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宝石泥棒 4




人が寝静まる夜中。少女が1人立っている。その少女は軽々屋根の上を飛び、

町一番の大豪邸へと向かっていった───────




宝 石 泥 棒 4




「確か・・・ あそこでしたよねぇー。 警備員は・・・ 7・8人。

 ブス婦人の指輪を昼間にとられているのにも関わらず、少し少人数ですねぇ。」



あれ?ブーズだっけ?と首をかしげている少女は そう言って、

屋根の上を走り(飛び)続けていた。 どうやら、あの屋敷に侵入する模様だ。



ある程度 近くの位置まで来た時、  少女は 飛んだ。


警備員がざわつくのをよそに、その宝石泥棒は気の抜けた声でこう言うのだ。



「こんばんはぁー。汚れた宝石泥棒見参ですよぉ。

 宝石をお寄越しくださいー」



警備員が銃を抜いた瞬間、泥棒は爆弾を警備員の群れている場所に放り投げた。


ドォン ドゴォン・・



「宝石を渡してくれなければ・・

 そうですねぇ。

 貴方たちの綺麗な命を渡してくださいー・・」



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ドアを蹴破り、紅葉は叫んだ。



「敵襲ぅうううううううう!!!!!」



「ぎゃあああ! なんですか唐突に!! 敵襲って!あんた何言ってんですか!!」



楓は驚きながらも、紅葉に対してのつっこみを忘れはしなかった。


紅葉は、こう続けた。



「豪邸、ブーズ一家の屋敷が何者かに侵入されているとな。

 宝石泥棒と名乗っている、少女らしいわ。」



「・・・ぶ、部長・・ それって・・・!」



楓は目を見開いた。そして、紅葉と楓はドタバタと屋敷の方角に向かって行った。


宝石泥棒を捕まえるために。



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泥棒は、警備員を適度に蹴散らし、宝庫へと突っ切るのであった。

負けじと残っている警備員が抵抗するが、泥棒はそれを見ようともしない。

素早くその場を切り抜けるのだ。



パァンッ



「!」



すると その時、泥棒の足下に、一つの銃弾が打ち付けられた。

不意を付かれて立ち止まった。



「やっっぱり あんただったのねー。オセロ事件の時の宝石泥棒!!」


「抵抗せずに捕まりなさい!」



紅葉と楓が到着したのである。


そこで泥棒は顔を上げた。


「オセロ事件・・? あ、あのおじさんですか。1人将棋の。」



紅葉の眉がピクッとつり上がる



「てめっ・・・ 何で知って・・」



「だって私将棋の時もあそこに進入した泥棒なんですよー。

 あんな悲しそうに1人将棋をやっている叔父様を、忘れるわけありませんものー。」



きょとりとした顔で、いかにも当然と言いそうな泥棒をよそに、

紅葉はいらだちを押さえられないようだった。



「二度あることは三度ある・・・ってか。悪いが三度目は失敗に終わらせてもらうわよ。」



「あなたたちに私は止められませんよぉー。」



表情を崩さず、とぼけた顔ではっきりと言い切る泥棒。 そして、二回目の口を開いた。


「・・・ふぅ。それより。ブス婦人も手が早いですねぇ。

 もう貴方たちまで来てるんですか。うっとうしいにも程がありま・・・」


その言葉を遮るように、紅葉は泥棒に向かって叫んだ。



「ブーズ婦人じゃこのクソアマァアアア!!!

 あんたどんな間違いしでかしてるの!!どうしたらそんな可哀想な名前を思いつくの!!

 こんな事聞いたらあのブスババァあんたをただじゃ置かないわよ!・・・あっ やばっ。」



「部長?あれ?部長? 今行った?ブスババァって言いましたよね?ただじゃ済みませんよ?」



楓が冷たい目で紅葉を見つめている。



「ん・・・・んなこと言ってないわよ! ごほんごほん

 ・・・そ、それより宝石泥棒、今すぐ手錠に腕をはめなさい。

 さもなくば・・ 私の銃が火を噴くわよ・・・!」



紅葉はわざとらしい咳払いをした後、目線を泥棒の方へと向け直し、銃を向けた。


楓と同様、紅葉を冷たい目で見ていた泥棒は、その目を戻さずにこう言った。



「・・・正直な人ですねぇー。 さてさて。警備員の人数も増えてきましたし、

 私、早めに盗まないとぉー。」



「てめぇ・・・ 目と鼻の先に警察官が居るにも拘わらず、まだそんな事をほざくか。」


紅葉は銃の引き金に手を付けた。

その時、泥棒が上に何かを放り投げた。



「じゃ!私急ぎますのでー。お大事にっ。」



紅葉と楓の上から、前と同じ爆弾が降ってきた。



「んなっ!? また!?」



ドォン ドゴッ ドゴォオオ・・・ 


後ろの爆音を聴きながら お大事にと言い残した泥棒は 奥へ奥へと走り進んで行った。











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