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「GTA:LCS-0 15」(2007/10/25 (木) 22:07:06) の最新版変更点
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「ギーシュ、お前ルイズに何て聞いて何て答えられた?」
宛ら頭痛すら感じるこの状況で俺はこう切り出す。本気で余り関りたくはないのだが、状況が読めない以上仕方ない。
「いや……ルイズに『トニーを少しの間貸してくれ』って言ったら『私は嫌。だけどトニーの返答如何では考えなくも無いわ』って」
「ならダメだろ。ルイズが嫌だって言ってんだから」
逃げる口実が出来てすかさず俺は逃げる。自業自得で陥ったこの状況に巻き込まれるのはごめんだ。
「そこを何とか!……ほら、ルイズだって考えなくも無いって言ってる事だし……」
「……ルイズどうする?正直、俺は二股の自業自得を助ける気は無いがね」
俺に判断を振られたルイズは、苦悶の表情を浮かべながら苦し紛れとも言うべき答えを述べる。
「うーん……仕方ないわねぇ……トニー、気が向いたら助けてあげて」
「ああ、わかった」
ルイズの答えにパッっと笑顔になる優男。現金な野郎だ。
「すまない、恩に着る」
「だが今直ぐじゃない。明日は用があるから明後日以降だ」
流石にキュルケと青髪で短髪の姉ちゃんをドライブに連れて行くなどと言える筈も無いからな。
――翌日。
「どうしてルイズが居るのよ」
「さぁな」
翌日、講義が終った後約束の待ち合わせ場所であるガレージに行き、キュルケと青髪で短髪の眼鏡を掛けた姉ちゃんと待ち合わせを
した所、ガレージの裏からルイズが出て来た。待ち伏せしていやがった。
「……トニーの後を付いて来ただけよ。主人として当然じゃない!」
ストーカーかヒットマンやらに間違われるぞ。
ルイズとキュルケは本当に仲が良いので後部座席に乗せ、こちらの青髪の姉ちゃんを助手席に座らせる。察してくれ。
「あなたトニーが来た日にクルマに乗ったのだから、乗らなくても良いのに」
「別に良いじゃない」
別にそんなものでもないのだがな……それにしても、この青髪の短髪の姉ちゃんは静かに風景を眺めているな。ほぼオフロードだから
下は凸凹なのだが、後ろの二人の憎まれ口の言い合いに比べれば可愛いものだ。
「姉ちゃんは可愛いな、他の貴族のように憎まれ口一つ叩かないしな」
「……そう?」
何気なく言った一言だが、この青い髪で短髪の姉ちゃんはそう答えながら赤くなっている。しかし余計なものも釣れた様で、ルイズと
キュルケはまんまと釣れてしまった。
「「それはどう意味!?」」
「言葉のあやだ、気にするな」
その後も他愛のない会話が続きながら、学院周辺を走る。でも何処もオフロードだからボコボコでケツが痛い。
「それにしても、前から気になっていたんだけど、どうしてモンモランシーの事を知っていたのよ?」
「ああ、あれはルイズに名状し難い何かを喰わされそうになった時に俺逃げただろ?……あの時にMr.コルベールの部屋を案内して
貰ったんだよ。お陰で命拾いをしたよ」
こう言うとキュルケは爆笑し、この短髪の姉ちゃんは笑いを堪えていた。だが事実だから仕様がない。黙っていたら本当にあの猫でも
喰わなそうなモノを喰わされそうになったんだぞ。
「あとさ、いい加減名前覚えてあげなよ……タバサの」
「んん?この姉ちゃんの名前か……そう言えば聞いてなかったからな」
タバサと言うのか、以後覚えておこう。
「なぁ、ここだけの話だが……極めてここだけの話だが俺の質問に答えてくれ」
一心地ついたところで、俺は引っ掛かっていた事をぶつけてみる事にした。
「何かしら?」
「昨日、学院内をふら付いていただろ?その時に俺は学院内でおかしな女に誘惑された。見た目この学院の関係者だろう容姿で、緑の髪で
ポニーテイル、実際は若いんだろうが年増風で眼鏡を掛けた女なのだが、誰だか分かるか?」
この質問に少々場が沈黙する。
「多分……容姿的に合っているのは……だろうけど、誘惑……ううーん……」
あのキュルケが本気で悩んでいる。
「分からないか?」
「いや、思い当たる節は大いにあるのだけど、イメージがねぇ……イメージを無視すれば、多分間違ってなければ、ミス・ロングビル……」
捻り出した答えは『ミス・ロングビル』。そのロングビルがどうして俺を?……全く意味が分からん。
「生真面目そうでお堅そうな年増が誘惑……少々イメージがねぇ……トニー、何かされたの?」
「いや、文字通り誘惑されただけだ。身をかわしたら今度は『男好きか?』と言いやがった。思わず俺は『Fuck you!!』って言っちまったね」
キュルケとルイズは爆笑している。リアルな事だけに面白いのだろう。
「はははは……可笑しい。その時のミス・ロングビルの表情見たかったわ……」
キュルケがこれほど笑うほど、あの女は真面目なのだな……これは注意深く見ていた方が良さそうだな、必ず何かしでかす。
「それにしてもさトニー、ギーシュのあの一件本当に手助けするの?」
ああ、面倒臭い懸案を今持ち出さないでくれルイズ。折角気の良い姉ちゃんに囲まれてドライブに勤しんでいたのによ。
「やるって言っちまった以上、やるしかあるまい」
mission:『ギーシュ・ド・グラモン:I Scream You Scream』
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