ローマ的『特質』
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576 :世界@名無史さん:2007/05/31(木) 20:38:32 0
『ローマ人の物語ⅩⅢ 最後の努力』で、
「コンスタンティヌスの行ったことは、ローマ的『特質』を完全に葬り去ったこと であった」
と書いているけど、キリスト教の教会組織はローマ的なのでは?
577 :世界@名無史さん:2007/05/31(木) 21:41:35 0
>>576 だから一神教に基く組織形態だもの。多民族の其々の神々を 認めているのがローマ的の最たるもの。専従職業神官がいない、 というのがローマの神々だって、やったよね?
578 :世界@名無史さん:2007/05/31(木) 23:33:42 0
キリスト教の教会組織はローマ的、という説はあるよ 帝政ローマの統治組織がキリスト教の教会統治システムに受け継がれた 本家のローマ皇帝はオリエント的専制君主になっちゃったけどね
579 :世界@名無史さん:2007/06/01(金) 00:02:04 0
塩野さんのいうローマ的『特質』は、結局「多神教」?
開放性うんぬんなら、ビザンツもイスラームも宗教の問題さえクリアすれば 異民族出身者も皇帝になれた。 あと、キリスト教は三代一神教のなかではかなり特異な希ガス。 ギリシア哲学の影響が強いし、マリアの処女懐胎の話もヘレニズム文化の影響だと いわれている。
580 :世界@名無史さん:2007/06/01(金) 00:39:03 0
>>579 ローマ教皇も「ポンティフェクス・マクシムス」だしね。 (余談。「大神祇官」という訳はおかしい。日本の律令では「神祇官」は役所の名前。 むしろ神祇官の長官である「神祇伯」のほうが訳語にふさわしい) これは塩野本にも出てくるけど、聖人というシステムでかなり多神教にも接近している。 もっとも、イスラムにも「神の友」聖者を認める宗派もあるので、完全な一神教って、 むしろ希なのかも。
インフレ
2ch
863 :世界@名無史さん:2006/12/29(金) 02:46:55 0
まぁ作家として書いてるわけで、 専門の人間からしたら異論もあるんじゃん 経済学をかじった身としては、通貨制度の記述が納得いかん
866 :世界@名無史さん:2006/12/29(金) 06:02:32 0
>経済学をかじった身としては、通貨制度の記述が納得いかん
具体的によろしく
890 :世界@名無史さん:2006/12/31(日) 08:48:47 0
>>866 コンスタンティヌスの時代のインフレについて書かれている辺りが納得いかん。 というか著者はインフレのことをよく理解せずに書いてるんじゃないかと思う。
長期的で大幅のインフレーションがおこる原因は、貨幣の増発しかないわけですよ。 それなのに彼女は経済の悪化が銀の含有率を低下させ、 その結果素材価格と額面価値が一致しなくなったからインフレになったと書いてる。
古代ローマの財政と貨幣鋳造の資料がないので断定は出来ないんですが、 インフレの原因は財政赤字だと思われます。 理由は、割愛しますけど、いつの時代も君主が頼りがちな シニョレッジ(通貨発行益)で国庫が運営されてたからかと。
さらに金貨で給料を貰える国家公務員と一般市民の差についても、 給与の支払い方法がインフレによって格差を生んだとしている。 けれどもインフレになれば、賃金や財・サービス価格も上昇するので、 受ける損害は給与の支払い方法では差はつかないわけですよ。 また、一般市民も金貨で決済をすれば、そもそも差は生まれないじゃないですか。
891 :Ryuju ◆RlujhF6VrA :2006/12/31(日) 12:30:30 0
>>890
金貨でも含有率引き下げ(→増発)やったんなら言いたいこと分かるけど、 そんな記述あったっけ? いや、ホントに銀貨だけ含有率が低下したんだろうか? 政府の支払いは金貨だったろうから、金貨を増発しなければシニョレッジにしても 効果は薄いと思う。
仮に銀の含有率だけが低下したのが事実なら、銀貨に比べて金貨の価値が相対的に騰貴し、 同じものが金貨なら一枚のままだけれども、以前は銀貨で五枚だったのに今は十枚いる という状態が起きたとも考えられるんだよね。 この場合、影響は決済が金貨か銀貨かでかなり違ってくる。
あと、こうなってから金貨で決済しようと思っても難しいと思う。 まず金貨を手に入れるのが大変だから。