時的にでも滞在することにより、キュルケがバッツに会えないで悔しがる姿が見れると思い、バッツのトリスタニア滞在の許可を出す。
「それじゃあ、これ食べ終わったら武器屋「ダーリン! お金が無いのなら、私が貸すわよ~」しょ。ってキュルケ!! 何で貴方がここにいるのよ!?」
「あら、虚無の曜日なんだから、たまには町へ遊びに来たっていいじゃない?」
話がひと段落付きルイズが、自分の食事が終わったら武器屋へ行きましょ。と、言おうとしたところで、いつの間にか近くに来ていたキュルケがバッツに声をかけた。
「まぁ、ルイズ落ち着けって。よくわからないけど、キュルケの言うダーリンはもしかして俺のことなのか?」
「あら、ダーリン以外にこの場に男の人はいないじゃない?」
「確かにそうだけど、何で俺がダーリンなんだ?」
バッツは首を傾げながら質問する。
「この前のギーシュとの決闘で、ギーシュのワルキューレを倒す勇姿に一目ぼれしたの。だ・か・ら、ダーリンなの」
キュルケは妖艶に微笑みそう言いながらバッツの頬を撫でる。
「な、な、ななななななななななにいいてっるんだキュルケ!?」
ガタン
バッツは顔を真っ赤にし、椅子から跳んで下がる。
「あら、そんなに真っ赤になっちゃって、照れなくてもいいのよ? ダーリン」
「ととと、とにかく、ダーリンは勘弁してくれ、ブランドラミアの誘惑を食らった時の事を思い出す」
バッツはピラミッドで、仲間の女性2人に戦闘不能になるまで殴られた事を思い出しながら、キュルケに頭を下げ自分の事をダーリンと呼ぶのをやめて欲しい。と頼む。
「え~、じゃあダーリンが私にキスしてくれたやめてあげるわ」
「なに、破廉恥な事言ってるのよ!!」
「あら、あなただって、ダーリンにキスしたじゃないの?」
「あああああ、あれは契約で必要だったから! あんなのノーカンよ! ノーカン!」
ルイズはバッツとのコントラクト・サーヴァントした時を思い出し、顔を真っ赤にしてキュルケをポカポカ叩きながら抗議の声を上げる。
「まぁ、貴方がダーリンとキスしたのが、ノーカンとかはどうでも良いのよ。大事なのは私がダーリンを愛しているからキスをしたいだけだし」
「だめよ! これはわたしの使い魔よ、 ツェルプストー家にはたとえ小石一つであろうと絶対に渡さないわよ!」
「あら、私が欲しいのは貴方の使い魔じゃなくてバッツって言う一人の男よ?」
「同じじゃない!!」
「どうしたもんかなー(くいくい)ん?」
話の中心人物のはずなのに、いつの間にか話から外されたバッツはそう呟きながら頭を掻いていると、不意に彼の裾が引っ張られる。
彼が引っ張られた方を向くと、そこには青い髪の少女が立っていた。
「えっと、君は?」
「タバサ」
少女はバッツの質問に一言で答えると、ルイズたちのいるテーブルの隣のテーブルの席に座り彼女の正面の席を指差し「空いてる」と言った後、食事を始める。
バッツはどうすればいいか目をパチクリした後、とりあえず少女に進まれた席に座る。
「えっと、タバサは君の名前でいいのかな?」
少女は食事を続けながらもコクンと頷く。
「タバサは、あの二人の友達でいいんだよな?」
すると、タバサは食事の手を止め、少し考えてから答え、再び食事を続ける。
「……キュルケの友達」
「そっか、タバサはキュルケの友人なんだ。あの二人って会うといつもあんな感じなのか? 俺が見ている限りだと、いつもあんな感じなんだけど」
タバサはコクンと再び頷くと、自分が食べている料理の一部を既に食べ終わっている皿に移しバッツに差し出す。
「あげる」
「え? いいのか?」
「この前のお礼」
「この前って、なんのことだ?」
バッツは、お礼されることをした覚えが無いため聞き返す。
「授業の時、爆風から守ってくれた」
「あ、あのときの子か。んじゃ、遠慮なくご馳走になります。」
バッツはルイズの錬金の爆発の時に、とっさにかばった少女がタバサであった事を思い出し、タバサから貰った料理を食べ始める。
