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「【薔薇男と穴を掘る使い魔】~白の国の罠(その3)~」(2007/10/06 (土) 21:30:26) の最新版変更点
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拝啓・母上様。
お使いに行かせた使い魔が、子分を作って帰って来ました。
彼等は一応熟達した傭兵らしいのですが、
肉と肉とのぶつかり合いで彼に敗北したので弟となったのだそうです。
どいつもこいつも頬を赤らめて僕の使い魔を崇めていやがっています。
彼等が連呼しているイイオトコイイオトコとは何の呪文なのでしょうか?
筋骨隆々の人々が曳く人力車でラ・ロシェールに着いた僕等は、
出発時に間に合わなかった増援を待つ為に『女神の杵』亭に宿泊しています。
キュルケが使い魔だからと彼を僕の部屋に割り振ろうとしたので、抵抗するのが大変でした。
彼と一緒にお使いから戻って来て以来、彼女の僕を見る目が変わった様な気がします。
正直、胃に穴が開きそうです。
それでは、お母さんも頑張って下さい。
(投函寸前にギーシュごと爆破された手紙より抜粋)
【薔薇男と穴を掘る使い魔】~白の国の罠(その3)~
胃が痛むので水のメイジに見て貰うと、胃潰瘍になり掛けていると言われたよ。
原因である強いストレスがあるならそれから離れる様にと勧められた。
悲しいけど、これ原因は使い魔なのよね。
胃薬を貰った帰り道、
増援である魔法衛士隊隊長のワルド子爵が無事に合流出来たと僕のストレスの原因が伝えに来た。
魔法衛士隊の隊長と言えば、僕達少年達が一度は憧れる名誉ある地位だ。
ストレスを完全に忘れ去って走って戻ると、宿の主人に彼の居場所を尋ねる。
ストレスを忘れて走って戻ると、宿の主人に彼の居場所を尋ねる。
「それで、この惨状は何なのかね?」
宿の主人から聞いた昔の練兵場に辿り着くと、
其処には倒れている才人と彼に縋って泣きじゃくるルイズがいた。
心配そうにキュルケが見ている脇で、タバサが簡単な治療を行っている。
その少し離れた所には、杖を仕込んでいるらしいレイピアを持った髭面の男がいる。
彼が噂のワルド子爵だろうと当たりを付ける。
「子爵、この惨状は何なのですか?」
ルイズ達が何も答えないので、今度は彼に尋ねてみる。
「決闘さ。 彼の実力を一寸試してみたくなってね。」
冗談の様に、僕の友人を傷付けた事を笑っている。
決闘?
仮にも戦闘のプロなら、実力差等直ぐに見抜ける筈だ。
僕が言えた義理じゃ無いけど……こんな物は只の虐めだ。
かくなる上は、僕が仇を取る。
「子爵!! ケッ……ケッ……ケッ……。」
だが、自分よりも遥かな高みにいる男への恐怖が最後の2文字を僕が口にする事を許さない。
泣きたい。
自分の無力さに。
情けない。
かつての自分が如何に醜かったかを見せられて。
ポツポツと僕の足元にだけ雨が降る。
「子爵さん………俺とも決闘を や ら な い か ?」
そんな臆病者の脇を抜け、僕の使い魔が子爵に歩み寄る。
『俺は怒っている。』
彼の背中はそう語っている気がした。
[[前へ>【薔薇男と穴を掘る使い魔】~白の国の罠(その2)~]]
拝啓・母上様。
お使いに行かせた使い魔が、子分を作って帰って来ました。
彼等は一応熟達した傭兵らしいのですが、
肉と肉とのぶつかり合いで彼に敗北したので弟となったのだそうです。
どいつもこいつも頬を赤らめて僕の使い魔を崇めていやがっています。
彼等が連呼しているイイオトコイイオトコとは何の呪文なのでしょうか?
筋骨隆々の人々が曳く人力車でラ・ロシェールに着いた僕等は、
出発時に間に合わなかった増援を待つ為に『女神の杵』亭に宿泊しています。
キュルケが使い魔だからと彼を僕の部屋に割り振ろうとしたので、抵抗するのが大変でした。
彼と一緒にお使いから戻って来て以来、彼女の僕を見る目が変わった様な気がします。
正直、胃に穴が開きそうです。
それでは、お母さんも頑張って下さい。
(投函寸前にギーシュごと爆破された手紙より抜粋)
【薔薇男と穴を掘る使い魔】~白の国の罠(その3)~
胃が痛むので水のメイジに見て貰うと、胃潰瘍になり掛けていると言われたよ。
原因である強いストレスがあるならそれから離れる様にと勧められた。
悲しいけど、これ原因は使い魔なのよね。
胃薬を貰った帰り道、
増援である魔法衛士隊隊長のワルド子爵が無事に合流出来たと僕のストレスの原因が伝えに来た。
魔法衛士隊の隊長と言えば、僕達少年達が一度は憧れる名誉ある地位だ。
ストレスを完全に忘れ去って走って戻ると、宿の主人に彼の居場所を尋ねる。
ストレスを忘れて走って戻ると、宿の主人に彼の居場所を尋ねる。
「それで、この惨状は何なのかね?」
宿の主人から聞いた昔の練兵場に辿り着くと、
其処には倒れている才人と彼に縋って泣きじゃくるルイズがいた。
心配そうにキュルケが見ている脇で、タバサが簡単な治療を行っている。
その少し離れた所には、杖を仕込んでいるらしいレイピアを持った髭面の男がいる。
彼が噂のワルド子爵だろうと当たりを付ける。
「子爵、この惨状は何なのですか?」
ルイズ達が何も答えないので、今度は彼に尋ねてみる。
「決闘さ。 彼の実力を一寸試してみたくなってね。」
冗談の様に、僕の友人を傷付けた事を笑っている。
決闘?
仮にも戦闘のプロなら、実力差等直ぐに見抜ける筈だ。
僕が言えた義理じゃ無いけど……こんな物は只の虐めだ。
かくなる上は、僕が仇を取る。
「子爵!! ケッ……ケッ……ケッ……。」
だが、自分よりも遥かな高みにいる男への恐怖が最後の2文字を僕が口にする事を許さない。
泣きたい。
自分の無力さに。
情けない。
かつての自分が如何に醜かったかを見せられて。
ポツポツと僕の足元にだけ雨が降る。
「子爵さん………俺とも決闘を や ら な い か ?」
そんな臆病者の脇を抜け、僕の使い魔が子爵に歩み寄る。
『俺は怒っている。』
彼の背中はそう語っている気がした。
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