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ディディはルイズより1時間ほど早く目が覚めた。
起き上がって深呼吸をする。とても清々しい。
「――ホント、息をするって素敵。」
さて、妹のように手のかかるお嬢さんがドリームの国から帰還するには、まだ少し時間があるようだし
その間に食事をとっておきましょう。そう言えば生まれてからまだ何も口にしていない。
そっと部屋の外を出て、真直ぐに厨房へ向かう。
初めて通るはずの道だが、ディディは迷うことなく最短のルートを通っていく。
どうやら、デスティニーは彼女に無駄な時間を取らせるつもりはないようだ。
ルイズが寝ぼけ眼で周囲を見渡すと、窓から外を眺めているディディが目に映る。
やっぱり悪夢は続くのか。だが、いつまでも落ち込んではいられない。
「ホラ、着替え!」
「はいはい。」
命じられたディディは即座にルイズの着替えを手伝う。
イケる、イケるわ! そうよ精々コキ使ってやる、などと思いながら、ルイズはディディと食堂へ向かった。
食堂へ入ると好奇と嘲笑の視線が二人に勢いよく突き刺さる。ついでに多少のヤジも。
よくなりかけたルイズの機嫌も目に見えて悪くなった。
立場を分からせるという目的もあったが、ルイズはそれ以上に今のこの怒りをディディにぶつけようとした。
さあ、アンタは床で食べなさい!
しかし、再びあの空虚な思いがこみ上げてくる。服従を強いる言葉が出てこない。
一体これはなんなの? とディディに目を向けたが、当のディディはキョロキョロと辺りを見渡すばかりで
なにかをしている様子はない。仕方ないので、さっさと朝食を取る。
「あ、私はもう食べたから。」
と言って、ルイズが食事を取っている間、ずっとディディはニコニコと笑みを周囲に振りまいていた。
ルイズが感じたあの不思議な感覚が伝染したのか、食堂を出る時にはルイズとその使い魔を嘲りの目で見る者はいなかった。
「ああルイズ、私、授業を受けるのなんて初めてよ。」
「アンタはアッチよ!」
教室に入るなり、ディディは迷わず一番前の席に着こうとしたが、ルイズに命じられてしぶしぶ使い魔たちいる所に座る。
「使い魔が人間はないだろ…常考」
「流石ゼロのルイズ、俺たちに出来ないことを平気でやってのける! そこに痺れry」
ルイズとディディのやりとりを見て、またヤジが飛んだがディディは気にしない。
一方ルイズは自分の使い魔を自慢するキュルケと激しく言い合っていたが。
授業が始まって暫くするとミセス・シュヴルーズがルイズを名指しした。
「じゃあミス・ヴァリエール、ここはあなたにやってもらいましょう。」
「は、はい。」
ぎこちなく前に進み出るルイズ。途中でディディが「がんばって!」と声をかけた。クスクスと生徒達の何人かが笑い出す。
「うるさい!」と使い魔と級友たちを一喝し、大きく深呼吸する。そしていよいよ詠唱を始め……
「フフ、ゼロのルイズ、か。」
「うるさい! うるさい! うるさい! うるさーい!!!」
二人で仲良く?教室を片付ける。出来ることなら使い魔に全て押し付けたいルイズだったが
ディディ一人ではいつ終わるのか分からないので、仕方なく手伝っていた。
というか罰掃除はルイズに与えられたのだが。
「馬鹿にしているんじゃないわ。本当に素敵だと思っているのよ。」
「ゼロのどこが素敵よ! 魔法が使えないってことじゃない!」
「確かにゼロは『無』ということを表した数よ。けど、それでもゼロという概念は存在する。無いのに在る、そんな不思議な数。」
「ワケわかんない……。」
「ゼロだって在る事を表しているってこと。ホラ、私を呼んだじゃない、自信を持って。」
「出てきたのがアンタだから余計不安なの!」
「あら失礼ね、私は名前はディディ。ディはDiverse(色々な)のDよ。きっとあなたがその気なら何だって出来るわ。」
「他人事だと思ってるわね! 無駄口叩いてないでさっさと片付けてしまいなさい!」
片付けはもうしばらく終わりそうにない。