バッツがとげとげの形をした菜っ葉を食べる。タバサは菜っ葉を食べる彼をじっと見つめている。
「? タバサどうした?」
「それ」
「ん、この菜っ葉か? ちょっと苦いな。でもこれはこれで美味しいと思うよ。あ、もしかしてこの菜っ葉を食べるのはマナー違反なのか?」
バッツの質問に、タバサはただ首を振ってマナー違反でないことを示すだけで、肝心の見つめていた理由は答えない。
そんなタバサの態度に、バッツは「そっか」と言った後、料理の残りを食べ、それに続くかのようにタバサも自分の料理を食べる。
そんな感じで二人はただ、もぐもぐもぐ…… と黙って食事をする。そして隣のテーブルで口喧嘩をしていた二人がバッツたちに気づき詰め寄る。
「ちょっと! あんた、なにやってるのよ!?」
「なにって、食事だけど?」
「それは見れば分かるわよ。なんで、そこの女の子と一緒に食べてるの!?」
「タ~バ~サ~、ダーリンと食事なんて意外な伏兵って奴?」
「借りを返しただけ」
「あら、そうなの? 相変わらず義理堅い子ねぇ」
バッツになだめられながらも怒りっぱなしのルイズ、タバサの簡潔な説明に納得し、彼女をなでなでするキュルケ、と詰め寄った二人は異なった結果になる。
バッツが根気よくルイズをなだめ続けた結果、なんとかルイズは怒りを沈めルことに成功する。
その後、キュルケがバッツの事を再びダーリンと呼んだため、バッツはキュルケのダーリン発言を撤回のために交渉し、
キュルケはバッツの持っていた【きんのはり】を5本ほど貰うことでバッツの事をダーリンと呼ぶことをやめた。
その交渉が終わる頃には4人の食事は終わり、4人で武器屋へといく事になった。
……もっとも、ルイズは不満たらたらであったのは言うまでも無い。
「これはこれは貴族の方々。うちはまっとうな商売をしてまさあ。お上に目を付けられるような事なんか、これっぽっちもありませんですぜ?」
「客よ」
武器屋の親父がルイズたちの姿を見て、あわてて繕う様に迎えると、ルイズはそっけなく一言で返した。
ルイズがこのような態度を取ったのは、キュルケ達が着いてくることにまだ納得していないためである。
しかし、そんなことを知らない親父は自分が彼女に対して何か気に障ることをしてしまったのかと思ってしまう。
「き、貴族様。一体どういった物をお探しで?」
「バッツ、アンタが欲しいんでしょ? アンタが聞かないと分からないわよ」
「あ、ああ。親父、ここで売っている武器は……」
ルイズはいちいち自分の顔を窺がう武器屋の親父にイライラしながら、バッツに武器を選ぶように言って近くの椅子に座った。
ルイズにそう言われたバッツはあわてて親父と話をする。 その様子にキュルケはくすくすと笑う。タバサは既に彼等に関心がなくなったのか、椅子に座り本を読んでいた。
そして、親父は話をしいている内にバッツが平民であることを知り、バッツに対しては砕けた口調になる。そして親父は、一度店の奥に行った後、
槍、剣、斧、棍棒、ナイフ、小剣、弓、ムチなどの色々な種類の武器を持って戻ってくる。
親父が持ってきた武器の多さに、ルイズが慌ててバッツに近づき、「それ全部を買う気なのか?」 と詰問する。
「そんな訳無いだろ。 ただ色々な武器を試しに持ってみるだけさ。 ……それに、色々な武器を持てばそれが切欠で何か思い出すかもしれないだろ?」
後半の言葉はルイズにだけに聞こえる用に答えた。
その答えにルイズは再び椅子に座る。 キュルケはルイズに何を言ったのかバッツに聞くが、バッツは「キュルケの気のせいだろ」と答え、
そのまま親父が持ってきた武器を一つ一つ持ち、左手のルーンに変化があるか確認していく。そしてバッツが何か武器を握るたびに左手のルーンが淡く光り、
彼の体がエクスカリパーやチキンナイフを持ったとき同様、英雄の薬を飲んだかのように力がみなぎる。
