濫読者の羅針盤 @ ウィキ
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#011 New Arabian Night / Robert Louis Stevenson
新アラビア夜話 / ロバート・ルイス・スティーブンソン
- The Suicide Club 自殺クラブ
- Story of the Young Man with the Cream Tarts クリーム・パイを持った若い男の話
- Story of the Physician and the Saratoga Trank 医者とサラトーガ・トランクの話
- The Adventure of the Hansom Cab 二輪馬車の冒険
- The Rajah's Diamond ラージャーのダイヤモンド
- Story of the Bandbox 紙箱の話
- Story of the Young Man in Holy Orders 若き聖職者の話
- Story of the House with the Green Blinds 緑のブラインドがある家の話
- The Adventure of Prince Florizel and a Detective フロリゼル王子と探偵の冒険
『宝島』や『ジキル博士とハイド氏』で有名なスティーブンソンの短編集。1882年に出版された The New Arabian Night は2巻本であるが、上記では1巻の内容のみを記載した。というのは、1巻と2巻はまったく別物だから。1巻の内容は1878年から "Later-Day Arabian Night" の題で雑誌に連載されたもので、基本的にはボヘミアの王子フロリゼルの冒険譚となっている。ミステリ、ではない。だがこれは読む価値はあると思うぞ。特に前半の自殺クラブ。
時は19世紀末、場所はロンドン。ボヘミアの王子フロリゼルは街で出会った青年から「自殺クラブ」の存在を教えられる。この世に、そして人生に飽いた人々が自分の生命をもてあそぶ場所。王子が乗り込んだ自殺クラブでは、毎夜一人の会員が死を迎えていた...
光文社文庫版『クイーンの定員』には自殺クラブの1だけが載っているのだが、この後会長の逆襲もあるのでぜひ続きを読んでみよう。
2007年9月6日、光文社古典新訳文庫から『
新アラビア夜話』の名で新約で刊行されました。
(以下は 2007/7/28 記述分)
とは言え...ないんだよね、本が。英米での評価はそれなりに高いと思うし、実際日本でも何度も翻訳されているのだが、現行本がない。 福武文庫か 講談社文庫の古本を探すのが一番でしょう。角川文庫版を探すのは難しいと思います。岩波文庫版の『新アラビア夜話』は「自殺クラブ」の2と「ラージャーのダイヤモンド」の1,2を翻訳しているのだが、なぜこんな中途半端な収録?ゆにま書房から オンデマンド出版で出ているのだが、収録作がわからない。まぁ多分「自殺倶楽部」3作は入っているだろうけど。でも高い...
(ここまで)
とは言え...ないんだよね、本が。英米での評価はそれなりに高いと思うし、実際日本でも何度も翻訳されているのだが、現行本がない。 福武文庫か 講談社文庫の古本を探すのが一番でしょう。角川文庫版を探すのは難しいと思います。岩波文庫版の『新アラビア夜話』は「自殺クラブ」の2と「ラージャーのダイヤモンド」の1,2を翻訳しているのだが、なぜこんな中途半端な収録?ゆにま書房から オンデマンド出版で出ているのだが、収録作がわからない。まぁ多分「自殺倶楽部」3作は入っているだろうけど。でも高い...
(ここまで)
一方、2巻の内容は 連載"Later-Day Arabian Night" とは全く別に雑誌に掲載された、独立した4つの話である。1巻は各話の最後のパラグラフでアラビア人の語り手の存在が示唆されているのだが、2巻にはそのような話の繋がりを示唆する記述もない。
以下、「定員」とは関係がないと思うが参考までに。2巻に収録されているのは次の4つ。
- The Pavillion on the Links 臨海楼綺譚
- A Lodging for the Night その夜の宿
- The Sire De Maletroits Door マレトロアの殿の扉
- Providence and the Guitar ベルトリーニ氏のギタラ
この4作は『臨海楼綺譚』のタイトルで角川文庫から出ていたが、絶版。現役の本で入手可能なのは2が国書刊行会
『書物の王国 芸術家』に収録あり。それから3が海苑社
『愛と皮肉の名作物語』に収録。あとは絶版しか見つからない。1940~60年代の本ばかり...
1については英語の対訳本が何度か出ているようだが、2006年出版のものも現時点で既に入手不可能。オンライン上に「砂丘の冒険」というタイトルで翻訳している(進行中)方がいるので、これに期待した方がよさそうです。
1については英語の対訳本が何度か出ているようだが、2006年出版のものも現時点で既に入手不可能。オンライン上に「砂丘の冒険」というタイトルで翻訳している(進行中)方がいるので、これに期待した方がよさそうです。