濫読者の羅針盤 @ ウィキ
QQ028
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nhoshi
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#028 The Adventure of a Journalist / Herbert Cadett
あるジャーナリストの冒険 / ハーバート・キャデット
- The clue of the finger-prints / 手がかりの指紋
- The reign of terror
- The incident of the spotted dog
- The Calthorpe diamonds
- A diplomatic leakage
- At the edge of the empire
- A matter of business
- The lost inspector
- A floral alibi
- The Whitefriars Bridge disaster
- The last edition
クイーンの解説によれば、1) まず史上始めてのジャーナリスト探偵 であり、2) フリーマンの「赤い拇指紋」よりも早く指紋をてがかりにした小説を書いた、とされている。でも指紋についてはクイーン自身が述べるようにトウェインに先例がある。じゃぁジャーナリストだというだけで定員に選ばれたのだろうか?理解に苦しむところである。しかもこの短編集についているマークは H,R の2つ。クオリティを示すQのマークがなく、単に歴史的価値のみが見出されているわけだ。ジャーナリスト探偵って...特筆すべきことだろうか?そんなら泡姫シルビアとかにはどういう反応を示したのだろうか?
Herbert Cadett についてはほとんど何もわからない。Worldcatで検索すると本書を含めて3冊の本が出てくるが、単独で書いたのはこれ一冊、らしい。
1は早川文庫『シャーロック・ホームズのライヴァルたち 2』に収録されている。非常に短く、あっさりとした短編。ジャーナリストとして登場した主人公ペヴァリー・グレットンは、なんと事件の関係者とは口をきくことすらしていない。事件→調査→解決でおしまいだ。なんてシンプルな。Qがついていない件については、私は納得です。『シャーロック・ホームズのライヴァルたち』という本自体は実に興味深い本ではあるが、この一編は取り立てて何か言うほどのものではなかった。