バッツの光る左手(正確には左手のルーン)にルイズとキュルケは驚き、それが何なのか聞く。
「ちょっとバッツ、貴方の左手光ってるわよ!?」
「ああ、確かにキュルケの言うとおり光ってるな」
「『光ってるな』 じゃないわよ! なんとも無いの?」
「なんとも無いぞ? それに光ってるのはルイズが付けたルーンじゃないか。何でお前までびっくりしてるんだよ?」
「人間の使い魔なんて前例がないわよ! だからわたしがそのルーンが光るなんて、分かるわけ無いじゃない!」
「あ。そういや、珍しいんだったけ。まぁそれはともかく、どうもこのルーンが光る条件は武器を持ったときみたいだな。
あ。あと、このルーンが光ってるとちょっと体が軽くなるみたいだな」
「……イー…ル…の…者と同じ?」
バッツは(なんでベル系や竪琴系の時は反応しなかったんだろ?)と思いながらそう答える。キュルケとルイズは使い魔になった生き物には、
特殊能力が付くこともあることを思い出し、バッツのルーンが光るのもその一種だと判断する。離れたところで本を読んでいたはずのタバサは、
いつの間にかバッツの方を向いており、驚きの表情をしながら何か呟いていたが、その場にいた全員がバッツの方に気が向いていたため、誰も気づかなかった。
最後に武器屋の親父は驚いていていたが、原因が貴族にある事を聞き、特に口出しはしなかった。
そして、バッツは一通り武器を持ち終える。彼は持ってきた武器の中で彼は長槍を買おうと値段を親父に聞こうとする。が、
「おでれーた! おめぇ使い手だな?」
不意に誰もいない空間からこの場にいる誰の声でもない声が響く。
「誰だ!?」
「デル公! またてめぇ人の商売邪魔する気か? もし邪魔するならここに居る貴族の方々に頼んでぶっ壊してもらうぞ!!」
バッツはシーフ技能警戒を持ってしても気がつけなかった声の主を探す。一方親父はまたか、といった感じで声の聞こえた方向にある錆びた剣に怒鳴る。
「ああ、もう飽きたから壊してくれてもかまわねぇ! って、違う。 おい其処のボケッとした顔した兄ちゃん。アンタ使い手だろ? そんな槍なんかより俺を買いな!」
「剣がしゃべった!?」
「へーインテリジェンスソードなんかもあったのね。ところでアンタ今コイツの事を使い手って言ったけどそれっとコイツのルーンが関係あるの?」
「おう! そいつはなって、あれ? なんだったけなぁー。んー忘れた! でも俺を持てば何かを切欠で思い出すかもしれない。だから俺を買え!」
剣がしゃべることにびっくりしてるバッツを他所にルイズは剣と話し込む。
「へー、記憶喪失同士なら相性いいんじゃない? バッツ、買うならこの剣がいいんじゃない?」
ルイズは自分も知らない自分の使い魔のルーンに心当たりのある剣に興味を示しバッツに剣を買うように進める。
「え? あ、ああ。所で親父この長槍と其処の剣は幾らなんだ?」
「へぇ、その長槍は大したこと無いもんなんで、新金貨で200枚で其処のデル公「デルフリンガー様だ!」は100枚で結構でさぁ」
親父が値段を言うとバッツは少し考え込む。
「なぁ、キュルケこれって高いのか?」
「そうねぇ。300枚は位なら別に大丈夫よ」
「べ、別にその槍は要らないでしょ! 剣だけだったら私の残りのお金でも……」
ルイズがそう言いながら自分の財布の中身を確認するが、
「……20枚しか残ってない」
「あらあら。ルイズあなた、無駄使いしたんじゃない?」
「そ、そんなことないもん! 今日買ったのだって必要なものだし……」
「ルイズ落ち着けって」
バッツはルイズをなだめた後、親父に剣と長槍を新金貨150枚とバッツのギル600枚で売らないか? と持ちかける。
親父は見たことも無い通貨ギルを見せられ、戸惑いながら価値を問う。
「……これの価値は?」
「両替屋で聞いたが価値が分かるには時間が掛かる。もしこのギルの価値が新金貨の1/4以上でも俺はあんたに返金要求はしない」