#navi(High cost of zero)
ディディはルイズより1時間ほど早く目が覚めた。
起き上がって深呼吸をする。とても清々しい。
「――ホント、息をするって素敵。」
さて、妹のように手のかかるお嬢さんがドリームの国から帰還するには、まだ少し時間があるようだし
その間に食事をとっておきましょう。そう言えば生まれてからまだ何も口にしていない。
そっと部屋の外を出て、真直ぐに厨房へ向かう。
初めて通るはずの道だが、ディディは迷うことなく最短のルートを通っていく。
どうやら、デスティニーは彼女に無駄な時間を取らせるつもりはないようだ。
ルイズが寝ぼけ眼で周囲を見渡すと、窓から外を眺めているディディが目に映る。
やっぱり悪夢は続くのか。だが、いつまでも落ち込んではいられない。
「ホラ、着替え!」
「はいはい。」
命じられたディディは即座にルイズの着替えを手伝う。
イケる、イケるわ! そうよ精々コキ使ってやる、などと思いながら、ルイズはディディと食堂へ向かった。
食堂へ入ると好奇と嘲笑の視線が二人に勢いよく突き刺さる。ついでに多少のヤジも。
よくなりかけたルイズの機嫌も目に見えて悪くなった。
立場を分からせるという目的もあったが、ルイズはそれ以上に今のこの怒りをディディにぶつけようとした。
さあ、アンタは床で食べなさい!
しかし、再びあの空虚な思いがこみ上げてくる。服従を強いる言葉が出てこない。
一体これはなんなの? とディディに目を向けたが、当のディディはキョロキョロと辺りを見渡すばかりで
なにかをしている様子はない。仕方ないので、さっさと朝食を取る。
「あ、私はもう食べたから。」
と言って、ルイズが食事を取っている間、ずっとディディはニコニコと笑みを周囲に振りまいていた。
ルイズが感じたあの不思議な感覚が伝染したのか、食堂を出る時にはルイズとその使い魔を嘲りの目で見る者はいなかった。
「ああルイズ、私、授業を受けるのなんて初めてよ。」
「アンタはアッチよ!」
教室に入るなり、ディディは迷わず一番前の席に着こうとしたが、ルイズに命じられてしぶしぶ使い魔たちいる所に座る。
「使い魔が人間はないだろ…常考」
「流石ゼロのルイズ、俺たちに出来ないことを平気でやってのける! そこに痺れry」
ルイズとディディのやりとりを見て、またヤジが飛んだがディディは気にしない。
一方ルイズは自分の使い魔を自慢するキュルケと激しく言い合っていたが。
授業が始まって暫くするとミセス・シュヴルーズがルイズを名指しした。
「じゃあミス・ヴァリエール、ここはあなたにやってもらいましょう。」
「は、はい。」
ぎこちなく前に進み出るルイズ。途中でディディが「がんばって!」と声をかけた。クスクスと生徒達の何人かが笑い出す。
「うるさい!」と使い魔と級友たちを一喝し、大きく深呼吸する。そしていよいよ詠唱を始め……
「フフ、ゼロのルイズ、か。」
「うるさい! うるさい! うるさい! うるさーい!!!」
二人で仲良く?教室を片付ける。出来ることなら使い魔に全て押し付けたいルイズだったが
ディディ一人ではいつ終わるのか分からないので、仕方なく手伝っていた。
というか罰掃除はルイズに与えられたのだが。
「馬鹿にしているんじゃないわ。本当に素敵だと思っているのよ。」
「ゼロのどこが素敵よ! 魔法が使えないってことじゃない!」
「確かにゼロは『無』ということを表した数よ。けど、それでもゼロという概念は存在する。無いのに在る、そんな不思議な数。」
「ワケわかんない……。」
「ゼロだって在る事を表しているってこと。ホラ、私を呼んだじゃない、自信を持って。」
「出てきたのがアンタだから余計不安なの!」
「あら失礼ね、私は名前はディディ。ディはDiverse(色々な)のDよ。きっとあなたがその気なら何だって出来るわ。」
「他人事だと思ってるわね! 無駄口叩いてないでさっさと片付けてしまいなさい!」
片付けはもうしばらく終わりそうにない。
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