「つまり、お前さんはこのギルとか言う硬貨に新金貨1/4以上の価値があると思っているんだな?」
親父はギロリとバッツを見る。
「ああ」
二人はしばらく見詰め合う。
「ふっ、おもしれぇ! その賭け乗った!」
親父は豪快に笑いながらバッツからギルを、キュルケから新金貨を受け取ると長槍と剣を渡す。
長槍と剣を受け取ったバッツは剣に声をかける。
「よろしくな。えーっと」
「デルフリンガー様だ。まぁ相棒ならデルフでいいぜ」
「ああ、よろしくな。デルフ。俺はバッツだ」
「ふん、普段はもっと口が悪いくせに。 こいつがうるさい時はこの鞘に入れとけば黙りますぜぇ」
親父はバッツに親しく話すデルフリンガーに何か複雑な感情を抱きながらも、バッツに鞘を渡す。
バッツは槍と鞘を道具袋に入れると、キュルケに買ってくれたお礼としてギルを700枚渡そうとするが、
「これは、私が勝手にやったこと。だ・か・ら、そんなの入らないわよ」
と、断られた。
そして、4人は武器屋を出て学院へと帰るのであった。
町を出る時に、キュルケがバッツにタバサの使いまであるシルフィードに乗って帰ったほうが馬よりも早いと言って誘うが、バッツは頭を書きながら、
「高いところは、苦手なんだ」
と答えると、しばらく静寂が流れる。しかしそのすぐ後、3人の少女達と1本の剣の笑い声がトリスタニアの郊外に響くのであった。
尚、バッツは最初の笑い声がシルフィードの方から聞こえた気がしたが、笑っていたのはルイズ達3人とデルフだけなので気のせいだろうと、気にしないのであった。
虚無の曜日当日……
バッツとルイズは朝早く学院を出て首都トリスタニアへ行き、色々な店を見てまわる。
ルイズは、本屋では始祖ブリミルの虚無に関した内容が書かれていそうな書物や本を探す。その中で彼女にとって信憑性が高そうなものをいくつか購入する。
よろず屋では始祖ブリミルが残したと言われる宝などの話を聞き購入しようとするが、それらしい物はどれも値が張るため購入を諦める。
そして秘薬屋では、始祖ブリミルの時代からある秘薬にはどのような物があるか聞く。
一方バッツもルイズが本を読んだり買い物をしている時に、最近の事件や噂話、それにここら辺に生息している危険な生き物の話を聞く。他にも手持ちのギルの両替、
又はポーション類の一部を売却しようとする。
しかし、ギルはハルケギニアには存在しない通貨であるため、店側が難色を示し、詳しく調べるのに時間が掛かり今すぐの両替は難しく、時間が掛かる事を伝えられる。
一方ポーション類は効果の説明をしても、店側が信用せず、実際に使って見せようとしてもメイジであるルイズが一緒にいるため、
「魔法で誤魔化した可能性がある」
と、言われてしまい買取を拒否される。
なお、テントやコテージならばよろず屋で売れたかもしれないが、彼は学院の近くの森で寝泊りしているため、彼はテントとコテージを売ることは選択肢に入れていない。
そしてルイズが回りたい店を回り終え、二人は比較的豪華な食堂で食事をしながら午後の予定を話し合う。もっとも注文をしたのはルイズのみで、
お金の無いバッツは何も注文はしなかった。
「わたしが行きたい店は一通り回り終わったから、次は武器屋でいいのよね?」
「ああ、それで良いけど、ギルやポーションの換金が出来なかったから、お金がない。武器屋で欲しい武器が有ったらお金貸してくれないか?」
「え? 何で換金出来なかったの? それにわたしは自分の買い物で持ってきたお小遣い殆ど無いわよ」
彼女はそう言いながら自分の持ってきた財布の中身が残り少ない事を見せる。
「ああ、どうもギルは珍しすぎて、どれくらい価値があるか調べるのに時間が掛かるらしい。ポーションとかは、どうもここら辺にあるのと勝手が違うみたいで、
効果に懐疑的なんだ。実際に使って見せようとしても、俺自身に使っても演技の可能性が、店員の場合だと毒薬の可能性があるって事で買取は不可だったんだ」
「ふーん、ギルの換金が難しいのは解ったけど、バッツが持ってるポーションと普通のポーションは何が違うの?」
「ああ、魔法を使って消耗した魔力を回復させる物と傷を癒す秘薬秘薬なんだけど、魔力回復させるほうは聞いたことも無いって一蹴された。
傷を治す方はどうも店側で取り扱っている物と違うみたいで、売るとしたら有名な水のメイジか王家のお墨付きでも無いとだめらしい」
バッツはそう言いながらハイポーションを弄くる。
「信憑性ねー。ところで今バッツが弄っている薬はどの秘薬?」
「ああ、傷を治す薬のハイポーションだ。結構美味しいぞ?」
「へ? 美味しいって、傷を治す秘薬なのに飲み薬なの?」
「いや、飲んでも塗っても効果があるんだ。最も、一番効果を出すためには素人はまね出来ない、特殊なことをしないといけないけどな。
まぁ普通に飲んだり塗ったりするだけでも、大抵の傷は直る。ハイポーションは優れた薬だよ」
「へーすごのね……って、飲んでも、塗ってもいい秘薬なんて聞いた事無いわよ! 確かにそれだと、買い取ってくれる店はまず無いわね。
ほんとにあんた、どこにいたのか分からないわ」
ルイズは鬼気迫る表情でバッツに迫ろうとしたが、彼が記憶喪失であることを思い出し椅子に座りなおす。
バッツはルイズを騙していることを負い目を感じるものの、自分の記憶の話題から金銭問題に戻しこの町で働くことを提案する。ルイズに馬の問題を指摘されるが一度戻り、
自分一人が歩いていけばよいと提案する。
「確かにそれなら問題ないけど。でもバッツの場合、トリスタニアで仕事探すよりも、学院の生徒や先生達を相手に、お金を取って歌った方が多分稼げるわよ?」
「ん? そうなのか? でも、ギルの鑑定を待つ間、手持ち無沙汰でいるのが、もったいないから働く。ってのが本音だから学院で歌って稼ぐのはちょっと違うなぁ。
それに昨日は何故か男子生徒たちが、俺のこと目の敵にして襲ってきたから、のんきに歌ってたら歌を聴いてくれる人達に迷惑をかけちまう」
「あ、そういえばコイツ、キュルケに惚れられたんだっけ……「ん? 何か言ったか?」 いえ、なんでもないわ。まぁ欲しい武器が有って、
馬を学院に返すなら反対する理由もないし、いいんじゃない?」
ルイズは、バッツがトリスタニアに一時的にでも滞在することにより、キュルケがバッツに会えないで悔しがる姿が見れると思い、バッツのトリスタニア滞在の許可を出す。
「それじゃあ、これ食べ終わったら武器屋「ダーリン! お金が無いのなら、私が貸すわよ~」しょ。ってキュルケ!! 何で貴方がここにいるのよ!?」
「あら、虚無の曜日なんだから、たまには町へ遊びに来たっていいじゃない?」
話がひと段落付きルイズが、自分の食事が終わったら武器屋へ行きましょ。と、言おうとしたところで、いつの間にか近くに来ていたキュルケがバッツに声をかけた。
「まぁ、ルイズ落ち着けって。よくわからないけど、キュルケの言うダーリンはもしかして俺のことなのか?」
「あら、ダーリン以外にこの場に男の人はいないじゃない?」
「確かにそうだけど、何で俺がダーリンなんだ?」
バッツは首を傾げながら質問する。
「この前のギーシュとの決闘で、ギーシュのワルキューレを倒す勇姿に一目ぼれしたの。だ・か・ら、ダーリンなの」
キュルケは妖艶に微笑みそう言いながらバッツの頬を撫でる。
「な、な、ななななななななななにいいてっるんだキュルケ!?」
ガタン
バッツは顔を真っ赤にし、椅子から跳んで下がる。
「あら、そんなに真っ赤になっちゃって、照れなくてもいいのよ? ダーリン」
「ととと、とにかく、ダーリンは勘弁してくれ、ブランドラミアの誘惑を食らった時の事を思い出す」
バッツはピラミッドで、仲間の女性2人に戦闘不能になるまで殴られた事を思い出しながら、キュルケに頭を下げ自分の事をダーリンと呼ぶのをやめて欲しい。と頼む。
「え~、じゃあダーリンが私にキスしてくれたやめてあげるわ」
「なに、破廉恥な事言ってるのよ!!」
「あら、あなただって、ダーリンにキスしたじゃないの?」
「あああああ、あれは契約で必要だったから! あんなのノーカンよ! ノーカン!」
ルイズはバッツとのコントラクト・サーヴァントした時を思い出し、顔を真っ赤にしてキュルケをポカポカ叩きながら抗議の声を上げる。
「まぁ、貴方がダーリンとキスしたのが、ノーカンとかはどうでも良いのよ。大事なのは私がダーリンを愛しているからキスをしたいだけだし」
「だめよ! これはわたしの使い魔よ、 ツェルプストー家にはたとえ小石一つであろうと絶対に渡さないわよ!」
「あら、私が欲しいのは貴方の使い魔じゃなくてバッツって言う一人の男よ?」
「同じじゃない!!」
「どうしたもんかなー(くいくい)ん?」
話の中心人物のはずなのに、いつの間にか話から外されたバッツはそう呟きながら頭を掻いていると、不意に彼の裾が引っ張られる。
彼が引っ張られた方を向くと、そこには青い髪の少女が立っていた。
「えっと、君は?」
「タバサ」
少女はバッツの質問に一言で答えると、ルイズたちのいるテーブルの隣のテーブルの席に座り彼女の正面の席を指差し「空いてる」と言った後、食事を始める。
バッツはどうすればいいか目をパチクリした後、とりあえず少女に進まれた席に座る。
「えっと、タバサは君の名前でいいのかな?」
少女は食事を続けながらもコクンと頷く。
「タバサは、あの二人の友達でいいんだよな?」
すると、タバサは食事の手を止め、少し考えてから答え、再び食事を続ける。
「……キュルケの友達」
「そっか、タバサはキュルケの友人なんだ。あの二人って会うといつもあんな感じなのか? 俺が見ている限りだと、いつもあんな感じなんだけど」
タバサはコクンと再び頷くと、自分が食べている料理の一部を既に食べ終わっている皿に移しバッツに差し出す。
「あげる」
「え? いいのか?」
「この前のお礼」
「この前って、なんのことだ?」
バッツは、お礼されることをした覚えが無いため聞き返す。
「授業の時、爆風から守ってくれた」
「あ、あのときの子か。んじゃ、遠慮なくご馳走になります。」
バッツはルイズの錬金の爆発の時に、とっさにかばった少女がタバサであった事を思い出し、タバサから貰った料理を食べ始める。
バッツがとげとげの形をした菜っ葉を食べる。タバサは菜っ葉を食べる彼をじっと見つめている。
「? タバサどうした?」
「それ」
「ん、この菜っ葉か? ちょっと苦いな。でもこれはこれで美味しいと思うよ。あ、もしかしてこの菜っ葉を食べるのはマナー違反なのか?」
バッツの質問に、タバサはただ首を振ってマナー違反でないことを示すだけで、肝心の見つめていた理由は答えない。
そんなタバサの態度に、バッツは「そっか」と言った後、料理の残りを食べ、それに続くかのようにタバサも自分の料理を食べる。
そんな感じで二人はただ、もぐもぐもぐ…… と黙って食事をする。そして隣のテーブルで口喧嘩をしていた二人がバッツたちに気づき詰め寄る。
「ちょっと! あんた、なにやってるのよ!?」
「なにって、食事だけど?」
「それは見れば分かるわよ。なんで、そこの女の子と一緒に食べてるの!?」
「タ~バ~サ~、ダーリンと食事なんて意外な伏兵って奴?」
「借りを返しただけ」
「あら、そうなの? 相変わらず義理堅い子ねぇ」
バッツになだめられながらも怒りっぱなしのルイズ、タバサの簡潔な説明に納得し、彼女をなでなでするキュルケ、と詰め寄った二人は異なった結果になる。
バッツが根気よくルイズをなだめ続けた結果、なんとかルイズは怒りを沈めることに成功する。
その後、キュルケがバッツの事を再びダーリンと呼んだため、バッツはキュルケのダーリン発言を撤回のために交渉し、
キュルケはバッツの持っていた【きんのはり】を5本ほど貰うことでバッツの事をダーリンと呼ぶことをやめた。
その交渉が終わる頃には4人の食事は終わり、4人で武器屋へといく事になった。
……もっとも、ルイズは不満たらたらであったのは言うまでも無い。
「これはこれは貴族の方々。うちはまっとうな商売をしてまさあ。お上に目を付けられるような事なんか、これっぽっちもありませんですぜ?」
「客よ」
武器屋の親父がルイズたちの姿を見て、あわてて繕う様に迎えると、ルイズはそっけなく一言で返した。
ルイズがこのような態度を取ったのは、キュルケ達が着いてくることにまだ納得していないためである。
しかし、そんなことを知らない親父は自分が彼女に対して何か気に障ることをしてしまったのかと思ってしまう。
「き、貴族様。一体どういった物をお探しで?」
「バッツ、アンタが欲しいんでしょ? アンタが聞かないと分からないわよ」
「あ、ああ。親父、ここで売っている武器は……」
ルイズはいちいち自分の顔を窺がう武器屋の親父にイライラしながら、バッツに武器を選ぶように言って近くの椅子に座った。
ルイズにそう言われたバッツはあわてて親父と話をする。 その様子にキュルケはくすくすと笑う。タバサは既に彼等に関心がなくなったのか、椅子に座り本を読んでいた。
そして、親父は話をしいている内にバッツが平民であることを知り、バッツに対しては砕けた口調になる。そして親父は、一度店の奥に行った後、
槍、剣、斧、棍棒、ナイフ、小剣、弓、ムチなどの色々な種類の武器を持って戻ってくる。
親父が持ってきた武器の多さに、ルイズが慌ててバッツに近づき、「それ全部を買う気なのか?」 と詰問する。
「そんな訳無いだろ。 ただ色々な武器を試しに持ってみるだけさ。 ……それに、色々な武器を持てばそれが切欠で何か思い出すかもしれないだろ?」
後半の言葉はルイズにだけに聞こえる用に答えた。
その答えにルイズは再び椅子に座る。 キュルケはルイズに何を言ったのかバッツに聞くが、バッツは「キュルケの気のせいだろ」と答え、
そのまま親父が持ってきた武器を一つ一つ持ち、左手のルーンに変化があるか確認していく。そしてバッツが何か武器を握るたびに左手のルーンが淡く光り、
彼の体がエクスカリパーやチキンナイフを持ったとき同様、英雄の薬を飲んだかのように力がみなぎる。
バッツの光る左手(正確には左手のルーン)にルイズとキュルケは驚き、それが何なのか聞く。
「ちょっとバッツ、貴方の左手光ってるわよ!?」
「ああ、確かにキュルケの言うとおり光ってるな」
「『光ってるな』 じゃないわよ! なんとも無いの?」
「なんとも無いぞ? それに光ってるのはルイズが付けたルーンじゃないか。何でお前までびっくりしてるんだよ?」
「人間の使い魔なんて前例がないわよ! だからわたしがそのルーンが光るなんて、分かるわけ無いじゃない!」
「あ。そういや、珍しいんだったけ。まぁそれはともかく、どうもこのルーンが光る条件は武器を持ったときみたいだな。
あ。あと、このルーンが光ってるとちょっと体が軽くなるみたいだな」
「……イー…ル…の…者と同じ?」
バッツは(なんでベル系や竪琴系の時は反応しなかったんだろ?)と思いながらそう答える。キュルケとルイズは使い魔になった生き物には、
特殊能力が付くこともあることを思い出し、バッツのルーンが光るのもその一種だと判断する。離れたところで本を読んでいたはずのタバサは、
いつの間にかバッツの方を向いており、驚きの表情をしながら何か呟いていたが、その場にいた全員がバッツの方に気が向いていたため、誰も気づかなかった。
最後に武器屋の親父は驚いていていたが、原因が貴族にある事を聞き、特に口出しはしなかった。
そして、バッツは一通り武器を持ち終える。彼は持ってきた武器の中で彼は長槍を買おうと値段を親父に聞こうとする。が、
「おでれーた! おめぇ使い手だな?」
不意に誰もいない空間からこの場にいる誰の声でもない声が響く。
「誰だ!?」
「デル公! またてめぇ人の商売邪魔する気か? もし邪魔するならここに居る貴族の方々に頼んでぶっ壊してもらうぞ!!」
バッツはシーフ技能警戒を持ってしても気がつけなかった声の主を探す。一方親父はまたか、といった感じで声の聞こえた方向にある錆びた剣に怒鳴る。
「ああ、もう飽きたから壊してくれてもかまわねぇ! って、違う。 おい其処のボケッとした顔した兄ちゃん。アンタ使い手だろ? そんな槍なんかより俺を買いな!」
「剣がしゃべった!?」
「へーインテリジェンスソードなんかもあったのね。ところでアンタ今コイツの事を使い手って言ったけどそれっとコイツのルーンが関係あるの?」
「おう! そいつはなって、あれ? なんだったけなぁー。んー忘れた! でも俺を持てば何かを切欠で思い出すかもしれない。だから俺を買え!」
剣がしゃべることにびっくりしてるバッツを他所にルイズは剣と話し込む。
「へー、記憶喪失同士なら相性いいんじゃない? バッツ、買うならこの剣がいいんじゃない?」
ルイズは自分も知らない自分の使い魔のルーンに心当たりのある剣に興味を示しバッツに剣を買うように進める。
「え? あ、ああ。所で親父この長槍と其処の剣は幾らなんだ?」
「へぇ、その長槍は大したこと無いもんなんで、新金貨で200枚で其処のデル公「デルフリンガー様だ!」は100枚で結構でさぁ」
親父が値段を言うとバッツは少し考え込む。
「なぁ、キュルケこれって高いのか?」
「そうねぇ。300枚は位なら別に大丈夫よ」
「べ、別にその槍は要らないでしょ! 剣だけだったら私の残りのお金でも……」
ルイズがそう言いながら自分の財布の中身を確認するが、
「……20枚しか残ってない」
「あらあら。ルイズあなた、無駄使いしたんじゃない?」
「そ、そんなことないもん! 今日買ったのだって必要なものだし……」
「ルイズ落ち着けって」
バッツはルイズをなだめた後、親父に剣と長槍を新金貨150枚とバッツのギル600枚で売らないか? と持ちかける。
親父は見たことも無い通貨ギルを見せられ、戸惑いながら価値を問う。
「……これの価値は?」
「両替屋で聞いたが価値が分かるには時間が掛かる。もしこのギルの価値が新金貨の1/4以上でも俺はあんたに返金要求はしない」
「つまり、お前さんはこのギルとか言う硬貨に新金貨1/4以上の価値があると思っているんだな?」
親父はギロリとバッツを見る。
「ああ」
二人はしばらく見詰め合う。
「ふっ、おもしれぇ! その賭け乗った!」
親父は豪快に笑いながらバッツからギルを、キュルケから新金貨を受け取ると長槍と剣を渡す。
長槍と剣を受け取ったバッツは剣に声をかける。
「よろしくな。えーっと」
「デルフリンガー様だ。まぁ相棒ならデルフでいいぜ」
「ああ、よろしくな。デルフ。俺はバッツだ」
「ふん、普段はもっと口が悪いくせに。 こいつがうるさい時はこの鞘に入れとけば黙りますぜぇ」
親父はバッツに親しく話すデルフリンガーに何か複雑な感情を抱きながらも、バッツに鞘を渡す。
バッツは槍と鞘を道具袋に入れると、キュルケに買ってくれたお礼としてギルを700枚渡そうとするが、
「これは、私が勝手にやったこと。だ・か・ら、そんなの要らないわよ」
と、断られた。
そして、4人は武器屋を出て学院へと帰るのであった。
町を出る時に、キュルケがバッツにタバサの使い魔であるシルフィードに乗って帰ったほうが馬よりも早いと言って誘うが、バッツは頭を書きながら、
「高いところは、苦手なんだ」
と答えると、しばらく静寂が流れる。しかしそのすぐ後、3人の少女達と1本の剣の笑い声がトリスタニアの郊外に響くのであった。
尚、バッツは最初の笑い声がシルフィードの方から聞こえた気がしたが、笑っていたのはルイズ達3人とデルフだけなので気のせいだろうと、気にしないのであった。
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